鯉の滝登り

好きなものを、好きなように、好きなだけ。

UNISON SQUARE GARDEN - TOUR 2021-2022「Patrick Vegee」@東京ガーデンシアター

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10月から始まったこのツアーもついにファイナル。東京ガーデンシアターに行ってまいりました。

 

関東各公演のレポはこちら

▼埼玉

▼千葉

▼神奈川

▼群馬

 

 

今回はBブロック前方田淵さんゼロズレのお席。ガーデンシアターでこんなに前なの初めてで(いつもFC先行で4F席の民)、ようやく慣れてきたガーデンシアターも景色が違って見えました。Xブロック引く人々の運凄いなー。

珍しく5分押しでVINTAGE ROCK若林さんからアナウンス。

 

 

1曲目に"Simple Simple Anecdote"置くセトリ、めちゃくちゃ天才だな〜。冒頭の弾き語りも斎藤さんの才能に全振りしたアレンジでしたね。今日はフレーズの切れ目で少し溜めてました。

 

「ようこそ!」に間髪入れず"Hatch I need"。イントロでスモーク焚かれすぎてもくもくしてた斎藤さん。貴雄ちゃんに至ってはもはやお姿見えてない。本日も「YO!YO!」してました。ラップっぽかったり、かと思えば囁く感じだったり。ツアー初日と比較して垢抜けたなと思う一曲。


続けて"マーメイドスキャンダラス"。どの公演も共通でこの曲の照明が好きだったのですが、やはりガーデンシアターの照明力は凄いです。Aメロ後半のドラム、纏う殺気とは裏腹に爽やかな手さばきで見惚れました。


"Invisible Sensation"、この時代に書かれたわけじゃないのに今を生きる我々に刺さるというのが本当に...セトリ入りするべくして入った楽曲ですね。2Aの田淵さんのグワングワンな動きがいつもより凄くて笑ってしまいました。楽しいね。最後の方貴雄ちゃんスティック回ししてたの今日知りました。

 

斎藤「改めましてUNISON SQUARE GARDEN です、こんばんはー。全20公演?かな?間違ってたらごめんなさい、そのツアー最終日です。我々2020年に『Patrick Vegee』っていうアルバムをリリースしたので、お待たせしてしまって申し訳ない気持ちもありつつ、その間にアルバムをたくさん聴いてもらって皆さんしっくりきてることと思います...が、今日はそのイメージを全部ぶっ壊していきたいと思いますので最後までよろしくお願いします!」

 

やはりこのMC直後のブロックにアルバム曲が一つも無いのは意図的なんでしょうね。"フライデイノベルス"、イントロや間奏などのダッダッダ「ダッ」ダーで田淵さんがベースのネック上げるのめちゃくちゃ好きです。

《埃、塵、塵と来て次はなんざましょ》が「CHILI CHILI」でチャラくて良。

 

"カラクリカルカレ"来る度にこのツアーライブハウスでも見たかったな〜!となりますね。3月にENCOREお願いしたいです...

この曲、配信除けばACCIDENT CODE "R"以来だったかな(違ったらごめんなさい)...コーラスがないリズム隊お二人各々の強さと斎藤さんのギター(特に間奏すごい)、歌声で圧倒されました。


「新っ曲!」、"Nihil Pip Viper"。《愛嬌ダンスは気持ちが何より ニュージャージーみたいなポーズで》の裏で鳴ってるベースがめちゃくちゃ好きで、"シュガー〜"のAメロのベース(こちらも愛してやまない)と似た空気を感じてます。

そういえば《Ah get on top》〜《やかましいのがいいのです ever!》まで若干BPM落とすのって他の公演でもやってました?あれ良かったな〜


"Dizzy Trickster"はイントロのコードが好きなんですけど、それすら冷静に聴けないくらい嬉しかったですね...。MODE MOOD MODEツアーの時はENCOREも含めてBメロのコーラス高低差〜と思ってたけど今ツアーは全然気にならなくて、コーラスも進化してるんだなと感慨深くなりました。

曲直後の「サンキュー」は公演によっていろんな言い方してました。

 

"摂食ビジランテ"。アルバムでもそうだけどライブとしてもこれはメインディッシュだったのでは。ギター弾き始める前斎藤さんが何度も息吐いてはギター構えを繰り返していて緊張感が凄かったです。

そしてまた書くけどサビ前の声の歪ませ方最高です。もうあれがないと物足りなくなってしまった。ライブ映えの予想を更に超えてくるアクト、素晴らしいです。

 

"夜が揺れている"、照明まで若干揺れていて思わず見入ってしまいました。

後半の貴雄ちゃんの畳み掛けは本当に凄いな...舞洲で「ドラムはあくまでも料理における器のようなもので、それ自体は評価されない」というようなことを仰っていたけど、御本人がそれをどんどん覆していますね。


最後の《「ありがとう」「バイバイ」》の切なさを引き摺るように"夏影テールライト"。この曲も披露し始めの頃は音の物足りなさを感じていたけど、聴き慣れてきたことを除いても音が豊かになったなと思います。サビのメロディとコーラスが本当に綺麗。


聴き覚えのあるオケアレンジから"オーケストラを観にいこう"。あのオレンジの背景は何回観ても感傷的になりますね。落ちサビで手隙になる貴雄ちゃんにいつも注目しているのですが、今日は指揮者になってて良きでした。あのバージョンが一番好きです。


"Phantom Joke"のビッグシルエットが本当にかっこよくてお写真か円盤かどちらかに必ずおさめてほしいなと思っています。あんなに難しそうなPhantom Jokeが当たり前のように完成されているの強すぎて笑う。

 

ドラムソロ用に一度明るくなった照明を右手で抑える仕草3回くらいしてた貴雄ちゃん。照明に合わせて無理に始めないのも、その意図を汲む照明さんも素晴らしい。

映像化の際、立ってる貴雄ちゃんは全身ショットでお願いします...

 

セッションからのランダムキメ打ち、ラストの5がちょっと遅めのカウントなのズルだろ〜!と思ったけど、斎藤さんも田淵さんもちゃんと合わせにいっててさすがでした。

 

貴雄ちゃんの「セカイハファンシーワンツッスリッフォッ!」から"世界はファンシー"。田淵さんのイントロムーブ本当にセンスの塊(諸説あります)。今日はAメロの《殴って殴って泥沼》の「ま」の抜き方が好きすぎたので早く音源聴きたいです。


"スロウカーヴは打てない (that made me crazy)"。今ツアーは冒頭のアーが歪まなくなってたので安心して聴けました。高崎のとき「イントロの乗り方斎藤さん(裏)と田淵さん(表)真逆だったって書いたけど今日は同じでした。

間奏のギターアレンジ、ツアーの目玉の一つだと勝手に思ってました。毎回何が繰り出されるかわくわく。


"天国と地獄"、やはり田淵さん間奏足上げしてなかった...ハンドスプリングと同じで「必要なくなった」って感じなのかしら。セッション集が欲しいのとほぼ同じ気持ちで「(オンザベースと)オンザドラム」パターン集欲しいなと思ってます。


"シュガーソングとビターステップ"。ガーデンシアターの床がめちゃくちゃうねっててちょっと酔いそうになりました。思わず東京にこんな幸せな場所があるのね...という気持ちに。

久々に斎藤さんのワーミー肉眼で観たけど、爪先で意外と軽いタッチでした。

貴雄ちゃん立ち上がったりスティック回したりでかっこよかったな〜


「ありがとうございました、ラストっ」で"101回目のプロローグ"。ツアーで一番育ったのは間違いなくこの曲。埼玉公演からすぐ修正して仕上げてくるのはさすがのキャリアと意地。

斎藤さんのアカペラ、以前は大切な日にしか聴きたくない、あまり安売りしないで欲しいと思っていたけど、最近は美しすぎて繰り出さないと勿体ないなと感じるようになってきました。

 

 

一度はけてアンコールへ。斎藤さんダッシュで出てくるのブームなのかな。ギター調節して独り言で「いーよっ、よっ、よっ、ふふっ」て自分で笑っちゃってて可愛い。

 

斎藤「アンコールありがとうございます!今日でツアーが終わって寂しいような気持ちと、安心してるのと半々です。

最近思うことがあって、我々のこれからのモットー(「目標」だったかもしれない)というか『こうありたい』というのがあって、それが『当たり前にライブを続ける』。もちろんライブ絶対やっちゃダメって言われたら「ンア゙ッ(肘で避けるような仕草)ってやってまでやろうとはしないけど。でもマナー守ってこうやってマスクして声を出さなくてもこんなに楽しいライブができることはわかっているし、こんなに楽しいことを手放すわけにはいかないから...ライブの楽しさはライブでしか埋まらないからね。

あの、意固地になってやってるわけでは全然なくて、僕らは楽しんでやってるので。そんなに厳かに聴いてもらわなくても大丈夫です。

また感染者が増えてきてライブに来ない判断をした人とか親に来るなって言われて来られなかった人がたくさんいるのもわかってて、そういう人たちがいつかライブに来られるようになった時に当たり前にライブを続けていけたらなと思うんですね。

そうやってライブを続けるためには新曲が必要なんですが...4月に超絶...超絶.....超絶怒涛の.......超絶怒涛のって言ったら絶対あの人が浮かんじゃう...あの〜...超かっこいい新曲が出ますので。それ以外にもまたいい曲たくさん作って、東京のみならず色んな場所で演奏出来たらなと思います。今日はありがとうございました。

アンコール行きます!」

 

"crazy birthday"。いつの間にかフード被ってる貴雄ちゃん。フードの縁がゆるく波打ってて、見える見えないギリギリのラインに仕立ててもらってるんだろうなとほっこり。イントロでブンブン腕回す田淵さんも健在。

この曲だったと思うけど斎藤さん前に出てきてソロ披露。手以上に顔がうるさくて最高でした。


"オトノバ中間試験"。アンコールで聴けて本当に良かった...まだ音源化されていない時代から我々は数多のオトノバを目撃してきていますね.....毎回パブロフでぶち上がっちゃうからほとんど記憶はないですが...

前二人向き合って楽しそうでした(多分)。斎藤さんから仕掛けにいってました。

 

そして"春が来てぼくら"。シングルベースでいうと世に出てもうすぐ4年経つんですよね。幾度もライブの最後を彩ってくれているんですね...

彼らが選ぶ「間違ってないはずの未来」だからついて行こうと思えます。

 

 

 

ツアー完走お疲れ様でした。1公演も飛ぶことなく開催されたのが何よりの喜びです。御三方とクルーの皆さんが健康にツアー回ることが一番の願いですので...

 

我々にできることはガイドラインを毎回しっかり読むとか、日々の行動に気をつけるとか、来場者登録は事前にしっかりしておくとか、複数人で来ても会場内では話さないとか(全部一人で行きましたが)、そんな小さなことばかりでしたが、完走の一助となれたのであればとにかく安心の一言につきます。

 

 

以前田淵さんが「UNISON SQUARE GARDENはライブがないと集まる理由がなくなってしまう」みたいなことを仰っていたので、これはオタクの過大解釈ですけれど、UNISON SQUARE GARDENとして大きい音を鳴らし続ける覚悟(そんな大層なものじゃないと言われそうですが)を示唆してくれて思わず安心してしまいました。100%確かなものなんてないけれど、少なくともこちら側がする心配なんてなくて、余計なことを考えず刮目せねばですね。客のためではなくあくまでこちら側の理想体として、というのがなんとも彼ららしいですが。

 

 

ロックバンドが歩みを止めないでいる限り、今回各公演で参加を諦めた人々の想いもいつか必ず報われるものと信じています。

 

 

1/26 UNISON SQUARE GARDEN - TOUR 2021-2022「Patrick Vegee」@東京ガーデンシアター

1.Simple Simple Anecdote
2.Hatch I need
3.マーメイドスキャンダラス
4.Invisible Sensation

5.フライデイノベルス
6.カラクリカルカレ
7.Nihil Pip Viper
8.Dizzy Trickster

9.摂食ビジランテ
10.夜が揺れている
11.夏影テールライト
12.オーケストラを観にいこう
13.Phantom Joke

14.ドラムソロ~セッション
15.世界はファンシー
16.スロウカーヴは打てない (that made me crazy)
17.天国と地獄
18.シュガーソングとビターステップ
19.101回目のプロローグ

en1.crazy birthday
en2.オトノバ中間試験
en3.春が来てぼくら

 

 

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UNISON SQUARE GARDEN - TOUR 2021-2022「Patrick Vegee」@高崎芸術劇場

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年が明けて約3週間、「2022」という響きにも慣れて来た頃でしょうか。

 

個人的ライブ初めはやはりUNISON SQUARE GARDEN、ということで群馬県高崎市「高崎芸術劇場」に行ってまいりました。

 

 

昨年のPatrick Vegeeレポはこちらから↓

 

 

さてこちらの高崎芸術劇場、筆者となかなか縁がなく、毎回ちょうどタイミング悪く予定が入って足を運ぶことが出来ておりませんでした。そしてなんと今回も資格試験とブッキング...!

 

 

しかしどうしても行きたい筆者、資格試験の受験地コードを「高崎」にし、どちらも諦めずに済むことを思い付いてしまいました。

 

 

UNISON SQUARE GARDENチームより早い高崎入り。

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遠征を暫くしていなかったので「えきねっと」の画面見ただけで感極まってしまいました。

 

 

さて試験の話はこのあたりで。本日の会場・高崎芸術劇場ですが、高崎駅東口から真っ直ぐ歩道橋がのびていて、文字通りの「直結」でした。いつも西口に用があったので、こんなに綺麗に整備されていたのは知りませんでした。

 

歩道橋降りて下から見ると立川駅前さながらの雰囲気。

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10分ほど歩くと見えてくる芸術劇場。

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外観がすごく綺麗なのですが、写真に収まりきらないサイズ感。

 

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Charさんのポスター発見!

 

 

そういえばちょっと余談なんですが、群馬県の人々はSuicaか現金払いの人が多いんですかね...?筆者はICのメインカードがPASMOなので、JRが強い土地(東日本)は決済手段としてもSuicaが強めなんだな〜と何となく思いました。最近都内から出る機会があまりなく、こういう特徴とか発見するのわくわくしてしまって...すみません。

 

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念願の「はらっぱ」で腹ごしらえして、いざライブへ!

 

 

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今回FC先行で1F20列前後のお席だったのですが、めちゃくちゃ見やすい...!本日も座席は全て使用。

 

定刻でフォールーラーの長谷川さんからアナウンス。こういう世の中になってから若林さん以外の方のアナウンス聴くの初めてだったことに気付いて驚きました。そもそも以前はアナウンスなんてなかったですね。

 

 

前回の参加から時間が経っていたのでセトリも曖昧な記憶で臨めたのがむしろ良かったかもしれません。

"Simple Simple Anecdote"のアカペラからこの会場の響きの良さを思い知りました。もちろん斎藤さん自身のお声の強さもあるんですが、すごく綺麗に響き渡る会場だなと。

 

斎藤さんの「ようこそ!」から"Hatch I need"。イントロのベースたまらんですね。年内よりBPMやや早めになっていたような...?

Bメロの治安の悪さは健在。《漸う白くなりける次第に》のところ、書くならば絶対「YO!YO!」でした。


"マーメイドスキャンダラス"への入りのタイミングだけはアルバムを踏襲しているなと感じました。順番を強く意識した「Patrick Vegee」の中でもここは特にポイントですからね...

いつもよりサビのベースが濃く感じました。あと毎回思うけれど2Bのドラムの刻みが天才。


"Invisible Sensation"、斎藤さんの感情の入れ方が凄かったです。この曲に限らずだけれど、そもそも難易度が高く情報量の多いユニゾンの楽曲に感情をのせて歌いこなすって、本当に斎藤宏介さんにしか出来ない域に来ているのでは...?

 

斎藤「改めましてUNISON SQUARE GARDENですこんばんは〜」

(ロング拍手)

斎藤「作文20枚くらいの想いが皆さん一人一人から刺さってくるみたい笑。いや〜ありがたいことですね。

2022年になって、このPatrick Vegeeというアルバムは2020年にリリースしたのでちょっと時間経っちゃったんですけど、その間皆さんがじっくり聴き込んでくれたものを今日はぶっ壊していきたいと思います!」

 

アルバムについて話すMCの直後に"フライデイノベルス"持ってくるセトリ、何回体験しても笑ってしまう。意図的なんでしょうか。何回体験してもシリーズで言うと、サビの田淵さんの首コテコテは永遠にキュート。《たたた大変だってふためいた》の斎藤さんの歌い方、「た」と「だ」のアクセントが強くて良きです。

 

"カラクリカルカレ"、やっぱり本編だとイントロで一番興奮する曲かもしれません。この曲は貴雄ちゃんのドラムさばきばかり見てしまいます。頭振り乱しながらも正確に刻んでいく様が芸術的で...めちゃくちゃかっこいい〜〜〜!


"Nihil Pip Viper"。「新っ曲!」の掛け声すらツアー終盤になると心地よい違和感になりますね。お二人の《make me hazy この際》のコーラス聴いているとずっと声出し無しでいいと思ってしまいます。

このツアーもライブ音源が出るだろうと思うので本当に楽しみです。これからもたまにはタイアップなしシングル出してほしいな...なかなか難しいかもしれませんが。


"Dizzy Trickster"。MODE MOOD MODEツアーの時のことを思い出してたんですが、この曲セッションが付いてたんですよね。今回は音源通りイントロから入るのでより心にずしっと来るというか、あの時を思い出せ!って蹴り入れられてるみたいでだいぶ感傷的になってしまいました。

 

"摂食ビジランテ"。毎回書いてるけどサビ前のメロディーの上げ方、続けてくれてありがとうでしかないです。あの歪みが今ツアーベストアレンジだと思います(個人的に)。

2番の斎藤さん×貴雄ちゃんのところもなかなか痺れました。

 

"夜が揺れている"は前の曲の照明が赤ベースだったところから一気に青っぽくなるのが好きです。貴雄ちゃんの気迫毎回凄すぎる。自分がもしドラムをやっていてユニゾンをカバーするとなっても絶対この曲は選ばないですね。あれは無理です。本当に現代のサムライドラマーですわ...


"夏影テールライト"、podcastでafoc佐々木さんが仰っていたようにスリーピースではコーラスすら楽器になることを示した楽曲だと思うのですが、それに斎藤さんの抑揚も乗って本当にバンドとしての強さをより強く感じています。リリース当初は儚さが好きだったけれど、最近は自分の中でこのロックバンドの実力を認識する楽曲になってきました。


"オーケストラを観にいこう"、これも何度も言いますけど本当にズルですよね。落ちサビで田淵さんが下手寄りうろうろしてたんですが、そのときのシルエットが本当に素敵で。直後のジャーンは相変わらず斎藤さんとシンクロ。


"Phantom Joke"のビッグシルエット、曲の雰囲気とも合っていて「圧倒的」の象徴って感じで毎回鳥肌立ちます。物語がゴミになrダーダッダダが一生好きです。あと今ツアーのアウトロ、三銃士感あって最高。

 

ドラムソロ、貴雄ちゃんが最初調整してるっぽく見せて(本当に調整してた?)、ピンスポ当たったら徐々にソロに入ってく感じが良かったです。ここ数年のドラムソロって斎藤さんの振りがあって始まっていたので、やっぱりぬるっと入っていくスタイルは未だに新鮮かも。ドラマーにかける言葉じゃないかもしれないけれど、立ってる貴雄ちゃんの色気がえぐい。

 

セッションからのランダムキメ打ち、今回1が多くてハイスキルの照明さんすらついていけてない部分がありました。あれ合わせるのめちゃくちゃ緊張するだろうなあ。

 

貴雄ちゃんのカウントから"世界はファンシー"。なんであの言葉量に感情乗せられるんですか??Aメロの手の動きがうるさいのも一興。


"スロウカーヴは打てない (that made me crazy)"。イントロの乗り方斎藤さん(裏)と田淵さん(表)真逆だったなあ。この曲以外でもたまにあの現象起こるけどシンプルにギタリストとベーシストの違いなんですかね。イントロに限って言えば筆者は斎藤さんの拍の取り方と被ることが多い気がします。

間奏のギターアレンジ、毎回楽しそう。


セトリ忘れてて「最近フェス行けてないし"天国と地獄"聴きたいな〜」なんて呑気に考えてたら入ってた!!!大変失礼しました。田淵さんついに間奏足上げしてなくてめちゃくちゃ寂しかったので早めの復活希望します...


"シュガーソングとビターステップ"。Aメロの歌い方いつもよりラッパー感あって好きでした。

間奏でなぜかアコースティックライブのあれを思い出してしまって、脳内で「チュクチュクチュク」「ンマ〜〜〜」「ア〜〜〜⤴︎」って鳴ってて辛かった。あれ必ず生で見たいのでよろしくお願いします。


本編ラストの"101回目のプロローグ"。斎藤さんアカペラ、最初と最後のフレーズ以外マイク通さなくなったのいつからですか?!?!?びっくりしちゃったし芸術劇場の響きが良すぎるし、何より斎藤さんの綺麗な歌声がダイレクトに耳に入ってきてさすがに涙目でしたね。最近マスク越しにしか人の声を聴いていないので、余計に直の歌声が響いてきたのもあったかもしれません。

ツアーで曲が育つというのはこういうことなんだろうな、という完成度。複数公演行きたいのはやはりこれがあるからというのも理由の一つです。

 

 

一度はけてアンコールへ。

斎藤「今回のツアー、全20公演だっけ?」

(田淵さんゆっくり首傾げる)

斎藤「笑。久々に長いツアーを回らせてもらってて。で今回一応セミファイナルということで...セミってね、こう裏返ってるときに突然ミィィィィィン!ってなるじゃないですか。あれセミファイナルって最初に名前つけた人天才だと思う。...どうしても言いたかった笑。

最近またコロナの感染者も増えててライブに行きにくくなってるけど、こうやって我々がライブ続けられるのはやっぱりルール守ってやってるからだと思います。皆さんがちゃんとマスクして、声出さないようにして...そういうことの積み重ねでこれからもライブが続いていくと思うので。4月にめちゃくちゃかっこいい新曲も出るし、新曲他にも沢山作ってるので、楽しみにしていてください。今日はありがとうございました。

じゃアンコール、セミみたいにおっきな声で歌いまぁす!」

 

セミのような大きな声で"crazy birthday"。なんか今日の斎藤さんはラッパーみが強かったな。2Aのドラムの打ち込みがめちゃくちゃ攻めてて良かったです。


これだけは来るのわかってるのに喜びを止められない"オトノバ中間試験"。間奏のアレンジでちょっと不安になってる自分がいて笑ってしまいました。あの部分、貴雄ちゃんにはドカドカ叩いていてほしい。

サビ前のパターンの違いをこれからも愛していくぞ〜!筆者はラスサビ前が1番お気に入りです。


"春が来てぼくら"。全ズルを詰め込んたラスト。本当にいい曲ですよね...特に書くことはないです。各々の心の中で大切に受け止める何かがあったはず。

 

 

いろんな意見があることをよく理解しているからこそ、誰かを否定するのではなく自分たちのやっていること(ライブをすること)を肯定しながら進んでいくロックバンド。今年も彼らの足取りを陰ながら応援していきたいと思います。

 

 

また雲行きが怪しくなってきた世の中で、御三方やスタッフの皆さんが健康でツアー完走してくれることを心から願っています。明後日はいよいよファイナル。

 

 

1/23 UNISON SQUARE GARDEN - TOUR 2021-2022「Patrick Vegee」@高崎芸術劇場

1.Simple Simple Anecdote
2.Hatch I need
3.マーメイドスキャンダラス
4.Invisible Sensation

5.フライデイノベルス
6.カラクリカルカレ
7.Nihil Pip Viper
8.Dizzy Trickster

9.摂食ビジランテ
10.夜が揺れている
11.夏影テールライト
12.オーケストラを観にいこう
13.Phantom Joke

14.ドラムソロ~セッション
15.世界はファンシー
16.スロウカーヴは打てない (that made me crazy)
17.天国と地獄
18.シュガーソングとビターステップ
19.101回目のプロローグ

en1.crazy birthday
en2.オトノバ中間試験
en3.春が来てぼくら

 

 

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fun time COUNTDOWN 2021-2022(UNISON SQUARE GARDEN×女王蜂)

年末年始、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

筆者は昨日くらいからようやく年越し感が押し寄せています。大晦日はまず紅白観ました。マツケンサンバⅡと藤井風さんが本当に最高でした...

