鯉の滝登り

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パスピエ DANDANANDDNA NHKホール(ファイナル)

(遅ればせながら5月分の記事です。)

 

 

2017年5月10日。

やおたくや(Dr.)の脱退が発表された。

書いていたライブレポートをすべて消した。

あれが5人のパスピエ最後のワンマンであったなら、汲み取るところはもっと他にあるはずだ。

自分の中でこの事実を消化するのにかなり時間がかかってしまったので、さくっと振り返りたい。 

 

 

5月7日。

パスピエが3月から行ってきたワンマンツアーDANDANANDDNANHKホールでファイナルを迎えるとのこと。迷わずチケットを取った。

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このツアーは今年1月に発売された自身4枚目のアルバム「&DNA」を引っさげている。今年は全体的にかなり豊作だが、その中でも極めて上位にランクインすると思っている。本当に傑作なので、お時間があればぜひ聴いてほしい。

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さて、ツアー最終日である。

 

セットリスト

1. ヨアケマエ
2. ギブとテイク
3. とおりゃんせ
4. 永すぎた春
5. チャイナタウン
6. やまない声
7. ああ、無情
8. DISTANCE
9. くだらないことばかり
10. ON THE AIR
11. S.S(2017 ver.)
12. おいしい関係
13. トキノワ
14. メーデー
15. マイ・フィクション
16. ラストダンス
17. ハイパーリアリスト
18. MATATABISTEP
19. スーパーカー

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20. シネマ
21. 最終電車

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22. フィーバー

 

 

18:10。真っ白なステージに登場したのはなっちゃん。下手に置かれた台の前に立ち、オイルアートを始める。「リキッドライティング」というものらしい。バックスクリーンにその様子が映る。はっきりとした色合いで生命を宿すようにカラフルに彩ってゆき、最後にはツアータイトルが浮かび上がる。同時にメンバーも登場。

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(ナタリーより。Photo by Yosuke Torii, Miku Nakajima)

 

"ヨアケマエ"からライブが始まる。「&DNA」のラストに収録されているシングルでありながら、このアルバムの原点ともいえる曲。

"ギブとテイク"〜"チャイナタウン"の流れも豪華。"永すぎた春"では露さん・三澤さんもアクティブに動き、楽曲の生命力の強さを見せつける。"チャイナタウン"をこんな早い位置で演奏しても後半倒れないくらい強いセットリスト。

 


大胡田「いやー、ここからの景色、すごいよ?こんないい眺めなかなかないよ。正直、超嬉しいです。『&DNA』というアルバムを作って、いま私たちがやりたいこと・表現したいことを表現できたと思っていて。今日は私たちの遺伝子を生で感じて楽しんでもらえたらいいなと思います!」

 

 

中盤には「&DNA」の楽曲が次々と披露される。"やまない声"の露さんソロ、手元はほとんど見ていないにも関わらず弾いたフレーズは繊細かつ複雑で、思わず息を呑んだ。"ああ、無情"ではなっちゃんの歌声とナリハネさんのキーボードがなぞるメロディラインが絡み合っていて耳が心地よい。その流れを纏いながらもやおさんが骨格を形成する。"DISTANCE"におけるフレーズでは三澤さんによる「タッピング奏法」がリードになっている(奏法はじめて知った)。このバンド、スーパーミュージシャンしかいない。

 

 

印象的なのは今回のツアーのためにリアレンジされていた"S.S"。そのセルフアレンジからはひとつひとつの音が生きているということを主張されているような感覚をもらった。曲の途中では突然のブレイクから全員のソロに突入。オーディエンスからもメンバーの名前がコールされる。期待以上の完成度と盛り上がり。

 


個人的にアルバムでいちばん好きな曲、"おいしい関係"。曲のテイストも歌詞も楽曲そのものもポップなのに、やっていることはかなりロックで最高。"トキノワ"、ファンにとってはすごくエモーショナルな1曲になりましたね。"メーデー"→"ハイパーリアリスト"の駆け抜け方も凛としていて、オーディエンスのボルテージも最高潮。いつも以上の音の結束力、完成度。それが違和感には結びつかなかったけれど。

 

メーデー後のMC

成田「今回ライブハウスとホールをミックスしたツアーになったんですけど、みんなの顔を見てると、どこでどうやるとか、場所とかほんと関係ないなと思って。僕らも楽しくやらせてもらってす。本当にありがとうございます!」

 

本編は"ラストダンス"、"スーパーカー"で穏やかに締めくくった。

 

 

 

アンコールMC。ツアーの感想を語り合う。

やおさん「NHKと言えば『おかあさんといっしょ』……おかあさん!!ありがとーーー!!!!」

わらった

 

人気曲"シネマ"、"最終電車"を披露。メンバーがステージから去り、会場の照明が付けられてもコールは止まず、再びステージに登場してくれた。ダブルアンコールだ。

ラストのラストは"フィーバー"でツアーの幕を閉じた。

 

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(ナタリーより。Photo by Yosuke Torii, Miku Nakajima)

 

 

ライブ中ナリハネさんが「今日はファイナルだけど発表とかはありません!笑 なんか発表できたらよかったんだけどね」とけらけらしたのが今も脳内から消えない。この時既にやおさんの脱退は決まっていた。5人はどんな気持ちだったのかな。

 

 

 

パスピエは本当にライブバンドだなあと思う。セトリにせよ、テクニックにせよ、アレンジ1つ取ってもそうだが、完成度が高くないとライブ映えしない。妥協のないステージをこれからも見せ続けて欲しい。

 

4人になっても歩みを止めないでいてくれることに最上級の感謝を込めて。

 

 

 

今回のNHKホール公演の映像を収録したライブDVD『パスピエ TOUR2017 "DANDANANDDNA" -Live at NHK HALL-』が8月23日にリリースされることが決定。終演後にフライヤーで知らされた。こちらも楽しみにしたい。