抽選とは基本的に運である。いろんな手を使って当選確率を上げることも出来るだろうが、それすら出来ずにただ待たねばならないときもある。仕事でいくら徳を積もうが外れる人は外れるし、他人の彼氏ばかり狙いたがるような狡賢い女性が連続当選することもある。どんな人だって日々良いことも悪いこともしているだろうが、当選にも落選にもそれなりの理由をつけないと気が済まない。結局はそのときの運に過ぎないとわかっていてもだ。
わたしは本当にCDというものが大好きで、幼い頃からひたすらにCDと向き合っていた。帰国子女というバックグラウンドからかもしれないが、帰国時には日本のCDをまとめて買い、行く先行く先でそれらを聴いた。祖父母に送ってもらうこともあった。
今でも月に10〜20枚、すべて必ずタワーレコードで購入する。以前からこのブログを読んでくださっている方々はおわかりかと思うが、渋谷店には本当によく訪れている。音楽のことだけ考えていられるので、自分にとっては癒しの場でもある。
今回のイベントに当たったのは紛れもなく運だ。個人的にチケット運などはない方であるので、本当にまぐれだったのだと思う。
それでもわたしはこの当選に「長年タワーレコードで多くのCDを購入してきたから」という自己満足な理由を付けたい。これだけタワレコに片想いして貢いできたのがやっと報われたんだ、と。上には上がいるけれど、タワーレコード愛はいろいろな形で示してきたつもりだ。これは素直に喜びたい。当たって嬉しい。
もちろん愛が足りなかったから落選しただなんて思わないで欲しい。勝手にこう思いたいというだけの話だから。
そして当然のこと、当選者がいれば落選者もいる。すでに8/30にこのイベントの大阪公演(心斎橋JANUS)が行われていたが、倍率は約5倍であったそうだ(後に記すが今回は3倍)。
下北沢CLUB Queプレミアムライブでの言葉を思い出す。
田淵「今日は選ばれた君たちは本当にラッキーな人たちだと思います...その代わり今日来れなかったやつがいっぱいいる。やっぱり頑張って応募したけど当たんなかったやつもいるだろうし、そういうやつにもすごい申し訳ない気持ちもあるので...ラッキーだったなっていう気持ちを受け取ってもらってあまり出しゃばらず、偉そうにすることなく、これからも気持ち良く我々と付き合ってもらえたら嬉しいと思う」
こういうとき当選者を悪者扱いする風潮はおかしいと思うけれど、当選したからといって調子に乗らず、全力で楽しみ、目撃し、「伝える」ことが行ける人の義務であると感じた次第である。
前置きが長くなった。端的に言うと、早くUNISON SQUARE GARDENのライブレポートが書きたくて仕方なかった。はてなブログさんから「前回の記事(SK's Session)から1ヶ月経ちますけどそろそろ次のやつ書きません?」って連絡が来てしまった。
9/5、川崎CLUB CITTA'。UNISON SQUARE GARDEN×TOWER RECORDS 「10% roll, 10% romance」リリース記念イベントが行われた。
チッタのキャパシティは1300名。TRICERATOPSのツアー以来約2年ぶりに訪れた。
川崎って明らかに東京とは違う空気が漂っていて、なんかお洒落なんだよなあ。気取らない上品さというか。ヤンキーのイメージもあるけど、道行く人々が凛としていて好きです。
16:00〜、身分証明書+応募券+メールで本人確認を済ませる。腕に紙製のリストバンドが巻かれる。しょくぱんくん並に無愛想なリストバンド。結構嫌いじゃないけどもUNICITYのときみたいな文字の印刷はないのね。
開場まで近くのスタバで暇潰し。スタバ店員であることを悟られぬように注文。やっと横浜のスタバカードゲット。
BUMP OF CHICKENのチケットの申し込みをする。ライブハウス当たったら泣くなあ。
18:45〜、開場。整番が後ろから数えた方が早かったため、19:13頃に入場。お久しチッタ。ドアが後ろしか開いてないけど、ステージは高くて見やすい。下手側のそこそこ前の方へ。結構空いてる。
後ろに大きいカメラ発見。
19:36暗転。青色の光。イズミカワソラの"絵の具"をSEに、鈴木→田淵→斎藤の順で登場。斎藤、右手を高く上げて一礼。この感じよ。ずっと待ってたよ(2ヶ月)(宏介さんに限っては1ヶ月)
【衣装】
斎藤:肩から袖が黒いシャツ、黒スキニー
田淵:0078Tシャツ(黒)、ボロボロジーンズ、いつもの靴
鈴木:デニムっぽいフード付きロングカーデ、ポップなロング白Tシャツ、グレーのサルエル