 

 

そして22:30からはUNISON SQUARE GARDENと女王蜂の対バン配信に移動。2015年のDI:GAに思いを馳せながら。

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対バンだから前半女王蜂、後半ユニゾンかな〜なんて考えていたら見事に裏切られた。お互いのステージが向かい合っていて、それぞれ相手ステージの上手側から自分のステージへ、すれ違うように同時入場。斎藤さんとアヴちゃんがすれ違う足元のショットかっこよかった。

 

しかも初手ユニゾン。"Catch up, latency"、いつ聴いても好きなのにいつ聴いても苦しいんだよな。これを1曲目に持ってくるとは...

斎藤「fun time COUNTDOWNへようこそ!」

 

 

画面は切り替わって女王蜂。アヴちゃんの後ろ姿が照らされ、振り返って"雛市"。ライブの時はいつも《僕は一晩》の方で歌ってるのかな。このフレーズ違うだけで全然印象変わって聴こえた。

 

続けて"火炎"。横揺れするやしちゃんのスカートが綺麗で、よく見たら裾のデザインがめちゃくちゃ可愛かった。この曲好きなんだよな。アヴちゃんの舞にぶち抜かれた。

 

"夜天"の堕天バージョン。どっちも好き。ここから"BL"の繋ぎ、めちゃくちゃ痺れた。ロックバンドのボーカルに使う言葉として適切かわからないけど、アヴちゃん表情管理完璧すぎん???そして舌なめずりありがとうございました...

 

 

またユニゾンに戻って"君の瞳に恋してない"。希望と絶望の高低差で耳キーンなる。この差は意図的な気もするし、ユニゾンが徹底して希望を謳ってきたバンドだからこそ生まれる自然な対照性でもあるんだろうな思う。それがロックバンドとしての「正しさ」では無いとしてもね。

斎藤さんのソロ、下からのショット強いなー。

 

"シャンデリア・ワルツ"。対バンに対する喜びとメラメラが入り交じってて普段のライブとはまた別の種類の輝きが加わってた。貴雄ちゃんスティック回し多め。

 

"cody beats"、もはや「いいんですか...?」という気持ちにすらなる。逆にこれだけ長く応援していてこんなに新鮮な気持ちで聴けるのも不思議。

 

 

貴雄ちゃんのカウントから"催眠術"、女王蜂のターンへ。この曲絶対にライブハウスで聴きたい。「カモンやしちゃん」「カモンルリちゃん」の振りがベタついてなくて、めちゃくちゃあっさりしていて好み。

 

アヴちゃんとの対談で田淵さんがMVを褒めていた"KING BITCH"。そう、あの対談色んな人に見てほしい。お互いへのリスペクトも感じられるし、アヴちゃんの言葉選び(選んでいるというより内側から湧き出てくるような)が最高だった。「ユニゾンが後ろ手に花束隠してる」っていう解釈素晴らしすぎる。

 

"PRIDE"始まりの雄叫びかっこよすぎた。声色の使い分けも賢さを感じる。これはアヴちゃんにしか歌いこなせないわ...

 

アヴちゃん「ありがとう。UNISON SQUARE GARDEN、誘ってくれてどうもありがとう。行くよ!」からの"HALF"。脳天ぶち抜くジェスチャーとイッちゃってる表情、仰け反り曲線の美しさが頭から離れない。

 

女王蜂に「捕食」されたようにUNISON SQUARE GARDENが繰り出したのが"Own Civilization (nano-mile met)"。"エアリアルエイリアン"よりもお蔵入りすると思っていたから嬉しい。このグランジっぽい雰囲気も、女王蜂との対バンだからこそ引き出される薄汚さみたいなものがかっこよかった。

 

"パンデミックサドンデス"。赤照明のイメージがあったから、青・緑っぽいのがまた新しくて良かった。あと未だに納得できない《瞑想中で迷走中でmain soulは宇宙》。

 

そして完全伏線回収の"マスターボリューム"、ありがとうございます。田淵さん、珍しくセトリ組み乱されてるなあ(それもまた一興)。この曲に限らずだけどアクト全体通して齋藤さんの表情や視線の治安が荒めで痺れた。

 

 

暗闇で薄らアヴちゃんが微笑んで、"Q"。令和にこの曲が聴けるの本当に凄いな。胸が苦しくて、でも目を逸らしちゃいけないという気持ちになる。言葉の強さだけじゃなくて、ちゃんと歌や音楽の強さで訴えてくるのが刺さる。

 

続けて"十"。女王蜂のセトリ9,10曲目に"Q"と"十"が入ってるの意図的なんだろうな〜こういうの本当に好き。《身体が十字架》って重い言葉だなと思いつつ、みんなそれぞれの業に対して磔になっているのかもなあと。

 

アヴちゃん「今年最後の曲です。ありがとうございました、女王でした。"Introduction"」

最後に"Introduction"、始まりの予感。覚悟の音、しかと受け止めた。

アヴちゃん「3月3日、日本武道館、女王蜂単独公演『犬姫』、開催いたします。ぜひもうまた来年、お会い出来ますように。良いお年を!」

 

戻ってユニゾンはセッションからら。"Introduction"のリフを織り込んでいて、ユニゾンなりの敬意と愛情が感じられる。

弾けるような笑顔でオンドラムスタカオスズキ。この人色んなことやってるのにちゃんとドラマーとしてスーパーミュージシャン度を更新し続けているのが凄い。

 

3人の音が重なったと思えば"徹頭徹尾夜な夜なドライブ"。歌い出しで爆笑してしまうのはもはや条件反射みたいなものなので許してほしい。

照明が赤プラス青(=紫)なのは安定。《1ページ》のウィスパー混じりの発声良かった。

 

"シュガーソングとビターステップ"。イントロで田淵さんカメラにサービス。いい表情するなあ!いつもより感想のミックスがくっきり聴こえた気がした。

やっぱりこの曲こそUNISON SQUARE GARDENの希望や多幸感の象徴みたいなところはある。年の瀬に聴けて良かった。

 

斎藤「良いお年を」

ラスト。向かい合って「あのセッション」からセンチメンタルピリオド。いつもずるなんだよな。2Aのボーカルの響き方がグッときた。田淵さんと斎藤さん向かい合うところも最高。

 

 

 

いやー、素晴らしかったです。向かい合って数曲ずつやる対バン、とても良かった。出来ることならあの間に挟まって見たかったくらい。

 

UNISON SQUARE GARDENも女王蜂もMCが少なくて余計なものがないアクトを追求しているというのは共通だけど、ユニゾンは配信で見てもやはり真っ直ぐライブやってるな、という感じ。3人だけの箱庭ででかい音鳴らしてそれがシンプルにかっこいいというロックバンド。

一方女王蜂はライブというよりショーに近いような、対談で田淵さんも仰っていたけど本当に映画みたいだった。配信ライブでもまるでMVを見ているかのようで、「映像」という意味では得意分野だったんだろうな、という感じがする。

 

あとは当たり前かもしれないけどお互いが表したいものは違うし、それぞれの表現はそれぞれにしか出来ないんだなとも思った。どこを取っても希望が見えるのはUNISON SQUARE GARDENにしか描けないし、綺麗事だけじゃない魂の叫びは女王蜂にしか映せない。まるで背中合わせみたいで、双方の魅力がより引き立った配信だった。

 

筆者はハッピーエンドが好きなのでユニゾン派と思っていたけど、それを凌駕する女王蜂の生き様を見せつけられて、最高の気分です。ちゃんとワンマン行かなくてはね。

 

UNISON SQUARE GARDENは2022年の活動が発表されましたね。やっとfun time HOLIDAY8!4/1はvs.女王蜂@札幌!そしてシングルツアー!今年も馬鹿みたいな本数のライブに行くのが目標です。

 

 

12/31 fun time COUNTDOWN 2021-2022 セットリスト(usg=UNISON SQUARE GARDENqb=女王蜂)

usg1. Catch up, latency
qb1. 雛市
qb2. 火炎
qb3. 夜天(堕天ver.)
qb4. BL
usg2. 君の瞳に恋してない

usg3. シャンデリア・ワルツ
usg4. cody beats
qb5. 催眠術
qb6. KING BITCH
qb7. PRIDE
qb8. HALF
usg5. Own Civilization (nano-mile met)
usg6. パンデミックサドンデス
usg7. マスターボリューム
qb9. Q
qb10. 十
qb11. Introduction
(usg セッション〜ドラムソロ〜セッション)
usg8. 徹頭徹尾夜な夜なドライブ
usg9. シュガーソングとビターステップ
usg10. センチメンタルピリオド

 

 

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和田誠展に行ってきた

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東京オペラシティアートギャラリーで開催中の「和田誠展」に行ってまいりました。

 

 

2019年にこの世を去るまでイラストレーター、グラフィックデザイナーとして様々な作品を残された和田誠さん。アニメーション作家、編集者、映画監督、エッセイスト、作詞・作曲家等、多彩な顔を持つ人物でもあります。

 

そして家族も個性的。妻は料理愛好家でシャンソン歌手の平野レミさん、長男は筆者の大好きなバンドであるTRICERATOPSのギターボーカル・和田唱さん、次男は株式会社remyを立ち上げた和田率さん。唱さんは上野樹里さんと、率さんは料理研究家和田明日香さんとそれぞれご結婚されています。

 

 

さて今回の展示、和田誠さんが手掛けたおよそ2,800点(!)の作品や資料を公開しており、それらを30のトピックスに分けて紹介されていました。

 

入場してすぐ左の展示室には和田さんが描いた似顔絵がびっしりと並んでいました。

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和田さんの年表とともに。平日の昼間でも沢山の人々が訪れていて、彼の偉大さを改めて思い知りました。

幅広い世代に愛されている理由の一つとして、長期に渡って担った仕事が多いという点が挙げられると思います。この展示室の次の部屋がまさにそういったカテゴリーなのですが、週刊文春の表紙は40年超、朝日新聞の読者欄の似顔絵は25年超、朝日新聞の「三谷幸喜のありふれた生活」は2000年から始まり、現在も既出作品で続いているのです。

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不思議なのが、一目見ただけで和田さんが描いた絵だとわかるのに、それぞれに共通しない驚きと個性が反映されていることです。作品一つをとっても、長く仕事を続ける上での秘訣を見たような気がしました。

 

文字もそう。所謂「和田文字」についての展示もありました。「和田誠フォント」としてフォント化しないかというお話も実際にあったそうで。フォントになってほしい気持ちもあり、作品として独立していてほしい気持ちもあり...。

 

知っているようで知らなかった和田さんの作品を改めて振り返ることが出来る展示でした。とにかく量が多くて、これから行く方はある程度時間を確保してから訪れた方が良いと思います。

それだけ濃く豊かな人生であったことが窺えます。私たちが見ているものもほんの一部分かもしれませんが。

 

東京オペラシティアートギャラリーでは12/19(日)まで開催しています。その後2022-2023年にかけて巡回展を行うそうです。

 

普段余程感動しない限り図録は買わないのですが、これは一度読み込んで会期中に再訪しなければ...と思い即決。

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今から図録読みます。かなり分厚くてフルカラーなのでわくわく。

 

 

 

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UNISON SQUARE GARDEN - TOUR 2021-2022「Patrick Vegee」@カルッツかわさき

※この記事はUNISON SQUARE GARDEN TOUR 2021-2022「Patrick Vegee」のネタバレを含みます。

 

↓埼玉公演の記事はこちら

↓千葉公演の記事はこちら

 

 

 

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個人的に年内最後のPatrick Vegee、そしておそらく年内最後のUNISON SQUARE GARDEN。例年の納め納め詐欺じゃなく、今年はフェスも行かないのでね。1月まで我慢できるかな...(フラグじゃない)

 

 

川崎は都内からアクセス良いのが素晴らしい。ただ一歩都外に出るだけで土地勘が馬鹿になるので計画立てないと土地を満喫できないのが個人的な難点。今ツアーは直行直帰がガイドラインなので仕事から寄り道せずホールへ。

 

 

今回なんと3階席最後列。角度としては田淵さんゼロズレ(この距離だと最早ゼロズレという観念があるのか)。3階席はプログラムcontinuedツアーのNHKホール以来かもしれない。確かD.A.先行だったような...

