鯉の滝登り

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米津玄師 - fogbound 大宮2日目(11/9)

※米津玄師 TOUR 2017-2018「fogbound」大宮2日目の簡単なライブレポですが、ネタバレを含みます。ツアーも序盤ですのでこれから行かれる方は見ずに参加することをオススメします。いつもありがとうございます。

 

 

 

自身4枚目のアルバムBOOTLEG(http://xxkanakoxx.hatenablog.com/entry/kenshiyonezu_bootleg)がリリースされてすぐにまわり始めたツアー「fogbound」。11/9、大宮ソニックシティ2日目の公演を観てきた。

 

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米津玄師、初のホールツアーである。
今年7月に東京国際フォーラムホールAで「RESCUE」と題したワンマンライブを2daysで行ったが、今回は全国15都市20公演、プラス、武道館2days。ツアーの数をそこまで多くは行ってきていないにもかかわらず既にこの規模で切れるというすごさ。彼自身がここ数年で随分と遠いところまで来た証でもある。

 

 

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グッズのガチャ。とりあえず4回やってみたけど可愛すぎやしませんか。全8種、コンプ欲がそそられる。今回出なかったけどねこちゃんがしてる赤白マフラー、BUMP OF CHICKENのニコルっぽいなー、 なんて。

 

 

さて、今回は大宮公演2日目に関してざっくりだが書き留めておこうと思う。ライブ中にメモとか取れないタイプなので(レポのためにライブに行っているわけではないから)、正確性に欠けるところは多々ございますがご容赦ください。

 

 

公演時間

19:00 定刻開演
20:25 本編終了
20:32 再登場
20:48 全編終了

 

本編は約1時間半。以前のツアーも確か同じくらいの時間・曲数で、2時間やるには声がもたないのかなあという印象があったが、今回は最後の1曲まで力強く感情をこめて歌いあげてくれた。次回は本編1時間45分を期待。

 

 

 

セットリストについて

セットリストは記事の最後につけたのでご参照ください。アルバムBOOTLEGの曲たちを軸に仕上たセットリスト。

 

1曲目はこのところトップバッター常連の"ナンバーナイン"ではなく、アルバムスターティングナンバーの"飛燕"でもなく、ツアータイトルと同じ曲名を持つ"fogbound"であった。アルバムツアーだとその曲順にロマンを持って冒頭3曲同じ順で入れてくるなんてよくあることだけれど、これはBOOTLEGの再構築に相応しい幕開けだった。

 

ツアーはいつも来る人も初めての人もいるということを理解した上で言うけれど、今ツアーは"アイネクライネ"を外せる結構なチャンスだったんじゃないかなと。もちろんこの曲はすごく好きだから聴けて嬉しかったけれど、ここまで素晴らしい世界を提示した中で少し浮いている気がした。ライブで感じた唯一の違和感。

 

アンコールが当たり前になっているという状況がそもそも好きではないのだが、アンコールで披露した2曲がどっちもカップリングという事実だけで軽率に微笑んでしまう。本編で100%だけど、物好きだけ見ていってねと言われているような、そんな印象。そういえば以前のライブで「アンコールはやらせだ」って言ってたっけ。

 

MCを2回しか挟まず畳み掛けるように曲たちを披露してくれたが、あたたかい気持ちになったり、ノリノリだったり、哀愁漂ったりと、パート分けがすごく良く出来ていた。最後までオーディエンスの感情を引き付けながらも開放していた。

 

 

 

演出

毎度のことだが映像や照明が本当に素敵で、それはホール公演になってより顕著に表れていた。彼のライブを一つの作品として捉えざるを得ないのは、これも大きな理由だと思う。

"かいじゅうのマーチ"のときのオレンジ色は本当に綺麗だったし、"アイネクライネ"のサビ前の色の切り替えは1枚1枚写真を見ているようだった。床にもスクリーンが続いていて、オイルペインティングのような流動的な映像もすごく素敵だったな。"orion"では幻想的な星空が彼らのアクトをより煌めかせた。

 

"love""ゆめくいしょうじょ"では米津さんの前にスクリーンが降りてきて、「RESCUE」のときと同じ映像が4人と彼らが奏でる音楽を包み込んだ。あのライブ、本当にかなりの倍率だったから、行けなかった人たちへの救済にもなったのでは。

