鯉の滝登り

好きなものを、好きなように、好きなだけ。

NOOK IN THE BRAIN

 

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the pillows 21枚目のアルバム「NOOK IN THE BRAIN」が3/8にリリースされた。

nookはヌックと読むけれど、しんちゃんがずっとノックだと思ってたっていうエピソードが可愛すぎてわざとノックインザブレインて言いたくなる。それもありかなあって思っちゃう。さわおさんごめんなさい。

 

 

今作は久々に「あぁ、オルタナに戻ってきたな」と強く感じるアルバムになったというのは聴いた人の多くが感じることだろう。一度はバンドがロックンロールしかできないと割り切っていた時期もあったが、さわおさんやこのバンド自体が完全に解き放たれたということがひしひしと伝わってきた。

 

 

山中さわおインタビュー概略(すべてRock is インタビューより)。

 

*タイトルについて

「NOOK IN THE BRAINというのは直訳すると脳の隅っこなんですけど、何か自分の脳みその使ってない隅っこの奥の奥の方に一度も開いたことのない引き出しみたいなものがあって、そこに自分の人生を今よりハッピーにするアイデアが隠れているのであればぜひそこに辿り着いて、そのアイデアを取り出して、身に纏って、生きていく…という哲学・希望を込めたタイトルです」

 

*テーマについて

「曲が出揃ったとき自分が今どういう傾向なのかとか後から俯瞰で気付くようなところがあって...努力や自力では絶対解決出来ないことって世の中には絶対あるじゃないですか。それで憂鬱になっている時間は人生勿体無いなと僕自身思って。となるとそれに関しては全力で現実逃避してもいいと思って。曲を書いてて、その表現を探していたら隅っこ(nook)という言葉に辿りついた」

 

オルタナティヴ・ロックについて

ピロウズなりのオルタナティヴ・ロックを追求したいと思って長年活動してきたけれども、メンバー3人のうち本当にオルタナティヴ・ロックに夢中だったのは僕だけで、ピロウズというチームで作っていくには不具合が起きて上手く行かなくなるのかなと思って。それがすべてではないけれどそのことも何割かあった上で一度活動を休止して、また活動再開した時に一回オルタナ忘れてロックンロールで行こうと思ったけど、音楽ジャンルというよりはメンバーの関係性がどんどん良くなって...もう28年目に差し掛かった長いバンドなのに、一昨年よりも去年、去年より今年の方がいい。その中でオルタナっていうよりは何をやってもいいんだなって。制限がないと自分では感じて、ツアー中曲を書いてたらそういう曲が出来上がった。楽しくレコーディングできた」

 

 

山中さわおレベルでも苦労や苦悩はあるんだなあ。さわおさんほどの人だからかもしれないけど。そんな彼が「努力では解決出来ないことに関しては全力で現実逃避してもいい」って言ってくれるの、めちゃめちゃ救われるなあ。

 

 

 

さてアルバムについて。

帯にこんなフレーズが...

 

《沈む夕陽も昇る朝陽もアイデンティティーはキミ次第 終わりなのかい?始まるのかい?》

 

うわーーーーー田淵さん絶対好きやろこういうのーーーーー

こちらは本作4曲目の歌詞の一部…である。

UNISON SQUARE GARDENのアルバムの帯のフレーズもこういうところからインスパイアされてるのかなあ。

 

 

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 円盤の柄が超絶タイプ。好きです。

 

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そして購入特典としてこちらのビニールケースがついてきた。めっかわ。札幌行くとき絶対持ってくわ。

応援店だとノートがもらえるらしい。

初回限定版にはMVを収録したDVDも付いてる。封入特典もたくさん。

 

 

さあ本題。1曲ずつざっと見ていきましょう。

なんと10曲でぴったり31分!ラストの曲なんて2分もない。この清々しすぎるほどの構成に思わずにやける。曲順もちゃんと考えられてるなあ。

 

 

1.Envy(2:39)

この曲からはじまるライブを観たい。棒立ちでリズム取りたい。

英詞だからって嫌らしさがなくて、決意のようなものを強く感じる。ドラムの堂々としたリズムが心地よくて凛々しい。ビリビリする。

 

2.王様になれ(3:34)

さわおさん曰く、このアルバムの核となる1曲だそう。

Bメロ好きすぎ。ピロウズっぽいし、ちゃんとサビに持っていく構成ができてる絶妙なメロディライン。

《知識の角度変える思考回路の旅 そこから始まるぜ》

まだもっと自分の奥の奥の方に素敵な自分がいるのかもしれない 。

 

3.Hang a vulture!(2:40)

これ好き。歌詞にあんまり意味がないのにサウンドが厚くて、曲として耳障りがいい。キメの作り方がわざとらしくなくてかっこいい!

《埃まみれの誇りなんて捨てちまえ》

おじさんやるなあ。

 

4.パーフェクト・アイディア(2:48)

Aメロのギターリフが印象的。

先述のフレーズは「夕陽」「朝陽」だったけど、歌詞では陽の字がになってる。こだわりかな。

サビの遊び心にわくわくする。

 

5.Coooming sooon(3:09)

これでもかというほどの韻の踏み様。ついついのってしまう感覚。a,ah〜って口ずさんじゃう。サビ前のドラム好きすぎ。サビの口当たりも良くてまとまってる印象。

"王様になれ"の後3曲、ここまでの流れがとても好き。次の曲までブレイクがあるし、意図的なのかなあと。

 

6.She looks like new-born baby(2:48)

これも英語の歌詞だけど嫌味がないんだよなあ。サウンドは80年代洋楽っぽい。

《Throw away a rule book.》

こういう風に生きたいなって思わせてくれる。

 

7.pulse(4:52)

アルバム唯一の4分超え曲。

Aメロのドラムが強い意志を持っていていいなあ。

自分の中で光るもの、熱く燃えるもの、儚く消えるもの...掴めそうで掴めない、そんな感じ。

明るいわけでもないけど、前に1本きちんと道が見えている感じがして心に刺さる1曲だ。

 

8.ジェラニ(3:35)

これはメロディもだけど歌詞がめちゃめちゃ好きだなあ。いろいろ思い浮かべながら聴ける。

中間のギターソロがピロウズっぽくなくて意外性にときめいた。

スルメ曲。何回も聴いていると脳みその隅っこにグイグイ来る感覚。

 

9.BE WILD(3:10)

女子レスリン登坂絵莉選手の応援ソング。

毎日を必死で生きてるいろんな人に聴いて欲しいなと思う1曲。

さわおさんが言う「努力でどうにもならないことは時間の無駄だから逃げよう」というコンセプトが最大限に引き出されている。

《汗をかいてない外野席の冷やかす落書き 気にしない》

アルバムで最も好きな歌詞かもしれない。

Be wild!のコール、ダサいけど(褒めてる)めっちゃ好き。ライブで聴きたい。

 

10.Where do I go?(1:45)

いい意味で最後らしくない、終着点で駆け抜けていくような楽曲。

ラストの歌詞も《By the way, Where do I go?》なのが粋だなあ。さっぱりしてる。

 

 

以上主観解説です。

オルタナに回帰した最高のアルバムでした。

 今まで以上に問いかけの方向がさわおさん自身にも向いてるんじゃないかなという気がしました。

 

 

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現在タワーレコードカフェではこちらの「山中サワー」が販売中。普通にスプリッツァーでしたが、白ワインが効いててめっちゃ美味しかったです。がっつり昼間に飲みましたごめんなさい。

1杯購入すると直筆似顔絵バッジが付いてくる。かわいい。

 

渋谷店では明日12日までだそうですが、梅田のタワレコカフェでは25日まで置いてるらしいので機会あれば飲んでみてください!

タワレコユーザーの方はおわかりかと思いますが、CDを買うとタワレコカフェのクーポンが付いてきますよね。いつもは持て余しがちなあれも、山中サワーに使えます。アルバムを購入してからぜひ。

 

 

 

fun time HOLIDAY6 札幌公演が楽しみすぎて仕方ない。再び素晴らしい一夜が迎えられることは間違いないだろう。ワンマンも申し込もうっと。

 

 

 

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Here's the Fools Who Dream

ミュージカル映画を観た」以上の感情がわきたっている。名前を付けるのは難しい。これ観て響かない人がいるのかと思うくらい昂ったが、感情を押しつけることは絶対にしてはならないと我に返って今に至る。

 

また素晴らしい映画に出会った。

 

 

 

大注目の映画『LA LA LANDが先日ようやく日本で公開された。

第73回ヴェネツィア国際映画祭オープニング作品であり、全米での興行収入は先月末時点で1億ドルを突破している。ゴールデングローブ賞では7部門でノミネートされそのまますべて受賞。本日2/27に行われたアカデミー賞では13部門で14ノミネートされ、監督賞や主演女優賞など6部門での受賞を果たした(ムーンライトと間違えられた件はさておき)。

早速観て参った。

 

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上映されている映画館が限られているため、今回は新宿バルト9へ。

 

[あらすじ]

 

 

 

↓ここからネタバレを含みますので、観てから読むか見ても平気な方だけスクロールしてください

 

 

 

 

 

*監督の話

本作の監督を務めたのは2014年の映画『セッション(原題:whiplash)をヒットさせたデイミアン・チャゼルだ。若干31歳にしてその才能を次々と見せつけている。ハーバード大学を卒業しているというから恐れ入った。しかもこの物語の構想は大学時代からあったようで、脚本も2010年頃からあった模様。まだ実績のなかったチャゼル監督は、いろいろな会社から「このキャストなら撮る」「ジャズじゃなくてロックミュージシャンにしたら」「有名な曲で構成しよう」など様々な条件を突きつけられ、それをすべて断った。『セッション』でバズり、その才能が認められたからこそ監督の要望が叶えられ、この映画がある。

 

 

*主演2人の話

今作の主役はセバスチャン役のライアン・ゴズリングとミア役のエマ・ストーンだが、実は当初マイルズ・テラー(『セッション』に出ている)とエマ・ワトソンがキャスティングされていたらしい。エマ・ワトソンは『美女と野獣』が先に決定していたためにこの話を断ったのだが、一方でゴズリングはこちらの映画が決まっていたために『美女と野獣』を断ったというのだから皮肉なものだ。4人とも演技がとても好きなのだが、個人的にセバスチャンとミアに命を吹き込むのは完成版のキャストでこそ成し得たと思う。

ストーンとゴズリングはこれで3度目の共演。ダンスも演技も息がぴったりで安心して観ていられる。どちらも芯の強さが光って素敵だ。2人とも相変わらず可愛いしかっこいいしで好きすぎる。

 

 

*タイトルの話

La・La・Land」という単語は1970年代後半から使われ始めたスラング寄りの俗語だが、主に2つの意味があると言われる。

 1.恍惚で、心ここにあらず陶酔した状態。
 2.ロサンゼルス周辺のことを差す言葉。

「La」=「LA」=「Los Angels」

ハリウッドやビバリーヒルズなど浮ついたイメージのある地名から連想されてこう呼ばれるようになった。
夢の国で愚かなほど真っ直ぐに夢を追う2人の姿と重なって、的確なタイトルだなあと感じた。

 

 

*撮り方の話

マーティン・スコセッシのボクシング映画『レイジング・ブル』でボクシングのリングの中にカメラを置いたように、ダンスしている群集の中にカメラを置きたかったと語るチャゼル監督。カットを入れない長回しで、躍動感を余すことなく映し出した。

また、本作は35ミリフィルムでの撮影にこだわった。冒頭に映画のスクリーンが横に広がり「CINEMASCOPE」のロゴが映し出される。ぞくぞくした。現代へミュージカル映画の熱量を復活させたいというチャゼル監督の意志だ。

 

 

*オマージュの話

ジェームズ・ディーン主演の『理由なき反抗』をはじめとした数多くの映画のロケ地となった「グリフィス天文台」や、映画『カサブランカ』で使われた窓のセットが組まれているワーナー・ブラザース・スタジオなど、撮影場所は見覚えのある場所ばかりだ。

 

そして各シーンにも過去の名作のオマージュが散りばめられている。

セブとミアが満点の星空の下タップダンスを踊るロマンチックなシーンは、『踊るニューヨーク』(1940)のフレッド・アステアとエレノア・パウエルが星の降るステージでタップダンスを踊るシーンと重なる。

またセブが街灯に登って優雅に踊るのはおなじみ、『雨に唄えば』(1952)でジーン・ケリーが土砂降りの雨の中街灯に登るのを再現している。路上で踊り出したり、女性のドレスが単色だったりという点もこちらの映画からかなと思う。
そしておそらくフランスのミュージカル映画シェルブールの雨傘』(1964)を最も多くなぞっていると感じた。2つの作品に共通する点は多いのだが、『シェルブールの雨傘』の象徴的なエンディングは本作最高のシーン、エピローグと重なる。