このホールそういえばaikoの20周年ツアーか何かで注釈付指定席があまりにもステージ見えない席の造りで、それを心配したaikoが席に手紙とお菓子を置いた...っていうのあった会場だよね?調べたらその後改修されたみたいだけど。そんな話もあり、SEかかるとやはりみんな立ってたので視界を懸念したのだが、意外にも御三方ともはっきり見えた。

 

前後で0.5席ずつ横にずらせばいいのになという点と、もう少し傾斜あるとより見やすいとは思う。3階席ってザ・天空席なイメージだったのに全然高さを感じなかった。

会場にはあまり感動しなかったので、正直次は別の会場であればいいなと思っている(川崎には行ってほしいけれど)。

 

 

席の真後ろが窓みたいになってて照明さんが数名いらっしゃった。手でライト動かしてるの間近で見たの初めてかもしれない。お疲れ様です。

 

 

座席は全て使用。戻りつつある窮屈さに顔を緩ませつつ、本日も定刻開演。

 

 

貴雄ちゃん、見間違いでなければ装い新たになってた...?白いフード付きの5分袖みたいな。公式の写真を待ちたい。

 

 

冒頭のアカペラアレンジに何度も心奪われている"Simple Simple Anecdote"始まりが自分の中で物凄くしっくりきている。《薄明かりを頼りにして また会える隙間を探す》の部分が本当に好きで、その日本語の美しさに酔いつつ、斎藤さんの「ようこそ!」から"Hatch I need"で頭殴られるあの感覚もたまらない。サビ前、特に2番の《ああしかし心許ない 骨を折るのも骨が折れる》、斎藤さんの歌い方が荒く感情的ではっとした。


参加した2公演で薄々気になっていた"マーメイドスキャンダラス"のときのお花みたいな照明を上から見られたのが嬉しかった。照明楽しめるのは上層階の特権。

今日確信したけどちゃっかり「ものみゆさん」に直してた。考えられるパターンとして①斎藤さんがメンバーやスタッフに指摘された ②田淵さんが「ものみゆざん」だと思っていた ③敢えて「ものみゆざん」と歌わせていた ...と色々あると思うけれど、このあたりいつか聞いてみたい。TSUTAYAのアルバム解説トークイベントみたいな催しまたあったらいいのにな。


"Invisible Sensation"、歌い出しと共に各所でガッツポーズや拍手してる人が見えて人気あるんだなと改めて。サビ前のキメのリズムが1番と2番で違うシリーズが本当に好きで、「これを刻むために生きてる!」とすら感じる。

 

斎藤「UNISON SQUARE GARDENです!

最近は神奈川飛ばして東京でライブしたり、それも単発だったから、また来られて嬉しいです。今日は最後まで宜しくお願いします!」

 

"フライデイノベルス"、歌詞がとっちらかってた。斎藤さんが歌詞ミスったとき、「ユニゾンの曲難しいし仕方ないよな」とか色んなことが頭をよぎるけど、そういえばあの人めちゃくちゃ負けず嫌いなんだった。だからこそ完璧を求めてしまうね。

 

"カラクリカルカレ"、スリーピースの強さをシンプルに表しているなとホールで聴いてより感じる。本ツアーも映像になるなら1Aの田淵さんの表情は絶対に収めてほしい。


新曲"Nihil Pip Viper"。相変わらず歌詞意味わからないけどその意味の無さに救われるというか、「なんかわかんないけど楽しい」の究極形だなと。貴雄ちゃん、あのドラムパターン叩く時ちょっとドヤ顔してくれないかな。

最後は「(サン)キュっ」て感じで〆。


"Dizzy Trickster"。「MODE MOOD MODE」と「Patrick Vegee」はアルバムのコンセプトがまるで異なるけれど、ロックバンドそのものの強さという意味では8枚目の曲たちと並んでもその存在感を発揮出来る楽曲だなと思う。

《席はちゃんと空けておくから 間に合わないなんてないんだよ》

 

"摂食ビジランテ"。何度でも言うけどサビ前のメロディーのギュイーンな上がり方が本当にエロくて素晴らしい。あのパターンで音源化してくれるのが今から待ち遠しい。


"夜が揺れている"の間奏の畳み掛けの迫力は本日も健在だったけれど、それと対になるような深くてしっとりしたベースラインが刺さった。静と動をいつもより強く感じた気がした。


"夏影テールライト"、音源より少し遅めに感じた。ほんとに少しだけ。

サビ前のドラム一生好き。サビもメロディー聴きたいコーラス聴きたいベース聴きたいで耳が足りないんだよな。


"オーケストラを観にいこう"、わかっていても崩れ落ちそうになる。あのツアーに戻りたいような戻りたくないような。

ラスサビ前に意気揚々と指揮してて、いざ叩き始めたらスティック落としそうになってた貴雄ちゃん、まるっと愛おしい。


相変わらず"Phantom Joke"の難易度と、それを凛とした顔でこなす御三方に畏怖の念すら抱く。アウトロ長め(拍手するやつ)。

アコver.仕上げてまた聴かせてもらえますように。言葉の圧力。

 

ドラムソロ、貴雄ちゃんが叩き始めたら自然に斎藤さんと田淵さんがはけてた。「オンドラムスタカオスズキ!」を今回やめた理由も知りたい。途中で2人が楽器持ってくるとかもなく、原点回帰でドラム勝負な印象はある。

 

セッション、安定のランダムキメ打ち、そして貴雄ちゃんのカウントから"世界はファンシー"。今日も埼玉公演の内緒話感は無かった。

《ハッピー!》でピースできる人々、ちょっと羨ましい。やりたいわけじゃないけど、あれをライブでやろうという純粋さが自分になくて少し寂しくなった。


"スロウカーヴは打てない (that made me crazy)"。このツアーに入ってから歌い出しの「アー」が音源通りで嬉しい。Normalツアーの音源聴いていただければわかると思うのだけど、ちょっと音下げて入るアレンジが苦手で戻してほしいなと思っていたので...

間奏のギターアレンジするのはお決まりなのね。千葉はガッツリだったけど埼玉のときどうだったかな...?


"天国と地獄"、間奏の田淵さんの足上げのタイミングが珍しく前拍で新鮮だった。

前から言ってるけど音源のちょっと甘めな《お任せ》が一番色気あって好きなので、いつかライブで復活しないかなとこっそり願っている。


"シュガーソングとビターステップ"。演奏後鳴り止まない拍手。斎藤さんが「ありがとうございましたUNISON SQUARE GARDENでした。ラストっ!」って言い始めるまでずっと鳴ってた。「この時期にこのセトリに組み込まれた意義」を包含したシュガーだったな、とぼんやり思った。


本編ラストは"101回目のプロローグ"。斎藤さんアカペラ、ツアーではリズム通り歌っていた印象があったけど、今日はフレーズの繋ぎでためてた。

しかしツアー初日の様子で若干心配していたまぐれパートを継続して成功させるの本当にプロ。もはやまぐれとは言えないね。

 

 

 

一度はけてアンコールへ。

斎藤「っしゃ!アンコールありがとうございます!」

田淵さんは手を上で組んでストレッチ、貴雄ちゃんはドラムの確認。

斎藤「久しぶりに.....今年に入って4本目のツアーなんですけど、こないだ知り合いのミュージシャンに『今年4本目のツアーなんだ』って言ったら...失笑、って感じで。それくらいのことをやってるんですよ。でも一つのツアーを長くやるのは久しぶりで、皆さんご存知かもしれないですけどアルバムツアーってずっと同じセットリストでまわるじゃないですか、だからやっていくうちに曲への理解度が上がっていって、今日は少し誇らしいような気持ちでライブしてました。
ライブをやることに対して色んな意見があると思います。今日来てくれた人も、『今はやめとこう』って人ももちろんいると思うので、そういう人たちがまた気軽にライブに帰って来られる場所を守り続けていけるように、我々は出来るだけライブをやり続けたいと思います。このツアーが終わったらね、また新曲作ってそれを披露できるようにがんばります。

よし、アンコール行きます!」

 

と言いながら振り向くとスティック構えず斎藤さんを見つめる貴雄ちゃん。ずっこける斎藤さん。もぞもぞフード被ってぬるぬる始まる"crazy birthday"。あの温度感からバチバチにかっこいい音鳴るの強い。


"オトノバ中間試験"。アンコールではあるもののセトリに入ったことに感謝。斎藤さんの歌い方が感情的だったかどうか、またちゃんと聴けなかった。個人的に特別すぎるのでイントロだけで身体のあらゆるネジが吹っ飛ぶ。

斎藤さん×田淵さんの間奏戯れ、貴雄ちゃんの荒ぶりも一興。


"春が来てぼくら"。"オトノバ〜"で高揚感MAXになってからこの美しいラストはもう感情の置き所がない。《神様がほら呆れる頃きっと暖かな風が吹く》で照明がピンクからオレンジ色に変わるのにじんわり来た。

 

最後はける前に斎藤さんが客席に向かって拍手していて、いやいやこちらこそという気持ち。

 

 

 

UNISON SQUARE GARDENは今日もどこかでライブをやっている」と思うだけでこれまで何度も活力を貰ってきた。音を鳴らし続けるということを2021年においても彼らのやり方で継続してきたのは本当に凄いし感謝しなくてはいけない。好きなロックバンドを改めて誇りに思う。

 

 

年明けの公演が早くも楽しみ。

 

 

 

11/11 UNISON SQUARE GARDEN - TOUR 2021-2022「Patrick Vegee」@カルッツかわさき

1.Simple Simple Anecdote
2.Hatch I need
3.マーメイドスキャンダラス
4.Invisible Sensation

5.フライデイノベルス
6.カラクリカルカレ
7.Nihil Pip Viper
8.Dizzy Trickster

9.摂食ビジランテ
10.夜が揺れている
11.夏影テールライト
12.オーケストラを観にいこう
13.Phantom Joke

14.ドラムソロ~セッション
15.世界はファンシー
16.スロウカーヴは打てない (that made me crazy)
17.天国と地獄
18.シュガーソングとビターステップ
19.101回目のプロローグ

en1.crazy birthday
en2.オトノバ中間試験
en3.春が来てぼくら

 

 

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UNISON SQUARE GARDEN - TOUR 2021-2022「Patrick Vegee」@千葉県文化会館

※この記事はUNISON SQUARE GARDEN TOUR 2021-2022「Patrick Vegee」のネタバレを含みます。

 

 

初日の埼玉公演から早2週間。

↓埼玉のレポはこちら

 

年内は行く予定がなかったのだけど、待ちきれなくて来てしまった。千葉公演に参加するのも相当久々。大好きな市川市文化会館は改装中なんだっけ。

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前回と同じく上手側前方の段が上がり始める席で視界良好。コロナ禍になってからこの画角と縁があるようだ。

 

久々の両隣ありのフルキャパ(売り切れてはなかったかも)。あの快適さに慣れたと思ってはいたけれど、横に人がいる感覚というのは意外にすぐ戻るものだなと自分でも驚いた。

 

 

前回は初見の衝撃が凄くて噛まずに飲み込んだ感が否めなかったが、本日はそれよりは落ち着いて見られたと思う。

全体のレポというより、千葉公演に参加して気付いたことを掻い摘んで書き記しておきたい。

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ブレブレ文化会館。入場列長くてびっくりした

 

"Simple Simple Anecdote"の冒頭アレンジ、夢じゃなかった。埼玉の時終わってから「あのフレーズ好きすぎるがゆえの幻聴だったかな?」と非常に不安だった。

 

"Hatch I need"の照明は赤の印象が強かったけど今日よく見たら黄緑×青×白もあった。あの配色はシリアスになり過ぎなくてとてもいい。

後にも出てくるけどこの曲のイントロとかベースの魅せ場で、田淵さんのことをスティックで指して盛り上げる貴雄ちゃん大好き。


最近筆者の中でマイナーキーブーム来てるかもしれないと、"マーメイドスキャンダラス"をライブで聴いていて感じた。

冒頭3曲は音源よりBPMやや遅めに感じたけど、普段音源聴いていても日によって感じ方に差があるからあまり参考にならない。

 

以前もこの話した気がするけど、"Invisible Sensation"の1B、「誰にだって」を「誰に/だって」と捉えて「だって」を「誰に」に近付けた歌い方するのいいよね。

 

"フライデイノベルス"、以前と変わらずサビで首こてこてする田淵さん。横で斎藤さんは0.5倍のリズムの取り方してたけど、それぞれの拍の取り方が違うときニヤッとしてしまう。裏で取るか表でとるかもそう。3人のパートの作りにもよるんだろうけど、「各々」が前面に出てるのがまさにアンバランスでバランス取ってるみたいな感じ。

