鯉の滝登り

好きなものを、好きなように、好きなだけ。

NOOK IN THE BRAIN

 

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the pillows 21枚目のアルバム「NOOK IN THE BRAIN」が3/8にリリースされた。

nookはヌックと読むけれど、しんちゃんがずっとノックだと思ってたっていうエピソードが可愛すぎてわざとノックインザブレインて言いたくなる。それもありかなあって思っちゃう。さわおさんごめんなさい。

 

 

今作は久々に「あぁ、オルタナに戻ってきたな」と強く感じるアルバムになったというのは聴いた人の多くが感じることだろう。一度はバンドがロックンロールしかできないと割り切っていた時期もあったが、さわおさんやこのバンド自体が完全に解き放たれたということがひしひしと伝わってきた。

 

 

山中さわおインタビュー概略(すべてRock is インタビューより)。

 

*タイトルについて

「NOOK IN THE BRAINというのは直訳すると脳の隅っこなんですけど、何か自分の脳みその使ってない隅っこの奥の奥の方に一度も開いたことのない引き出しみたいなものがあって、そこに自分の人生を今よりハッピーにするアイデアが隠れているのであればぜひそこに辿り着いて、そのアイデアを取り出して、身に纏って、生きていく…という哲学・希望を込めたタイトルです」

 

*テーマについて

「曲が出揃ったとき自分が今どういう傾向なのかとか後から俯瞰で気付くようなところがあって...努力や自力では絶対解決出来ないことって世の中には絶対あるじゃないですか。それで憂鬱になっている時間は人生勿体無いなと僕自身思って。となるとそれに関しては全力で現実逃避してもいいと思って。曲を書いてて、その表現を探していたら隅っこ(nook)という言葉に辿りついた」

 

オルタナティヴ・ロックについて

ピロウズなりのオルタナティヴ・ロックを追求したいと思って長年活動してきたけれども、メンバー3人のうち本当にオルタナティヴ・ロックに夢中だったのは僕だけで、ピロウズというチームで作っていくには不具合が起きて上手く行かなくなるのかなと思って。それがすべてではないけれどそのことも何割かあった上で一度活動を休止して、また活動再開した時に一回オルタナ忘れてロックンロールで行こうと思ったけど、音楽ジャンルというよりはメンバーの関係性がどんどん良くなって...もう28年目に差し掛かった長いバンドなのに、一昨年よりも去年、去年より今年の方がいい。その中でオルタナっていうよりは何をやってもいいんだなって。制限がないと自分では感じて、ツアー中曲を書いてたらそういう曲が出来上がった。楽しくレコーディングできた」

 

 

山中さわおレベルでも苦労や苦悩はあるんだなあ。さわおさんほどの人だからかもしれないけど。そんな彼が「努力では解決出来ないことに関しては全力で現実逃避してもいい」って言ってくれるの、めちゃめちゃ救われるなあ。

 

 

 

さてアルバムについて。

帯にこんなフレーズが...

 

《沈む夕陽も昇る朝陽もアイデンティティーはキミ次第 終わりなのかい?始まるのかい?》

 

うわーーーーー田淵さん絶対好きやろこういうのーーーーー

こちらは本作4曲目の歌詞の一部…である。

UNISON SQUARE GARDENのアルバムの帯のフレーズもこういうところからインスパイアされてるのかなあ。

 

 

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 円盤の柄が超絶タイプ。好きです。

 

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そして購入特典としてこちらのビニールケースがついてきた。めっかわ。札幌行くとき絶対持ってくわ。

応援店だとノートがもらえるらしい。

初回限定版にはMVを収録したDVDも付いてる。封入特典もたくさん。

 

 

さあ本題。1曲ずつざっと見ていきましょう。

なんと10曲でぴったり31分!ラストの曲なんて2分もない。この清々しすぎるほどの構成に思わずにやける。曲順もちゃんと考えられてるなあ。

 

 

1.Envy(2:39)

この曲からはじまるライブを観たい。棒立ちでリズム取りたい。

英詞だからって嫌らしさがなくて、決意のようなものを強く感じる。ドラムの堂々としたリズムが心地よくて凛々しい。ビリビリする。

 

