Twitterをばーっとみていたらこんな言葉を多く目にした。
「対バンというものに行くのが今回初めて」
おー、人生初対バンとな。いいですねえ。
ワンマンしか行かない派だったけどレア曲レアセトリに期待したのか。バンドというジャンルで初めてこの2バンド(もしくはどちらか)に最近ハマったのか。かつてはフェスで新しい音楽を開拓していたのか。やっと予定や場所に都合がついたのか。お金を出したい対バン相手だったからか。他に好きなアーティストが主に大きな会場でやる人たちだったのか。
理由なんてなんだっていい。対バンには行かないと決めている人に「行かないと勿体ないよ」なんてことも言わない。
ただ、自分はUNISON SQUARE GARDENに「対バン」というものの概念を大きくねじ曲げられた。曲がらないと思っていた鉄パイプをぐにゃぐにゃにされた。
普通に世の中で行われる「対バン」というものは大体の場合先攻後攻があり、MCで相手バンドとの出会いや思い出を語ったり彼らの曲をカバーしたりする。最後に一緒に演奏なんてこともある。お互いに拍手を!!みたいな感じで終わる。打ち上げの様子がSNSやHPに上がる。
いろんなバンドは好きだけど、バンドマン同士の馴れ合いを見せられるのがそもそも好きではない。何のために見ているのかわからないと思ってしまう。これには個人差があると思うので、こういう考え方をする21歳彼氏なし女子大生もいるんだなあ〜くらいに捉えてほしい。
対バンとなるとそれが目の前で起こる。本当に避けようがない。あれあれ、わたし音楽聴きに来てるんだけど。
否、もちろんUNISON SQUARE GARDENだって一般的な対バンの枠組みを完全に無視しているわけじゃない。
彼らは本当に必要以上の馴れ合いを見せない。長々と思い出を語ったりはしないし、少しMCがあっても(全くないときだってある)いつも通りのアクトをするだけだ。最後に一緒に記念撮影☆とかもしないし煽りだってない。ワンマンの短縮版のような真剣さでセトリは豪華。嵐のように去っていく。爪痕は強烈。うーん最高。
さて2月18日、LEGO BIG MORLは自身の10周年をお祝いする企画「Thanks Giving」の9回目の公演を行い、ゲストとしてUNISON SQUARE GARDENを岐阜に呼んで開催した。
水戸LIGHT HOUSEへのアーケードをちょっと盛り上げたような通りを抜け、岐阜Club-Gへ。個人的には2回目のライブハウスである。キャパはおよそ600名。
LEGO BIG MORLとUNISON SQUARE GARDENは同期とのこと(実質年数でいうとユニゾンがちょっとだけお兄さんの模様)。どんな対バンになっただろうか、早速ユニゾンのアクトから。
18:00。ほぼ定刻で暗転するも何故か"絵の具"がなかなかかからず。この数秒すら待ってられない人が絶対いるから、この間はあんまり作ってほしくなかった。しかし原因不明なので何とも言えず。
まずは貴雄ちゃんが登場。いつものように白のロングカーディガンを身に纏い、左胸元にはふえるとフレンズ。颯爽とドラムの前に座り確認をはじめる。
続いてたぶちさんが登場。鋭い視線。
この時思ったけどクラブジーはステージが高め狭めですね。あまり動き回れなくてその場でへらへらしてました。
そして宏介さん。凛々しい表情。
中央で手を広げてからお辞儀をする大好きな一連の動作。イヤモニをつけながら準備。
3人が位置につくと、宏介さんがギターをじゃんと鳴らす。あれ?もしかしてカラクリカルカレ??
*セレナーデが止まらない
違いました。1曲目から3人が飛ばす飛ばす。
宏介さんツアー終えて感情の入れ方がさらに上手くなったなあと再認識。声も、表情も、弾き方も。今日は下手側2列目で観ていたけど、宏介さんがすごく熱を込めていて思わず彼を見てしまいました。
間奏での貴雄の吠え方めっちゃかっこよかったです。田淵さんのコーラスが言い切らない(母音を濁す)歌い方ですごくときめいた。
*サンポサキマイライフ
わー、イントロから高まる。武道館でやってからは×BIGMAMA2日目でしかやっていなかったこの曲。めちゃ楽しい。3人も楽しそうだった。
テーッテテーッテッテッテテー「ハイ!!」
声と上げる手の多さに、宏介さんが思わず笑みをこぼす。合わせることが好きではない人たちが合わせようとしてではなく各々の意志であの曲に対して意思表示をしてるってところが素敵ですよね。
ちびちびステップたぶち。
お、意外に早い位置で食い込んできた。毎回やるからこそ最後だったりすると予想ができてしまうので、前半の方が個人的には嬉しい。
最近《蓋然性合理主義》で両人差し指を前に出す仕草をする時田淵さんフロア見なくなったなあ。
ロングヒットなダンスチューンという感じがひしひしと伝わってきた。慣れてはきたけど飽きたという感覚はあまりない。
たぶち、楽しそうにフロアを見て頷いてたらコーラスをワンフレーズ飛ばす。
*オトノバ中間試験
ちょっと待ってなにこのご褒美。イントロで泣きそうになってしまった。CDJでも×ピロウズでもやってくれたので今日もやってくれるなんてそんなのいくらなんでも都合良過ぎるよねって思っていた最中...
