鯉の滝登り

好きなものを、好きなように、好きなだけ。

TRIBUTE TO TRICERATOPS

2020年をやっと締め括ることができる気がする。

 

 

本日2020年12月30日、TRICERATOPSのトリビュートアルバム「TRIBUTE TO TRICERATOPSがリリースされた。

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2020年に入ったときまだ彼らは「放竜中」。実質活動休止しており、和田唱吉田佳史はソロとして、林幸治はNorthern Boysとして、それぞれの音楽活動を行っていた。いくらあの名曲に"2020"と名付けられていても、本人たちのリズムによっては今年帰ってこないんじゃないかな、それも彼ららしいのかもな、なんて考えていた矢先に突然の「集竜」。再び3人で音を鳴らす瞬間が来た。

後から知ったことだが、世が世でなければ「集竜」はもう少し早いはずだったらしい、とか?まあそれはいいじゃない、間に合ったんだからね。

 

 

そして2020年を終えようとするこのタイミングでトリビュートアルバムのリリースとなった。

参加したアーティストはレジェンドから盟友、後輩まで幅広い。トライセラが歩いてきた道のりに関わってきたアーティストの多さが、このバンドに対する信頼や尊敬・憧憬の念の強さを示している。

 

参加アーティストに筆者の好きなアーティストがあまりにも多くて、自分の趣味を見透かされている気持ちになる。トライセラきっかけで聴き始めたアーティストもいれば別のきっかけで知ったアーティストもいるけれど、きっと何か通じるものがあるんでしょうね。

 

 

さて、早速1曲ずつ聴いていこう。

 

 

 

 

1.ロケットに乗って / 奥田民生

エピソード

トライセラ×奥田民生といえば印象的なのは「12-Bar」かな。佳史さんがトイレ(?)かなんかではけて、戻ってきたら民生さんになっててそのまま"ヒゲとボイン"聴いた記憶がある。話逸れるけどあの時の3人のモノマネ本当に面白かった。侍を舐めたらいかんぜよ...

 

トリビュート

元から民生さんの曲に近いエッセンスを感じていた"ロケットに乗って"。それもあってかどちらかと言えば忠実なカバーに近いけれど、もっと音が濃く太くなっている。ロケットよりもっと地に足が付いた...オートバイとか軽自動車の方が似合う。アウトロのフランジャーエフェクトゴリゴリな所が好き。

 

奥田民生さんにもう1曲カバーしてもらうなら

"TATTO"かなあ。唱さんと民生さん、ボーカルに意外と似たものがあるように感じる。民生さんの歌声でタトゥータトゥータトゥータトゥーベイベ、ってやってほしい。

 

 

 

2.2020 / GRAPEVINE

エピソード

トライセラとは戦友であり、同じ時代を築いてきたバンド。お互いが鏡でありながら、鏡に写したもう1人の自分のような不思議な関係。筆者はどちらかと言えばずっと"トライセラ派"に属していたのだが、バインの「ALL THE LIGHT」(2019年リリース)に痺れ、状況がこうなるまでかなりライブに足を運んだ。

 

トリビュート

どちらのバンドも夢見ていた2020年に、どちらも息をし続けている。トライセラの存在自体に敬意を表したサウンドにくらくらした。

メロディをいじっているところや、曲が進むにつれグラデーションのように色がついていくような感じがバインにしか出来ないアレンジで好き。「真昼のストレンジランド」に収録されていてもあまり違和感ない。

 

GRAPEVINEにもう1曲カバーしてもらうなら

"Vine"って言いたいところだけど"Fall Again"。トリビュートについて考えるもっと前から、サビの部分になると脳内で田中さんがカットインしてきていたというとても個人的な理由で。唱さんが歌うと甘くなるフレーズも、田中さんが歌うと憂いを帯びたりしてこれがまた選びがたい。

 

 

 

3.New Lover / LOVE PSYCHEDELICO

エピソード

今回の参加者の中で筆者がトライセラより先に出会っている唯一のアーティストがデリコです。当時イギリスに住んでいた自分にとってはアメリカ英語との最初の出会いだったかもしれない(違うかもしれない)。

いつぞやのニコ生でKUMIちゃんの歌い方を唱さんが真似しているのを聴いてから、トリビュートで参加するなら"New Lover"一択だなと思っていたのがついに叶ってしまった。

 

トリビュート

NAOKIさんとKUMIちゃんがこれを演奏する想像が昔から出来ていたので驚くこともないが、アコースティックな音色からリズム感まですっかりデリコのもので笑うしかない。ちょっとNorthern Boys方面な感じもまたいいですね。smile/styleのところ、「それ!!!!!」って思っちゃうの許して欲しい。トライセラに発明が多いように、KUMIちゃんの日本語と英語の境目のない歌い方もデリコの発明だと思う。

 

LOVE PSYCHEDELICOにもう1曲カバーしてもらうなら

"King Of The Jungle"と悩んだけどFUTURE FOLDER"。今回のトリビュートを聴いて、メロディにあまり動きのないAメロをKUMIちゃんが歌うの好きだな、と思ったので。