 

 

*小ネタの話

要所要所に皮肉が散りばめられていて1人で笑ってしまった。

ミアのカフェにグルテンフリーでないことを理由に返金を要求する客が現れるが、これはハリウッド発祥の「グルテンフリーダイエット」を思わせる。

また日本人としては嬉しいことだが、ミアの車含め止まっていた車がSUZUKIのプリウスだらけだったのはハリウッドセレブの間で大流行したことへの揶揄か。

さらにミアとのデートでセブが間違って一方通行の道に入ってしまいバックで戻る事態があったが、これはロサンゼルスの道路区画がわかりづらく急に一方通行になる道もあるということを知っていればさらに笑えるシーンだ。

また、小ネタと言うには監督に失礼だが、最初の大渋滞のシーンについてである。ロサンゼルスは渋滞で有名なのでその揶揄とも取れるが、もうひとつ意味が隠されていると個人的には思った。「ミアの夢」である。

物語冒頭ではミアはオーディションに落ち続けており、女優への道は思ったように進まない。しかし5年後結婚し、子供も生まれ、女優としても軌道に乗った彼女は、渋滞に巻き込まれても横の道からスイスイ行くことができた。成功の象徴とも言える。

チャゼル監督はこういった示唆を非常に得意とする監督である。なんか切なくもなるけれど。

 

 

*デートの話

映画館で恋人と恋愛モノじゃない映画を観に行って徐々に手絡めるやつやりたーい!プラネタリウムでちゅーしたーい!以上です。

 

 

秒速5センチメートルの話

 昨年『君の名は。で一気にその名を轟かせた新海誠監督の作品『秒速5センチメートル』と重なる部分があるなと思った。『秒速〜では幼馴染みの貴樹と明里が中学生の時に離れ離れとなる。貴樹はずっと明里のことだけを想い続けていたが、明里は次の幸せを見つけていた。

最後の場面で偶然二人が出会い、女側は思い出しつつも今の幸せがあり、それを見てはじめて男側が諦めるところで共通するところがあると感じた。

人によりけりを前提としても男性の方が一途なのかもしれないなあ。わたしはそうは思わないけれど。

 

 

John Legendの話

John Legendが出ていたことを知らずに観たのでびっくりしたよという話。彼はグラミー賞をとったこともある正真正銘のアーティストゆえ、この音楽溢れる映画に彩りを添えたのは間違いない。

 

 

*制作秘話

 ゴズリングはピアニスト役なのだが、実は代役を使っていない。初心者であったにも関わらず、3ヶ月の猛特訓の末にプロが嫉妬するほどの腕前になった。劇中で使用されている音源もすべてゴズリングが弾いたものだというから驚く。自分もかれこれ20年ほどピアノをやっているが、本当に上手いと思った。

またセブとミアが踊るシーンが沢山あるが、彼らは時間が限られている中自主的に時間もたくさん設け練習を重ねた。監督もインタビューにおいて「彼らは自分のすべきことをきちんと理解していた」などと高く評価している。キャストの努力による素晴らしさもあったということだ。

主人公の2人はそれぞれ50回も衣装チェンジをしたというから驚きだ。時に40度を超える日もあったが、汗をかくたびに衣装を変え颯爽と撮影に臨んだという。本当にすごい。

 

 

*夢と大切な人の話

これは本当に難しいトピックだし、何が正解ということはないのかもしれない。わたしはまだ考え方がおこちゃまなのでセバスチャンにはパリについて行ってほしかったし、2人が結ばれるハッピーエンドを望んでいた。いやこれもハッピーエンドといえるのかもしれないけれど。

女優になれるきっかけをくれたセバスチャンのことをわたしがミアなら大切にしなきゃと思ってしまうが、現実はそうではないらしい。劇中では2人ともアメリカンドリームとも言える壮大な夢を叶えたわけだが、プライベートが充実しているのはミアだけ。セブのバーからミアが去る際に振り返ってセブと目を合わせ互いに微笑むシーン...うーん切ない。名シーンだ。

家族や友人、恋人から影響・助けを受けて今の自分がある。夢を突き詰めるためにすべてを置いてパリへ行くような勇気はわたしにはない。そこの裁量ってすごく難しい。

エンドロールを眺めながら色々と考えてしまった。

 

 

 

本当に素敵な映画だった。

まだ観ていないという方はぜひ劇場へ。

 

 

 

 

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ふしだらな夜も良いのさ

就活生は相変わらずライブに行っています。別に余裕なわけじゃありません。エネルギー補給。という名の言い訳。スーツは疲れるね。

 

 

2017年2月24日、中野サンプラザ

 

フジファブリックのツアー"STAND!!"の最終日(追加公演)を観てきた。

 

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フェスで何度も見ており新譜旧譜ともにそこそこ聴いてはいたものの、ワンマンを観るのは初めてだった。

 

フジファブリックのファンの皆さま、これからここで語られる事象はすべて新参者のフィルターがかかっておりますので、あたたかい目で見守ってやってください。

 

 

セットリスト

FREEDOM
Green Bird
STAND!!
ALONE ALONE ALONE
Splash!!
プレリュード
陽炎
have a good time
炎の舞
COLORS
the light
TEENAGER
流線型
夢見るルーザー
徒然モノクローム
夜明けのBEAT
ポラリス
Girl!Girl!Girl!

en.
カンヌの休日feat.山田孝之
銀河
STAR

 

ワンマンで1曲ずつ追うのは酷なので、感想を項目別にちょっとずつ挙げたい。

 

 

中野サンプラザの話

もうこのホールでライブを観るのは十数回目なのだが、なんと今回初めて二階席で観た。天井があみあみになっていて、ホールのサイド中間階に音響ブースがあるということも恥ずかしながら初めて知った。

結論から言うとめちゃ観やすい。NHKホールの2階席より全然視界良好。

素人耳ながら、中野サンプラザの音響は響きすぎないけど音がクリアですごく好きだなあと思う。

 

 

*ファン層と服装の話

ファンの人たちの年齢層の広さに驚く。というかわたし結構若い方(21)だったのでは。腕につけるライトを購入している人はとても多かったけどツアーTシャツを着ている人は想像よりも少なかった印象。ホール+平日っていうのもあるのかな。

上から観ていて通路にはみ出して観ている人が少ないなって思いました。それが普通なのだけど。

 

 

*演出の話

プロジェクターを使った演出が斬新だった。"FREEDOM"での歌詞を浮かび上がらせる演出をはじめ、何か生き物が暴れて水しぶきが上がっているような映像や、臨場感のある車の映像など。個人的にギラギラゴテゴテしたライブは好きじゃないけど、インパクトがありながらもアクトの邪魔をしていなくてすごく好感が持てた。

照明もなかなか粋だった。ドラムのリズムに合わせてぷちぷちするライトが好きだった。派手じゃないけど勢いがあって、盛り上げるサポートとして全力を尽くしている演出はいいなあ。

 

 

*総一郎さんの足の話

弾いてるときの足の動かし方が若かりし頃の桜井和寿さんにとてもよく似てた。でもさらに考えたらエルヴィス・コステロだな。この話は以上。

 

 

*ゆるい話

全体的にめちゃめちゃゆるい。冒頭の曲でダイちゃんと総一郎さんがステージの左の方でギターの上げ下げを一緒にやってたのがめちゃめちゃかわいかった。

MCとかただのゆるゆるかわいいおじさん。"YELLOW"の話、そうだ茅ヶ崎に行こうの話、全作品いいバンドなんてなかなかいない話、なんでもあるとこドンキの話、カンヌの展開聞いちゃう話...ゆるかった。反応が純粋で無邪気。

志村さんのお話のときだけやっぱり空気感は違ったけどね。

 

 

*そんなゆるゆるおじさんがかっこいい話

総一郎さんの1曲ずつの「ありがとう」がとても新鮮だったけどめっちゃええ声。

ダイちゃん"SUPER!!"で前に出てギター弾くとことてもかっこよかった。2階席からもわかるドヤ顔。その後ダイちゃんが帰ってくると総一郎さんがめっちゃあたたかい視線で背中をぽんと叩いたのがよかった。《今を生きている》で総一郎さんが真上指したのエモかったなあ。

 

 

LINE LIVEの話

今回の公演はLINE LIVEで中継が行われた。ダイちゃんがスマホをステージ上で確認(ゆるい)。40何万人観てたらしいけどどういう数え方なんだろうね。ほんとだったらすごい数だ。

地方にお住まいだったり都合があったりで行けない人には素敵なシステムかもしれない。

 

 

*夜明けのBEATとTEENAGERと志村正彦の話

"夜明けのBEAT"志村キーだった。鳥肌たった。最高。

"TEENAGER"やってくれると思わなくてめっちゃ嬉しかった。《おなかはコーラでいっぱい》のところ志村さんもおなかぽんぽんするよね。わたし全然コアなファンじゃないけど、総一郎さんが同じ動きしてただけで目頭熱くなった。

 

 

山田孝之の話

来るかなと言われてはいたが本当に来たね。"カンヌ〜"の途中で彼が出てきた瞬間わたし結構感動したよ。かっこいいわ。タキシードの4人も最高。BOBOさんさすがの短パン。

アウトロでジャケット脱ぎ出したと思ったら背中に「芦田さん」は笑った。2階からも見えた。

あの1曲と最後のためだけに秋田から来た山田孝之、さすがです。

普通に歌上手くて引いた

 

 

*生き残る鍵の話

彼らのライブを観て、オリジナリティという言葉に集約されるかなあと感じた。

リズムの変化を飄々とこなしたり、不協和音や上がりきらないメロディを楽しんだり、サビ前がものすごくわくわくしたり、独特のビートを刻んだり...「これぞフジファブリック」というポイントが確固たるものになっていて、当人たちが何かしらに影響を受けて音楽をやっているとしてもやっていることは二番煎じではない。長く続いている・生き残っているバンドはどこまでもオリジナルだ。

よくあるジャンルや音楽性だって生き残ることは出来るが、その中で最強に突き抜けなければならない。ただいい曲を作るだけでは残っていけないんだなあ。

それに加えてあったかいファンとの信頼関係も重要。この関係の結び方はバンドによって個性出るんじゃなかろうか。

 

 

*ワンマン最高の話

当たり前のようだが、フェス・イベントとワンマンはやはり違う。ワンマンライブを観て感じることは本当に多い。いろんなバンドのライブを観て、「このバンドはここが強い」「一番好きなバンドとはここが違う」など、発見もたくさんある。少しでも興味があれば曲をそんなに知らないバンドでもチケットを取りたいなと思った。今年絶対に観たいのはストレイテナー

 

 

 

山田孝之の登場でだいぶ記憶飛んでるけど、本当に素敵なファイナルでした。19:00の開演(約10分遅れ)で終演が21:40頃だった。結構たっぷり。観に行けてよかったです。

フジフレンドパークUNISON SQUARE GARDEN呼んでくれるって期待してるんですがそのあたりいかがでしょうか。

 

 

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fun time HOLIDAY6

〇〇×UNISON SQUARE GARDENの対バンを「〇〇ゾン」だとか「ユニ〇〇」と呼ぶ慣習、新聞のテレビ欄に書くならなかなか画期的な発想だが個人的にはあまりしっくり来ない。単純な人間による感覚で放つ戯言なので放っておいてほしい。

 

 

2017年2月21日。

ついにUNISON SQUARE GARDENの自主企画「fun time HOLIDAY6」の全12ゲストが発表となった。

 

Twitterにおける反応は様々であったし、UNISON SQUARE GARDENを好きな人の「他の趣味」や「音楽歴(どこを通ってきたか)」が垣間見えてよかった。

 

さてそのゲストバンドである。

超個人的な思い入れと共に見ていく。気になるところがあれば是非見ていってほしい。

 

 

 

4月21日(金) 北海道 Zepp Sapporo
18:00 / 19:00

the pillows

来てしまいましたー。わたしが唯一行ける公演(予定)ピロウズパイセン。ありがとうありがとう本当にありがとう。ああ本当に好き。

初日からピロウズでいいんかい。USG RADIOで言っていたようにファイナル感すら漂う。

この間対バン呼んで頂いたからかわからないけどこれもうちょっと感動してもいいことだと思うんだよなあ。まあ人それぞれだけど。

 「fun time HOLIDAY」シリーズでは稀な2度目の出演(ftH4,2012)。BIGMAMAや藍坊主は過去に出演経験があるので今回は無いだろうなという予想に則りピロウズもその線かと思っていたが、田淵さんのピロウズ愛が募ってか今年再び対バンの運びとなった。また泣かないようにしないとね。後日「Suage+」の感想とともにレポします。