2.王様になれ(3:34)

さわおさん曰く、このアルバムの核となる1曲だそう。

Bメロ好きすぎ。ピロウズっぽいし、ちゃんとサビに持っていく構成ができてる絶妙なメロディライン。

《知識の角度変える思考回路の旅 そこから始まるぜ》

まだもっと自分の奥の奥の方に素敵な自分がいるのかもしれない 。

 

3.Hang a vulture!(2:40)

これ好き。歌詞にあんまり意味がないのにサウンドが厚くて、曲として耳障りがいい。キメの作り方がわざとらしくなくてかっこいい!

《埃まみれの誇りなんて捨てちまえ》

おじさんやるなあ。

 

4.パーフェクト・アイディア(2:48)

Aメロのギターリフが印象的。

先述のフレーズは「夕陽」「朝陽」だったけど、歌詞では陽の字がになってる。こだわりかな。

サビの遊び心にわくわくする。

 

5.Coooming sooon(3:09)

これでもかというほどの韻の踏み様。ついついのってしまう感覚。a,ah〜って口ずさんじゃう。サビ前のドラム好きすぎ。サビの口当たりも良くてまとまってる印象。

"王様になれ"の後3曲、ここまでの流れがとても好き。次の曲までブレイクがあるし、意図的なのかなあと。

 

6.She looks like new-born baby(2:48)

これも英語の歌詞だけど嫌味がないんだよなあ。サウンドは80年代洋楽っぽい。

《Throw away a rule book.》

こういう風に生きたいなって思わせてくれる。

 

7.pulse(4:52)

アルバム唯一の4分超え曲。

Aメロのドラムが強い意志を持っていていいなあ。

自分の中で光るもの、熱く燃えるもの、儚く消えるもの...掴めそうで掴めない、そんな感じ。

明るいわけでもないけど、前に1本きちんと道が見えている感じがして心に刺さる1曲だ。

 

8.ジェラニ(3:35)

これはメロディもだけど歌詞がめちゃめちゃ好きだなあ。いろいろ思い浮かべながら聴ける。

中間のギターソロがピロウズっぽくなくて意外性にときめいた。

スルメ曲。何回も聴いていると脳みその隅っこにグイグイ来る感覚。

 

9.BE WILD(3:10)

女子レスリン登坂絵莉選手の応援ソング。

毎日を必死で生きてるいろんな人に聴いて欲しいなと思う1曲。

さわおさんが言う「努力でどうにもならないことは時間の無駄だから逃げよう」というコンセプトが最大限に引き出されている。

《汗をかいてない外野席の冷やかす落書き 気にしない》

アルバムで最も好きな歌詞かもしれない。

Be wild!のコール、ダサいけど(褒めてる)めっちゃ好き。ライブで聴きたい。

 

10.Where do I go?(1:45)

いい意味で最後らしくない、終着点で駆け抜けていくような楽曲。

ラストの歌詞も《By the way, Where do I go?》なのが粋だなあ。さっぱりしてる。

 

 

以上主観解説です。

オルタナに回帰した最高のアルバムでした。

 今まで以上に問いかけの方向がさわおさん自身にも向いてるんじゃないかなという気がしました。

 

 

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現在タワーレコードカフェではこちらの「山中サワー」が販売中。普通にスプリッツァーでしたが、白ワインが効いててめっちゃ美味しかったです。がっつり昼間に飲みましたごめんなさい。

1杯購入すると直筆似顔絵バッジが付いてくる。かわいい。

 

渋谷店では明日12日までだそうですが、梅田のタワレコカフェでは25日まで置いてるらしいので機会あれば飲んでみてください!

タワレコユーザーの方はおわかりかと思いますが、CDを買うとタワレコカフェのクーポンが付いてきますよね。いつもは持て余しがちなあれも、山中サワーに使えます。アルバムを購入してからぜひ。

 

 

 

fun time HOLIDAY6 札幌公演が楽しみすぎて仕方ない。再び素晴らしい一夜が迎えられることは間違いないだろう。ワンマンも申し込もうっと。

 

 

 

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