鯉の滝登り

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ヒカリノアトリエ、25周年、わたしとミスチル

先日、Mr.Children25周年のアートワークが複数の新聞で公開された。

 

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開いた瞬間泣いた。

目にしたその瞬間、膨大な量の記憶に脳を貫かれた。

 

4人の配置が君がいた夏(1992)のジャケットのオマージュというのはすