鯉の滝登り

好きなものを、好きなように、好きなだけ。

fun time ACCIDENT 3 (w/日食なつこ、黒子首)@Zepp Tokyo

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9月、リバイバル2ツアーに加えてa flood of circleのお祝いも終えたUNISON SQUARE GARDEN。どれも長くやってきたご褒美みたいなライブだった。

 

約6年半ぶりのfun time ACCIDENT。HOLIDAYの方が回数重ねていたから企画自体の存在が薄くなってしまったのではと危惧していたけど全くの杞憂だった。

皆様のご承知の通りだと思うのだが1も2も素晴らしいラインナップだった。今回も将来語られる企画になるであろうと確信を持ちつつ、挑むはZepp Tokyo

 

今回のftAは大阪・東京の2公演で、既に大阪公演は終了している。ゲストはカッパマイナス、崎山蒼志。本企画ゲスト全4組のうちライブを見たことがあったのは崎山くんだけだったので大阪羨ましいという気持ちもありながら、東京での新たな出会いにわくわく。カッパマイナスもまだ知らないのでちゃんと追ってみよう。

 

 

さて、東京公演である。

 

18:00スタートと平日にしてはやや早めではあるが、個人的にはこれくらいでいい。今日は金曜だからいいけれど、早く寝たいのでね。

 

 

1組目は黒子首。

先述の通り筆者は黒子首のことも、この後登場する日食なつこさんのことも存じ上げなかったので、最初どちらが出てきたのかすらわからなかった。前情報全くなしで望むのも良いのか悪いのか。

本当かどうか確認していないけれどつい先日まで新宿で路上をやっていたと耳にした。だとすれば今日、物凄い転換点だったのでは。もちろんセンスのある人々は既に知っていたのだろうけど...こういうバンドをいち早く発掘できるのって本当に凄い。筆者は苦手なのでそういう審美眼みたいなものに憧れる。

 

冒頭、堀胃あげはさん(Vo./Gt.)がサポートメンバーのギター、キーボードを紹介。このバンドはスリーピースだが本日は5人編成。

 

2曲目(公式のセトリ見たら"Driver"という曲だった)の時、みとさん(Ba.)のベースソロにスポットが当たってめちゃくちゃかっこよかった。

 

5曲目、堀胃さんが「"エンドレスロール"」とタイトルコールした後、入りのギターをミスって(何かスイッチの問題?)やり直してたんだけど、余計なこと一切言わず田中そい光さん(Dr.)との呼吸だけで仕切り直してたのが痺れた。誤魔化したくて「間違っちゃった☆」みたいなことマイク通して言う人もいるけど、あの張り詰めた空気を壊さずちゃんと演者のペースで音鳴らしてくれるバンド、信頼できる。

 

あと全然関係ないけど、田中さん絶対周りの人笑顔にする力ある。初見だけど物凄くいい人なのが伝わってきた。

 

堀胃さんが言葉を選びながら話したMCの中で単数の「あなた」に呼びかけるところがあって、まさにUNISON SQUARE GARDENが選んだ人たちだなと思った。演奏がめちゃくちゃかっこよくて、斎藤さんがゴリ押ししてたのも納得。

 

堀胃さんの歌声がウィスパーとはまた違うかもしれないけど独特で、でも決して作った声ではなく、静的に引き込まれるボーカルだなと感じた。海外に通用する日本人、という印象を持ったので海外でも行けるのでは?(御本人たちがそこを目指しているかはわからないけど)

いずれにせよ今日限りではなく、まずは音源からチェックしたいと思う。

 

 

2組目は日食なつこさん。

 

ステージ上にはピアノだけ。おお、ピアニストなんだ。筆者も地味にピアノを習い続けているので、謎の親近感。

バンドという界隈においてクラシック楽器はやはり独特な存在で、バイオリンを弾くBIGMAMAの真緒ちゃんとかもそうだけど、バンドで作れる音を超えてくる。これは優劣の問題では無いのだけど、ロックの合間を見事に縫ってくる楽器だなあと最近より強く感じる。

 

語りから曲に入るスタイルが印象的。シンプルに声が好きだし、話し声と歌声にあまり差異が無いのも聴いていて心地良い一因かも。何より歌がめちゃくちゃ上手い...