 


5月3日(水・祝) 新潟県 LOTS
16:45 / 17:30 

androp

やっときたー!斎藤枠。

個人的にUNISON SQUARE GARDENandropはファン層がそこそこかぶっているのではないかなあと思っている。宏介さんはandropのファンの方が可愛いと思っているようだけど(根に持ってはいない)。

温度感が決して低いわけではないのに、内に秘めて飄々とアクトをこなすイメージ。あとリズム隊が頭おかしい。前田さん弾き方の幅広すぎて1曲でいくつ使ってるのって感じだし伊藤さんは手数多いのに曲の邪魔をしない、むしろ彩りを加えるドラムを叩く。貴雄がメラメラするのも納得。

曲は結構聴くんだけどライブ2回しか行ったことないので新潟行きたかったなあ。3/20のLIVE HOLICで観れるのでそちらを楽しみにしたい。

 


5月10日(水) 福岡県 DRUM LOGOS
18:15 / 19:00 

9mm Parabellum Bullet

声に出して読みたい日本語。きゅーみりぱらべらむばれっと。対バンするのは「カオスの百年TOUR」の札幌公演(2015.10.10)以来かしら。この時期"instant EGOIST"、"リニアブルーを聴きながら"、"like coffeeのおまじない"、"フルカラープログラム"あたり結構やってた記憶。

 滝さんのアクトが観たいということはわたしが言わずとも皆思っていることであろう。しかしたぶちが言っていたように「長く続けてほしい」「ずっと観たい」バンドなので、治すことに専念して欲しいというのが切なる願いだ。

 


5月12日(金) 大阪府 なんばHatch
18:00 / 19:00 

THE BACK HORN

 大阪の大物とは彼らのことかー!!来るだろうなと思っていましたが名古屋・仙台予想だったので少し驚き。

ベースの岡峰さんがめちゃめちゃ好きなんです。まあ一言で言ってしまうと「すごく上手い」。和音を多用してすごく立体感のあるベースラインを奏でるので、楽曲に厚みを持たせることを本当に得意としているベーシストだなあと思います(主観)。わたし音楽かじってるけどベースは弾けないので詳しい方ごめんなさいね。

バクホンとの対バンは「『KYO-MEI対バンツアー』~命を叫ぶ夜~」の愛知公演(2015.10.24)以来。およそ1年半ぶり。先輩とのアツいライブに期待したい。

 


5月13日(土) 静岡県 浜松窓枠
17:30 / 18:00 

a flood of circle

窓枠でフラッドが観れるとな。ダブルミーニングで羨ましすぎ。窓枠なんて(店長のおかげ?もあって)もともと取りづらいのに更に取れなくなってしまった。

彼らはメンバーの入れ替えを乗り越えて今がある。岡庭さんは失踪したからどうしようもないけど、石井さんが腱鞘炎で抜けてしまったのはなんとも惜しかった。後任ベーシストがHISAYOさんで良かった。

佐々木さんの声は結構クセがあるけど個人的には好き。気になる人は調べてみてほしい。

この2組の対バンを窓枠で観れる人たち、何度だって言うけど非常に贅沢だ。あー行きたい。いいないいな。ギブミーアチケット。



5月17日(水) 石川県 金沢EIGHT HALL
18:30 / 19:00 

SHISHAMO

このラインナップの中で数少ない若手。

彼女ら本当に歌も演奏も上手い。朝子ちゃんを「クレバー」と称するのも納得がいく。

 昨年のSWEET LOVE SHOWERでユニゾンと出演日が同じだったので豪雨の中観てきたのだが、リリース直前のこの曲で泣いた(雨よこの瞬間だけはありがとう)。

どこぞのモデル出身のキャピキャピバンドでにやにやしたいのかもしれないが、わたしはこのバンドにこそ愛着がある。哀愁だって、言葉にならない複雑な感情だって、認めたくない悲しさだって、甘酸っぱい愛おしさだって、全部表現してくれる。ガールズバンドだからって、SHISHAMOを甘く見てはいけない。

三十路のおじさんとのスリーピース同士の対バン、非常に楽しみである。

 


5月18日(木) 愛知県 Zepp Nagoya
18:00 / 19:00 

東京スカパラダイスオーケストラ

スカパラ兄さん〜!昨年ユニゾンとフェスの出演日がかぶっていることが多くてアクトを観る機会が多かった。

 まず人が多い。そして上手い。Zepp NagoyaZeppの中でも割と好きなのでここでスカパラ兄さん観れるのはなんとも素敵なことだ。わたしよりも若い人たちは彼らのアクトを観てどんな感想を持つのかとても気になる。

両者が顔を突き合わせるのはACCIDENT CODE "R"(2015.5.18)以来だろうか、ちょっと自信が無い。違ったら後でこっそり教えてください。こっそり訂正します。

「スリーピースなのに音が厚い」と評価されているUNISON SQUARE GARDEN。この大人数のアクトの後に、どこまで音を響かせることができるか。

 


5月21日(日) 福島県 郡山HIPSHOT JAPAN
17:00 / 17:30 

SCOOBIE DO

就活が終わっていてチケットがあるという夢のような状況ならばこの公演も行きたいと強く思う。SCOOBIE DO観たーい。踊りたーい。

決して派手ではない4人が奏でる最高のファンク。本人たちはファンクとして括られることをあまり好まなくて、「Funk-a-lismo!」(ファンカリズモ)と称してますね。

昔はMCを全くやらなかったらしいのですがあるとき客のノリが悪すぎたために今のプロレスみたいなMCになったようです。

わたしがSCOOBIEと出会ったのはまだイギリスにいたときでした。しかもイギリス人の友達に教えてもらった。今考えると彼女はなんでSCOOBIEを知ってたんだろうな。兎にも角にも出会わせてくれてありがとう。

本当に本当に羨ましい。レポ待ってます。

 


5月26日(金) 宮城県 仙台PIT
18:00 / 19:00 

syrup16g

今回一番の衝撃。UNISON SQUARE GARDENを低く評価していると勘違いして欲しくないが、まさかsyrupを呼べるとは思っていなかった。

 共通点といえば五十嵐さんの曲を書くスピードがめちゃめちゃはやいことかなあ。正しい基準を持って比べることは出来ないけど、田淵さんよりもはやいイメージ。

デビューできるかどうかの大事なライブで、お偉いさんがあまりにも多くてプレッシャーのあまり五十嵐さんがギターを投げつけたというのは有名な話。中畑さんが「気が乗らない」って途中で演奏やめたライブもあったなあ。あれはちゃんとした理由があったんですけどね。

曲の方向性はユニゾンと真逆のような気がする。ハッピーエンドには帰結しない。だからこそこの両バンドがどこまで振り切ってくれるか、期待の幅も大きい。

 


6月1日(木) 香川県 高松festhalle
18:15 / 19:00 

パスピエ

 懲りないなあ。昨年彼らの対バンツアー「印象E」の新木場公演(2016.6.17)にお呼ばれしたわけだが、まあタジタジになるほどにやられ、"場違いハミングバード"のカバーでとどめを刺された。

でもユニゾンパスピエをすごく認めているし、本当に大好きなんだと思う。去年なら絶対に香川まで飛んでいたが、今年は彼らのワンマン、しかもファイナル公演をNHKホールへ観に行くので良しとしよう。

先日出たアルバム「&DNA」がめちゃめちゃ名盤なので是非聴いていただきたい。本当にたまげる。

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6月3日(土) 広島県 BLUE LIVE HIROSHIMA
17:15 / 18:00 

BLUE ENCOUNT

 意外〜!とても意外。1番繋がりがわからないので斎藤枠かなあと思ってます。

土曜日なので大物が来ると勝手に思っていたが、ブルエンとはまさかまさかという気持ち。Whistle Song(2016.3.27)で[Alexandros] と共に3バンドでイベント出演した。

ライブスタンスも、ファンの雰囲気も(両方好きな方がいることは重々承知している)、すべてが真逆のように思うのでそこが対バンとしてどう働くのか、とても楽しみである。田邊泣くなよほんとに。フリじゃないからね。

 


6月7日(水) 東京都 Zepp Tokyo
18:00 / 19:00 

クリープハイプ

うわあクリープだ。絶対来ると思ってたけど東京とは。高まりますねえ。

「レコード会社が正しい」事件を経て仲良くなった尾崎世界観田淵智也。どちらも友達が少なくて現在公式のTwitterアカウントを持っていない。

田淵さんがクリープを呼びたいのはもう薄々どころかゴリゴリ見えていたのですが、東京に持ってきたあたりお互いのバンドを認めている感がすごい。どんな対バンになるかなあ。

東京だし行けたらなあと思ったけど、一応就活6月解禁なんですよね。それまでに決まってたら行きたいなあ。チケットは相変わらず取れないだろうけど。

 

 

何度見ても高まるラインナップ。時間とお金と運が許すならば全部観たい。

4月からはじまるこの企画にわくわくが止まらない。前回のツアーのDVD&Blu-rayにも期待しよう。カメラワークが素晴らしくありますようにというワガママも添えて。

 

 

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ヨロコビに似た天気です

Twitterをばーっとみていたらこんな言葉を多く目にした。

 

「対バンというものに行くのが今回初めて」

 

おー、人生初対バンとな。いいですねえ。

ワンマンしか行かない派だったけどレア曲レアセトリに期待したのか。バンドというジャンルで初めてこの2バンド(もしくはどちらか)に最近ハマったのか。かつてはフェスで新しい音楽を開拓していたのか。やっと予定や場所に都合がついたのか。お金を出したい対バン相手だったからか。他に好きなアーティストが主に大きな会場でやる人たちだったのか。

 

理由なんてなんだっていい。対バンには行かないと決めている人に「行かないと勿体ないよ」なんてことも言わない。

 

ただ、自分はUNISON SQUARE GARDENに「対バン」というものの概念を大きくねじ曲げられた。曲がらないと思っていた鉄パイプをぐにゃぐにゃにされた。

 

 

普通に世の中で行われる「対バン」というものは大体の場合先攻後攻があり、MCで相手バンドとの出会いや思い出を語ったり彼らの曲をカバーしたりする。最後に一緒に演奏なんてこともある。お互いに拍手を!!みたいな感じで終わる。打ち上げの様子がSNSやHPに上がる。

 

いろんなバンドは好きだけど、バンドマン同士の馴れ合いを見せられるのがそもそも好きではない。何のために見ているのかわからないと思ってしまう。これには個人差があると思うので、こういう考え方をする21歳彼氏なし女子大生もいるんだなあ〜くらいに捉えてほしい。

 

対バンとなるとそれが目の前で起こる。本当に避けようがない。あれあれ、わたし音楽聴きに来てるんだけど。


否、もちろんUNISON SQUARE GARDENだって一般的な対バンの枠組みを完全に無視しているわけじゃない。

 

彼らは本当に必要以上の馴れ合いを見せない。長々と思い出を語ったりはしないし、少しMCがあっても(全くないときだってある)いつも通りのアクトをするだけだ。最後に一緒に記念撮影☆とかもしないし煽りだってない。ワンマンの短縮版のような真剣さでセトリは豪華。嵐のように去っていく。爪痕は強烈。うーん最高。

 

 

さて2月18日、LEGO BIG MORLは自身の10周年をお祝いする企画「Thanks Giving」の9回目の公演を行い、ゲストとしてUNISON SQUARE GARDENを岐阜に呼んで開催した。

 

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水戸LIGHT HOUSEへのアーケードをちょっと盛り上げたような通りを抜け、岐阜Club-Gへ。個人的には2回目のライブハウスである。キャパはおよそ600名。

 

LEGO BIG MORLUNISON SQUARE GARDENは同期とのこと(実質年数でいうとユニゾンがちょっとだけお兄さんの模様)。どんな対バンになっただろうか、早速ユニゾンのアクトから。

 

 

 

18:00。ほぼ定刻で暗転するも何故か"絵の具"がなかなかかからず。この数秒すら待ってられない人が絶対いるから、この間はあんまり作ってほしくなかった。しかし原因不明なので何とも言えず。

 

まずは貴雄ちゃんが登場。いつものように白のロングカーディガンを身に纏い、左胸元にはふえるとフレンズ。颯爽とドラムの前に座り確認をはじめる。

 

続いてたぶちさんが登場。鋭い視線。

この時思ったけどクラブジーはステージが高め狭めですね。あまり動き回れなくてその場でへらへらしてました。

 

そして宏介さん。凛々しい表情。

中央で手を広げてからお辞儀をする大好きな一連の動作。イヤモニをつけながら準備。

 

3人が位置につくと、宏介さんがギターをじゃんと鳴らす。あれ?もしかしてカラクリカルカレ??