 

 

4.if / スキマスイッチ

エピソード

筆者の姉がスキマスイッチのファンで、よく一緒にライブに行っている。

彼らとトライセラの結びつきはかなり強い。吉田さんはRECやライブのサポートをしているし、唱さんとは一緒に昭和音楽大学で講義とライブを行った「楽演祭VOL.3」に出演。彼らが「唱くん」と呼ぶの結構好き。

 

トリビュート

先述の「楽演祭VOL.3」にて大橋さんがメロディの好きな部分を熱く語っていた"if"。ソウル風のアレンジながら、この曲の持つ繊細な部分をちゃんと汲み取ってるのがいい。

何より大橋さんのボーカルが強すぎる...トライセラの曲に合ってるのはもちろん、声の美しさが最大限に生かされたカバーに脱帽。

 

スキマスイッチにもう1曲カバーしてもらうなら

BPMを落とした"Jewel"やってほしい。原曲はかなりポップだけど、もっとムーディーにしっとり歌い上げる感じのやつがいいな。

 

 

 

5.Raspberry / Base Ball Bear

エピソード

ベボベがリハで"Raspberry"やっていたあの瞬間は一生忘れないと思う。

このバンドは筆者が出会った頃はスリーピースでは無かった。スリーピース代表格のトライセラを同じ輪郭で追う彼らがとても愛おしい。

 

トリビュート

"Raspberry"はトライセラの発明品と林さんもツイートしていたけど、本当にその通りだと思う。こいちゃんが「コピバンに徹した」と言っていたように、どストレートなカバーに仕上げたことがこの発明品に対する最大級の賛辞だ。これを聴いてベボベはスリーピースバンドなんだと改めて思うことができた。

 

Base Ball Bearにもう1曲カバーしてもらうなら

"Going To The Moon"。トリビュートリリース前に寄せられたデリコのコメント動画でNAOKIさんがイントロのワーミーペダルにやられたと言っていたけど、ベボベなら発明品をリスペクトした純粋なカバーが出来る気がする。サビのコーラス、原曲は下オクターブだけど関根嬢の上オクターブを是非聴きたい。

 

 

 

6.Guatemala / OKAMOTO'S

エピソード

OKAMOTO'Sはハマちゃんきっかけで聴き始めたなあ。彼らも「12-Bar」の印象が強い。ハマちゃんっぽく扮した唱さん面白すぎた。そんな唱さんに「俺以外で仕切る男初めて見た」と言わしめるショウくん。そういえばダブルショウだね。

 

トリビュート

"Guatemala"。サイケでエキゾチック、微睡むような幻想的なアレンジでふわふわした気持ちになる。バキバキにロックしてくると思っていたから意外すぎた。これは寝る前に聴きたくなる。

Aメロの上がるところで歪ませないんだ、と思えば1箇所だけ音歪ませてて痺れた。

 

OKAMOTO'Sにもう1曲カバーしてもらうなら

ゴリゴリロックよりムードある曲のカバーが更に聞きたくなったので"GLITTER"。ベースガンガンにしてほしい。

 

 

 

7.赤いゴーカート / UNISON SQUARE GARDEN

エピソード

どちらもFCに加入している好きなバンド。斎藤さんと唱さん、もしくはトライセラの絡みは幾度かあれど、バンド同士がしっかり関わったのは2017年のDINOSAUR ROCK'N'ROLL 7が記憶に新しい。改めて思い返しても凄い夜でしたね。

↑レビュー書いてますのでよろしければ。

 

トリビュート

各所でコラボ経験のある"赤いゴーカート"。この2バンドは住んでいるBPM域がかなり違うので、ユニゾンの手にかかると「生まれ変わった感」が凄い。同じ構成で勝負しなきゃいけないからこそユニゾンらしさフルスロットルって感じ。

《世界は回ってる フルスピードで》→"シュガーソングとビターステップ"のイントロを思わせるドラム+エンジン音のようなベース→《赤いゴーカートにエンジン もう一度かけて 走り出すんだ》の部分が好きすぎる。この曲元々短めだけど今トリビュートで唯一の2分台。

少年たちは今もトライセラを追い続けているんだろうなあ。

 

UNISON SQUARE GARDENにもう1曲カバーしてもらうなら

彼らのカバーは色々聴きたいんですけどやっぱり"LOONY'S ANTHEM"かな...《楽しいことばっか捜すよ 死ぬまでずっとずっと》がバンドスタンスを体現してる感じがするので。

 

 

 

8.シラフの月 / 山崎まさよし

エピソード

山崎さんも「12-Bar」だけど、個人的には「ヤマショウのマーチ」(アコースティックライブ)の方が印象強いかも。"セロリ"また聴きたいなあ。

 

トリビュート

切なさ増し増し大人の恋模様みたいな雰囲気が凄くいい...これは山崎さんの歌声ならではですね。ラスサビのコーラスもお洒落だし。

シラフなのにお酒飲みたくなっちゃう。心地良さと痛みのバランスが絶妙すぎてずっと聴いていたいと思う。

 