 

荒ぶってくると踵つけずにペダル踏み倒す気持ち、とてもわかる。最初声のボリューム小さめかな?と思ったけど"99鬼夜行"あたりからのエンジンのかかり方が凄くて圧倒された。

 

あとMC中の拍手からクラップに持ち込む流れに脱帽。UNISON SQUARE GARDENのファンはわりとクラップに抵抗ある人が多いような気がしていたけど、みんな心からのクラップしていて楽しかった。口が使えない今、手の有用性に改めて驚いている。制約があってもその中で楽しみ方を見つけていけばいいってこともユニゾンが教えてくれたんだよなあ。

 

MC中もそうだけど、終演後のツイートで日食さんが観客のマナーの良さを褒めてくれていた。ユニゾンのファンは本当によく出来ていて、あのトヨタの通路も歩く音しかしなくてびっくりした。本当にみんなライブが好きなんだな。ライブ行くためなら喋らないくらいやるよね。性善説、少しなら信じてもいいみたい。

 

 

最後はUNISON SQUARE GARDEN

 

SEをぶった切る"エアリアルエイリアン"、最高。マスクの中で爆笑してしまった。これからも定期的にやって欲しい。特にワンマンじゃないとき。

 

続いて"MIDNIGHT JUNGLE"。全然声出してないけど体力の消耗えぐい。改めて思うけど1→2の繋ぎ天才では?

 

たたみかける"Phantom Joke"。"10%〜"とかもそうだけど、初披露で心許なくてもちゃんと回数追うごとに仕上げてくるの強い。1曲目もそうだけど変拍子を内輪じゃないイベントで投入するの本当に鬼畜。大好き。

 

斎藤「UNISON SQUARE GARDENです!今日は時間の許す限り曲をたくさんやりたいと思うので、どうか最後までよろしくお願いします!」

 

"サンポサキマイライフ"!筆者はこの曲が1曲目かなと予想していた。《準備オーケー》のところで斎藤さんがイヤモニ調整してたのか、たまたま手がオーケーしてるように見えた。そしてボーカルの強さよ。

 

"サンポサキ〜"のアウトロで貴雄ちゃんがヘッドホン付けられてたので「はい夜な夜な〜」と思っていたのだけど"シュガーソングとビターステップ"。いい意味で裏切られて硬直。

リバイバルが続いて聴けてなかったこともあって思わぬ幸せ。何だか斎藤さんMステ出るらしいけど、3人の演奏が最強なのは確固たるものなので、斎藤・地上波ソロ・宏介さんがどんな感じになるのかシンプルに楽しみ。

 

少し話が逸れたけど、問題は次の"静謐甘美秋暮抒情"。7月の配信で繰り出した《都合良くなって》のエロすぎる「て」、油断してたけど生で聴けてしまった。あれって狙って出せるものなのね...音源欲しい。

 

"サイレンインザスパイ"前のセッションかっこよかったな〜。ミニドラムソロもあって痺れた。UNISON SQUARE GARDENさん、手の内を明かすことになるから恐らく実現はしないだろうけど、セッション集リリースしてほしい。

歌詞なかなか入り混ざってて「拙者も楽しそうですけど!」が爆誕した瞬間ちょっと笑っちゃってごめんね。

 

次こそ"徹頭徹尾夜な夜なドライブ"だった。赤と青(と白)のライティング、最早実家のような安心感。これ見ながら突然思い出したけど、もう一回ロゴが結合して光り出す様を見て爆笑したいのでプロconリバイバル見たさあるな。

田淵さんいつまで足上げ出来るのか気になる。足上げ断念してセトリアウトとかなったら面白すぎるけど、無理のない範囲で続けてほしい。普通にめちゃくちゃ元気出るので。

 

"桜のあと(all quartets lead to the?)"。Aメロで貴雄ちゃんがスティック持ちながら左手でスマートにヘッドホン外すの凄かったな。所作美。

なんかこの曲でクラップ久々に見たけどこれは違うなと思っちゃう。さっき散々クラップ褒めたのにめんどくさくて申し訳ない。なんかこれは違う。

 

斎藤さんの「ラスト!」からの"Cheap Cheap Endroll"は笑った。斎藤さんの肩に突進する田淵さん。段々下がってきて腰から股へ。これには流石の斎藤さんも両手で退けてた。"エアリアルエイリアン"で始まって"Cheap Cheap Endroll"で終わる、もしかしてDr.Izzyですか?