 

 

*セレナーデが止まらない

違いました。1曲目から3人が飛ばす飛ばす。

宏介さんツアー終えて感情の入れ方がさらに上手くなったなあと再認識。声も、表情も、弾き方も。今日は下手側2列目で観ていたけど、宏介さんがすごく熱を込めていて思わず彼を見てしまいました。

間奏での貴雄の吠え方めっちゃかっこよかったです。田淵さんのコーラスが言い切らない(母音を濁す)歌い方ですごくときめいた。

 


*サンポサキマイライフ

わー、イントロから高まる。武道館でやってからは×BIGMAMA2日目でしかやっていなかったこの曲。めちゃ楽しい。3人も楽しそうだった。

 テーッテテーッテッテッテテー「ハイ!!」

声と上げる手の多さに、宏介さんが思わず笑みをこぼす。合わせることが好きではない人たちが合わせようとしてではなく各々の意志であの曲に対して意思表示をしてるってところが素敵ですよね。

 ちびちびステップたぶち。

 


シュガーソングとビターステップ

お、意外に早い位置で食い込んできた。毎回やるからこそ最後だったりすると予想ができてしまうので、前半の方が個人的には嬉しい。

最近《蓋然性合理主義》で両人差し指を前に出す仕草をする時田淵さんフロア見なくなったなあ。

ロングヒットなダンスチューンという感じがひしひしと伝わってきた。慣れてはきたけど飽きたという感覚はあまりない。

たぶち、楽しそうにフロアを見て頷いてたらコーラスをワンフレーズ飛ばす。 

 

 

*オトノバ中間試験

ちょっと待ってなにこのご褒美。イントロで泣きそうになってしまった。CDJでも×ピロウズでもやってくれたので今日もやってくれるなんてそんなのいくらなんでも都合良過ぎるよねって思っていた最中...

田淵さんはきっとこの曲が「何度もユニゾンを観ている人」にも「初めてユニゾンを聴く人」にもバズるということを改めて噛み締めたんだろうな。与えられた短い時間の中で爆発的に盛り上げることが出来るという意味ではフェスや対バン向きかもしれない。本当に好きな曲なので今日も聴けて嬉しい限りです。

幸せに浸りながら聴いてたらいつもたぶちが優しい笑みを向けてくるのであせる。自己満足だっていいじゃない。それよりも自分の表情がだいぶやばかったんじゃないかと心配になった。

《斎藤に任せといて》前回問題(?)になったこの部分ですが、今回はマイク前で左手を使って指してました。ドヤ顔で。マイクステイなの珍しかったかも。

《制限タイムはあと少し?》のフリをするときの田淵さんの恍惚に満ちた表情なんなのほんと。すき。

《追試でございましょう》 今日は指ささなかったんですよ!!!ここでささなかったの初めてかもしれない

では代わりに何をやったかというと、両手を小さく広げてドヤ顔...そう、"mix juiceのいうとおり"でのシュビドゥバ2回目のフリと同じでした。

3つのツアーを経て確固たるぶち上げチューンにのし上がった1曲。最高オブ最高。 

 


*天国と地獄

いつものイントロ前のセッションを経て、宏介さんの「天国と地獄ぅ」でスタート。

イントロでいつもなら田淵さんは宏介さんの後ろまで走っていって殴るようなフリをしながらコケそうな勢いで戻って来るじゃないですか。しかし先述の通りステージが狭い。あんなことしたらベースヘッド流血事件の再来になってしまう。今日はマイク前からあまり動かず煮えたぎらせてました。

on the bassはほぼいつも通り。on the drumsはあんまり叩かないver.これドキッとして結構好き。

OK people one more time?のとき貴雄ちゃんがばって立ち上がったのめちゃめちゃかっこよかったな。あの挑発的な表情、本能が出てる感じがしてすごくぞくぞくした。

 

 

*未完成デイジー

意味がわからない。イントロで口あんぐり。

fun time ACCIDENT2以来の披露だったのでおよそ2年ぶり。よくもまあこんなにためたものよ。

対バンでバラードがないことも普通にあるので完全に油断していた。

音源より少しだけBPM落としてたかなあ。すごく優しい歌い方。田淵さんもこわれものを扱うような繊細さと苦しげに儚げに、でも柔らかさを持ったコーラスで本当に聴き入ってしまった。

終始薄暗くて後ろが明るい感じの照明の中、スポットが当たって宏介さんのソロ。どこをとってもすごくきれいでした。

この曲のベースラインよく聴いたらすごいお洒落ね。生で聴くと違う気付きもあるなあ。

 

 

*アトラクションがはじまる(they call it "NO.6")

田淵先生、しんみりさせてからのぶち上げチューンとしての使い方がすっかり気に入った模様。レア曲続きで油断してたけど実はここからがエモかった。

まだ音源リリースして1年経っていないのにこんなに耳慣れるとは。ツアーの威力を感じました。

八王子公演(2016.7.15)での微かな記憶を呼び起こしてみると、歌い方が馴染んできた宏介さん。前と違ってBメロに感情こもってたなあ。

最後のジャッジャッジャー ジャッジャッジャー ジャッジャッジャーーーー(シャンシャンシャンシャン) ツッツッツッツッジャッジャッジャジャッジャッジャ(UNISON SQUARE GARDENです!←心の中で) ジャン

めっちゃ好きです。

 

 

*フルカラープログラム
あー、そういうことしちゃう。いいけど泣き崩れるぞ。

ドンタンストントの破壊力よ。好きな曲は数多あれどこれとシャンデリア・ワルツは殿堂入りしてるから、普段にはエモすぎて聴けない。

貴雄ちゃんが上着を一瞬で脱いだ。

3人が向かい合って弾いていたところが照明と相俟って武道館を思わせた。LEGOのお祝いですしミニ武道館ってことでいいんじゃないですかね。

《完全無欠のロックンロールを》のところ、宏介さんがすごく自信に満ちた表情で下を指さしたの本当にグッときた。

 

《ふざけろ!「いつか終わる、悲しみは」どうか忘れないでよ》

 

何度このフレーズに救われてきたんだろう。カラフルな照明とともに力強い演奏を魅せた。

 


*MR. アンディ

少しだけ長めのイントロからの入り。TBCが気持ち良さそうに手を広げる。

 《君が残像に》

 

アンディTBCめちゃくねくねしてて色気がすごかった。ここのクラップも"サンポサキマイライフ"と同じように「やりたいからやる」というフロアの意思が見えて良かった。田淵さんによによしてた。

"MR.アンディ"のAメロベースライン、"シュガー〜"のAメロに次いで好きなので1日に2回も観られるなんて!と興奮していたが、"1日に2回"はこれだけじゃなかった。後述。

 

 

*Cheap Cheap Endroll

「ラスト!」

締めの曲としてこちらもだいぶ成長したなあ。あまりの勢いに隣にいたLEGOファンの女の子が口あんぐり。

田淵が終始ネックを上からおさえる。かわいい。

間奏のところでわたしの目の前にあったスピーカーに座ってけらけら弾いてた。近すぎ。みんな言ってたけどちょっと肉付き良くなったな。

リズム隊が間奏でばきゅんばきゅんしてたのってこの曲だっけ(曖昧)

 

 

 

めっちゃかっこよかったです。

アクトとしては全体的に拍手を送りたい。今までも良かったけど、さらに安心して楽しめる演奏をしてくれているなあと思う。

セトリからこの対バンへの熱が伝わってきてとてもアツかった。彼らにとってやっぱりLEGO BIG MORLはどんな意味でも大切なバンドのひとつなんだなあ。

Dr.Izzyの中でお蔵入りがほぼ決まりつつある曲も、今年どこかで聴けたらなという淡い期待を寄せて。

 

 

 

さて、お次はLEGO BIG MORLである。以前は一通り聴いていたものの最近全く手に取っておらず、ライブを観るのも今回が初めてだった。

 

セトリ

Wait?
テキーラグッバイ

Ray
Spark in the end

ワープ
Blue Birds Story

end-end

MR.アンディ *カバー
正常な狂気
RAINBOW

en.
新曲

 

 (曲名表記に自信が無いので間違ってたらごめんね)

 

一応曲は全部わかったが知識がなさすぎて何一つ書けない…だけど彼らのアクトも本当に良かった。ベースがレフティなのいいですね。

MR.アンディ。カバーなので判断しづらいのだけどparty style ver.だったかな。たぶん。

キーを少し下げても良かったかなと思ったのとLEGOのお客さんにあまり歌わせなくてもなあと(キンタさんの声聴きたい)

でもすごくリスペクトの伝わってくるカバーで心があたたかくなった。素敵でした。

 

LEGOはMCがめちゃめちゃ面白い。言葉の応酬がすごくて普通に笑ってしまった。MCの時間に熱が冷めてしまうタイプだけど、LEGOのMCは好き。

対バン相手のMCをめちゃくちゃいじり倒すはずだったのに、当のUNISON SQUARE GARDENは、というか宏介さんは「Thanks giving(低い声)...LEGO BIG MORL10周年っちゅーことで、今日はこのイベントに呼んで頂きありがとうございます、精一杯演奏したいと思います!」「久しぶりに会ったけど...なんかドラムのダイちゃん大きくなった?」しか言わなかったので、

 

「あいつら全然MCせーへんやん!」

 

と会場を笑わせる。

貴雄に関しては「今日久しぶりに貴雄に会ったけどなんか泥棒みたいになってた。漫画みたいな泥棒なってたね。」と最近のおヒゲフェイスで笑いを取る。

「ある時貴雄がライブを見に来てくれてね?渋谷にあるキャバ100とか200とかの小さいライブハウスだったんだけど、終わったらメールがきてて、途中で出なあかんから感想を手紙に書いて楽屋に置いて来ましたって。いや、メールで書けばええやん!って。楽屋に戻って手紙が置いてあって開けたら字汚くて読まれへんの。」
「それこそメールでよかったよね」

と過去のエピソードも披露。

 

また今回の企画に関しては「大事にしてきたから、長年一緒にやって来たバンドとやりたいと思って今回back numberとユニゾンにお願いした。斎藤には去年の2月くらいから声をかけてて『来年の2月なら空いてるよ〜』って言われて。『売れっ子か!』って。...売れっ子か。」と自虐も交えつつ話してくれた。

 

「昔ね、埼玉の小さいライブハウスでback numberとユニゾンとやったのよ。しかも前座がback numberで、次ユニゾンが出て、俺らが最後...なんなん、俺らだけ売れてないやん!!」

 オチまで完璧ですこと。

 

田淵さんに関しては「今日久しぶりにユニゾンのライブ見たけど動きが進化してたね。昔初めてユニゾン見た時ベースめっちゃ動くやんって思った。その時田淵は演奏中に何故かベース置いていなくなったんだよね。で、もう一回出てきたと思ったらTシャツを着替えてきた。」とユニゾンファンも「あ〜」と思わずニヤニヤしてしまうエピソードを紹介。会場を賑わせた。

 

これくらいしか覚えてなかったけどめっちゃ面白かった。ほんとに最高でした。

 

 

LEGO BIG MORLが信念を持って彼らなりに10年かけて作ってきたものに、UNISON SQUARE GARDENは非常に尊敬や共感の念を表していた。それは彼らのアクトやセトリ、表情からひしひしと伝わってきた。

しばらく距離を置いていた両者だが、お互いに意識し続けていたのだろう。その想いがぶつかりあった、清々しい対バンだった。

 

 

いいライブを観るたびに「これ以上いいライブなんてあるのかしら」と思うのに、どんどん塗り替えて来るから恐ろしい。最早、誰も手にできないような音を見る、いわば摩天楼。

 

 

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米津玄師 - orion

フラゲ日」というのは不思議なものである。発売日というものが(一応)ありながら、前日もしくはそれよりも前にあっけらかんと店頭に並んでいる。禁止されている訳では無いし、入荷してから少しでも早い時間にリスナーの元へ届けるということを考えれば素晴らしいシステムではある。

一方で最近は様々なアーティストがCDショップまわりというものをするようになった。大体の場合公式発売日(もしくはそれ以降)に行われるため、僅かな可能性にかけて巡り会いたいという人はフラゲを我慢してリリース日にお店に行かなければならない。もしくは2日続けてCD店を訪れる必要がある。

CDフラゲとは話が少しずれるが、昔札幌に住んでいたとき、雑誌の入荷が遅いというのは日常茶飯事であった。発売日よりも前に買えるということはまずなかったし、発売日に行っても既視感しかない先月号が堂々と並んでいることがほとんど。地域差なので仕方ないと言えば仕方ないが、マドンナみたいに世界同時発売とかにしてくれないかなあと思っていた時期があった。

 

余計なところで話が長くなった。

本日2/15に米津玄師がシングル"orion"をリリースした。偶然とわかっていながら敢えて声高に言おう。これは米津玄師からの逆バレンタインCDである。異論は認める。わたしも異論あり。でも逆バレンタインってそこそこロマンじゃない?ってことで許して。

 

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 いつものようにタワーレコード渋谷店へ向かった。特設コーナーの前には意外にも男性ファンが多く、試聴したりCDを手に取りアートワークを眺めたりしていた。

 

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この左上で寒そうにしている米津玄師を撮ったカメラマンは中野敬久さんという方なのだが、彼が撮る米津玄師が本当に最高なのだ。昨年行われたツアーや夏フェスの写真も彼が撮っていた。臨場感がありながらも等身大で、米津玄師に内在しているものまで溢れてくるようである。探せば出てくると思うので是非。

 

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サイン。

 

 

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購入したのはこちらの「ライオン盤」。もう一つジャケットと内容が異なる「オリオン盤」も用意されているが、こちらはDVD付き+零くんということで個人的には即決だった。

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法人特典がこちら。クリアブックマーカーらしい。栞をつけて閉じてsee you next session!