そして高音が難なく狙い打てているの、本当に凄い。


"カラクリカルカレ"、個人的にサビよりイントロが好きだなと最近気付いた。斎藤さん今日特に治安悪くていいね。


埼玉で一聴目を迎えた"Nihil Pip Viper"はあれからめちゃくちゃ聴いていたから好き度が爆上がりしており、そんな中改めて聴くと良すぎて終始爆笑していた。イントロのフーフーは3人で言ってるんだね。ドキュメンタリー見てからだとよりこだわりを感じられて良かった。「ポーズで」と「スレェエイヴ」とかね。

曲を把握してから聴いたからよりそう感じたのかもしれないが、"Dizzy Trickster"への繋ぎがめちゃくちゃ良い。キメと相性がいいのかな。

今日の曲終わりは「サンキュー」でした。

 

"摂食ビジランテ"は赤ベースの照明が終始めちゃかっこいいし、特にサビで3人のシルエットが映えるのが好き。

埼玉の時どうだったか覚えていないのだけど、《ヘイドクター メス曲がってる》の「てる」のメロディの上げ方がギュイーーン!って感じの歌い方(上手く表現出来ない)だったのが刺さった。


"摂食ビジランテ"→"夜が揺れている"の繋ぎもいい。バスドラムの一部が透明でペダルが見えるようになっており筆者の席から丁度いい画角だったのだが、曲の終盤にかけてとにかく物凄い頻度でペダルが動いていた。貴雄ちゃんの足捌きに鳥肌。


"夏影テールライト"、Cメロ終わりの間奏のドラム、貴雄ちゃんの右手の打ち方がしなやか過ぎて驚いた。タータ、タータ、って、あの部分個人的に注目ポイントすぎる。

コーラスが濃いこともあってかいつもはサビの時ほとんど手元見ながら歌ってる田淵さん、今日はかなり顔上げて歌ってた。


ズル演出の"オーケストラを観にいこう"。

落ちサビの斎藤さんスポット部分で貴雄ちゃんが後ろ向いてワサワサしだしてトラブル?と思ったらしっかりお水飲んでた...それでもちゃんと入りに間に合う鈴木プロ。

暗転前の田淵さんの表情まで含めてズル。


直後の"Phantom Joke"はやっぱり「拍手と余韻の時間欲しい」と「このぶった切り方嫌いじゃない」の狭間で揺れる。ところでサビでクルクルしてる照明、"Nihil Pip Viper"の《くるくるくるくる》と同じ柄だよね?ひらがなの「よ」を4つくっ付けたみたいなやつ。

 

ドラムソロはほんとに立つところが好き。いつもプレイ中は座ってるから余計にスタイルの良さが際立つしなんだか色気凄い。

セッションのキメ打ちはランダムかもしれないな。こないだは8とかあったけど今日は1,2,3からの2,7,7,7だった...貴雄ちゃんが2人を操るあのターンにいつも痺れる。

ドラムソロ直後の拍手がかなり長めで、再び盛り上がって来たところで右手上げてスティックをくるっとひと回しするだけで静まるフロア、鳴り出す三本柱、かっこよすぎか...あの瞬間は貴雄ちゃんが文化会館を掌握していたね...


セッションから続く"世界はファンシー"、カウントで貴雄ちゃんが「セカイハファンシーワンツースリーフォー!」って言ってた気がする。

1Aのコソコソ感が薄まってた。埼玉のとき本当に内緒話感凄くてドキドキしたんだよな。

バケツパートは左スティックで空中叩いてた。


"スロウカーヴは打てない (that made me crazy)"、サビ前の「チョッキューデス!」が相変わらず好きすぎるのであの歌い方永遠にやって欲しい。

間奏で背後から田淵さんにちょっかいかけられながら"オリオンをなぞる"のイントロフレーズ入れてくる斎藤さん、斎遊記って感じ。他の公演どんな感じなのか気になる。埼玉では普通に弾いてたような...


「"天国と地獄"」の言い方良かったから今日のやつも音源化してほしい。元々考えていたセトリにこの曲が入っていたのか物凄く気になる。

 

"シュガーソングとビターステップ"、何を書こうかと思ったけど幸せすぎてあんまり覚えてない。最近血界戦線読み返したんだけど、スティーブンの「イザコザはこの街のBGMみたいなもんだしなあ」ってセリフがまさに1Aの歌詞そのものだなとしみじみ。タイアップとノンタイアップ、どちらのシングルもいいよね。


埼玉ではかなりズレが見られた"101回目のプロローグ"のまぐれパート、ちゃんと仕上げてきていて意地を感じた。この曲も虹色の照明使われているところがあるけど、"Nihil Pip Viper"の雑多でわくわくするようなカラフルさとはまた違って、バンドとしての意志が垣間見える七色なのが沁みた。

斎藤さんアカペラパートでイヤモニ外し①。

 

アンコール。

斎藤「アンコールありがとうございます!(斎藤さん、イヤモニで手遊びしててマイクがその音拾ってた)よし、やるか!...あれ、ちょっと待って(貴雄)座ってるんだけど。なんでそんな所に?笑」

鈴木「人前疲れちゃって」

斎藤「そういう時あるよ笑」

斎藤さんが後ろ振り返ったら貴雄ちゃんがドラムの下手側に腰掛けてた。人前疲れちゃったのにガッツリマイク引き寄せて話し始める貴雄ちゃんラブい。


斎藤「いやー、始まる前裏方の人が名乗っただけで拍手してくれてたでしょ、今日のお客さんちょろいわ〜!(悪い顔)」

そう、ここ1年くらいの関東圏のライブに入った人はわかると思うが、開演前にVINTAGE ROCKの若林さんによる注意喚起含めたご挨拶がある。「皆さんこんにちは。私関東地区イベンターを務めております、VINTAGE ROCKの若林と申します」で拍手起こったの、少なくとも筆者が参加した中では初だった。開演前からほっこりしてたのだけど袖で聞いてたんだね。

 

斎藤「アルバムがリリースされてから1年くらい経っちゃったけど、こうやってマスクを付けて声を出さずに見るライブが当たり前になってきて。今日だってみんなマスク付けてるとかあんまり意識しないでライブやってたけど、それはこの期間だからこそ出来ることだったり、どうやったら楽しいことが出来るかを考えてライブをやり続けてきたからこそだと思うし、そうやってUNISON SQUARE GARDENが作り上げてきたものだと思います。また必ず、ライブでお会いしましょう。じゃアンコール行きます!」

我々が思うように会場に足を運べない間も変わらずライブと真摯に向き合ってきたバンドだなあと改めて思う。ピックを持った右手を上げながら「ライブで」を強調してたのが、このバンドにとっては当たり前のことなんだろうけど、世の状況とも重なって痺れたな。

 

声出し禁止の中繰り広げられる"crazy birthday"、完全に癖になっちゃう。普段もあんまり出してないけど、みんなも出せないっていう前提の元で聴くの最高すぎる。


次に"オトノバ中間試験"が来るってわかっていても、条件反射みたいに溢れ出す楽しさを止められない。先日プログラムcontinuedのライブ音源聴いていたらCD音源より斎藤さんが「感情的」でめちゃくちゃ良くて、今どんな歌い方だっけ?って耳を傾けようと思ってたのにゴリラ化して逃してしまった。これは次回の課題。

貴雄ちゃんが間奏珍しくかなりアレンジして遊んでた。


"春が来てぼくら"で歌い出しとほぼ同時にイヤモニ外し②。右手でちょっと乱暴に外すの良。またいつ付けたかわからなかったけど、落ちサビでイヤモニ外し③してた。

 

 

 

当たり前のことだけど、フルキャパで開催したら行ける客が多くなるんだよなあと改めて実感した。最近チケット全然当たらなかったのも筆者の運の悪さではなく、キャパの少なさが原因だと思いたい。

 

行けるライブには行く、という信条はあまり変わっていない。もちろんまだ遠征をするつもりは無いんだけど、ライブを目撃することをサボってはいけないなと。それはもちろん自分の為にね。

 

Patrick Vegee、本当にいいツアー。Ms.Carryを各地に連れ出せる日も近いといいな。

 

 

 

10/19 UNISON SQUARE GARDEN - TOUR 2021-2022「Patrick Vegee」@千葉県文化会館

1.Simple Simple Anecdote
2.Hatch I need
3.マーメイドスキャンダラス
4.Invisible Sensation

5.フライデイノベルス
6.カラクリカルカレ
7.Nihil Pip Viper
8.Dizzy Trickster

9.摂食ビジランテ
10.夜が揺れている
11.夏影テールライト
12.オーケストラを観にいこう
13.Phantom Joke

14.ドラムソロ~セッション
15.世界はファンシー
16.スロウカーヴは打てない (that made me crazy)
17.天国と地獄
18.シュガーソングとビターステップ
19.101回目のプロローグ

en1.crazy birthday
en2.オトノバ中間試験
en3.春が来てぼくら

 

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UNISON SQUARE GARDEN - TOUR 2021-2022「Patrick Vegee」@さいたま市文化センター

※この記事はUNISON SQUARE GARDEN TOUR 2021-2022「Patrick Vegee」のネタバレを含みます。

 

 

 

 

待ち焦がれていたツアーが、ようやく始まった。

 

UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2021-2022「Patrick Vegee」、初日公演は10/6 埼玉県・さいたま市文化センターにて開催された。

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2020年7月にリリース予定だった8枚目のアルバム「Patrick Vegee」は同年9月末にリリースされ、その後回るはずだったツアーは一度白紙になった。紆余曲折を経てのツアー開催、感慨もひとしおである。

ただこのロックバンドに「アルバムツアーがやれるようになるまでライブはできない、やらない」などという選択肢はなかったようだ。それこそ前述のツアーで回るために抑えていたであろう会場は「LIVE (on the) SEAT」として生まれ変わったと思われるし、数回の配信ライブに加え「Normal」、「Spring Spring Spring Revival」、「CIDER ROAD Revival」、そして先月は久々の「fun time ACCIDENT」と、休むことなくライブをやり続けてきた。この特殊な状況下に関係なく、元々こうやって年中バンドの顔をしているバンドなのだ。

 

まだ世はこんな状態だが、その中でライブをやる方法というのが運営側も客側も見えてきた。手探りだった一時期よりもはるかに参加しやすくなったというのは実感としてある。難しいけど、やるべきことをやるだけなんだよね。難しいけど。

 

ブログで田淵さんが仰っていた通り、1年寝かせたことによるセットリストの変化もあったのだろう。そのあたりにも勝手に思いを馳せつつ、今日のライブを振り返りたい。

 

 

18:30、定刻開演。

 

今の形式になってから開演前にVINTAGE ROCK若林さんのご挨拶が入るようになったので、若林さんのお声聴いただけで何だか泣けてきてしまった。完全にパブロフの犬で言うところのメトロノームみたいになってる。

 

3人の装いはこちら。コメント珍しいね↓

 

 

アルバムツアーはアルバムの1曲目をそのままセットリストの1曲目に組み込むことが多いけれど、本ツアーは"Simple Simple Anecdote"からスタート。変更前もめちゃくちゃいい1曲目だなと思ったけど、この曲から始まるのはプログラムcontinuedツアーの一発目に"さわれない歌"を差し込まれた時の、あの気持ちに近い。

冒頭《全部嫌になったなんて簡単に言うなよ...》のフレーズを弾き語り。こういう素敵なフレーズを頭に持ってきて斎藤さんが弾き語るスタイル、歌詞がガンガン刺さってきて軽率に感動してしまう。

 

斎藤「ようこそ!」


"Hatch I need"→"マーメイドスキャンダラス"の流れは健在。今回のアルバムは特に繋ぎを意識して作られているけど、この部分は特に「8枚目」を担ってますからね...