アクトは貴雄ちゃんのカウントでスタート。"場違いハミングバード"である。会場のボルテージが急激に上がったのがわかる。改めてこの曲で始まるのが本当に楽しすぎた。久しぶりのUNISON SQUARE GARDENのライブともあって、演者も観客も弾け具合が尋常じゃない。宏介さんの華麗な舌打ちも顕在でした。
続く"BUSTER DICE MISERY"。以前やってた宏介さんのタイトルコール、今回は無かったです。ツアーを経てるしイベントでもぼちぼち組まれる曲だからやっぱり安定感がある。単純に上手い。田淵さんのAメロでの細やかな歩きと「ばっつぅー」の首傾げもありました。キメがしっかりハマっててかっこいい。
ここまでで既に軽くテンションMAXなのに、畳み掛ける本日の主役"10% roll, 10% romance"。イントロが鳴った瞬間フロアの気持ちが前のめりになったのがわかったけど、嬉しいのは3人も同じみたいだ。台湾のフェス(No Fear festival)でやったのを知っていたから早く聴きたくて仕方なかった。
今日は音を聴くことに注力したけれど、やっぱりこの曲難しそう。ライブでやりたくないと言っていたのも頷ける。久々のライブというハンデもあったけど、これからツアーでどれだけ成長するのか楽しみな1曲。
最後の《僕だけで十分だからさ》の「だからさ」の入りを半拍置いてた。宏介さんだけじゃなくコーラスの田淵さんもやってたから、ライブではこのバージョンでいくのかな。とても綺麗でした。
斎藤「どうもお久しぶりです、UNISON SQUARE GARDENです!
えーユニゾンにしては珍しく、約2ヶ月半のライブをやっていない期間を経て、つい先月新曲をリリースして今日のライブを迎えました!実はこの曲、今年の頭...1月とか2月にはもう出来てたのね。だから半年間は僕ら3人だけしか知らないっていう期間があって。僕らこの曲ほんと大好きで...よっしゃいいの出来た!って作って、で自信作だからずっと聴き続けるわけ。でリリースが8月でしょ?そろそろ僕らが飽きてきたっていう頃に皆さんにお届けできることをとても嬉しく思っております!
で今日は皆さんタワーレコードでCDを買っていただいて、でそのCDについてた応募券?封入券?を送って応募してくれたんだよね?で、なんと物凄い数の応募があったそうで。タワレコの人がそれはもう興奮した顔で『物凄い数来てますよ!』って言うから『倍率どれくらいなんですか?』って聞いたら、『3倍です!』って。『...ほ、ほ〜ん』。高くもなく、低くもないか...?みたいな。でもその応募券にはリリースイベントで何やるか、みたいなのは書いてなかったでしょ?だから新曲1曲だけやって後はトークイベント!とか思ってる人もいるかもしれませんが、なんと曲しかやりません!だから今日は残念ながら田淵くんとハイタッチもできませんし、鈴木くんと握手もできませんし斎藤くんとチェキも撮れません!でもいい曲しかやりませんので、それでもいいよって方は最後まで楽しんでいってくださいよろしく!」
MC中、田淵さんは扇風機の微調整をしたり、青のセームタオルみたいなので顔ゴシゴシしたり、宏介さんの話に笑ったり。貴雄ちゃんは黄色いスポーツドリンクのんだり、太陽タオルらしきもので顔を拭いたり、髪をかきあげたり。
からの"流れ星を撃ち落せ"。イントロ貴雄が立ち上がり、フロアも沸く。《未だ坊やはロックにご執心》のところ、ぼうやはロックにご執心って感じで歌ってたのが印象的。
そして"きみのもとへ"。田淵さんこの曲すごくお気に入りなんだろうなって思うノリノリ感。ベースソロで貴雄ちゃんが田淵さんのことスティックで指してた。何度見ても愛がある。
《諦めない勇気をくれた》で高い音を狙って出す時の宏介さんの顔傾け具合がお気に入り。
"マスターボリューム"は驚いた。単純に今日聴けると思っていなかった。昔の曲もセットリストに織り交ぜてくれるのが嬉しい。
貴雄ちゃんのドラムアレンジが本当に凄くて、もはや違う曲なのではと思うくらい。彼の自主的な進化、他のドラマーが金輪際追いつけないところまで来ている気がする。
"flat song"。この時点で「あ、3曲すべて披露してくれるんだ」と感動。およそ5年前からあったこともあり、"10%〜"よりも安定感が見えた。音源で聴くよりもグッと来てしまった。前半攻撃的な楽曲が多かったからこそ、ノスタルジックな世界観に浸れる。セトリおじさんの術にまんまとハマっている気がする。
コーラスも綺麗で好きすぎる。ツアーで聴けるのも楽しみ。
MCかな、と思ったら続く"未完成デイジー"。"クローバー"じゃないところが結構ミソだよね。リリースライブでも通常のワンマン並にちゃんとしたバラードパートを組んでくれたのが嬉しい。