 

本作はアニメ「3月のライオン」第2クールのエンディングテーマとして書き下ろされた。原作からのファンなのだが人間として考えさせられることが多くて、すごく心に響く漫画だ。

オープニングテーマの"さよならバイスタンダー"(YUKI, 2017)もシングルを購入したが、こちらも最高なので是非聴いていただきたい。次のアルバムを購入したら記事を書く(予定)。

 

第1クールはOP・ED共にBUMP OF CHICKENが担当していた(アンサー/ファイター)。以前漫画とのコラボレーションもあったため、BUMP OF CHICKENと「3月のライオン」の関係は相当に密である。ここから引き継ぐというのは大いにハードだと思っていたが、この2人が見事に成し遂げた。特にこの25歳はBUMP OF CHICKENのファンであることを公言している。BUMPの4人は彼のことを知っているのかなあと思っていたら、直井由文(Ba.)がこんな爆弾を落としてきた。

 

 

このツイートを見て米津玄師はどう思っただろう。大好きなバンドのメンバーのツイートに自分の名前が出ている。しかも最強スペシャルサンドイッチって。わたしが米津玄師なら泣き崩れた。両アーティストのファンとしても本当に嬉しかった。当の本人はしっかりとバトンを引き継ぎ、3月のライオンの世界に新しい彩りを添えた。

 

 

さて、そのシングルについてである。

前回のシングル"LOSER/ナンバーナイン"からあまり間が空いていない。"LOSER"で衝撃だったことと言えばなんと言ってもこのダンスであろう。

 米津さん踊れるんかーい!

びっくりしたわ。しかもめっちゃ上手い。やってみたかったってだけでこんなに踊れるもんかい。屋上での横ステップみたいなやつ一番好きです。

 

そしてこちらが今回のMV。あれ、踊ってない。戻った感じある。

でもこの曲の世界観・テーマ的にダンスという感じではなかったのかもしれないなあと考えるとなんだか腑に落ちた。

 

1.orion

夜空やプラネタリウムを思わせるキラキラしたイントロ。Aメロからハモりが多くてメロディが綺麗。

このアレンジもしかして蔦谷好位置...?と思ったらドンピシャでした。

  

《心の中 静かに荒む 嵐を飼う 闇の途中で》

 

このフレーズがすごく"ファイター"っぽいなと思った。そういうビューで聴いてみると、"orion"は星座とあなたを歌いながらも「3月のライオン」の世界観をしっかりと表現しているなあと感じた。藤原基央がよく「タイアップ先に合わせて曲を書くのではなく、いつもと同じように自分の体験したことを書いたら話とリンクした。自分とかぶっているところの面積が多いからだ」というようなことを言うが、米津玄師にもそれが当てはまるのではないだろうか。もちろん両者のファンとしてはBUMP OF CHICKENの世界観に知ってか知らずか影響を受けた、とも思いたいが、純粋に彼とこの作品にリンクする面積が大きかったのではないかと強く思った。

3月のライオン」で柱となるのは零くん自身のへばりつくような闇、将棋や自分の境遇に立ち向かう強さ、川本家の明るさ・あたたかさなど。タイアップがついた曲はどれもこのあたりが上手く作品と絡んでいて素敵だ。ファイターに関しては何百回も聴いているのにいまだに泣かずにはいられない。

 

1番Aメロの歌詞。


《あなたの指がその胸がその瞳が 眩しくて少し眩暈がする夜もある それは不意に落ちてきて あまりにも暖かくて 飲み込んだ七色の星 弾ける火花みたいに ぎゅっと僕を困らせた それでまだ歩いて行けること 教わったんだ》

 

零くんと川本家(ひなちゃん)であり、米津自身のことでもあるように思う。タイアップとして聴いたらもちろん前者だが、米津玄師はよく人にあたたかさを教わっているような気がする。

 

 

c/wについてはCDで聴いていただきたいのでざっくりとだけ。

 

2.ララバイさよなら

大好きなライターさんの1人に蜂須賀ちなみさんという方がいるのだが、彼女がこの曲を推していた。聴いて納得。

コード進行にdiorama〜YANKEEあたりを感じて懐かしさすらある。

不協和音ギリギリを這うようなサウンド、古いような荒いような言葉遣い、僻み開き直り自己嫌悪イライラ自虐...これら全部米津玄師。

 

3.翡翠の狼

 タイトルからは想像出来ない南国みたいなサウンド。ラララの部分が妙に軽快。

これも表題曲に劣らずタイアップでよかったんじゃないかって思うくらいの歌詞。なんなら3曲すべてでもおかしくない。

3月のライオン」の世界観を米津玄師はこの3曲ですべて表現しきった。主人公である零くんと米津自身の重なる部分が大きかったり、作品の意図を汲むことができたりと要因はいろいろあると思うが、このタイアップが付くべくして付いたものであるとこの曲を聴いて思わずにはいられなかった。

 

 

 

初回特典として7月14.15日に東京国際フォーラムホールAにて行われるワンマンライブ「RESCUE」の先行シリアルが封入されている。19日までの応募なので、まだの方はぜひ。

 

前回のツアーのチケットが本当に当たらなくて焦った。ギリギリのところでお譲りいただいたのだが、音楽隊まではサクッと取れていたために衝撃が大きかった。今回も2公演のみですしきっとものすごい倍率でしょうよ。こればっかりは仕方ないですね。ホールで観たいな米津玄師。

 

 

米津玄師の凄いところは、才能にしてもその方向性にしても、多様性という言葉を1人で体現している点にある。世の中を皮肉りながらも人のあたたかさに触れて微笑む。止めたくなるくらいに自虐をしても愛する人への気持ちの伝え方はとても清々しくてかっこいい。

どこまでも人間らしく、どこまでも愛おしい25歳。次の一歩はどちらへ。2017年も活躍が楽しみだ。

 

 

 

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BUMP OF CHICKEN 20-21

2月11日という日がBUMP OF CHICKENのファンの多くにとってより特別な日となったきっかけは、恐らく一年前のライブに違いない。往年のファンだって、記念日を意識しない人ならあまり特別に感じたことはなかっただろう。それは4人が自分たちの記念日を公式に盛大に祝うということがかつてなかったからだ。もちろん毎年お祝いしている人もいるだろうので、そこは誤解しないでほしい。

 

2016年の彼らはこれまで以上に自分たちと向き合い、オーディエンスと向き合い、今の音楽シーンにいるBUMP OF CHICKENと向き合った1年だったと思う。臆病で勇敢な4人に感謝したい。

 

 

さて、自分とBUMP OF CHICKENの出会いについて僭越ながら語らせていただく。

 

出会ったのは16年前。当時は父の仕事の都合で、イギリスを中心とした海外と日本を行き来する生活を送っていた。今となっては面倒なので「生まれてから12年間イギリスで過ごしました」と言うが厳密に言うと結構日本にもいた。

 

ある日CDのCMを目にした。不健康そうな男性が最後のワンフレーズをアカペラで歌い、右の目元でピースした。

 

これがわたしがBUMP OF CHICKENに惹かれた日だった。

 

自分では覚えていないのだけれど直後「あのCDが欲しい」と言ったそうだ。誕生日プレゼントとして、近くのCD店に母と一緒に買いに行った記憶は鮮明にある。

 

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その年が明けてすぐ、またイギリスに戻ることになった。転校が多かったので友達は少ない。浅くはすぐに打ち解けられるけれど、心を開くには時間がかかるというのは今も変わっていない。

音楽にすごく助けられた。洋楽も聴いていたけど、日本が本当に恋しかったのでポルノやミスチル、サザンなど、聴きたい曲を見つけては日本にいる親戚に頼んで送ってもらっていた。BUMP OF CHICKENもその中にいた。メジャー1枚目、通算3枚目のオリジナルアルバムである"jupiter"は、文字通りずーっと聴いていた。詳しく書くつもりはないが、BUMP OF CHICKENに救われていた部分は本当に大きい。

 

 

しんみりしてきたので割愛。

 

2016年2月11日。

幕張メッセで20周年記念ライブが行われた。

 

実は落選していたのだけれど、素敵な方のおかげでAブロックで観ることができた。本当に感謝してもしきれない。後にこの方とはUNISON SQUARE GARDENのライブでお会いできたのだが、感謝が募って月並みなお礼しかできなかった。改めて本当にありがとうございました。

 

海浜幕張駅降りたら「チケット譲ってください」の数々。申し訳なさと、恐怖感と、優越感と、感謝と、期待感と...いろんな感情を抱えながら道を進んでいった。

 

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ゆるゆる向かったので物販に5時間かかった。まあこんなもんよね。

 

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セットリストが思い入れのある曲ばかりで、1人で行ったのに終始号泣。ああ、わたしまだ音楽でこんなに泣けたんだなあ。前日に発売されたアルバムを全く引っさげていなかったけど、なんだかそれすら嬉しかった。

DVDには収録されていなかったけれど、藤くんが「この看板は20歳になりました」って言ってくれたのが本当にぐっときた。表現が好きすぎるし、短い文章の中に凝縮された感慨深さが伝わってきた。

 

 

そしてその年の4月から、STADIUM TOUR "BFLY"がスタート。

 

個人的にBUMP OF CHICKENは「ライブを数多く観たい」というバンドではないし、「なるべく近くで観たい」というバンドでもない。1回のライブで心打ちひしがれるほどに圧倒されるからだ。逆に何度も観て楽しいというバンドもいる。これは好きの程度の問題ではないと思っている。BUMP OF CHICKENの放つ音はいつも側に居てくれる感覚。

 

日産2日間のライブを観させてもらった。1日目はありがたいことにお譲りいただいたのだが、2日目は自分で当てることができた。しかもアリーナのブロック。それだけで幸せ。

 

物販が1時間半しか並ばなかったことが衝撃的すぎた。個人的な見解を述べさせていただくならば、グッズのために前日から徹夜で並んだり、始発で眠さや寒さをも引き連れて列へ向かったりしなければならない状況はあんまり楽しくないなあと思っていた。悪びれもせずに代行を頼むのも違うし、それを引き受けて前列で買い占めるのも違うなあ。仕事・学校帰りで滑り込む人たちにも買えてほしい。そういう意味ではMr.Childrenの物販は完璧だった。

日産スタジアムの2日間でも売り切れを危惧してか早くから多くのファンが並んでいたようだが在庫・テントともに本当に十分で、過去最高にスムーズな物販だった。レディクレよりもフェスの物販感(ディスではありません)。スタッフの皆さま本当におつかれさまでした。

 

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開演前のカウント、スタジアム童貞を2日とも言ってみせたチャマ、ゆるいウェーブ、はじめてのアリア、号泣したファイター、夕焼けについて語る藤くん、rayで相変わらずチャマを見るヒロ、喋らないけど愛されているのが伝わってくる秀ちゃん、シールドを壊す藤くん、花火、天体観測、小机駅までの帰り道、夏の夜のくすぐったい匂い、金麦7本。ザイロバンドいらない派ではあったけど、これを見ると書き切れないほどの思い出が甦る。

 

彼らは今年もロックインジャパンフェスに出場し、1番大きなステージのトリを飾った。藤くんのうっかり問題発言(?)もあったものの、安定の演奏でフェスを締めくくってくれた。あの日は朝から本当に楽しかったしすごく戻りたい。

 

 