"Hatch I need"って思っているよりBPM速くないから《I need Hatch》の連呼部分とか歌も楽器も合わせるの大変だなと思うけど、流石の経験値と貴雄ちゃんの引率力よ。"マーメイドスキャンダラス"は落ちサビの打ち込みが素晴らしかった。ピンク×青の照明も曲に合っていて綺麗。


続いて"Invisible Sensation"。ファーストセクションで唯一の既発曲。《どうしても消えないままの 残酷時計は...》のところ歌う時に斎藤さんが肩幅よりやや広めに足開くのが気になった。よくよく見たらたまに足を開いてまた閉じて、というのをやってる曲が幾つかあったので、あれは意識的にやっているものなのか...いつか聞けたらいいな。

 

斎藤「UNISON SQUARE GARDENです!」

 

暗転中突然話し出す貴雄ちゃん。スタッフさんが来てて何か笑ってた。斎藤さんにオフマイクで「〜しなきゃバレない」みたいなこと言ってた。何したの?笑

田淵さんは両肩ぶんぶん回してた。ツアー初日の暗転中身体動かしてること多い気がする...無意識に意気込みが現れてるのかな。

 

斎藤「リリースしてからもう1年経つのか。約1年越しのアルバムツアーをようやく、今日から回ることができています。1年以上経つともう曲が真っ新な状態になっちゃってるんだけど、皆さんはきっとこの1年間たくさん聴き込んでくれて、我々以上に身体に入ってるんじゃないかと思います。どうか最後までよろしくお願いします!」


"フライデイノベルス"。アルバムの話した直後Patrick Vegeeの曲じゃないのめちゃくちゃ面白いな。斎藤さん、Dr.Izzyツアーの時はアンコールだったこともあって冒頭の高音出てなかったのに、最近は全然辛そうじゃなくて本当に努力の人だなと思う。

貴雄ちゃんがラスサビ前ドラムないところでインナーパタパタしてた(あつそう)。


拍手が鳴り始めたのも束の間、"ラクリカルカレ"のイントロが。え、あれってフェスかライブハウスで聴けるものじゃないんですか...?錯乱。この曲が固定枠なんだとしたらシンプルに嬉しい。ドラムが入るまでのイントロギター中の貴雄ちゃんの色気凄い。

 

斎藤「新っ曲!」


10/6にリリースしたばかりの新曲"Nihil Pip Viper"。「Spring Spring Spring Revival」の円盤をフラゲして、斎藤さんと田淵さんが出演したRK802も途中まで聴いたけど、この曲の一聴目をライブに取っておいて良かった。

にしてもUNISON SQUARE GARDEN的「裏切り」と「ニヤリ」が散りばめられすぎていてウケた。

まず「裏切り」だが、このタイトル聞いて勝手にシリアス系を想像してしまっていたために、予想していなかったポップさに意表を突かれた気分になった。タイトルもよくわからんけど。

「ニヤリ」は完全に歌詞と、歌詞にリンクしたあれこれ。親の声より聴いたあのドラムとかね。

他の作品に登場していたキャラクターがしれっと登場する、というのは色んなジャンルにおいてあるんだろうけど、筆者はこれを勝手に「伊坂幸太郎的」と呼んでいる。ユニゾンのこういう歌詞の作り方はまさに「伊坂幸太郎的」なんだよな。

こんなこと言いながらまだちゃんと聴き込んでいないので、ツアー終わるまでに色々な発見が出来たらいいなと思う。

久々のタイアップなしシングルというのもいいよね。最近はリバイバルも多かったし、インタビューから考えても過去曲を丁寧に洗い出していくフェーズなのかなと思っていたから、「UNISON SQUARE GARDENの新しい音が聴ける」というのは心躍る。


"Dizzy Trickster"。《席はちゃんと空けておくから 間に合わないなんてないんだよ》って噛み締めながら歌う田淵さんの表情が全身に沁みた。今色んな事情でライブに行けない人々に、あのシーンを伝えたい。

曲終わりに斎藤さんがオンマイクながらぼそっと「ありがとう」って言ったの、めちゃくちゃズルだった。


アルバムを聴いていて特にライブ映えする曲だろうなとは思っていたけど、"摂食ビジランテ"も本当にかっこよかったな。赤の照明も合ってた。Patrick Vegeeの軸ってやっぱりこの曲なのかな。


拍を置かずに繰り出した"夜が揺れている"、あまりに良すぎた...JET CO.大好き芸人、イントロで叫びそうになってしまった。ラスサビ前のドラムからラスサビのキメの迫力に心臓震えたわ...


"夏影テールライト"はこの1年間色んなところで披露してくれていた曲。中には歌詞危ういときもあったけど、今日は大丈夫だったと思う。サビのリズム隊のコーラス、本当に愛おしいよね。暖色系の照明がセンチメンタル。

そういえば"Invisible Sensation"の所で書いた足開くやつ、この曲のCメロでもやってた。以前からやってたのかもしれないけど、今回上手側の席だったから特に気になったのかもしれない。


そしてここで"オーケストラを観にいこう"はやばすぎる。思わず涙が出てしまったし、バックの夕焼け色とか、最後の暗転とか、すっかり2018-2019年に引き戻されてしまった。全国色んなホールやライブハウスで見たあの景色が走馬灯のようにフラッシュバック。


しかし余韻に浸る暇も拍手する暇もなく"Phantom Joke"を繋いでいく。そういう所好きだよ。リリースされてからもう2年経つんだね。この曲も斎藤さん苦労してた覚えがある...って斎藤さん毎回大変すぎるな。でもご本人めちゃくちゃ負けず嫌いだし、ちゃんとクオリティ上げきれるっていうのも凄い。

 


待ってましたドラムソロ。立って叩いてから座って手数が増えるところで赤照明に照らされる貴雄ちゃんかっこよすぎたな...毎回本当に天才の所業でしかない。

セッションは3人のソロパートに加えてお得意貴雄ちゃん主導のキメ入れる所があったんだけど、今回は貴雄ちゃんが「2!」「5!」「8!」ってキメの数言ってた。"instant EGOIST"の2,3,2,5的な。あれ打ち合わせなしなのかな。

 

セッションから続いたのは"世界はファンシー"。イントロの田淵さんはいつもやってる動きしてたけど、改めてムーブセンス凄くない?あのイントロに合う動きってあれしかないなとすら思えてくる。

1Aの斎藤さん、悪魔の囁きみたいなこそこそ声で歌ってて痺れた。《My fantastic guitar!》は斎藤さんにこれでもかってくらい白い照明が突き刺さってた。

 

"スロウカーヴは打てない (that made me crazy)"ではしゃぐ田淵さん見るのが好き。サビ前めちゃくちゃスタッカートな「チョッキューです」が個人的に大ヒットしてる。

ところで田淵さん、よくそのキーのコーラスできますねと毎回感嘆してしまう。

 

《凸凹溝を埋めています つまりレイテンシーを埋めています》といいつつ、埋められたのは"天国と地獄"でした。セトリ組む上でアルバムのラインナップから外されるとしたら"Catch up, latency"かなと思っていたけど、"天国と地獄"は大好きなので無問題。いい裏切りで心地よい。

フェスやイベントでたまにやる、イントロ3回繰り返して「UNISON SQUARE GARDENです!」ってやつとても好みなのでまた近いうちに聴きたい。


貴雄ちゃんがヘッドホンを装着したと思えば"シュガーソングとビターステップ"!皆各々踊り出したフロアを見て斎藤さん破顔。やっぱりシュガーはこうでなくちゃね。

 

斎藤「ラスト!」

 

"101回目のプロローグ"。歌い出し混ざって「ごめん 全然好きじゃなかった」って言ってた。

配信の時から危惧してた間奏の部分はやっぱりギターが走ってて、貴雄ちゃんががんばってそっちに合わせようとしてたけどなかなかズレてた。斎藤さんが振り返って「ん?」みたいな顔してけど、まぐれは起きなかったね...これはなかなか負担の大きいパートだと思うので、ツアー終盤での完成度に期待です。

ただどれだけズレてもその後のアカペラで全部チャラになっちゃうんだよなあ。斎藤さんの声、本当に宝物みたいに綺麗だよね。



そしてアンコールありました。

斎藤「アンコールありがとうございます。まさしくツアー1本目、って感じだったし、これがあと19回できると思うと最高に楽しいです。今日はありがとうございました。では、アンコールいきます!」

といいつつ貴雄ちゃんが入れず仕切り直しに。

貴雄「あーごめん、もう1回最初からやってもらっていい?笑 お願い、もう1回...」

スティック持ったまま眉寄せてお願いポーズ。可愛い。

斎藤「えー?最初からっていうのが1番困るんだよなあ...

アンコールありがとうございまあす!ツアー1本目めちゃくちゃ楽しかったでえす!これがあと19回もできるなんて最高でえす!笑

アンコールいきます!」

早口でチャラめのやり直し笑った。


アンコール1曲目は"crazy birthday"。UNISON SQUARE GARDENの楽曲って元々コールアンドレスポンス少ないけど、こういう時代になったからこそリズム隊のお声がちゃんと聴こえて嬉しい。こちらも別にそこまで声出したい訳じゃないし。


そしてなんと"オトノバ中間試験"。瞬時にガッツポーズしてしまって恥ずかしさすらあった。誰も見てないのにね。

リリース前に披露されてたあの期間のことを思い出しては口が緩んでしまう。細胞レベルで愛している曲だからこそ、定期的に浴びないと生きていけないよ...《いくらなんでも都合良過ぎるから あんたなんかと踊れない》は一生自分の傍に置いておきたい。


ラストは"春が来てぼくら"。"弥生町ロンリープラネット"からの流れは配信でやってたけど、あれは元々ツアーでやろうとしてたのかな。でもリリース前の方が驚きがあったしあの形が1番良かったとは思ってるけど。

アルバムの中では古株で、バンドとしてもとりわけ大切にしているんだろうなというのが色んなライブを通して感じていた。本当にいい曲だし、ロマンのある締め方だったな。

 

 

泣いてたかどうかなんて非常に野暮な話なんだけど、田淵さんのあんな顔見せられたらこっちまで涙腺崩壊するからやめて。

はけ際3人とも客席をよく見ていたのが印象的だった。嫌だな、我々だって立ち止まることなくこの時代を生きてるんだよ。

 

 

アルバムツアーを舐めていたというか、1年寝かせたことで更にとんでもないツアーに進化していて腰を抜かしてしまった。アルバムツアーで得られる充足感みたいなものも完全に忘れていたな。「食べられないなら、残しなよ。」とは言われていたものの、胸がいっぱいすぎてこの100分弱を完食できたかどうかは自信が無い。たくさんおかわりしたい気持ちはあるけど今は飛ばないと決めているので、年明けの公演を楽しみに毎日を生きたい。

 

 

全国ツアー開催に至って本当に良かった。各地で大きい音を存分に鳴らしてきて欲しい。

 

 

 

10/6 UNISON SQUARE GARDEN - TOUR 2021-2022「Patrick Vegee」@さいたま市文化センター セットリスト

1.Simple Simple Anecdote
2.Hatch I need
3.マーメイドスキャンダラス
4.Invisible Sensation

5.フライデイノベルス
6.カラクリカルカレ
7.Nihil Pip Viper
8.Dizzy Trickster

9.摂食ビジランテ
10.夜が揺れている
11.夏影テールライト
12.オーケストラを観にいこう
13.Phantom Joke

14.ドラムソロ~セッション
15.世界はファンシー
16.スロウカーヴは打てない (that made me crazy)
17.天国と地獄
18.シュガーソングとビターステップ
19.101回目のプロローグ

en1.crazy birthday
en2.オトノバ中間試験
en3.春が来てぼくら

 

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fun time ACCIDENT 3 (w/日食なつこ、黒子首)@Zepp Tokyo

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9月、リバイバル2ツアーに加えてa flood of circleのお祝いも終えたUNISON SQUARE GARDEN。どれも長くやってきたご褒美みたいなライブだった。

 

約6年半ぶりのfun time ACCIDENT。HOLIDAYの方が回数重ねていたから企画自体の存在が薄くなってしまったのではと危惧していたけど全くの杞憂だった。

皆様のご承知の通りだと思うのだが1も2も素晴らしいラインナップだった。今回も将来語られる企画になるであろうと確信を持ちつつ、挑むはZepp Tokyo

 

今回のftAは大阪・東京の2公演で、既に大阪公演は終了している。ゲストはカッパマイナス、崎山蒼志。本企画ゲスト全4組のうちライブを見たことがあったのは崎山くんだけだったので大阪羨ましいという気持ちもありながら、東京での新たな出会いにわくわく。カッパマイナスもまだ知らないのでちゃんと追ってみよう。

 

 

さて、東京公演である。

 

18:00スタートと平日にしてはやや早めではあるが、個人的にはこれくらいでいい。今日は金曜だからいいけれど、早く寝たいのでね。

 

 

1組目は黒子首。

先述の通り筆者は黒子首のことも、この後登場する日食なつこさんのことも存じ上げなかったので、最初どちらが出てきたのかすらわからなかった。前情報全くなしで望むのも良いのか悪いのか。

