鯉の滝登り

好きなものを、好きなように、好きなだけ。

Suchmos - YOU'VE GOT THE WORLD TOUR@パシフィコ横浜(4/28)

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すごくいいライブを観たなあという率直な満足感と、この6人はいつだって地に足をつけて活動しているんだという安心感。終演後に感じたのはその2つだった。

 

 

4/28、SuchmosによるYOU'VE GOT THE WORLD TOURパシフィコ横浜でファイナルを迎えた。この公演はいろいろな媒体でストリーミング配信されたとのこと。配信については後で触れる。

 

今ツアーは横浜・名古屋・大阪の3都市で開催しており、チケットは発売と同時に即日完売。全6公演で2万人を動員とのこと。数字だけで判断するのは好きじゃないけど、純粋にすごいことだと思う。

 

さて、まずは一通りライブを振り返る。筆者視点のレポートなので正確性に欠ける点・主観で書き進めてしまう点はご了承頂ければと思います。

 

 

 

ライブレポート

18:00を少し過ぎた頃、SEのS.G.Sと共に登場した6人。歓声に包まれるパシフィコ横浜

YONCE「おはよう」

カーキのジャケットにジーンズのYONCEがギターを持ったままオーディエンスに呼びかけ、新曲からスタート。歌詞にmountain topって聴こえた気がする。「oh yeah pacifico」「We're Suchmos from here」も織り交ぜてた。

 

YONCE「Thank you. 横浜ただいま!今日はみんなのイイ感じのところ見せてもらいますよろしく!Good Vibration見せてくれ!」

からの"PINKVIBES"。イントロのギターリフ良きかな。heyの言い方が今までになく吐息っぽくて痺れた。2サビからはハンドマイクにして身体を揺らす。曲間ではTAIKINGが、最後はYONCEがオーディエンスを煽る。

 

YONCE「ありがとう。Everything's gonna be alright. Yokohama, be alright」

赤の照明に照らされて"ALRIGHT"。YONCEとHSUが向かい合うところでオーディエンスも高まる。 

YONCE「"ALRIGHT"って言ったら"ALRIGHT"って言ってね!横浜!声ちっちゃめだね!」

「It's Alright」「ALRIGHT」のコールアンドレスポンスではYONCEが盛り上げる。サウンドと照明も上手く絡み合って絶好調。

 

YONCE「改めまして、Suchmosです! YOU'VE GOT THE WORLD TOUR、横浜公演2日目、即ちファイナル!パンパンにしてくれてありがとう!

今日は音楽好きなみんなが何か面白いことがあるだろうと思ってこの会場をパンパンにしてくれてるという事実が本当に嬉しいです。俺たちは音楽好きな人たちの前に立つと安心します。今日はみんながイイ感じになっている所を何度でも見させてもらいますよろしく!

みんなの直感にリスペクトを捧げてお届けしたいと思います」

 
"WIPER""Come Together"。アレンジ効きすぎててたまらん。ギターからベースに旋律が移動するところがナチュラルすぎてゾクゾクする。ギターの音本当に太くなったなあ。"Come Together"がひたすらに最高。


そして"STAY TUNE"。前もこの話した気がするけれど、この曲はBUMP OF CHICKENでいうところの"天体観測"のような、UNISON SQUARE GARDENでいうところの"シュガーソングとビターステップ"のような、そのアーティストを第一線に押し上げる役割を担っていながらも「にわか判定曲」としても使われてしまうような、名曲でありながら複雑な立ち位置の曲なのである(deerさんみたいな長い文章になってしまったことを反省しています)。それでもやっぱり好きだしやっぱり楽しいんですよね。みんなが知っているからこそ絶妙なアレンジも効かせていて、また新しい"STAY TUNE"の表情を見ることができた気がする。


クラップを煽っての"808"。配信限定でありながら、CM曲の認知度は本当に凄いと認めざるを得ない。TAIHEIの上コーラスが本当に綺麗。波打つようなライトとレーザーが絡み合う演出が美しかった。

 

YONCE「ありがとう。度々言うけど、2日間このパシフィコに来てくれて本当にありがとう。なんか不思議な気持ちで昨日もやってて...見慣れた風景でもあるから、この周囲とかは。だからその中にあるこんなでかい所に俺たちだけを観にウン千人、パンパンに人が集まって音楽に身を任せに来てくれてるっていう事実が凄いことだなと思うし、改めてこのステージに立てていることの幸せをこのツアーを通じて噛み締めることが出来ました。ありがとう。