アリア・アンサーの配信リリースを経て、昨晩である。急遽決定した配信スタジオライブで新曲"リボン"を披露してくれるとのこと。

 

当日、ライブ開始まではわくわくしていたのだが、始まった瞬間から心臓が止まりそうになり、終わったときにはスマホを放り投げて泣いていた。

 

録音・録画はなんだかしたくなくて(そもそもやり方がわからないけど)、アプリで見ながらパソコンでがんばってタイプしてみた。誤植あっても許してね藤くん。

 

*リボン
嵐の中をここまで来たんだ
嵐の中をここまで来たんだ
出会って生まれた光追いかけて

ポケットに勇気がガラス玉ひとつ分
それぞれ持ってるガラス玉ひとつ分

並べても同じ数 あの日から始まりから

つぎはぎの傘 汚れたカンテラ
手作りの地図 大事にいっしょに使った

ここはどこなんだろうね どこに行くんだろうね
誰一人分かってないけど
そばにいることを選んで 
今そばにいるから迷子じゃないんだ

たくさん笑ったり それより遥かに少ない
泣いたり怒ったりしたことの全部が
音符になって繋がって僕らを結んだ

ポケットに恐怖が宇宙と同じくらい
それぞれ持ってる宇宙と同じくらい

同じ時に震えたら強くなれた 弱くなれた

指差したUFO すれ違った野良猫
あくびのユニゾン あと何があった
教えて

意地が恥ずかしさに 負けないで
心で正面から向き合えるよ
僕らを結ぶリボンは解けないわけじゃない
結んで来たんだ

君の勇気を僕が見れば星だ
並べても同じでありたい

ああ ここはどこなんだろうね
どこに行くんだろうね 迷子じゃないんだ

嵐の中をここまで来たんだ
嵐の中をここまで来たんだ

カウントからせーので息を読み合って
泣いたり怒ったり笑ったりの全部で
嵐の中をここまで来たんだ
出会って生まれた光を追いかけて

嵐の中をどこまでも行くんだ
赤い星を並べてどこまでも行くんだ

 

 

UNISON SQUARE GARDENの"プログラムcontinued"のように、自分たちの過去を、楽曲を、紡いでできた唄だ。

"ファイター"、"カルマ"、"ウェザーリポート"、"セントエルモの火"、"グングニル"、"ランプ"...数え出したらきりがない。

 

でもそれより、これらを繋ぐ歌詞にも注目したい。

うまく説明出来ないけれど、どこを掬ってもBUMP OF CHICKENだなあと思う。ある意味で藤原基央の書いてきた歌詞が細部まで実体験でありながらどこまでも普遍的であるということを象徴しているかのようだ。

 

BUMPの4人はリボンにする紐をどこかで買ってくるんじゃなくて、紐になりそうな素材を道端や川辺で拾い集めて全員で紡ぐところからはじめそうだなあ。ただ結ぶだけなら10秒も要らないところを、敢えて何日間もかけて紐を作っていそうだ。

4人にしかわからない言葉を交わし合いながら紐を作る。彼らはきっとそれで満足なんだろう。だからこそこの20周年の1年の終わりを結んでくれたことに感謝が溢れる。わたしたちも仲間に入れてくれてありがとう。20周年という節目を、いろんな場所で、いろんな形で、いっしょに祝わせてくれてありがとう。

 

 

普段いろんな音楽を聴くが、BUMP OF CHICKENには祖父母の家のようなイメージがある。毎日帰る場所ではないが、いつ行ってもあたたかい。迎え入れてくれる雰囲気。原点。日常に戻るときは少し寂しいけど、変わらず明日はやってくる。

 

辛くなったとき、背中を蹴ってほしいときとただ側に居てほしいときがある。BUMP OF CHICKENは後者だ。そのおかげで立ち上がれても、彼らは驕ることなく微笑んで手を振ってくれる。

 

これからもきっとこのへなちょこ4人組にはお世話になるだろう。21年を経ても好きなようにやってほしい。彼らを追って出てきたバンドは本当にたくさんいるのに、当の本人たちはあっけらかんとしている。好きだなあ。

出来ればホールかライブハウスで観たいな。倍率高いのなんて百も承知だから。

 

 

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the pillows presents "Shoegazer speaker in swanky street"

2017/01/26、Zepp DiverCity TOKYO。

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"Shoegazer speaker in swanky street"

 

エモいという言葉の賛否はさておき、こんなエモい対バンタイトルがかつてあっただろうか。

 

ライブ前からこの公演については書こうと決めていました。個人的に待ちに待った2017年初ライブであったし、この2バンドを1日で観たらわくわくしすぎて書きたいことだらけであろうと思ったからです。

 

しかし終わってみると想像以上の多幸感と感動で言葉にならない。センチメンタルピリオドってこういうことを言うのかな(言わない)。

 

少し長くなると思いますが、素人の書く文章に寛容な物好きの皆様はなにとぞお付き合いいただければ。特にレポという訳では無いです。

 

 

 

19:05、暗転。青色の光。

 

いつものSE、"絵の具"が流れる。鈴木→田淵→斎藤の順で登場。田淵さんがいつも以上に凛々しい表情で出てきた。気合いの表れなのかな、胸が高まる。

フェスなどでは時間や演出の都合上(?)3人がそのまま定位置につくことも多いが、この日の宏介さんはきちんと真ん中でオーディエンスと向き合い、手を広げ歓声を噛み締める。礼も忘れない。フロントマンとして対バン相手・そのバンドのファン・ユニゾンのファン、そして自分たち自身への敬意を表しているようで、この一連の流れがすごく好き。

 同じ"絵の具"だって、「これからAlien now!するんだな」というときと「1曲目はなにがくるんだろう」というときでは全然違う。なのに「今からUNISON SQUARE GARDENのアクトがはじまる」という感覚が確実に呼び起こされる。SEについて語り出すと止まらないのでまた別の機会に。それかSEについて飲みながら語ってくれる人いたら教えてください。

 

 

*Fool on the planet

この始まり方なかなかぐっときましたね。UNISON SQUARE GARDENがライブでやったのは2回目かな?(違ったらめっちゃごめんなさい) 以前対談で田淵さんが「必要に駆られればやる」というようなことを言っていたため、いつかまたやってくれるだろうなと思っていました。対バンであっても自分たちの曲をざっとやって帰っていくことが多いので、やっぱり今日は特別なんだなあ。

the pillowsのカバーでありながらユニゾン節が効いていて心地よい。最後の方の「流されて歌ったりしないぜ」だけ絶妙にさわお感。

 

*サイレンインザスパ

この曲の安定したぶち上げチューン感よ。すっかり定着。ちょっと予想していたので嬉しい。

UNICITY Vol.1.5のときも書いたけど、相変わらず2番ヘイ未遂する人多くて、そこで田淵さんが口元をほんの一瞬だけ緩ませるのだいぶ好き。貴雄ちゃんのサビ前のビートがいつも以上に正確で(拍がわかっていてもライブでは毎回くずされるのに)緊張感が伝わってきた。めちゃ楽しかった。


シューゲイザースピーカー

演奏してくれるであろうと期待してはいたんだけどCatcher In The Spy…?

the pillowsがなぜこの曲を表題に入れたんだろう。ピロウズの知識が浅すぎて深読み不可。

地味に前々回のツアー「プログラムcontinued」以来のセトリ入り。最終公演が1/28だったから約1年ぶりでしたね。ライブバージョンだとより宏介さんが感情を込めて歌い上げてくるのでとても好きです。

 

*桜のあと(all quartets lead to the?)

あ、Catcher In The Spyだわ。何なら無意識でカウントとってたわ。あな恐ろしや。

Dr.Izzyゴリゴリ引きずりマンなのでラストの桜のあとを思い出しすぎてつらかったけど楽しかった。ピロウズのファンの方もすごく楽しそうに《All quartets lead, lead to…?say la-la-la…》のところのってくれていて本当に素敵な方々だなあと思いました。

このあたりで気が付いたんだけど田淵さん今日相当声仕上げて来てない…?


*ライドオンタイム

「Ladies and gentlemen…"ride on time"!!」

"オリオンをなぞる"じゃなかったー!

貴雄ちゃんのドコドコドコドコドコドコドコドコでテンションが最高潮になる。なんて素敵な魔法。

昨年は音人・ビバラ・×BIGMAMA2日目で聴いて、確かモンバスでもやったはず。開演前「ライドオンタイム聴きたいね〜」なんて話をしていたものだからさあ大変。今聴きながらこれ書いてるんだけど涙目。一般知名度はあんまりないけれど、フェスや対バンでもしっかり機能するってすごいこと。

Bメロ貴雄ちゃんのツツッツッていうリズムの取り方めちゃ好きなのでひたすらにありがとうございますって感じでした。

 

*蒙昧termination

あれ?きゃっちゃ(以下略)

さわおさんがあのアルバムをべた褒めでもしたんだろうか。

「あのねかぁし書いたのぼ↑くじゃ、ないんで、たぁぁぶちに言っといてぇぇぇ!!!」

 ライブで見た中では最高に僕じゃない感出てたと思うんですが異論認めますのでどうぞ。

あとものすごい個人的なこと言っていいですか、言いますね。宏介さんのマイクチェック、音源だと「アアアアアア」じゃないですか。この日は「ん、ん、アアア」って感じでとてもセクシーでした。思わず宏介さんのこと二度見しました。現場からは以上です。


*Runners high reprise (新曲)

 ピロウズ大好きな田淵氏がピロウズの楽曲10個分のエッセンスを詰め込んだというこの日のための新曲。さわおさんが「田淵ピロウズ好きっていうくせに全然影響受けてない」っていうのは本当にそう思ってるわけじゃなくて、UNISON SQUARE GARDENの長所や才能・個性を認めつつ「オマージュするならもっと大胆にやっていい」っていうさわおさんからの遠回しなメッセージだと思うんですよ(個人的見解)。だって明らかにパク…オマージュしてる楽曲たくさんあるじゃないですか(個人的見解)。先輩愛。

イントロからもうゴリゴリオマージュでファンから歓声・クラップ・笑顔。田淵さんが思わずにやける。宏介さんもオーディエンスの反応を見て照れ笑い。貴雄も口元と目元を緩ませていました。

ちょこちょこ歌詞が聞こえてこれかな?あれかな?って思ったりしたけれど、願わくば音源化してほしい。めっちゃ良い曲だった。答え合わせしたい。


*kid, I like quartet

 やっときたーーー!フェスでやるかな?と思いつつなかなか入らなかったこの曲。昨年の×パスピエ以来かなあ。

サビで田淵さんを観たことのある方は思い出せると思うのですが、いつも左手にすごく4つの感情が行き交ってるんですよ。でもこの日は行き交うとかのレベルじゃなかった。爆発してました。

コーラス田淵が楽しそうすぎてこっちまで笑顔になった。


シュガーソングとビターステップ

おこがましいながらも敢えて一つ言わせていただくとするならば、今日のお客さんは「シュガーをやらなくても許してくれる人たち」だったのではないかなあと思う。でもさわおさんの言うように代表曲で取り込みたいみたいなプライドは大事だもんね。いずれにせよ大好きな曲です。

前列で観ていたピロウズファンと思しき方々もすごくのってくれていて、しかもそれが嫌なのり方じゃなくて、すごく上品だけど元気な?形容が難しい…ただウェイウェイするんじゃなくて、1種のダンスチューンとして捉えてくれている感覚が強くあって、少し涙しそうになった。


*オトノバ中間試験

"RUNNERS〜"が終わった時点で宏介さんがあと3曲と言っていて、喜怒哀楽が来た、シュガーも来た、…え?

いつもだったら"天国と地獄"で終わってもおかしくないなあと思いながら、この対バンでそれはないか…え?まさかオトノバ?

 

はい、オトノバ中間試験でした。

いくらなんでも都合良過ぎるから夢かと思ったわ。踊っちゃったわ。

 

今日やってくれたこと(LITTLE BUSTERS説はさておき)、最後に持ってきてくれたことが本当に本当に本当に嬉しくて泣きそうになりながらめっちゃ笑顔で聴かせてもらいました。バイト中でも作れないほどの笑顔だったと思う。初めてライブで聴いてからもう1年以上経つのかあ。早い。数えてみたら個人的にはツアー含めて36回目のオトノバ中間試験でした。

 

《息継ぎがてんでないじゃんか 心配ですsee? see?》の時のてんでなさが半端じゃなくて(おそらく過去最高)、田淵さんが思わずなのか意図してなのかわからないけどおお?、みたいな顔をしていたのが印象的。今まであの部分手元見てたのにね。

《あのね歌ってるのは快気怪奇な僕なんで 呆れるまで斎藤に任せといて》のところ。今まではドヤ顔で宏介さんのこと指差してたけど、今回は違った。宏介さんに近づいていって…あのね歌ってるのは快気怪奇な僕なんd

 

ばんざーい!!!!!