 

 

 

サポメンあれこれ

今回もギターは中ちゃんこと中島宏、ベースはすってぃーこと須藤優、ドラムは堀正輝。大宮1日目はベースがまふまふさんだったらしくて(すってぃーはゆずのライブのサポートしてたらしい)、どうなるかなと思っていたけど2日目はお馴染みの3人でした。

 

配置もいつも通りで右から中ちゃん、堀さん、すってぃーだったんだけど、米津さんを見ながらというよりは3人で息を合わせるようにして弾いてたのがとても印象的だった。米津さんには最大限自由にやらせてる感じがあって頼もしい。

 

途中で中ちゃんとすってぃーがお互い指をさしあったり、すってぃーと堀さんが向き合って弾いたりしていた。UNISON SQUARE GARDEN斎藤宏介のソロ企画「SK's Session」などでも一緒にやっている人たちだから、あまり気負うことなくできるんだろうなあ。

 

"爱丽丝"のAメロあたりで悠長にエフェクター踏んでたと思ったら慌てて何かを調整していた中ちゃん。飲み仲間の曲なのに。そして髪色に驚く。

 

すってぃー足でリズムとるのかっこよかった。手を上げたりクラップしたりはいつも彼が先導をとるけれど、強制感がないというか無駄な煽り感がなくて凄く好きなんだよなあ。やりたいときだけやってます。

 

あと今回2階の最前ど真ん中で見てたんだけど、堀さんの照明の当たり方が神々しくてよかった。いつもちょっと上手側向いて叩くの好きです。

 

 

 

感想あれこれ

"かいじゅうのマーチ"ですごく衝撃を受けた《あなたと一緒がいい》という歌詞、字面のあたたかさとは裏腹にライトな感じであまり伸ばすことなく歌ってたのが涙腺にきた。

 

"ナンバーナイン"の2番出だしは歌わないってことでFAなんだね。

 

数少ないBOOTLEG外の曲の中でも"ゴーゴー幽霊船"は盛り上がった。以前よりも米津さんが煽り調子じゃなかったのがさらにかっこよかったなあ。


"Moonlight"
、予想通りのライブ映え。今作でのお気に入り曲です。


"灰色と青"
を歌い上げて颯爽と去っていく本編の締め方がよかった。2番の菅田将暉パートも米津さんが歌っていたけど、同じ歌詞でもやっぱり印象が違うなと思った。インタビューで米津さんは菅田くんについて「暴力的」「自分と真逆」であることを選出理由として挙げていたけど、なんだか頷けたな。

この曲でもう一点述べるとすれば、プリズマイザーがものすごい存在感を発揮していたことかなあ。ボーカルエフェクトはそこまで詳しくないんだけど、Francis and the lightsが発明して海外アーティストがこぞって使用しているこれ。

イントロではゴスペルを思わせるコーラスのように使われているのに、落ちサビではコーラスとも伴奏とも取れるような使われ方をしていて鳥肌が立った。ライブだとそこがすごく強調されていて、改めてこれは名曲だなあと思った。

 

"Neighbourhood"カップリング曲でありながら、米津玄師をくっきりと象徴している楽曲。この曲で締められたらそりゃグッときちゃいますよ。ライブで感じたいろんなことを根こそぎ持っていかれた感覚があった。

 

 

 

MCなんとなく

*自己紹介

「どうも米津玄師です今日はよろしくぅ」

よろしくぅ?↑って感じでした。

 

*ボソボソ喋ってたのに同意求めるときだけ声大きくなる米津玄師

「『fogbound』っていうツアーが始まって...今 5とか6公演目?まだ前半なんだけどね。『BOOTLEG』っていうアルバムができて、その発売と同時にツアーがスタートするっていうのは実は初めてなんだよね。アルバムの曲たちもを実際に演奏してやっとこういう曲なんだ!って発見することもあるし、自分の中で段々とこう...肉体性を帯びてきてるんだよね。こうやって出したアルバムをライブで再構築していくのもすごい楽しいし、皆でこう作っていくのも、それはそれで面白いなって…...…ねっ?!

 

*いつものやつをとりあえずやっておきたい米津玄師

「ここから速い曲をどんどんやってこうと思うんだけど...みんな付いてこれんのかなあ?!付いてこれんのかなあ?!

