東京オペラシティアートギャラリーで開催中の「和田誠展」に行ってまいりました。
2019年にこの世を去るまでイラストレーター、グラフィックデザイナーとして様々な作品を残された和田誠さん。アニメーション作家、編集者、映画監督、エッセイスト、作詞・作曲家等、多彩な顔を持つ人物でもあります。
そして家族も個性的。妻は料理愛好家でシャンソン歌手の平野レミさん、長男は筆者の大好きなバンドであるTRICERATOPSのギターボーカル・和田唱さん、次男は株式会社remyを立ち上げた和田率さん。唱さんは上野樹里さんと、率さんは料理研究家の和田明日香さんとそれぞれご結婚されています。
さて今回の展示、和田誠さんが手掛けたおよそ2,800点(!)の作品や資料を公開しており、それらを30のトピックスに分けて紹介されていました。
入場してすぐ左の展示室には和田さんが描いた似顔絵がびっしりと並んでいました。
和田さんの年表とともに。平日の昼間でも沢山の人々が訪れていて、彼の偉大さを改めて思い知りました。
幅広い世代に愛されている理由の一つとして、長期に渡って担った仕事が多いという点が挙げられると思います。この展示室の次の部屋がまさにそういったカテゴリーなのですが、週刊文春の表紙は40年超、朝日新聞の読者欄の似顔絵は25年超、朝日新聞の「三谷幸喜のありふれた生活」は2000年から始まり、現在も既出作品で続いているのです。
不思議なのが、一目見ただけで和田さんが描いた絵だとわかるのに、それぞれに共通しない驚きと個性が反映されていることです。作品一つをとっても、長く仕事を続ける上での秘訣を見たような気がしました。
文字もそう。所謂「和田文字」についての展示もありました。「和田誠フォント」としてフォント化しないかというお話も実際にあったそうで。フォントになってほしい気持ちもあり、作品として独立していてほしい気持ちもあり...。
知っているようで知らなかった和田さんの作品を改めて振り返ることが出来る展示でした。とにかく量が多くて、これから行く方はある程度時間を確保してから訪れた方が良いと思います。
それだけ濃く豊かな人生であったことが窺えます。私たちが見ているものもほんの一部分かもしれませんが。
東京オペラシティアートギャラリーでは12/19(日)まで開催しています。その後2022-2023年にかけて巡回展を行うそうです。
普段余程感動しない限り図録は買わないのですが、これは一度読み込んで会期中に再訪しなければ...と思い即決。
今から図録読みます。かなり分厚くてフルカラーなのでわくわく。
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