田淵さんはきっとこの曲が「何度もユニゾンを観ている人」にも「初めてユニゾンを聴く人」にもバズるということを改めて噛み締めたんだろうな。与えられた短い時間の中で爆発的に盛り上げることが出来るという意味ではフェスや対バン向きかもしれない。本当に好きな曲なので今日も聴けて嬉しい限りです。
幸せに浸りながら聴いてたらいつもたぶちが優しい笑みを向けてくるのであせる。自己満足だっていいじゃない。それよりも自分の表情がだいぶやばかったんじゃないかと心配になった。
《斎藤に任せといて》前回問題(?)になったこの部分ですが、今回はマイク前で左手を使って指してました。ドヤ顔で。マイクステイなの珍しかったかも。
《制限タイムはあと少し?》のフリをするときの田淵さんの恍惚に満ちた表情なんなのほんと。すき。
《追試でございましょう》 今日は指ささなかったんですよ!!!ここでささなかったの初めてかもしれない
では代わりに何をやったかというと、両手を小さく広げてドヤ顔...そう、"mix juiceのいうとおり"でのシュビドゥバ2回目のフリと同じでした。
3つのツアーを経て確固たるぶち上げチューンにのし上がった1曲。最高オブ最高。
*天国と地獄
いつものイントロ前のセッションを経て、宏介さんの「天国と地獄ぅ」でスタート。
イントロでいつもなら田淵さんは宏介さんの後ろまで走っていって殴るようなフリをしながらコケそうな勢いで戻って来るじゃないですか。しかし先述の通りステージが狭い。あんなことしたらベースヘッド流血事件の再来になってしまう。今日はマイク前からあまり動かず煮えたぎらせてました。
on the bassはほぼいつも通り。on the drumsはあんまり叩かないver.これドキッとして結構好き。
OK people one more time?のとき貴雄ちゃんがばって立ち上がったのめちゃめちゃかっこよかったな。あの挑発的な表情、本能が出てる感じがしてすごくぞくぞくした。
*未完成デイジー
意味がわからない。イントロで口あんぐり。
fun time ACCIDENT2以来の披露だったのでおよそ2年ぶり。よくもまあこんなにためたものよ。
対バンでバラードがないことも普通にあるので完全に油断していた。
音源より少しだけBPM落としてたかなあ。すごく優しい歌い方。田淵さんもこわれものを扱うような繊細さと苦しげに儚げに、でも柔らかさを持ったコーラスで本当に聴き入ってしまった。
終始薄暗くて後ろが明るい感じの照明の中、スポットが当たって宏介さんのソロ。どこをとってもすごくきれいでした。
この曲のベースラインよく聴いたらすごいお洒落ね。生で聴くと違う気付きもあるなあ。
*アトラクションがはじまる(they call it "NO.6")
田淵先生、しんみりさせてからのぶち上げチューンとしての使い方がすっかり気に入った模様。レア曲続きで油断してたけど実はここからがエモかった。
まだ音源リリースして1年経っていないのにこんなに耳慣れるとは。ツアーの威力を感じました。
八王子公演(2016.7.15)での微かな記憶を呼び起こしてみると、歌い方が馴染んできた宏介さん。前と違ってBメロに感情こもってたなあ。
最後のジャッジャッジャー ジャッジャッジャー ジャッジャッジャーーーー(シャンシャンシャンシャン) ツッツッツッツッジャッジャッジャジャッジャッジャ(UNISON SQUARE GARDENです!←心の中で) ジャン
めっちゃ好きです。
*フルカラープログラム
あー、そういうことしちゃう。いいけど泣き崩れるぞ。
ドンタンストントの破壊力よ。好きな曲は数多あれどこれとシャンデリア・ワルツは殿堂入りしてるから、普段にはエモすぎて聴けない。
貴雄ちゃんが上着を一瞬で脱いだ。
3人が向かい合って弾いていたところが照明と相俟って武道館を思わせた。LEGOのお祝いですしミニ武道館ってことでいいんじゃないですかね。
《完全無欠のロックンロールを》のところ、宏介さんがすごく自信に満ちた表情で下を指さしたの本当にグッときた。
《ふざけろ!「いつか終わる、悲しみは」どうか忘れないでよ》
何度このフレーズに救われてきたんだろう。カラフルな照明とともに力強い演奏を魅せた。
*MR. アンディ
少しだけ長めのイントロからの入り。TBCが気持ち良さそうに手を広げる。
《君が残像に》
アンディTBCめちゃくねくねしてて色気がすごかった。ここのクラップも"サンポサキマイライフ"と同じように「やりたいからやる」というフロアの意思が見えて良かった。田淵さんによによしてた。
"MR.アンディ"のAメロベースライン、"シュガー〜"のAメロに次いで好きなので1日に2回も観られるなんて!と興奮していたが、"1日に2回"はこれだけじゃなかった。後述。
*Cheap Cheap Endroll
「ラスト!」
締めの曲としてこちらもだいぶ成長したなあ。あまりの勢いに隣にいたLEGOファンの女の子が口あんぐり。
田淵が終始ネックを上からおさえる。かわいい。
間奏のところでわたしの目の前にあったスピーカーに座ってけらけら弾いてた。近すぎ。みんな言ってたけどちょっと肉付き良くなったな。
リズム隊が間奏でばきゅんばきゅんしてたのってこの曲だっけ(曖昧)
めっちゃかっこよかったです。
アクトとしては全体的に拍手を送りたい。今までも良かったけど、さらに安心して楽しめる演奏をしてくれているなあと思う。
セトリからこの対バンへの熱が伝わってきてとてもアツかった。彼らにとってやっぱりLEGO BIG MORLはどんな意味でも大切なバンドのひとつなんだなあ。
Dr.Izzyの中でお蔵入りがほぼ決まりつつある曲も、今年どこかで聴けたらなという淡い期待を寄せて。
さて、お次はLEGO BIG MORLである。以前は一通り聴いていたものの最近全く手に取っておらず、ライブを観るのも今回が初めてだった。
セトリ
Wait?