 

……

 

か   わ   い   す   ぎ

 

もうこの件に関してこれ以上のコメントはありません。好きです。

 

田淵さんの《オトバ情緒で繰り広げたりける制限タイムはあと少し?》の→↑⤵︎のフリはライブで披露した当初からあったんじゃなかろうか。あれを田淵さん自身が考えたのかなって考えると思わず頬が緩む。

 

《いくらなんでも都合良過ぎるからあんたなんかと踊れない》

 

このフレーズに救われすぎてる。「なんでも」が平仮名で「よすぎる」を「良すぎる」じゃなくて「良過ぎる」って書いてくれたのがなぜか嬉しくて…この話もオトノバ中間試験大好きマンの方、相手してやってください。

田淵さんがコーラスしながら片脚ダンダンするのも好き。

 

いやもうなんか、オトノバ中間試験大好きです。本当に好き。

 

 

 

いろいろ書いてきたけど今回はセトリが良過ぎた最高!とかではなく(いやもちろんよかったんだけど)、「大好きな大先輩との対バンの先攻のアクト」という感じがすごく滲み出ていて素晴らしかったです。ユニゾン終わったあと言葉にならなすぎてすごい勢いでビール飲みほした。

 

 

 

さてお次は主催者・the pillows

 

*セットリスト

Xavier

Ritalin 202

ノンフィクション

HAPPY BIVOUAC

WALKIN'ON THE SPIRAL

Funny Bunny

日々のうた

Swanky Street

TOY DOLL

About A Rock'n'Roll Band

この世の果てまで

Locomotion, more! more!

 

en.1

Ride on shooting star

RUNNERS HIGH

 

en.2

ハイブリッド レインボウ

 

 

今回のセトリはほとんど田淵さんのリクエストだそう。後々ピロウズファンのコメントを読んだら「UNISON SQUARE GARDENのベーシスト、ゴリゴリのピロウズファンすぎる。今日行ってよかった」「田淵さんのリクエストがとことん好みでセトリ良すぎた」「Xavierチョイスわろた(最高)」など称賛の声が本当に多くて、自分が褒められたわけではないのに泣きそうになってしまった。ザビエルは笑うしかなかったけど。

 

ところで「さわおさんが田淵にやってほしい曲はあるかとメールしたところ20曲くらい送ってきた」っていうネタ、どこかで聞いたことあるなと思ったらfun time HOLIDAY4(2012)の時に同じネタありませんでした?そこで田淵さんがNAKED SHUFFLEをリクエストしていたのを知ってテンションが上がった記憶が…ただ記憶があいまいなのとソースがないので違ったら流してください。

 

全曲書きたいんだけど長すぎる文章になりそうなので、思い入れのあるアンコール3曲について少しだけ。

 

 

*Ride on shooting star

人生で初めて聴いたピロウズのアルバムがこちら。"LOSTMAN GO TO YESTERDAY"。とりあえずたくさんの曲を知りたかったのと、BUMPがカバーした"ハイブリッド レインボウ"が聴きたかった。確か"ストレンジ カメレオン"や本公演のタイトルにある"Swanky Street"も収録されていたはずだ。Ride on shooting starがダントツで好きだった。

 

さわおさんが田淵さんを呼ぶ。両脇を固められ照れくさそうな顔をして連行されてきた田淵さん。声が仕上がってたのはこのせいかー!あたたかく迎えてくれるピロウズのファンが本当に本当に素敵。そしてベースに入ったと思ったらこの曲。

文字通り号泣しました。田淵さんの嬉しそうな泣きそうな表情見てたらほんと良かったねって思ったし、自分自身も生きているうちにこのコラボレーションを観れるなんて思ってもいなかったから、コンタクトがずれそうになるほど涙が出た。演奏も良かったし、「ああ本当にピロウズ好きなんだな」って誰が見てもわかるような動き方だった。

そして楽曲が本当にかっこいい。

 

*RUNNERS HIGH

repriseじゃなくて本家。快諾してくれたことももちろんだけど、今日やってくれること(しかも田淵と一緒)に懐の深さを感じた。

照れ笑いする田淵さん。いつもは天邪鬼でひねくれ者のベーシストも今日に限ってはバンド小僧。

そしてやっぱりこの曲めちゃめちゃかっこいい。27年やってるおじさんたちすごすぎるなあ。

弾き終わって去っていくピロウズのメンバーもとてもかっこよかったし、田淵さんの嬉しそうな笑顔と涙目が忘れられません。

 

*ハイブリッド レインボウ

ピロウズを知るきっかけとなった曲。大好きなBUMP OF CHICKENがカバーしてたんですよね。そっちを先に聴いたので本家聴いたらちょっと驚きました。

 

ピロウズが結成15周年を記念して結成日にリリースしたトリビュートアルバム"SYNCHRONIZED ROCKERS"。

これ、本当に豪華。

BUMP OF CHICKENをはじめ、ストレイテナー(RUNNERS HIGH)、ELLEGARDEN(Funny Bunny)、Mr.Children(ストレンジ カメレオン)といった顔ぶれ。ゴリゴリわたしの趣味なんですけど、メンツとしては本当にすごいところが参加しているなあと思いました。

生で聴いたのは今回が初めて。BUMP OF CHICKENの思い出と重なってエモかったです。

 

さわおさんが最後に「素敵な夜をありがとう」みたいなことを言ってた(泣いてたのであんまり覚えてない)のが相変わらずお洒落だなあと思いました。

 

 

かっこいいおじさんたちが好きなように音楽を鳴らしている。the pillows、最高のバンドです。

 

 

 

公演後、本当になにも言葉にできなかった。すごく心に響いた。対バンがこんなにあたたかいものだなんて。素敵なアクトを続けて見られるなんて。2017年初ライブがこんなに素敵なライブでいいんだろうか。こんなに幸せな瞬間を目撃した1人になっていいんだろうか。

 

音楽は自分を肯定してくれる。

好きな音楽に、好きなバンドに、いちいち背中蹴ってもらう人生だっていいよね。

 

 

言語化するのに非常に時間を要しました。お付き合いいただきありがとうございます!

本当に素敵な対バンだったなあ。

 

 

 

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音楽をカテゴライズして敬遠するのは勿体無い

本日1/25、Suchmosのセカンドアルバム"THE KIDS"がリリースとなった。昨日フラゲしたが、立ち止まってMVを観たり試聴している人が多くて驚いた。もし予約していて今日以降に購入される方がいれば、聴いてから気が向けば読んでいただきたいです。 

 

 

まずはSuchmosの話をしよう。

2013年、神奈川県出身者を中心にYONCE(Vo.)、TAIKING(Gt.)、HSU(Ba.)、OK(Dr.)、KCEE (DJ)、TAIHEI(Key.)の6人で結成された。バンド名の由来はジャズジャイアンルイ・アームストロングの愛称サッチモである。

 

www.youtube.com

Honda「VEZEL」のCMに起用された"STAY TUNE"。聴き覚えのある方も多いと思う。

 

彼らのやっている音楽は何かと尋ねられると非常に困る。アシッドジャズだのシティポップだのネオソウルだのと言われているが、正直なところどれにもぴったりは当てはまらないと思う。確かにブラックミュージックの影響はゴリゴリに受けているし、YONCEのMV中の動きでJamiroquaiを連想した方たくさんいるんじゃなかろうか。

 

しかし聴くとわかるのだけど洋楽の系統を踏みながらJPOPを体現している。形容が難しい。

 

メンバーの中には音大を卒業している人もいるし、各々の音楽の趣味もJPOPの歌モノから洋楽、ジャンルも様々だ。フロントマンは「俺はSuchmosはロックンロールバンドだと胸を張って言い切れる」と言っている。それぞれがそれぞれの感性に影響を与え合い、自分たちのやりたいことを取り込んで新しい上質な音楽を生み出している稀なバンドだ。

 

彼らは既存の価値観にはめられることを嫌がっているようだから、"Suchmos"というジャンルでいいんじゃないですかね。

 

 

 

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話を戻してフラゲ日のタワーレコード渋谷店。1階の大スクリーンで既にMVが流れていた。

  

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中央のドアを入るとど真ん中にポップが。こんないい位置に……思わずにやける。

 

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3階上がってすぐのところにも。大体この場所は大御所に持って行かれがちでこの右側に続く新譜コーナーに並んでいることが多いのだけど、堂々たる席巻。

 

 

 

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こちらが購入した初回限定版(CD+DVD)。ステッカーついてきた。

 

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ちなみにDVDはこちら。白の部分が銀盤だったら好みドンピシャだった。 2016.10.28、恵比寿リキッドルームで行われたTOUR MINT CONDITIONのライブの模様が収録されている。

1. Pacific
2. YMM
3. JET COAST
4. GAGA0
5. Dumbo
6. STAY TUNE
7. MINT
8. Life Easy

わたしはこの日Zepp DiverCity TOKYOでUNISON SQUARE GARDENのワンマンを観ていたので、DVD化してくれて本当に嬉しい限りである。

このライブ映像を観ていただけるとわかると思うが、彼らは予想以上にライブバンドだ。

 

 インタビューでYONCEはこんなことを言っている。

 「どのフェスのどのアクトも俺には代わり映えしないものに見えたんです。ステージに立つ演者はみんな『踊れー!』『手を挙げろー!』って同じようなことを言ってフロアを煽り、お客さんもその指示に従うようにみんなで同じ手の動きをして盛り上がってる。そういう光景を何度も目にして、俺はヤバいと思った。もちろんそういうことが好きな人がいるのもいいと思うし、否定するつもりはまったくないけど、俺はそれぞれが勝手に楽しめばそれでいいと思う。人はそれぞれ違うし、世界もそれぞれ違う。その多様性が俺は好きだから」

(SWITCH 2月号)

 

確かにレディクレで観たときYONCEは煽るMCを全くしなかった。予想に反していたのか、動揺していた人もいたのが手に取るようにわかった。「リズムに任せて身体を揺らす」ことが苦手な人が多いという現実へのカウンターとして、いい役目を果たしてくれそうなバンドだ。

ちなみにYONCEがオールバックにするシーンが好きでした。観た方感想待ってます。

 

 

さてCDである。

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CDのデザインがお洒落。かわいい。ロゴこれになって本当によかったなあ。

1. A.G.I.T.
2. STAY TUNE
3. PINKVIBES
4. TOBACCO
5. SNOOZE
6. DUMBO
7. INTERLUDE S.G.S.4
8. MINT
9. SEAWEED
10. ARE WE ALONE
11. BODY

 

各曲感想を書き連ねたいところだが今回はアルバムのリード曲について少しだけ。他はCD買って・借りてゆっくりじっくり聴いてね。

 

アルバム1曲目でありリード曲、"A.G.I.T."。

www.youtube.com

 

メンバーも言っていたが、"STAY TUNE"からこの曲に飛んできた人は少し驚いたのではないだろうか。印象的なギターリフから始まり、グルーヴを形成しながら後半へと高まっていく。まずはYouTubeでぜひ聴いていただきたい一曲だ。


彼らの音楽は枠にはまらなくて、どこまでも自由だ。特にYONCEの歌がそれをより確固たるものにしていると感じる。彼は滑らかに歌っているようで声色の変化の付け方がとても上手い。音程の切り替えも器用にやっている。adidasが大好きなフロントマン。すごいボーカルが出てきたなあと思う。

 


TAIHEIがこんなことを言っていた。
「ドラムが地面を作り、ベースが道を整備する。その上にDJやギターが建物や木を作っていく。そうしてできた『街』を歩くのがボーカル。じゃあキーボードは何をするのか、というと、その街に流れる空気や空の色を作っているんです。」

(SWITCH 2月号)

Suchmosの強いところはその編成にある。
ベースはVo.+Gt.+Ba.+Dr.という一見ロックバンドだが、そこにKey.とDJが加わっていることが彼らの音楽の幅を広げていると強く感じる。2人の存在は大きい。しかし6要素でSuchmos。当たり前のようでこの通り。

 

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余談ではあるが、先日SWITCH2月号を購入した。ポスターまで付いてきた(写真)。ほとんど1冊Suchmosなので、このバンドについていろいろ知りたい方はぜひ。

 

目指すところはMr.Children横浜スタジアムグラストンベリー。もう誰も笑わない。好きなようにやってほしい。彼らは現代の音楽シーンをどこまで変えてくるのだろうか。

 