 

*中ちゃん

米「中ちゃん、今日は情熱と冷静の狭間に居られた?」
中「結構いい感じに居られたと思う。でも途中結構熱くなっちゃったからなあ笑」
米「それはなんで?」
中「楽しかったから!!!!」
米「...楽しかったからって冷静さを失っちゃいけないんじゃないの?」
中「そうだけど笑...熱くなっちゃった部分もあったけど、でも結構冷静でいられたよ!」
米「笑。さっき熱くなっちゃったって言ってたじゃん笑。なんで言ってること変えんの?笑...まあ情熱と冷静の狭間に居られたということで」
須「そうだね」
米「ほら、堀さんも拍手してる」
堀「よかったと思います笑」
中「ありがとうございます笑」

 

*遠くへきた

「今日なんか2500人とか2000人とかの人が見に来てくれてて...なんか当たり前に思っちゃいけないなって。これだけ沢山の人が自分のために1時間とか2時間とか割いてくれて、お金も払ってきてくれて...本当にありがたいよね、当たり前だと思っちゃいけないなと思う。そうやってホールツアーをまわれるくらい遠いところまで来たんだなあって。来年の武道館で一区切りですけど、まあそんな武道館に思い入れはないんだけど笑。

徳島の片田舎に住んでて、毎日つまんないなつまんないなと思って家出て色んなとこフラフラしたけど、つまんなくしてるのはやっぱり自分自身で、自分の心で、自分の頭で、どこに行ったとしてもつまんなくて、自分が変わらないとどうしようもなくて。遠くへ行きたいっていうのは物理的な距離じゃないんだよね。それでも徳島から出てきて、本当に遠くまで来たなあと、そんなことを思いました」

 

 

*ライブへの思い

「ライブというものがあまり好きではなくて。今でもなかなか楽しめないときがあって......いや今日とかはすごい楽しかったけどね笑。自分が好きなアーティストのライブに行ったときも、周りの人と一緒になって拍手したり手をあげなきゃいけないっていう強迫観念がすごくあって。そういう中に溶け込めないというか、自分はどこか蚊帳の外で。自分とは関係ないところで起きてるんだなって思っちゃってて...大縄跳びでずっと入れないみたいなね。

だから拍手する人も、イエーイって人も踊り散らす人も、ぼーっとただ突っ立ってる人もいていいって思ってるし...ぼーっと突っ立ってるって言い方悪いか笑。何て言うんだろ…皆好きな形で…って思いました。今日は本当にどうもありがとう」

"フローライト"のMVで米津さんが大縄回してた謎が解けましたね。

 

 

オマージュ

大宮1日目のレポを読んで知ったが、彼が口にしたらしい「2000対1というよりも1対1のつもり」というのは完全に藤原基央を初めとしたBUMP OF CHICKENのメンバーの口癖。今日の「自分のために時間割いてくれて」も藤くんよく言うよね。BOOTLEGという作品でオマージュを全面に出してきた彼が、ここまで徹底してやってたとは。《本物なんて一つもない でも心地良い》とはまさにこのことか。

 

好きなバンドのオマージュほど厳しい目で見てしまうけど、米津さんはオマージュの仕方が誠実で、すごく心地よい。キャスでもBUMP OF CHICKEN"ダイヤモンド"歌ってたけど、全然つっかかってなかったもんなあ。

 

 

 

本当に素晴らしいライブをありがとうございました。スタンスが本当に好きです。ライブでストレスが少ないアーティストって意外に少ないけど、米津さんはその数少ない1人だなあと強く思います。

 

来年1月の武道館公演、2日目が当たったので行って参ります。少し緊張するけど、またわたしたちを圧倒してくれるだろうという期待を携えて。

 

 

 

米津玄師 TOUR 2017-2018 「fogbound」セットリスト

1.fogbound
2.砂の惑星
3.ナンバーナイン
4.飛燕
5.かいじゅうのマーチ
6.アイネクライネ
7.orion
8.LOSER
9.ゴーゴー幽霊船
10.爱丽丝
11.ドーナツホール
12.ピースサイン
13.Nighthawks
14.love
15.打上花火
16.春雷
17.Moonlight
18.灰色と青

en.
19.ゆめくいしょうじょ
20.Neighbourhood

 

 

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