本当かどうか確認していないけれどつい先日まで新宿で路上をやっていたと耳にした。だとすれば今日、物凄い転換点だったのでは。もちろんセンスのある人々は既に知っていたのだろうけど...こういうバンドをいち早く発掘できるのって本当に凄い。筆者は苦手なのでそういう審美眼みたいなものに憧れる。

 

冒頭、堀胃あげはさん(Vo./Gt.)がサポートメンバーのギター、キーボードを紹介。このバンドはスリーピースだが本日は5人編成。

 

2曲目(公式のセトリ見たら"Driver"という曲だった)の時、みとさん(Ba.)のベースソロにスポットが当たってめちゃくちゃかっこよかった。

 

5曲目、堀胃さんが「"エンドレスロール"」とタイトルコールした後、入りのギターをミスって(何かスイッチの問題?)やり直してたんだけど、余計なこと一切言わず田中そい光さん(Dr.)との呼吸だけで仕切り直してたのが痺れた。誤魔化したくて「間違っちゃった☆」みたいなことマイク通して言う人もいるけど、あの張り詰めた空気を壊さずちゃんと演者のペースで音鳴らしてくれるバンド、信頼できる。

 

あと全然関係ないけど、田中さん絶対周りの人笑顔にする力ある。初見だけど物凄くいい人なのが伝わってきた。

 

堀胃さんが言葉を選びながら話したMCの中で単数の「あなた」に呼びかけるところがあって、まさにUNISON SQUARE GARDENが選んだ人たちだなと思った。演奏がめちゃくちゃかっこよくて、斎藤さんがゴリ押ししてたのも納得。

 

堀胃さんの歌声がウィスパーとはまた違うかもしれないけど独特で、でも決して作った声ではなく、静的に引き込まれるボーカルだなと感じた。海外に通用する日本人、という印象を持ったので海外でも行けるのでは?(御本人たちがそこを目指しているかはわからないけど)

いずれにせよ今日限りではなく、まずは音源からチェックしたいと思う。

 

 

2組目は日食なつこさん。

 

ステージ上にはピアノだけ。おお、ピアニストなんだ。筆者も地味にピアノを習い続けているので、謎の親近感。

バンドという界隈においてクラシック楽器はやはり独特な存在で、バイオリンを弾くBIGMAMAの真緒ちゃんとかもそうだけど、バンドで作れる音を超えてくる。これは優劣の問題では無いのだけど、ロックの合間を見事に縫ってくる楽器だなあと最近より強く感じる。

 

語りから曲に入るスタイルが印象的。シンプルに声が好きだし、話し声と歌声にあまり差異が無いのも聴いていて心地良い一因かも。何より歌がめちゃくちゃ上手い...

 

荒ぶってくると踵つけずにペダル踏み倒す気持ち、とてもわかる。最初声のボリューム小さめかな?と思ったけど"99鬼夜行"あたりからのエンジンのかかり方が凄くて圧倒された。

 

あとMC中の拍手からクラップに持ち込む流れに脱帽。UNISON SQUARE GARDENのファンはわりとクラップに抵抗ある人が多いような気がしていたけど、みんな心からのクラップしていて楽しかった。口が使えない今、手の有用性に改めて驚いている。制約があってもその中で楽しみ方を見つけていけばいいってこともユニゾンが教えてくれたんだよなあ。

 

MC中もそうだけど、終演後のツイートで日食さんが観客のマナーの良さを褒めてくれていた。ユニゾンのファンは本当によく出来ていて、あのトヨタの通路も歩く音しかしなくてびっくりした。本当にみんなライブが好きなんだな。ライブ行くためなら喋らないくらいやるよね。性善説、少しなら信じてもいいみたい。

 

 

最後はUNISON SQUARE GARDEN

 

SEをぶった切る"エアリアルエイリアン"、最高。マスクの中で爆笑してしまった。これからも定期的にやって欲しい。特にワンマンじゃないとき。

 

続いて"MIDNIGHT JUNGLE"。全然声出してないけど体力の消耗えぐい。改めて思うけど1→2の繋ぎ天才では?

 

たたみかける"Phantom Joke"。"10%〜"とかもそうだけど、初披露で心許なくてもちゃんと回数追うごとに仕上げてくるの強い。1曲目もそうだけど変拍子を内輪じゃないイベントで投入するの本当に鬼畜。大好き。

 

斎藤「UNISON SQUARE GARDENです!今日は時間の許す限り曲をたくさんやりたいと思うので、どうか最後までよろしくお願いします!」

 

"サンポサキマイライフ"!筆者はこの曲が1曲目かなと予想していた。《準備オーケー》のところで斎藤さんがイヤモニ調整してたのか、たまたま手がオーケーしてるように見えた。そしてボーカルの強さよ。

 

"サンポサキ〜"のアウトロで貴雄ちゃんがヘッドホン付けられてたので「はい夜な夜な〜」と思っていたのだけど"シュガーソングとビターステップ"。いい意味で裏切られて硬直。

リバイバルが続いて聴けてなかったこともあって思わぬ幸せ。何だか斎藤さんMステ出るらしいけど、3人の演奏が最強なのは確固たるものなので、斎藤・地上波ソロ・宏介さんがどんな感じになるのかシンプルに楽しみ。

 

少し話が逸れたけど、問題は次の"静謐甘美秋暮抒情"。7月の配信で繰り出した《都合良くなって》のエロすぎる「て」、油断してたけど生で聴けてしまった。あれって狙って出せるものなのね...音源欲しい。

 

"サイレンインザスパイ"前のセッションかっこよかったな〜。ミニドラムソロもあって痺れた。UNISON SQUARE GARDENさん、手の内を明かすことになるから恐らく実現はしないだろうけど、セッション集リリースしてほしい。

歌詞なかなか入り混ざってて「拙者も楽しそうですけど!」が爆誕した瞬間ちょっと笑っちゃってごめんね。

 

次こそ"徹頭徹尾夜な夜なドライブ"だった。赤と青(と白)のライティング、最早実家のような安心感。これ見ながら突然思い出したけど、もう一回ロゴが結合して光り出す様を見て爆笑したいのでプロconリバイバル見たさあるな。

田淵さんいつまで足上げ出来るのか気になる。足上げ断念してセトリアウトとかなったら面白すぎるけど、無理のない範囲で続けてほしい。普通にめちゃくちゃ元気出るので。

 

"桜のあと(all quartets lead to the?)"。Aメロで貴雄ちゃんがスティック持ちながら左手でスマートにヘッドホン外すの凄かったな。所作美。

なんかこの曲でクラップ久々に見たけどこれは違うなと思っちゃう。さっき散々クラップ褒めたのにめんどくさくて申し訳ない。なんかこれは違う。

 

斎藤さんの「ラスト!」からの"Cheap Cheap Endroll"は笑った。斎藤さんの肩に突進する田淵さん。段々下がってきて腰から股へ。これには流石の斎藤さんも両手で退けてた。"エアリアルエイリアン"で始まって"Cheap Cheap Endroll"で終わる、もしかしてDr.Izzyですか?

 

 

早々にアンコール登場。

斎藤「アンコールありがとうございます!.....ふふっ笑、いや、ステージ上からおじいちゃんの声がした笑。

うーん、何から話そっかなぁ...今日が多分だけどラストZepp Tokyoです。Zepp Tokyoなくなっちゃうからね。俺が18,19の時あそこら辺(1階後方指して)で見てて、『いつか俺もあそこに立ちたいな』って思いながらライブを観てました。その場所で今日こうやってイベントを締め括ることが出来て、感慨深いものがありますね。

あのー、fun time ACCIDENTというイベントは、現代のマリーアントワネットのようなものなんですよ...自分たちの好きなアーティストを呼んでライブをするっていう笑。でもこうやって、誠意を持ってお誘いしたら素晴らしいライブで返していただいて、本当にいい一日になりました。

最近はライブがしづらいし行きづらい世の中になってしまったんですが、今日もどこかで僕の知らないバンドがライブをやっていて、みんなの知らない音楽がまだまだたくさんあると思うので、行ける人・足を運べる人はどうか行ける時に行ってあげてください...行ってあげて、っていうとなんだか偉そうだけど。でも皆さんがちゃんとこうやってね、ルールを守れる人だってわかったから。足を運べる人はどうかライブに、ライブハウスに足を運んでください。

今日はありがとうございました。」

 

このMCからの"mix juiceのいうとおり"、あらゆるものが包含されてて感極まるところがあった。今日のMCもそうだし、普段のフェスのMCも、この企画自体も、バンドの活動全体を見ても、「ロックバンド」をちゃんと背負ってまわりも連れていってるのが彼らの強さなんだよなあと改めて感じた。彼らが他のバンドを紹介するだけで、リスナーだけでなく業界の注目も得られる。ftAはまだ世に見つかりきっていない才能をお墨付きで表に出すという役割も担っているんだな。中堅の彼らがやることに強い意義があると感じた。

 

そしてZepp TokyoSTUDIO COASTもそうだが、思い入れのある箱が消えるのは本当に寂しい。今年行けずに終わると思っていたので、最後に思い出に浸る機会をくれたロックバンドに感謝。

実は初めて2Fの席で見たのだが最前センターは見晴らしが良すぎてこれはハマりそう。3人の頭から足まですべて見られるし、この席が人気である理由がわかった。最後なのに新たな発見。ただ狙って取るのは難しそう。

 

珍しく3人まとまってステージからはけていったUNISON SQUARE GARDEN。来月からはいよいよ「Patrick Vegee」のツアーがはじまる。

リリースから約1年、熟した新曲たち。

食べられなくても、食べにいく。
 

 

 

 

9/10 fun time ACCIDENT 3 (w/日食なつこ、黒子首)@Zepp Tokyo セットリスト

 

黒子首

1.Champon
2.Driver
3.チーム子ども
4.熱帯夜
5.エンドレスロール
6.あなうめ
7.静かな唄

 

日食なつこ

1.真夏のダイナソー
2.空中裁判
3.なだれ
4.99鬼夜行
5.エピゴウネ
6.ダンツァーレ
7.水流のロック
8.音楽のすゝめ

 

UNISON SQUARE GARDEN

1.エアリアルエイリアン
2.MIDNIGHT JUNGLE
3.Phantom Joke
4.サンポサキマイライフ
5.シュガーソングとビターステップ
6.静謐甘美秋暮抒情
7.セッション〜サイレンインザスパ
8.徹頭徹尾夜な夜なドライブ
9.桜のあと (all quartets lead to the?)
10.Cheap Cheap Endroll
en.mix juiceのいうとおり

 

 

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VINTAGE LEAGUE 2021「Triple,Trick,Tripper」@USEN STUDIO COAST

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7/6、ハンブレッダーズ、ズーカラデル、そしてUNISON SQUARE GARDENのスリーマンライブ「Triple,Trick,Tripper」へ行ってきた。

 

今年2,3月に行われたUNISON SQUARE GARDENのツアー「Normal」のライブハウス公演にことごとく落選し、完全に「ライブハウスでユニゾン見たい亡霊」と化していた筆者。もうこの日が楽しみで楽しみで仕方なかった。

ライブをやってもらえるだけでめちゃくちゃありがたいのだけれど、ライブハウスという場所はまた特殊な高揚感がある。

 

 

本公演は事前に入場者情報をGoogleフォームで送信し、登録完了メールを入場時に見せるシステム。その代わりかどうかはわからないがCOCOAインストールの確認はせず、チケットもぎり→D代支払いでいざ中へ。

 

1Fフロアは縦15か16列くらい?でパイプ椅子が並べられていた。横は両隣とも席空けなくみっちり。ひと席空けの快適さに慣れてしまったがゆえの怖さもあるけど、毎日の電車だってこんな感じだし騒がなければ同じもの。

 

 

18:30、定刻開演。

 

トップバッターはハンブレッダーズ。筆者は初見。バンドであること以外何も知らないまま来たのだが、なんだか予感のあるバンドだった。トイズファクトリー強いなー。

 

特に5曲目の"ワールドイズマイン"が好き。調べたらこれからリリースらしいので、こちらは購入決定。

MCでやたら「本当は明るい人間なんです」みたいな話をしてたのが若干残念ではあったけれど(暗さを肯定してくれるバンドが好き)、他の曲も漁ってみたい。

 

サポートについてはバンドの歴史を知らない人間がどうこう言うべきではないとはわかっていながらも、この日入ってたうきさん?はとても空気感が合っていて良かった。他のサポートも見ていないし調べたら元ギターの方がオリメンかつ現サポートらしく、バンドには色々事情もあるだろうから無責任なことは言えないけど、とてもいいなと思った。

 

ラストの"ライブハウスで会おうぜ"で客電つくのずるいよね。

 

 

 

2番手はズーカラデル。ライブハウスで見るのは3回目。吉田さんの片言の「アリガート!」と超早口の「ありがとうございます」が入り交じる感じ、なんだかシュールで静かに笑ってしまった。

 

彼らの温度感、ずっと変わらないのでたぶん一生好きだな。"アニー"を初めて聴いた時の感覚のまま今日まで来てる感じがある。

 

4人編成の彼らを初めて見た。最初あれ、スリーピースなのに、と思ってしまったものの、あの形も凄くいい。なにより吉田さんが「ライブも楽しいけど、練習が本当に楽しかった」と仰ってたのが印象的だった。

 

ライブ初披露という"未来"も沁みた。この時代に辞めなくていいバンドまで散ってしまった悲しさや、失った色んなことに思いを馳せて虚しくなるときもあるけど、そんな中でこれからに向かって走り続けられるバンドには、執念に似た強さがある。いつかまたワンマン行きたい。

 

 

 

そしてトリはUNISON SQUARE GARDEN。セットリスト見ていただければおわかりだと思うのだが、確実に「殺りにきてる」セトリで久々に全細胞が声を枯らした。自分たちを慕う後輩たちも、自分たちを見に来た客たちも、全て置き去りにするバチボコアクト。ずっとこれが見たかった!!!!!!

