鯉の滝登り

好きなものを、好きなように、好きなだけ。

BIGMAMA 武道館

BIGMAMAの音楽が本当に好きだ。CDは擦り切れるほど聴いた。でもBIGMAMAのスタンディングライブは本当に苦手だった。もっと正しく言うとBIGMAMAのお客さんのノリが苦手であった。そしてそれは今も変わらない。

 

リフトやらダイブやらがもっと起きるバンドは他にも知っているし、安全性が保障されていればそこは咎めるべきではないけれど、何よりもステージに背を向けているお客さんが許せなかった。BIGMAMAの音楽ではあなたにとってBGMなのか。その人にとってはそうかもしれないが、わたしの認識は違う。ライブにおいて彼らの音楽は主役であってわたしたちの背後で鳴っているただの音ではない。

しかしやはりBIGMAMAのライブというのは批判を承知で表現すると「あまり治安の良くないライブ」なので、目の前で鳴らしている5人と自分の「1対1の糸」が、音に合わせた身体的接触によって場を楽しむ人々によってどうしても切られてしまう。メンバーもメンバーで糸をのばそうとするリスナーを特別大切にするような姿勢は見せてこなかったし、それは平等性のある彼らの素敵な所だと思っていた。あれが所謂内輪ノリならば、わたしがBIGMAMAのスタンディングライブから身を引こうと決意した。

 

その後昨年の6月に大阪でUNISON SQUARE GARDENとの対バン「You Are The SPECIALS」が開催され、やはりこの組み合わせはどうしても観たかったので行ってきた。2日間とも素晴らしいアクト、素晴らしいセットリストではあったが、わたしにはUNISON SQUARE GARDENのライブスタンスが合っていたし、BIGMAMAのスタンディングライブは時を経ても苦手なままだった。比べるものではないけれど、自分にとってはその事実しかなかった。

 

 

だからこそBIGMAMAを武道館で観れると知った日には泣いた。

嫌な思いをすることなく彼らのアクトだけを目に焼き付けられる機会。行かないわけがない。

 

 

 

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公表されてから約8ヶ月経った10/15、BIGMAMAが武道館でワンマンライブを行った。今のメンバーになって10年のお祝いである。

 

 

13:00になろうかという頃に1度会場を訪れたのだが、ちょうどメンバーが出て来るときとかぶってしまった。アイドル並の大歓声に驚く。

 


用事を済ませてから開演予定時間ギリギリに九段下に戻り、着席。1階席であったが、全体が見やすい。

 

 

さすがに記念となる日のライブともあって、UNISON SQUARE GARDENTHE ORAL CIGARETTES(しげちゃん不明)、9mm Parabellum Bulletの卓郎さん、リトルブラック彩ちゃん、the telephonesPOLYSICSのハヤシさん、NICO Touches the Wallsの古くんと板倉さん、ストレイテナーのシンペイさんはおそらく見た。だからなんだという話でもないのだけれど、やはり同じ世界でがんばっている人は見方が違うのだろうなと思う。あと金井くんのブログでお父様がいらっしゃるって言ってたね。本当に特別な日。

 

 

やっとのことで指定席。自分だけの場所で、BIGMAMAの生音を聴ける日がようやく訪れた。

初期のファンの方には今回の武道館には「行けない」と言っている方も多く見かけた。もちろん人それぞれだ。きっとお祝いの気持ちを持ちながらも複雑な心境で足を運んだ人もいるだろう。

 

 

 

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UNISON SQUARE GARDENからのお花。

他にもハリセンボンの春菜さん、住野よる先生、BLUE ENCOUNTTHE BACK HORN、LiSA、sumikaTHE ORAL CIGARETTES安めぐみさん、[Alexandros] 、HY、Shout it Outなどからお花が来ていた。

そういえばTwitter検索してたら「UNISON SQUARE GARDENを好きというくらいでBIGMAMA武道館行かないで」みたいな論調が目立ったけど、両方好きな人の気持ちも考えてくれ。UNISON SQUARE GARDENのことは好きだし、BIGMAMAのことも好きだ。今日はBIGMAMAのお祝いの日。That's it.

