鯉の滝登り

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尾崎世界観(クリープハイプ)・Radio Bestsellers - FM802×TSUTAYA ACCESS! キャンペーンソング "栞"

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尾崎世界観(クリープハイプ)が作詞・作曲を担当した「FM802×TSUTAYA ACCESS!」のキャンペーンソング"栞"のフルMVが公開され、ついにCDのレンタルが開始となった。

 

https://youtu.be/_hr9e4hxygc

 

Radio Bestsellersと称して集められたボーカリストは、片岡健太(sumika)GEN(04 Limited Sazabys)スガシカオあいみょん斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN)に尾崎さんを加えた6名。

 

コンポーザー含め豪華なメンツだなというのは多くの人が感じるところであろうが、この楽曲のすごさはそれだけじゃない。それぞれの持ち味があざとすぎるほどに活かされている。

今回はディスクレビューを書くというより、各ボーカリストにフォーカスしていこうと思います。全員をべた褒めするだけの回です。

 

 

 

 

片岡健太(sumika)

ブレない片岡感がすごい。どっちがいい悪いの話ではないけど、この人が歌うと全部sumikaになるのがすごい。筆者も好きな歌声・好きな歌い方どストライクなのだけど、いい所そのままクリープハイプに飛び込んだって感じ。

嘘だよ ごめんね 新しい街にいっても元気でね

尾崎さんなのかな?彼にこのフレーズを振り分けた人に100万回の土下座。音程も歌詞もこれは片岡健太。

sumika、実はワンマンの雰囲気があまり得意ではなくてライブに行くのをやめてしまったのだけど、やっぱり片岡さんの歌い方は満点。ラスサビの前(Cメロ?)のスガさんの裏を歌っても確かに存在する片岡健太。滲み出る貫禄。

 

 

GEN(04 Limited Sazabys)

GENちゃんのあざとさはこの曲には不可欠ですね。1番なんて尾崎さんからのバトンタッチなのにすんなり自分のペースに持っていく感じさすがです(別に尾崎さんが悪いわけじゃない)。

それでいうと1番のサビも尾崎さんの裏を歌ってるわけですが、ちゃんと尾崎ボイスと絡み合ってて驚いた。GENちゃんも結構特徴的な声だけど、下からハモるとこんなに化けるのかと個人的には新しい発見でした。そして直後の片岡健太がやばい。何度もすみません。

「ちょっといたい もっといたい ずっといたいのにな」

めちゃめちゃ尾崎さんぽい部分を丁寧に汲み取っていて最高。

 

 

スガシカオ

さすがスガシカオ。彼がこの企画に加入することの影響はものすごいと思う。幅広い層に聴いてもらいたいと思ったとき、スガさんがいるのといないのとではまるで結果が違うはずだ。声色に情景がのってるのは経験値ですね。

この気持ちもいつか 手軽に持ち運べる文庫になって
懐かしくなるから それまでは待って地面に水をやる

このCメロをまるまるスガさんに与えた人(尾崎さん?)ありがとう。筆者はスガシカオと言うと割とダークサイドの曲をよく聴いていたので、こういうアオハルチックなホワイトシカオはなんかドキドキしますね。片岡さんとの声の相性も抜群。

 

 

あいみょん

J-ROCK界隈が誇る高音の使い手が多く集められた中で放たれる紅一点のイケボ。筆者は恥ずかしながらあいみょん名義の曲を聴いても正直あまりピンと来てなかったのだけど、この曲におけるあいみょんは素晴らしすぎて惚れる。これが尾崎世界観によるわからずやには見えない魔法なのだろうか。

あのね本当はね あの時言えなかったことを
あとがきに書いても 意味不明な2人の話

《あのね》だけでもうゾクゾクする。こんなかっこいいんかい。素敵だ...!2サビのコーラスも男前で安心して聴ける。語尾のまとめ方も好きです。

 

 

斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN)

大好きなバンドの大好きなギターボーカルなのでちょっと熱がこもってしまうのは許して欲しい。

 2サビまで引っ張るなどという特別扱いを受けている斎藤宏介。尾崎さん最高。

ありがちで退屈などこにでもある続きが
開いたら落ちてひらひらと風に舞う

この《舞う》の「う」をちゃんと発音する感じが尾崎さんぽいなと思った。コンポーザーの指示なのか、宏介さんが化けたのか。

今回の宏介さんを観ていてなぜかウェルシャンに出たときのシーンと脳内でリンクしたのだけど、ソロで参加する企画における斎藤宏介とバンドでの斎藤宏介って同じだけど違うなあと個人的には思っています。どれが合っててどれが合ってないとかそんな短絡的な話ではなくて、単に「宏介さんが歌うことで1番かっこいいように作られた楽曲」か「宏介さんが歌うことで彩りが生まれる楽曲」か、という違いなのかなと。

前者を作ることに関して最も長けているのは誰がなんと言おうと田淵さんです。これは間違いない。ただ後者に関しては割と幅が広くて、ボーカリスト・斎藤宏介の実力の見せ所になるのでしょう。もちろんUNISON SQUARE GARDENの楽曲だってそうだけど。

今回は宏介さんのためだけに作られた楽曲ではないので少し話がずれてしまったけど、彼なりに与えられたフレーズをどう表現するかというのはめちゃめちゃ考えたんだろうなあと思います。ストイックさが好き。

UNICITYのライブでしか聴けないと思っていた宏介さんのコーラスがSKY-HIや尾崎世界観によって引き出されている...溶け込んでるのに程よく甘い感じも良きかな。

 

 

尾崎世界観(クリープハイプ)

この人本当に天才なんじゃないかな。

栞から「本」「文庫」というワードが出てくるのも好きだけど、《空気を読むことに忙しくて》っていうフレーズは痺れましたね。センスという言葉で括っていいのか悩むほどに美しい世界観の世界観。

最近クリープハイプver.も各所で披露してるらしいですね。尾崎さんが参加してるとはいえこれだけクリープ色が出てるのもすごいし、それに流されない各ボーカリストもすごい。

歌い手の振り分けも絶妙すぎてこわい。聴いてから言うと全く説得力ないけど、尾崎さんパートも含めて「このフレーズはこの人が適役」というところに100%ハマっている感じがする。自分の作品でもちゃんと外向きの視点から見ることが出来てるんだろうな。

 

 

 

レンタルオンリーなのが勿体なさすぎる。このCDに限らないけど、ただ聴ければいい取り込めればいいのではなく所有したいという思いが強いので、ぜひ売ってください。お願いします。

 

V.A.の楽曲って下手すると共倒れになるからいつも聴くの怖いけど、"栞"に関してはすべての柱の長さが違うのにこの6本でしか建物として成立しないような、そんな絶妙なバランスの文化財を見ている感覚です。

 

 

 

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