 

"場違いハミングバード"で全てを悟る。生きて帰れるかな。この日はBPMがバカ早いみたいな感じではなかったのだけれど、あの新木場の空間の何かが弾ける音がした。パイプ椅子が並んだ「指定席」の会場が一瞬にしてライブハウスと化した瞬間だった。

 

Twitterにもちょろっと書いたのだけどマイクが低かったからこその斎藤さんの仕草がとても良かった。以前ラブシャかロッキンのリハの時マイクの色んな角度から声を当ててる様子が見えて、「下から当てるとこういう歌い方になる」みたいな美学があるのかなと勝手に思っていたので、本人的にはやりづらかったかもしれないけれど。

 

"天国と地獄"のイントロで「UNISON SQUARE GARDENです!」はもう全ユニゾンオタクが好きなやつ。機材トラブルに見舞われてベース交換してた田淵さんもガンガン走り回ってて笑った。

 

"MR.アンディ"のイントロで歓喜したのも束の間、ロックバンドが音を鳴らす上で緩やかに回転するミラーボールを見てなぜか泣いてしまいました。「思い出しては」のアレも本当に好き。

 

"夏影テールライト"→"Phantom Joke"のアルバムの流れも再現しつつ、"流れ星を撃ち落せ"、"リニアブルーを聴きながら"みたいな曲も混ぜてくるの本当にね...マイクの高さが低いとかカウント噛むとか機材トラブルとか色々あっても気にならないくらいの覇気で宣言通りの「大先輩の圧巻のステージ」だった。

 

"シュガーソングとビターステップ"も生きてた!!良かった...ツアーではあまり顔を出さなくなってきたのでこういう単発イベントで聴けるのが嬉しい。

アンコールも貴雄ちゃんがヘッドホンしてたので「まさか赤青照明のあの曲では...?」と思ってたけど"君の瞳に恋してない"で多幸感畳み掛けてきたのである意味安心したラストだった。

 

 

 

3つのバンドの共通点はやはり「楽しみ方を客に委ねてくれる点」だと思う。音楽的にはあまり似ていないと思うし、ピロウズ好きを拗らせたあのベーシストなら「君たちユニゾンのこと好きなわりに全然影響受けてないよね」とか言い出しそう。

制約を受けた客の前でも普段と変わらぬアクトが3バンド共に成立していたのが丁度いい温度感と距離感の功績だなあと感じた。

 

ライブハウスで対バン、最高すぎた。2020年3月に行われるはずだったLIVE HOLIC extra vol.4が中止になり、対バンでの無敵UNISON SQUARE GARDENを見られなかった無念がこの日報われた気がする。

 

 

ロックバンドを浴びるって本当に最高。行けない期間を経たことで、彼らの音をいつでも欲していることに改めて気付いてしまった。浴びないと生きていけない自分のためにも、ライブハウスやそこで生きる人々の支援を出来る範囲でしていきたいなと感じた公演だった。

 

 

 

2021.07.06 VINTAGE LEAGUE 2021 「Triple,Trick,Tripper」@USEN STUDIO COAST
セットリスト

 

ハンブレッダーズ

1.銀河高速
2.ユースレスマシン
3.ユアペース
4.ファイナルボーイフレンド
5.ワールドイズマイン
6.弱者の為の騒音を
7.ライブハウスで会おうぜ

 

ズーカラデル

リハ.TAPIOCA
1.トーチソング
2.アニー
3.スタンドバイミー
4.ころがる
5.未来
6 漂流劇団

 

UNISON SQUARE GARDEN

1.場違いハミングバード
2.天国と地獄
3.流れ星を撃ち落せ
4.MR.アンディ
5.夏影テールライト
6.Phantom Joke
7.リニアブルーを聴きながら
8.シュガーソングとビターステップ
en.君の瞳に恋してない

 

 

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米津玄師 - Pale Blue

米津玄師が11枚目のシングル「Pale Blue」をリリースした。シングルは前作「馬と鹿」以来およそ2年ぶりとなっている。楽曲だけは先月31日に先行配信されており、ようやくパッケージとして手元に届いた。

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▲左はジャケット絵のパズルが付いた「パズル盤」、右は昨年8月に開催されたバーチャルライブ「米津玄師 2020 Event / STRAY SHEEP in FORTNITE」の映像が付いた「リボン盤」。特典のフレグランスは仕掛けがあるので必見(必嗅?)。

 

このサブスク時代に「CD」に対する熱量が消えていないことが嬉しい。彼の楽曲はいつもパッケージ込みで完成するみたいな側面があって(楽曲が不完全というわけでは断じてない)、実際手に取る喜びを2021年にも感じられるのが有難い。受け手はCDを受け取るだけでその物体に対する作り手の熱量がわかってしまうものだなあと改めて感じた。筆者は「リボン盤」の歌詞カードがお気に入り。

 

昨年はアルバム「STRAY SHEEP」をリリースしたが、こんな世になってしまいあの名曲たちをまだライブで聴けていない。そのような最中のニューシングルリリースである。

 

あのアルバムを世に放った後も続く不穏な世界の中でどんな曲を生み出したのか。早速聴いていきたい。

 

 

 

 

 

 

Pale Blue

TBS系 金曜ドラマ「リコカツ」の主題歌として書き下ろされたラブソング。「離婚から始まる恋」をテーマしたドラマに寄り添うような、切なくも力強い歌詞とサウンドが美しい。イントロなしでいきなり《ずっと》と入る所がセンセーショナルで凄く胸を打たれる。

 

「恋」というと二人の関係性について語られるのが普遍的だと思っていたけど、この楽曲を聴くといかに恋が一方的で主観によるものかと思い知らされる。どんなに親しくて想いが通じ合ったと感じた相手でも他人は他人のまま。自分の想いは相手に向けているようで結局自分のものなんだなと。自分が恋だと思っていたものってほとんど妄想だったんじゃないかとすら感じる。

ジャケットの女の子の表情などまさに「恋をしている」様子だ。他者から見れば狂気とも言えるほど恋焦がれることに気を取られている、没頭しているのが瞳から伝わってくる。

 

 

米津的ラブソングといえばアルバム「Bremen」のイメージがあって、というのもあのアルバムは個人的に「浮き足立っている」イメージが強い。声も歌詞もむず痒くなるくらい青くて、周りも見えていないくらい何かに夢中、みたいな。実際聴いてみるとそうでもない曲もあるのだけど、リリース当時はかなりその印象があって今でも聴くとなぜか若すぎた時間を感じてしまう。

 

以前こんなツイートをしていた。

本当にその通りだと思う。年々荘厳さを増している。"Pale Blue"はこのシリアスに進化した声で歌うことで「恋」の狂気的で独りよがりな部分にもよりフォーカスされているように感じる。

 

 

 

ゆめうつつ

米津玄師のどこが好きかと問われたとき、筆者が真っ先に挙げるのは彼の「アウトサイダー性」である。インターネットの中にいた時も、自身の声で歌い始めた頃も、こんなに知名度を高めた今も、変わらず自分ははずれ者であり常に裏側にいる、というような姿勢を崩していない。こんなに大衆性を帯びて自身の置かれた立場を理解していながらも、自分が真ん中ではないと主張することにある種の責任すら感じているようなところに愛おしさを覚える。

 

"ゆめうつつ"は「news zero」のテーマ曲に相応しく深夜に穏やかな気持ちで聴ける曲、に聞こえていたけど音源化されてそうではなかったんだと思い始めた。これって米津玄師がかつて散々吠えてきた「遠くに行きたい」という欲求が詰まっているのでは?

 

以前と異なるのは現状のフラストレーションから逃げるための場所を外ではなく内に作っているところ。かつては距離をもって解放してきた感情の置き場を「夢」という他人が探れない、人間の深海のような閉鎖的な所に見出した。これはこの難しい世に置かれたことで生まれた変化なのだろうか。

 

 

御本人曰くかなりの怒りを持って作られたという。この怒りや不安、不満みたいな感情を彼のような方が楽曲という形で表面化してくれることが、どこか社会に生きづらさを感じている筆者のような人間の心を救ってくれているんだなと再認識できる一曲。

 

 

《声が出せるような喜びが 君に宿り続けますように 革命家の野次も届きはしない 夜の淵で踊りましょう》

 

 

 

死神

表題曲を生み出すのがかなり大変だったと6/15(火)のNスタで語っていた。燃え尽きた後にやりたいことやってる趣味部屋みたいなカップリング、とてもゾクゾクするので好き。

 

 

インタビューでも話されている通り有名な古典落語「死神」を曲にしたとのこと。

 

アジャラモクレン テケレッツのパー》は死神を追い払う呪文だが、確かドラえもんにも出てきた(筆者はこちらの方が先に出会って「これ落語だったのか!」となった記憶がある。確か「時限バカ弾」)。

 

「死神」は呪文だけでなくオチにも色んなパターンがあるので面白いし、救われたと思えば突然直下に落とされるようなドキドキ感もあるので結構お気に入りの題目。と言っても筆者は落語そんなに詳しくないのですが。

 

 

一見この曲が一番ならず者みたいに見えるけれど、1曲目に狂気、2曲目に怒りとくると"死神"には正当性すら感じる不思議。毎回毎回同じこと書いてるけど米津シングルは収録3曲のベクトルの違い、多様性に痺れる。

 

しかし本当にこういう曲にもザ・米津玄師という感じがある。言葉遊びや、和風な曲調 ・歌詞、酔いどれ諦念、パッパラパー、みたいな。今回はモチーフがあるけれど、こういうディープな部分にもずっと触れていたいなと思う。

 

 

なるべく近い未来に生で聴きたい一曲。暫くはライブでの米津さんの身振りを想像しながら聴こう。もし出来るならステージにたくさん蝋燭立ててほしいし米津さんが1つ吹き消して暗転とかやってほしい。

 

 

 

感想

インタビューを読んでいてインターネット出身者が過剰に台頭してきて市民権を得ていることを危惧しており、心地悪さすら感じているという部分に物凄く共感した。

 

筆者の場合はインターネット世界の話ではないがどこか「真ん中にいない人間」であるという自負があり、解りきれてもいない違和感に反抗しながら生きている節がある。だからこそ「こちら側」が真ん中になったらなったで暖簾に腕押し感があるのだ。

 

もちろん現状の盛り上がりは米津さんの功績による部分も大きいのだろうけれど、御本人からすれば「これは望んだ世界ではない」という感じなのかな。自身の名前が日々大衆性を帯びる中でも常に自分や周りのことを客観的に見ていて、色んなことに折り合いを付けながら生きている米津さんだからこそ覚える肩身の狭さがあるのだろう。

 

そんな人が徹底してJ-POPを住処としていることに何度も感動してしまう。30代に突入した米津さんの「居心地の悪さ」を発端として生み出されていくポップスを心待ちにしたい。

 

 

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