...まあ堅苦しいことはいいんだよ!なんか、やってよ!適当に(手を払う仕草)いい感じでさ。それぞれの楽しみ方ってあるし。こっちがあーしろこうしろって言うのなんか、ナンセンスでしょ。だから今日はお互いイイ感じでいようぜ。

じゃあこれから皆さんをよりイイ感じにするいつものナンバーを、ちょっと違う景色でお届けしたいと思います。"Pacific"」


"Pacific"。夜の海岸を思わせるミドルスローなサウンドのイントロに合わせてYONCEが歌う。「揺れよう」「身を任せよう」「Pacifico」

後ろのスクリーンの日が昇ったり沈んだりのライティングも印象的。TAIKINGとYONCEの綺麗なハーモニーに思わず身を委ねたくなる。

YONCE「ありがとう」


続けて"Fallin'"。「THE BAY」の頃からこのサウンドがあったという事実に震えが止まらない。"Pacific"からの雰囲気作りが上手すぎるし、この言葉の少ない楽曲に身体が深く沈み込んで行くような気分だった。


暗転した後、両側からOKがライティングされる。"MINT"をこの位置に持ってくるのがまた憎いですねえ。

YONCE「"MINT"! This is YOU'VE GOT THE WORLD TOUR!! ノリ方は自由!横浜baby」

ミントカラーの照明かわいい。

「歌声聴かせて 横浜baby」とオーディエンスに歌わせる一幕も。耳を傾ける6人の表情がすごく良かった。

YONCE「ありがとう!」

 

キーボードの音だけが響き渡る中、TAIHEIとYONCEが向かい合う。「Pacifico」と繰り返す。

YONCE「横浜 ブルースの街 yeah...好きだ!

煙草が好き そう 煙草が好き ここらで一服しようよ...寂しいね 終わりだって このツアー もう終わりだって あと少しだけで 終わりだって だけどさ...」

すぅー...と言いながら煙草を吸う仕草、Jamiroquaiの"Space Cowboy"のオマージュっぽかったな。

YONCE「Are you ready, Yokohama?」

"TOBACCO'"TAIKINGがAメロでクラップしてたんだけど、叩く合間に手がノリノリだったの可愛かった。

間奏でTAIHEIのソロが炸裂する中TAIKINGHSUとOKが向かい合いながらニコニコ弾いてたのも良き。そこに後ろから入っていくYONCE。最後はピンクとブルーの照明に照らされた。

YONCE「どうも」

 

しばし暗転してからのMC。

YONCE「パシフィコ!かなりいい波見させてもらってます。あと、タダの人。タダで観てる人。ありがとう。タダはタダでいいよね。俺結構好き。タダ。でも金を払った人の方が絶対に楽しいと思う。音楽って形もないし、ただ耳に入ってくるものだからお金とかを付けたりするのすっげー難しいなってやっぱやってて思うんだけどさ、でも価値を見出して来てくれる人がこんだけいるっていう事実はさ...やっぱいいよなあ!

金だってそりゃちょっとは欲しいけど、君たちに観て、来てもらうことの方が欲しい。そして俺たちが納得いくもの、大好きだと心の底から思える音楽をステージでやることの方がやっぱり幸せだし、それをしたい、ほしい。

だからこれからもあなたたちとそんな関係でいられるように、お互い頑張りましょう。あとSuchmos以外も聴きましょう笑。音楽まじやべえってなるから。いっぱい聴いて。聴く笑。

えっと...いろいろ迷っていた時期があって、何が正しいとか悪いとかいいとか悪いとかね、そういうの自分のジャッジが全くあてにならないなって思って、なんか悩んでた時期があったんですけど、それでもやっぱりいろんな景色を見たいっていう気持ちとか、自分たちがでかいステージに立ちたいっていう気持ちに嘘偽りはないから、迷いながらでも、傷つきながらでも、頑張っていきたいな、自分自身変わっていきたいなと、そういう気持ちを込めて作った曲があります。聴いてください、"You've Got The World"」

ロディアスなサウンドKCEEのスクラッチが効いたイントロから始まる新曲"You've Got The World"。日本語の歌詞が染み渡る。なによりYONCEがギター持つとアツいね。アウトロみんなで向かい合うところにグッときた!ラストの放射状のブルーライト綺麗。