2月のLEGO BIG MORLとの対バン含め、今年2回目の披露。さっきも少し言ったけどバラード時のリズム隊のコーラスが本当に綺麗で痺れた。
斎藤「今日のライブってさ、無料なわけじゃない。だから僕らには一銭も入らないの。田淵くんなんて見て!ズボンビリビリでしょ?直すお金もないの!こうやって極貧生活を送りながらも皆さんに新曲を聴いて欲しかったわけですよ。ずっと喋ってたいんだけど、僕この後夜勤あるから、コンビニの。...こういうこというとたまに本気にされるんだよなあ。
リリースイベントとかよくやらせていただくんですけど、いつもこうお互い探り合いの状態が続くんだけど、今日はもう最初から熱気が凄いから大丈夫ですね。なんか距離感がわからないことが多くて不安で。『お気に入りのワンピースで来ました』みたいな子が最前列とかにいると『あ、ごめんごめんそういうんじゃなくて!』ってなるから。その点今日は楽しいですね。我々の普段の教育のおかげかな」
田淵さん笑ってるかわいい
貴雄ちゃんからはじまる"RUNNERS HIGH REPRISE"。イントロで手拍子したけど、意外に浮いてて驚き。せっかくだから我々もバスターズのオマージュしません?
1/26(Shoegazer Speaker in Swanky Street)→4/21(fun time HOLIDAY6 札幌)ときて、リリースライブの大阪公演を除けば3回目の披露。音源化してからは初である。田淵の表情を見ていると自然に「含めたピロウズ要素」の答え合わせができそうだった。
ラストのドラムのまとめ方がめちゃめちゃシンちゃんだけど、ライブでも貴雄がすごく意図的にやっている表情をしていて楽しそうだった。3人が奏でる全力のオマージュ、最高です。
"天国と地獄"。謎の安心感。《余りある殿方にお任せ》、今の歌い方もかっこいいけど、音源みたいなセクシーさをはらんだ「お任せ」、これからも勝手に期待してます。
"オリオンをなぞる"は何回来ても嬉しい。この曲本当に貴雄ちゃんがいい表情するんだよなあ。2番も結構仕掛けてきていて最高。
そしてラストは"crazy birthday"。リリースライブでここまでやってくれるの贅沢すぎる。田淵さんの「バカー!」への煽りは無かったな。あれは対バン限定だね。楽しすぎてあんまり細かいこと覚えていない。
斎藤「おしまいっ!」
ちゃんとおしまいだった。本編終了は20:36でぴったり1時間のアクト。
手拍子の後、再び登場してくれた3人。
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斎藤「えーアンコールありがとうございます!皆さんお聴きの通り、また新たに聴いてもらいたい曲が3曲も増えました。で来月からいよいよワンマンも始まります。ワンマンでも早く皆さんに聴いてほしいです。なのでお近くの会場に!ぜひ!遊びに!!来て!!!ください!!!!
じゃあ、最後に1曲だけ。UNISON SQUARE GARDENでした」
貴雄がヘッドホンしてたから"mix juiceのいうとおり"かなあと思っていたら、"シュガーソングとビターステップ"。ftH6でセットリストに組まれていなかったからこそ、この楽曲が最高に愛おしい。思わず泣いてしまったけれど、田淵にうんうんされて余計泣いた。
多幸感をしっかり全身で味わうことが出来た。
こんなに素敵なライブ、お金払わなくて本当にいいのかしら。もはや抽選が憎らしい。わかっていたことだけど、ここまでいいアクトしてくれるんだったら応募者全員に目撃してもらいたかったと強く思った。
それでも来月には待望のワンマンツアーが控えている。そこに最高の「楽しい」があることは間違いないので、わくわくしながら待っていよう。
UNISON SQUARE GARDEN×TOWER RECORDS 「10% roll, 10% romance」リリースライブ セットリスト
01.場違いハミングバード
02.BUSTER DICE MISERY
03.10% roll, 10% romance
04.流れ星を撃ち落せ
05.きみのもとへ
06.マスターボリューム
07.flat song
08.未完成デイジー
09.RUNNERS HIGH REPRISE
10.天国と地獄
11.オリオンをなぞる
12.crazy birthday
en.
13.シュガーソングとビターステップ
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