 

 

17:30開演だったけれどそこそこ開演が押した。しかしそんなものは武道館あるあるだから全く問題ない。

 

 

いつもならここから曲順に追ったり適当なレポート入れたり、項目別に書いていく所だけど、今日中に表出したかったので感想だけで許して欲しい。名の知れたライターさんがこぞって訪れていたので、詳しいレポートはそちらを見ていただければと思う。

 

 

金井くんは第一声に「似合ってるかな?」と問いかけた。彼はこういう空気感だとか相応しさを物凄く気にする人だなあと思う。

ベストを除いた最新アルバム「Fabula Fibula」(http://xxkanakoxx.hatenablog.com/entry/2017/04/06/210501)でも曲ごとに街を作り、それぞれの世界観やストーリーを大切に扱っていた。

また、昨年のCDJ1617で"Make Up Your Mind~運命に着火する~"を披露したときも、イントロから「ここに似合うと思うんだよね」という言葉と共にコールアンドレスポンスを要求していた。あの文章の「ここ」はいまだにわからない。CDJなのか、GALAXY STAGEなのか、単にフェスを指したのか。

今回に関しては「僕たちが」「武道館に」という質問でほぼ間違いないと思う。結論から言うとそれはもう非常に似合っていた。わざとらしい言い回しをすると、初めてとは思えないほどの貫禄があった。今回はお祝いを兼ねた特別なワンマンであり、演出や特攻、音の面でも普段よりも豪華にはなっていたが、それでも「特別な1回」という感覚はなかった。きっともっと早くチャンスがまわってきていたらこうはならなかっただろう。頃合いを見計らい、九段下に思いを募らせて来た人たちだけがたどり着ける「通過点」である。

 

20分にわたる金井くんのMCはここに書けるほど覚えてはいられなかった。しかし不要なMCは減らし音楽に集中したからこそ、あの長さにすべてが込められているようにも感じた。

 

 

金井くんはいつもより怯えていた。かっきーはいつもより落ち着いていた。まおちゃんはいつもより凛としていた。リアドはいつもより緊張していた。安井さんはいつも通りだった。安井さんで落とすつもりはなかったけど、なんだかそんな感じ。

 

 

BIGMAMAにはBIGMAMAにしかできない音楽がある。これはどのバンドにも当てはまるようで案外当てはまらない。

彼らには先駆けとなるバンドが存在しないと思う。新しいことをやっている、と表現してしまうとチープな感じがするので避けるが、5人にしか鳴らせない音楽というのは確かに存在している。

厳密に言うと結成当初からずっとメンバーが同じだった訳ではないし、楽して水面に上がってこれたバンドでもない。武道館からのフロア、ずっと観たかった景色であろう。彼らの鳴らしたい音楽が5人をあの場所へ連れて行ってくれた。

 

 

来年はUKPROJECTからユニバーサルミュージックへの「お引越し」があると発表された。移籍だと思っていたけどそういうわけではないのかしら?いずれにせよ活動の幅が広くなっていくことは間違いない。ツアーも控えている。

 

わたしはまたしばらくBIGMAMAのライブには足を運ばないと思う。それでもずっと応援している。5人が連れて行ってくれる、その先の景色を期待しているから。

 

 

BIGMAMA 武道館 セットリスト

01. No.9
02. the cookie crumbles
03. #DIV/0!
04. Paper-craft
05. Make Up Your Mind
06. Swan Song
07. 最後の一口
08. ダイヤモンドリング
09. alongside
10. Neverland
11. (50) days of flower
12. 春は風のように
13. awasekagami
14. 君想う、故に我在り
15. かくれんぼ
16. SPECIALS
17. CRYSTAL CLEAR
18. 荒狂曲"シンセカイ"
19. BLINKSTONEの真実を
20. 秘密
21. CPX
22. ファビュラ・フィビュラ
23. Sweet Dreams
24. MUTOPIA
25. 愛はハリネズミのように

en1. We have no doubt
en2. HAPPY SUNDAY
en3. 神様も言う通りに
en4. until the blouse is buttoned up

en2-1. 新曲
en2-2. I Don't Need a Time Machine

 

 

 

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