テキーラグッバイ
Ray
Spark in the end
ワープ
Blue Birds Story
end-end
MR.アンディ *カバー
正常な狂気
RAINBOW
en.
新曲
(曲名表記に自信が無いので間違ってたらごめんね)
一応曲は全部わかったが知識がなさすぎて何一つ書けない…だけど彼らのアクトも本当に良かった。ベースがレフティなのいいですね。
MR.アンディ。カバーなので判断しづらいのだけどparty style ver.だったかな。たぶん。
キーを少し下げても良かったかなと思ったのとLEGOのお客さんにあまり歌わせなくてもなあと(キンタさんの声聴きたい)
でもすごくリスペクトの伝わってくるカバーで心があたたかくなった。素敵でした。
LEGOはMCがめちゃめちゃ面白い。言葉の応酬がすごくて普通に笑ってしまった。MCの時間に熱が冷めてしまうタイプだけど、LEGOのMCは好き。
対バン相手のMCをめちゃくちゃいじり倒すはずだったのに、当のUNISON SQUARE GARDENは、というか宏介さんは「Thanks giving(低い声)...LEGO BIG MORL10周年っちゅーことで、今日はこのイベントに呼んで頂きありがとうございます、精一杯演奏したいと思います!」と「久しぶりに会ったけど...なんかドラムのダイちゃん大きくなった?」しか言わなかったので、
「あいつら全然MCせーへんやん!」
と会場を笑わせる。
貴雄に関しては「今日久しぶりに貴雄に会ったけどなんか泥棒みたいになってた。漫画みたいな泥棒なってたね。」と最近のおヒゲフェイスで笑いを取る。
「ある時貴雄がライブを見に来てくれてね?渋谷にあるキャバ100とか200とかの小さいライブハウスだったんだけど、終わったらメールがきてて、途中で出なあかんから感想を手紙に書いて楽屋に置いて来ましたって。いや、メールで書けばええやん!って。楽屋に戻って手紙が置いてあって開けたら字汚くて読まれへんの。」
「それこそメールでよかったよね」
と過去のエピソードも披露。
また今回の企画に関しては「大事にしてきたから、長年一緒にやって来たバンドとやりたいと思って今回back numberとユニゾンにお願いした。斎藤には去年の2月くらいから声をかけてて『来年の2月なら空いてるよ〜』って言われて。『売れっ子か!』って。...売れっ子か。」と自虐も交えつつ話してくれた。
「昔ね、埼玉の小さいライブハウスでback numberとユニゾンとやったのよ。しかも前座がback numberで、次ユニゾンが出て、俺らが最後...なんなん、俺らだけ売れてないやん!!」
オチまで完璧ですこと。
田淵さんに関しては「今日久しぶりにユニゾンのライブ見たけど動きが進化してたね。昔初めてユニゾン見た時ベースめっちゃ動くやんって思った。その時田淵は演奏中に何故かベース置いていなくなったんだよね。で、もう一回出てきたと思ったらTシャツを着替えてきた。」とユニゾンファンも「あ〜」と思わずニヤニヤしてしまうエピソードを紹介。会場を賑わせた。
これくらいしか覚えてなかったけどめっちゃ面白かった。ほんとに最高でした。
LEGO BIG MORLが信念を持って彼らなりに10年かけて作ってきたものに、UNISON SQUARE GARDENは非常に尊敬や共感の念を表していた。それは彼らのアクトやセトリ、表情からひしひしと伝わってきた。
しばらく距離を置いていた両者だが、お互いに意識し続けていたのだろう。その想いがぶつかりあった、清々しい対バンだった。
いいライブを観るたびに「これ以上いいライブなんてあるのかしら」と思うのに、どんどん塗り替えて来るから恐ろしい。最早、誰も手にできないような音を見る、いわば摩天楼。
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