7/23、BUMP OF CHICKENが「望遠のマーチ」を配信リリースした。配信限定シングルとしては10作目。前作「記念撮影」より約1年ぶり、5作連続の配信。そろそろシングルCDが欲しいお年頃。
ガンホーのスマホゲーム「妖怪ウォッチ ワールド」のCMに起用されている。
本当にタイアップ続きである。先日は映画「億男」の主題歌として新曲"話がしたいよ"を書き下ろしたことも明かされた。
バンドも23年目に突入したが、これだけのキャリアを積んだバンドがここまで最前線で世の中に求められているというのもなかなかのレアケースである。長年のファンからしてみればそりゃあそうでしょうBUMPだもの、で済むのはとてもよくわかるが、今回はそれを"望遠のマーチ"から探ってみたいと思う。
✧BUMP OF CHICKENはひとりひとりのための歌を作る。
もちろん文字通りひとりひとりに書くのではない。1つの曲で何通りものストーリーに触れることができる。ある意味普遍的な事柄をいろんな状況に当てはめられるようになっている。
これが"望遠のマーチ"の歌詞にある《皆集まって 全員ひとりぼっち》の最たる部分だと思う。BUMPの歌詞に対する賛辞は「共感できる」とは少し違っていて、みんなで同じ曲を聴いているのにそれぞれの置かれている立場や境遇に合わせて昇華できることであると言いたい。
✧BUMP OF CHICKENは寄り添うことを忘れない。
だからこそBUMPが好き、という人は多いはず。藤原基央の歌い方がまたずるいんだ。
冒頭の《何を言おうとしたの》の歌い方よ。「何を言おうとしたの?ん?」って、歌っていても伝わる語りかけ方。心配しているからこそ聞いてしまうちょっとお節介な様子や、いつもと様子が違っていて何か隠しているという疑念を持っていることもわかる。
それでも、聞いても答えてくれない・答えられないことを理解しているから全く圧迫感がない。《言おうとした》=口を噤んでしまった にも関わらず、彼らはその手を差し伸べる。尋ねておきながら何時間でも隣にただ座っていてくれそうだ。
背中を押すでもない、引っ張り出すでもない、だからこそ心地よい。
✧BUMP OF CHICKENは現実から目をそらさない。
"Stage of the ground"を聴いて《飛ぼうとしたって 羽根なんか無いって 知ってしまった》ために鳥に対しての劣等感が尋常じゃないくらいある筆者だが、明るい話ばかりしないでいてくれるのがありがたい。羽はもう折れないぜ、もともと付いてもいないぜ。
嫌なことや辛いこと、苦しいこと、逃げたいことの全部から目を背けることがないから、自分と曲の距離が近いように感じる。なんで今の気持ちとぴったり合うんだろうと思えば、それは藤原基央の魔法。
簡単にですが少しだけBUMP OF CHICKENがBUMP OF CHICKENたる所以について掘ってみました。
"望遠のマーチ"はカントリーチックな昔のBUMPとキラキラした今のBUMPが融合して、彼らも一歩ずつ着実に進んでいるけど根っこの部分は変わらないんだと思わせてくれる。
今のBUMP OF CHICKENに対して不安があるとすれば、活動のペースくらいのものだ。それだけ彼らの音を信頼している。いつもありがとう。
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