 

 

早々にアンコール登場。

斎藤「アンコールありがとうございます!.....ふふっ笑、いや、ステージ上からおじいちゃんの声がした笑。

うーん、何から話そっかなぁ...今日が多分だけどラストZepp Tokyoです。Zepp Tokyoなくなっちゃうからね。俺が18,19の時あそこら辺(1階後方指して)で見てて、『いつか俺もあそこに立ちたいな』って思いながらライブを観てました。その場所で今日こうやってイベントを締め括ることが出来て、感慨深いものがありますね。

あのー、fun time ACCIDENTというイベントは、現代のマリーアントワネットのようなものなんですよ...自分たちの好きなアーティストを呼んでライブをするっていう笑。でもこうやって、誠意を持ってお誘いしたら素晴らしいライブで返していただいて、本当にいい一日になりました。

最近はライブがしづらいし行きづらい世の中になってしまったんですが、今日もどこかで僕の知らないバンドがライブをやっていて、みんなの知らない音楽がまだまだたくさんあると思うので、行ける人・足を運べる人はどうか行ける時に行ってあげてください...行ってあげて、っていうとなんだか偉そうだけど。でも皆さんがちゃんとこうやってね、ルールを守れる人だってわかったから。足を運べる人はどうかライブに、ライブハウスに足を運んでください。

今日はありがとうございました。」

 

このMCからの"mix juiceのいうとおり"、あらゆるものが包含されてて感極まるところがあった。今日のMCもそうだし、普段のフェスのMCも、この企画自体も、バンドの活動全体を見ても、「ロックバンド」をちゃんと背負ってまわりも連れていってるのが彼らの強さなんだよなあと改めて感じた。彼らが他のバンドを紹介するだけで、リスナーだけでなく業界の注目も得られる。ftAはまだ世に見つかりきっていない才能をお墨付きで表に出すという役割も担っているんだな。中堅の彼らがやることに強い意義があると感じた。

 

そしてZepp TokyoSTUDIO COASTもそうだが、思い入れのある箱が消えるのは本当に寂しい。今年行けずに終わると思っていたので、最後に思い出に浸る機会をくれたロックバンドに感謝。

実は初めて2Fの席で見たのだが最前センターは見晴らしが良すぎてこれはハマりそう。3人の頭から足まですべて見られるし、この席が人気である理由がわかった。最後なのに新たな発見。ただ狙って取るのは難しそう。

 

珍しく3人まとまってステージからはけていったUNISON SQUARE GARDEN。来月からはいよいよ「Patrick Vegee」のツアーがはじまる。

リリースから約1年、熟した新曲たち。

食べられなくても、食べにいく。
 

 

 

 

9/10 fun time ACCIDENT 3 (w/日食なつこ、黒子首)@Zepp Tokyo セットリスト

 

黒子首

1.Champon
2.Driver
3.チーム子ども
4.熱帯夜
5.エンドレスロール
6.あなうめ
7.静かな唄

 

日食なつこ

1.真夏のダイナソー
2.空中裁判
3.なだれ
4.99鬼夜行
5.エピゴウネ
6.ダンツァーレ
7.水流のロック
8.音楽のすゝめ

 

UNISON SQUARE GARDEN

1.エアリアルエイリアン
2.MIDNIGHT JUNGLE
3.Phantom Joke
4.サンポサキマイライフ
5.シュガーソングとビターステップ
6.静謐甘美秋暮抒情
7.セッション〜サイレンインザスパ
8.徹頭徹尾夜な夜なドライブ
9.桜のあと (all quartets lead to the?)
10.Cheap Cheap Endroll
en.mix juiceのいうとおり

 

 

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