「おしゃれすぎるから」「洋楽みたいでわかんないから」ってカテゴライズして敬遠するのは勿体無い。

 

 

 

 

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あなたに伝えたいんだ はうる初日のあれこれを

(ぷらいべったーからお引越しした記事です。)

誤字も愛嬌。
ネタバレを含みます。これからはうる行く人は回れ右。曲目とかゴリゴリ書いてますよ。セトリ知りたくない人もそっ閉じで。もしかしたら追加公演あるかもしれませんよ。思い出しながら書いたので順番違う所も沢山あると思います。+拙い文章でも気にしないという方、ようこそ。

 

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11/23(木・祝)、米津玄師TOUR2016はうる@豊洲PIT行ってまいりました。ツアー初日です。
はうる、前回の音楽隊よりもはるかにものすごい倍率で全先行全滅し、1週間を切ったところで譲っていただきました。あーちゃさん本当にありがとうございました!!!
でも本当に良いライブだったのでふわっとしたツイートで終わりたくなかったんです。ごめんなさい。思い出しつつ書こうと思います。


はうるは前回のツアー終わってLOSER/ナンバーナイン(とNANIMONO)のリリースのみで迎えました。実質ひっさげないツアーですね。

 

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10:30物販列に到着。12時からなのにすでに400人近くが並んでおり、わたしの後にもすごい人。前回こんなに並ばなかったよ。初日+祝日というのもあって、ものすごい人でした。

わたしが買えたのは13:00頃。売り切れは特になし。でも1時間後にはパーカーのLが売り切れてたとか。その直後トートも売り切れたみたいです。参考までに。

 

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さて、本題のライブ。

19:00ほぼ定刻。暗転。中ちゃん、すってぃー、堀さん登場。拍手の中続いて米津さん登場。ブルーのシャツ(三角の模様たくさん)+黒パンでかっこよすぎて、みんなが息をのむのがわかった。歩くだけで色気だだ漏れすぎ。抑えて。


1.ナンバーナイン
1曲目にこれ来るか〜!イントロからめっちゃくねくねしてて、かっこよすぎて鳥肌。本物だ〜!!!
しかし1番サビ伸ばしすぎて2番の入り遅れる。ごまかす。かわいい。許す。
多才なのに相変わらず人前で緊張しがちなところに人間味を感じます。こっちまで緊張しちゃう。年上なのに親目線。


2.アンビリーバーズ
たたみかけるように最近のシングル曲を。もう転調ver.がスタンダードなのかな。ドコドコするシルエットめっちゃかっこいいんだけど太鼓の面が低く感じるよね。米津さんが背高いから。
ついこないだリリースされたと思ったらもうライブに馴染んでいた。


米「どうもこんばんは米津玄師です!よろしく!」


3.ミラージュソング
お気づきの方も多いと思いますが、この流れやばいです。

今日聴けたらいいな、でもやらないだろうな、って思ってたので眩暈がしました。「いつだって僕は君の髪の毛を撫でたいと思った」を生で聴いたら死ぬことがわかりましたありがとうございました。あとこの曲のときのすってぃーの微笑みがエロかった。バンドマンとは付き合っちゃいけないみたいな危険さを感じた。


4.メランコリーキッチン
わ た し の 大 好 き な 曲
たたみかけすぎ。一音目で発狂しそうになったよ。めっっっっっっちゃよかった。「もう一度!」のドヤ顔めっっっっっっちゃよかった。もうほんとこの曲好き。ギターを豪快に弾いてて良かった。嬉しすぎて言語化不能


5.駄菓子屋商売
今回勝手にやらないだろうなと思っていた。なんか懐かしい感じもした。CDと歌い方が違って新しい感じもした。イェイ・チューインガム・ブーイングコールのくだりができたので満足です。歌詞に迷いがなくて清々しさがありました。


米「えーっと改めて米津玄師です。ここでMCでいいんですよね?笑 …いいんですよね?忘れそうになっちゃった笑。今年のはじめ…えっとまあいいや笑(おそらく前回のツアーの話をしたかったんだと思う) 久しぶりのライブなので、最後まで楽しんでいってください!」


6.Undercover
ここからちょっとかっこいい系。これ結構くねくねしてたなあ。「僕は引き金を引きたい」のところで右手が出てきて、引き金引くのかと思いきや引き出し開けるみたいな仕草しててちょっと笑った


7.KARMA CITY
だんだん米津さんの暗い方が出てきた〜!好き
〜!KARMA CITYをここに置いたの、今回のセトリの中で最もナイスだと思ったのですが詳細は次の曲で。


8.amen
これですよ。最新にして問題のこの曲。ライブ映えするんだけど前後を考えると浮きそうな気がしていて、どう繋ぐか楽しみにしていました。そう考えると前にKARMA CITY置いたのだいぶ正解じゃないですか。むしろ聴きながら「次amen来るな」って思ったもん
バックが障子みたいなライトアップになってました。最初暗がりの中米津さんの影が浮かび上がってて、ライトやセットと一体化していて米津さんが作品の一つだと錯覚するくらい芸術的な動きでした。暗い面の最深部まで行くような曲だけど、すごく人間味があって、かつナイフを首ギリギリまで突きつけられているような緊張感もあって、鳥肌立ちました


9.Black Sheep
聴けて嬉しかった〜!!!ギターのアレンジがすっっっごくよかった!amenのあとちょっとアウトロが長くて、ぎゅいーんって高まってからのBlack Sheep。これも聴くとamenの受けはこれしかない気がしてくるから不思議。騒がしい箱庭でにやけたのはわたしだけですねすいません。


米「えっと、12月10日にかいじゅうずかんが発売されるんですけど、そのかいじゅうずかんに合わせて曲を作りました。なので今日はその曲を聴いてください」


10.love(新曲)
これはCD出るので割愛。演出で言えば、暗闇の中にろうそくの火のような灯りが何個も浮き上がっていて綺麗でした


米「えーっとじゃあ、後半戦入っていいですか?後半は結構盛り上がるやつをやろうと思ってて…みんなあれでしょ?暗い曲ばっかでテンション下がってるでしょ?(会場爆笑)なので次は盛り上がる曲、やっていいですか。LOSERという曲です」


11.LOSER
やっときたーーー!今ツアーの大本命。なんとくねくねが少なかったー!ほとんどなかった!!「踊る阿呆に見る阿呆〜」のところの挑発的な表情がなんとも良かった。声枯れてなければなお最高。


12.アイネクライネ
普通に泣いた。アイネクライネの照明すごく凝ってて曲に合ってて素敵でした。色味とか。
キャスかなんかでも思ったけど米津さん最近「だと"すれば"勘違いも〜」って歌うよね


13.Neon Sign
歌詞探り探りな感じもまた一興。濃い曲が続く中しっかり存在を主張してたアルバム曲でした。どの部分か忘れたけど堀さんのキメがめちゃかっこいいところがあって、思わず二度見しました


14.ゴーゴー幽霊船
ライブでの盛り上がりすごいね。これも意外曲だったかも!今回はやらないと思っていました。UNISON SQUARE GARDENにカバーしてもらいたみが強い。「あんまり急に笑うので」でたぶちにへらへらしててほしいです


15.パンダヒーロー
定番盛り上げ曲。知らない人も結構いたなあ。サビで黄色の光になる演出、音楽隊でもやっていたから記憶がフラッシュバックした。やっぱり初期曲ほど身体に染み付いているものなのか、歌い方に迷いがなかったです。むしろ堂々としていてかっこよかった


16.ドーナツホール
文句なしに盛り上がったので感想を。この辺りの曲で本編締めるあたり彼の意地を感じました。ボーカロイドに歌わせていたメロディを自分の声がなぞるってすごく勇気がいったと思うんだよね。それでも彼はこの曲を歌い続けている。「ハチ時代の方がよかったよね」っていう人多いなと思うし時代によって好きなところとそうでないところがあるのは自然なことだけど、彼自身の中には変わらず「米津玄師」と「ハチ」どちらも内在しているんだなあと再確認できた気がしました。


米「ありがとうございました!」


おお、ずいぶんすっきりした終わり方。UNISON SQUARE GARDENさんですら最後の曲の前に「またね!」とか言うよ。Mr.Childrenさんも「次が、最後の曲でぇす」って言うよ。急に終わったね。でもこの終わり方がまた良かった。純粋に曲で勝負しに来てる感じ。

 

アンコールで再び登場…と思いきや出てきたのは中ちゃんだけ。中ちゃんも会場も笑いつつ、遅れて3人登場。米津さん口を手で抑えながら出てくる(かわいい)

米「本当は俺が1人で先に出るはずだったのになあ…(一同爆笑)なんか先に出てったね。果敢だね(にこにこしながら)」

なんだこれかわいい…!すってぃーも堀さんもにこにこしてたから中ちゃんはめられたんだろうなあ笑 無邪気かーーー!


En1.花に嵐
米津玄師の花モチーフの曲はいくつもあるけど、花に嵐みたいな歯がゆくて気恥ずかしくてちょっと切ないみたいな曲をアンコールに持ってくるこのセンスよ。だめだ、思い出しただけで鳥肌。


米「もう次最後の曲だよ。(えー!) ね、じゃあいつまでやる?(朝までー!)朝まで?やっちゃう?(今日一番の歓声)…はっはっはこれもう定着しちゃってるね。えっと…アンコールありがとうございます!えっとえっと…12月、何日だっけ忘れたけど(さっき言ってたよ)かいじゅうずかんという書籍を出版します。で、その曲がさっきのやつだったんだけど、どうでしたか?(会場拍手)…あぁ、よかった、ありがとう。
えっと、それはマネージャーにさっき聞けって言われてて…俺喋ること何も決めてない…あーそうだ、えっとえっとえっとえっと、何だっけ、待って、名前が思い出せない…えっとえっとえっとえっと……SWEET LOVE SHOWER? 来てくれた人っている?(1/3くらい手あげる)あぁ結構いるね。来てくれた人はご存知の通りだと思うけどその日事件が起こりまして(言わなかったけど声でなくて歌えなくてみんなが歌ったやつ)。でそれが今年最後の夏フェスだったんだけど、どうにかこうにか挽回したくて今日までやってきて。今日は数曲目にして早くも声が枯れたりしたけど、最後まで清々しい気持ちでやることが出来ました。どうもありがとうございます。」


En2.ホープランド

ソングフォーユー 聴こえている?
いつでもここにおいでよね
そんな歌 届いたら
あとは君次第

これ最後の曲はずるいですよね。音楽に頼ってもいいんだよ、でもあとは君次第だから、僕は背中を押すだけだよって。そんなのまた来よう、来たいな、ってなるじゃない。


初日公演終わって率直な感想としては本当にセトリがよく出来ているな、という感じです。すべての曲が役割を持って、あるべきところに置かれ、米津玄師と共にはうるが出来上がっていくような感覚がありました。


あと米津さん自身がライブ慣れしてきたなあと思います。歌詞間違えたりもするけれど、「ライブで何を見せるべきなのか」というのが彼自身の中ではっきり見えてきたのかな、という感じがしました。Bremenというアルバムを引っさげて開催した前ツアー「音楽隊」よりも、引っさげないツアー「はうる」の方が、さらに彼のやりたいことが明確化していたように感じます。もちろん前回もよかったのだけど、1年経たずこの進化はすごい。ラブシャよっぽど悔しかったのかな。
MCが少なかったことも印象的でした。MC少ないことで有名なUゾン大好きなわたしとしてはそっちと結びつけたくなってしまうんだけど、純粋に彼が音楽によっていろいろ伝えたかったからなのかなあと思いました。あんまりだらだら喋んないライブ、テンポ良くてめっちゃよかったよ。

あと個人的な意見ですが豊洲PIT最高。豊洲の街が最高。公演前にツイートしたけどわたし豊洲が人だったら豊洲と付き合いたいの。近くにららぽーとあるの最高。ロッカーたくさんあるの最高。音響最高。段になってるから見やすさ最高。スタッフさんが優しい。大好きなライブハウスのひとつです。


米津さんは多才で人間離れした芸術性とライブで見せる人間性が掛け合って強烈な人間味を生み出しているなと強く感じました。色気がありすぎる動きも、お茶目なところも、強烈なビブラートも、歌詞忘れちゃう緊張感も、マイクがっつり落としちゃうところも、全部米津玄師。恐るべし、愛すべき25歳。


追加公演、してほしいな。もっとたくさんの人に見て欲しい。次ツアーやるときは倍の公演数でも何の問題もないと感じました。これからが楽しみ。


じわじわ思い出しちゃってきりがないな。読んでくださって本当にありがとうございます。全部わたしの記憶に基づくものなので、ごっちゃなところもありますがなにとぞ。

 

 

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