YONCE「ありがとう」

 

YONCE「Pacificoまだのれんの?まだ踊れんの?...Alright, c'mon DJ KCEE!」

"YMM"KCEEHSUのラインたまらん。

YONCE「改めましてNice to meet you, we're Suchmos from この辺」

「from この辺」で爆笑するTAIHEIが可愛い。

Master HSUのパート後もなかなかHSUに絡むのをやめないYONCEに笑ってしまった。

 

キメで終わった直後にHSUが続けるベースソロ。TAIKINGがギター持ち替えてたかな。YONCEは胡座でHSUの方向いて座ってる。手叩きながら。

腰振りながら盛り上げるOKも、前後に揺れるTAIHEIも、エフェクター踏みながらのるTAIKINGも、正座に直って見つめるYONCEも、5列目からも見えるくらい満面の笑みのKCEEも、本当に楽しそうにのっててこちらまで楽しくなってしまう。HSUのベースサウンドは重くないのにセクシーで耳に残る。

 

セッションを挟んで赤い照明と共に始まったのは"Burn"。サングラスをとったHSUのベースがより鮮烈に響く。こういう激しく燃えるようなバンドサウンドを前面に出した楽曲も素晴らしい。

YONCE「Thank you! ありがとう!」


OKのみがライティングされてのドラムソロ。理性的なドラマーだなと思うけど、その中に宿る魂みたいなものがビートに表れていて好きですね。YONCEの「OK is heart beat」も言いたいことわかる気がする。


徐々に聴いたことのあるイントロへ。"SNOOZE"。YONCEとTAIKINGHSUがドラムセットを囲んでいて、TAIKINGなんてドラム台に乗ってる。アツい。終盤に来てこのぶち上げラインはずるい。

 

YONCE「Show me your groove...ラストナンバー!パシフィコ踊りまくれ!!」
"GAGA"。Aメロでマイクスタンド傾けながら歌うYONCEがエロすぎた。《横浜なら5分で》の歌詞替え。

「Let's show me a groove」にはちょっとはてなマークだったけど軽率に横浜ピーポーになってしまったよ。楽しかったよ。

間奏でYONCEがたわわに実ってて笑ってしまった。

 

音に酔っているうちに本編はあっという間に終わってしまった。

 

 

アンコールに応えて再登場してくれた6人。ジェラードのユニに着替えてきたYONCE。わたしも同じの持ってる。

YONCE「ありがとう!昨日もそうだったけど、霧がかって見えるのはなんだろう?って昨日観に来てくれた友達に話したら、『それバイブスだよ』って笑。おかげで俺も...みんな(メンバー)もそうだし、君たちもそうだと思うけど、バイブスでベトベトです笑。

6月20日!ミニアルバム!『THE ASHTRAY』を、我々Suchmos、発表致します。そしてそれに伴い、11月24日土曜日及び25日日曜日に、なんと、横浜アリーナで2daysワンマン公演を行います!ついに来た!...いや、ここ(パシフィコ横浜)だってついに来たって思ってんだぜ笑?だけどアリーナ2days、決まりました。今日ここに来た人たちは絶対に来ないといけません。なぜなら、俺とお前らの仲だから。

というわけで、色々詳細はなんか後で、なんか見れるじゃん今(スマホスクロールみたいな仕草)。俺は苦手なんだよこういうのが。あのー、見れるから、見てくださいチェックしてください。よろしく!じゃあアンコール、2曲ほどお付き合いください!

...ビッグになるとか、成り上がるとかって、何かを犠牲にしなきゃいけないと思いがちですが、俺たちはなんかそうはしたくなくて、何かを失った代わりに何かを得るみたいなことはあんまりいいと思えないし、人より多くのものを欲しいとも思えないし、むしろ面白いとか楽しいとか幸せっていう気持ちをこの音楽とかステージを通じてみんなとシェアしたいからやってるっていう気持ちがやっぱり強いから、なんかこう人を蹴落すようなやり方みたいなのがどうしても俺は見ると傷ついちゃうというか、なんかやだなって単純に思うんです。でもそういういいことも悪いことも乗り越えていきたいなと強く思って書いた曲です。"One Day In Avenue"」

 

新曲、"One Day In Avenue"。イントロの入りでTAIHEIが鳴らすピアノの音に強く意志を感じたし、それに絡んでいくベースが心地よい。YONCEのシャウトにも芯があったし、Suchmosがこれから歩んでいく道のような楽曲だった。

