鯉の滝登り

好きなものを、好きなように、好きなだけ。

THE KEBABS結成に寄せて

いろんな下書きに目を瞑ってこれを書いています。雑文お許しを。

 

 

11/26 12:00。

 

佐々木亮(a flood of circle)、田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)、新井弘毅(ex. serial TV drama)、鈴木浩之(ex. ART-SCHOOL)の4人でバンド結成。

 

このツイートを見た瞬間はものすごく複雑だった。新井さんも鈴木さんも好きなんだけど、特に熱を持って追ってきたバンドの人たちがついに同じバンドに入ってしまう。

いや、これって普通は嬉しいことじゃないか。好きと好きの詰め合わせ。好きに決まっている。

でも受け止めきれなかった。「あなたはいつも自分の楽しさを求めてやっているのだから今回も好き勝手やってくれ」なんて物わかりの良いことは言えなかった。このブログという場を借りて、自分の気持ちを整理させてもらうことにする。

 

 

 

田淵さんがUNISON SQUARE GARDEN以外の活動をするのはこれが初めてではない。LiSAちゃんや小松未可子さんなどのプロデュースをはじめ、Q-MHzの一員として制作業にもいそしんでいる。あれだけ曲を出してもアイデアが枯れることの無い超人。ユニゾンのコンポーザー兼ベーシストとして走り続けながら、いろんな音楽活動を並行して行えるマルチブレインの持ち主。

 

この「どんな方向へ走ろうともUNISON SQUARE GARDENをないがしろにしない」というのが彼の好きなところなのである。本人は出来ちゃうんだから仕方ない、というスタンスなのだろうけど、これは誇るべき才能だ。

筆者はアニメ・アニソンに全く詳しくないため田淵さんの他の活動は参加しないことに決めていたから、そういう意味でも自分の中でユニゾンと外部を上手く区別できていたのかもしれない。彼がロックバンドの理想を追い求めるならUNISON SQUARE GARDENでと、ちょっと甘い考えに浸っていたのも否めない。

 

 

そこで今回の発表である。おそらくこの企画に対して引っかかったことの1つは田淵智也が別のバンドをやる」という点だと思う。バンドのブレインが新たなバンドを作るというのは、ソロやコラボなどの「外の活動」とはちょっと違う。

 

一時期Twitterの検索ワードで「ユニゾン 解散」なんて浮上したくらい前回の田淵さんのブログに反響があったようだけど、筆者はあれに関してはまったく心配していない。ちょっと言葉がずるいなとは思うけど、雑誌のコメントなども読み込んで文意を汲み取ればそういう解釈にはならないはずだ。自分でそう思い込みたいだけなのかもしれないけど、あのスリーピースロックバンドがそんなダサい形でフェードアウトするとは到底考えられないから。

 

ちょっと話が逸れた。

これから本当の意味で田淵さんのマルチブレインぶりが試されるのだと思う。良くも悪くも同じフィールドで勝負するってことだからね。まあ杞憂なんでしょうけど。

彼のブログの言葉を借りるならば「今んとこUNISON SQUARE GARDENに一瞬も飽きてない」のかもしれないけど、これからどうなっていくのかが大事なんですよ。揚げ足取りみたいでうるさいかもしれないけど言わせてくれ田淵さん。わたしは本当にUNISON SQUARE GARDENが好きなんだ。「おお、あの人別のバンドやってもやっぱり田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)だわ。アットマークunisontabuchiだわ」って言いたい。言わせてくれ。

ただ他の活動でユニゾンを背負う必要はないと、これは宏介さんに対しても貴雄さんに対しても思っている。やるならとことんやってほしいし、後ろめたいような変な帰属意識に囚われたままやるならやらない方が絶対に良い。結果として何かバンドに得るものがあるならばそれは棚ぼた的成果だ。

 

 

 

それでもこの活動のほんの一部分が佐々木さんのため、a flood of circleのためだと勝手に考えるとちょっとだけ期待できる。

 

最近田淵さんとa flood of circleの絡みが濃かった。もちろん出してくるものはどれも素晴らしいし両方好きな人々にとってはこの上ないごちそうだった。ただ一方でどうも漂ってくるコレジャナイ感。フラッドが作るフラッドの曲が好きなのに、なんて贅沢心が顔を出す。

「バンドをやっていなかったらフラッドのライブに通っていただろうね」と語る田淵さんがそれに気付かないわけでもないだろう。フラッドと音楽を作るのはそりゃ楽しいだろうけど、彼もフラッドのファンだ。リスナー目線を持っているのは間違いない。

 

今の体制のa flood of circleをそっとしておきたいという気持ちもある。このバンドを長く見ている人ならば、どれだけの嵐をくぐり抜けてきたかよく知っているだろう。個人的には今のメンバーだってまだ100%信頼しきったわけじゃない。それでも今度こそ佐々木さんの元を去らないでいて、と願わずにはいられない。

 

そんな状態のバンドの中に入っていくくらいなら外部でやってくれた方がいいなと、これは自分で考えて妙に腑に落ちた。

田淵さんは佐々木さんと音楽がやりたい。でもこれ以上a flood of circleをかき回すのはちょっと違う。となれば最善の選択であるように思う。これはあくまで2人についての話だけどね。

 

以前THE ORAL CIGARETTESの山中さんに田淵さんがかけたという「仲良しこよしは嫌いだから、ロックバンドとして勝負しよう(ニュアンス。対バンのときのヤマタクMCより)という言葉を思い出す。馴れ合いだけでやるような人ではないとわかってる。だからこそ、中途半端なイチャイチャは見たくないですよ。

 

 

新井さんと鈴木さんが入ってくれて良かった。筆者はa flood of circleUNISON SQUARE GARDENが本当に好きだから2人の話ばかりしているけれど、2人だけの空間になってしまったらそれはそれで本当に帰ってこなくなってしまう気がするから。

 

もしかしたら田淵さんは彼の理想とする「メンバーそれぞれ実力があっていいライブをするのにチケットはそこまでソールドアウトしない、物好きに愛されるバンド」を1つ持っておきたいのかもしれない。いやソールドするだろうけどね。SCOOBIE DOthe pillowsGRAPEVINETRICERATOPSのようなクールなバンドを。UNISON SQUARE GARDENが見つかってしまった、と言っていたけど、あのバンドが見つからない世の中の方がおかしいぜ。

売れると大変なのかもしれないけど、そこまで気負わないでほしいし逃げないでほしい。売れても自分のやりたいスタンスを貫けると証明してほしい。

 

まあいろいろと大変なんだろうな。

 

 

 

整理しようと思ったら無駄にいろいろ考えてしまった。とにかく4人で音楽をやるために一番いい形を探した結果がこれだというのであれば応援したいと思います。複雑な気持ちが消えない訳では無いし、a flood of circleUNISON SQUARE GARDENはそれぞれ好きなので、そこは混ぜたくない。両方のファンとしてのプライドでもあります。

 

どんなスタンスで受け止めたらいいのか、ここまで書いてもまだ悩んでいるのが正直な所です。うだうだ言ってないで曲聴いてから決めるべきかなあ。

そうだ、やるならちゃんとオリジナルでやってほしいのです。各々の持ち曲に頼るなよ。独立したバンドであってくれ。

 

 

最近ここまでアーティストの活動に対して本気出して考えたことなかったな。ぬるいファンになっていたことを反省。今のうちに感覚を研ぎ澄ませておこう、最高の状態で音楽を迎え入れられるように。

 

 

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