山崎まさよしさんにもう1曲カバーしてもらうなら

"Walk In The Park"かな...思い出に耽って切ない気持ちになりたい。転調前のコーラス聴かせてください。

 

 

 

9.New World / 仲井戸"CHABO"麗市

エピソード

チャボさんは本当に、トライセラがいなければ出会えなかったであろうアーティストの一人。以前唱さんがCHABOさんに憧れる理由として「ギターヒーローであること」と「シンガーソングライターとしての世界観を確立していること」を両立させている点を挙げていた。和田唱の、またトライセラの目指す姿である。

 

トリビュート

レジェンドは流石すぎた。ポエトリーリーディングパート心に来るなあ。忌野清志郎を彷彿とさせるようなカバーで、一時代を築いた二人に思いを馳せる。チャボさんのリスペクトアルバムにトライセラが参加していたから今回のトリビュートは嬉しかった。ノリノリで演奏しているのが伝わってくる音源でした。渋くてかっこいいなあ。

 

仲井戸"CHABO"麗市さんにもう1曲カバーしてもらうなら

チャボさんは絶対"New World"だと思っていたから他の選択肢を考えていなかったけど..."彼女のシニヨン"とか聴いてみたいかも。

 

 

 

10.トランスフォーマー / KAN

エピソード

トライセラのファンはかなり親しみを持っているアーティストの一人、和田シャーことKANさん。数多く見ているのに語ることはファントムやサンバなど衣装のことしか頭にない。本当にサービス精神旺盛で素敵な方ですよね(書きながら和田シャーのことしか考えられない)。

 

トリビュート

"トランスフォーマー"はトライセラの楽曲の中でも本当に大好きで、トリビュートでもどなたか選んでくれないかな...と思っていたのでKANさんには感謝しかない。原曲の持つ可愛さをトライセラはロックな音でかっこよくまとめているけれど、KANさんはそのキュートな部分を近未来的なアレンジで惜しみなく抽出した。

ボーカルにもエフェクトかかっててピコピコした雰囲気なのに、サビ前とアウトロラストにしっかりオリジナルのギター鳴らしてくるの最高すぎる。初めて聴いた時無意識に涙出ました。

 

KANさんにもう1曲カバーしてもらうなら

"Happy Saddy Mountain"でしょう。これは即答。是非唱さんをコーラスに迎えて...あの溶けるようなハーモニーまた聴きたい。

 

 

 

11.ラストバラード / Quattro Formaggi(桜井和寿+TRICERATOPS)

エピソード

DINOSAUR ROCK'N'ROLL 6のシークレットゲストは記憶に新しい。桜井さん+トライセラで結成されたバンド「Quattro Formaggi」通称マッジオ、本当にトライセラと桜井さん(ミスチル)のファンしか知らなかったんじゃないかと思うくらい贅沢なボーナスCDでしたね。

 

トリビュート

"ラストバラード"は意外だし、正直もっとミスチルっぽくなると思っていたけれどそんなことは全く無かった。

トライセラの演奏だからというのはもちろんだけど、桜井さんのボーカルがまだ進化しているというのがよくわかる。3人に対するリスペクトと、同じ音楽を作る仲間としての空気感が共存している不思議さが桜井さんの熱量としてボーカルに現れている。ミスチルの最新アルバム「SOUNDTRACKS」も良かったし、彼の進化は本当に留まる所を知らない。

ゴルゴン桜井氏の力強さが3人のグルーヴにマッチしているし、そもそもメロディが良すぎる。

 

 

Quattro Formaggiにもう1曲カバーしてもらうなら

"スターライト スターライト"ですね。今回のバラードとは違う、トライセラの誇る「踊れるロック」に桜井さんの歌声が乗ったらと思うとワクワクする。POPSAURUSとTRICERATOPS

 

 

 

12.Fever / 和田唱&小田和正 (BONUS TRACK)

ですよね!ボーナストラックと言われればこれしかないだろうと思ってました。小田さんもトライセラがいなければ「ドームで自転車乗る綺麗な声の人」という印象しかなかったし凄さを知らないまま今日まで生きてきたかもしれない。

これは購入した人のお楽しみということで。

 

 

 

感想

購入した人のお楽しみで思い出した、ケースの内側の件。開いたら本当に感動しちゃった。本当に豪華なメンツだなあ。

 

トライセラのトリビュートに参加して欲しいアーティスト、カバーして欲しい楽曲がありすぎて、既にボリュームあるのにもっと聴きたいと思ってしまう。これはきっとトライセラの楽曲の美しさによるものですね。

 

彼らの構築してきた音楽は本当に素晴らしく、それに憧れ、賛同するアーティストが多くいるということが改めてわかり、それが形になったことが本当に誇らしいです。このトリビュートアルバムをきっかけに、最高のスリーピースバンドの凄さが更に多くの人々に伝わりますように。

 

 

 

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