そしてTAIHEIのソロ。力強くも美しい鍵盤の音に思わず鳥肌。カウントからの"Life Easy"

YONCE「あなたが明日から隣の人を思いやりながら悠々自適に生きられますように。お別れです、"Life Easy"」

アンコール感があって好き。本編に組み込まなかったところがまた好き。存分に揺れた。存分に音に身を任せた。幸福度が振り切った。

 

YONCE「ありがとうSuchmosでした!」

少し目に涙を浮かべていたメンバーもいたような。いやでも本当に最高だった。6人ステージの中央に並んで拍手したりお辞儀したりしてくれたシーンがよかった。

YONCEは最後に肉声の「ありがとう」を残してステージを降りた。

 

 

 

ファイナルを終えての感想

"STAY TUNE"のヒットから、簡単に言えばもっと表に出てくると思われていたSuchmos。彼らはどんな音楽人よりも慎重だった。自分たちの音を見つめ直し、徹底的に音楽を作り、音楽シーンを客観視した。地に足がついているからこそここまで上がってこれたのだと思った。

MCでYONCEはSuchmos以外も聴きましょう」と述べた。自分の好きなアーティストにこれを言ってもらえるのが本当に嬉しい。1アーティストだけではなく、ワイドにかつヒストリカルに音楽シーンを見つめていくのは音楽を聴く上ですごく大切なことだと思っている。彼らは彼らできっと自分たちの音楽に自信があるし、それもただ有頂天になっているからではなく、視野の広い証拠でもあるのだろう。

先日のスペシャアワードでも感じたことだが、アレンジのバリエーションがどんどん増えている。毎回聴いているはずの曲でも違うサウンドに聴こえたことに進化を感じた。スタンダードなバンド編成にDJとキーボードが入っていることの強みを最大限に引き出せている。

そして何よりも6人が楽しそうすぎるのだ。会場にいる誰よりも、自分たちの音に浸っている。好きなアーティストが誇らしげに演奏している、そのこと自体が誇らしい。

 

YONCEはやっぱり黒髪短髪が似合うよ。英語に関してはなんでもrの発音にしちゃう日本人みたいな発音になってるところがあったから、なんなら巻かないでほしい。帰国子女による嫌な指摘ですみません。でも普通に歌った方がかっこいいんですもの。

ただボーカル力はどんどんえげつなくなっていきますね。センテンスのクローズの仕方が毎回洗練されていくから鳥肌が止まらない。

 

 

 

ストリーミング配信について

今回LINE LIVEYouTubeなど様々な媒体でストリーミング配信されたとのこと。アンコールまでまるまる全部だって、すごいね。

タダ云々の話、YONCEはおそらく会場に来てくれた人に向けて言ってくれたのだろうけど、お金を払いたくてもチケット取れなかった人もきっといるよね。まあ配信はオフィシャルでしてくれてることですし、そこまで深く考えなくてもいいと思うけども。

個人的にはすごく嬉しかったです。父もSuchmosが好きなのだけど、心臓の病気で長時間の外出が難しい。指定席だしチケット取ろうか悩んだけど、結局大事を取ってやめた。

だからこそ自宅で自分のペースで彼らのライブを観ることができたのは父にとっては相当嬉しかったようだ。同じライブ体験を共有できてわたしも嬉しかった。ライブにはお金を払うべき派だったし今もそう思っているけど、こういう仕組みはアリかもしれないと思った次第である。Suchmosと運営の皆さんありがとうございました。

無料で観ることが出来るとはいえ、その中でもお金を払いたいと思っている人はいるはずだ。何かいい仕組みはないものか。

 

 

 

ミニアルバムリリースと横アリ2days

おめでとう。それ以外ない。

新譜は楽しみです。そしてチケット取れますように。

 

 

 

セットリスト

Suchmos YOU'VE GOT THE WORLD TOUR@パシフィコ横浜(4/28)

01.新曲
02.PINKVIBES
03.ALRIGHT
04.WIPER〜Come Together
05.STAY TUNE
06.808
07.Pacific
08.Fallin'
09.MINT
10.TOBACCO'
11.You've got The World(新曲)
12.YMM
13.Bass solo
14.Burn
15.Drums solo
16.SNOOZE
17.GAGA

en.
18.One Day In Avenue(新曲)
19.Keyboard solo
20.Life Easy

 

 

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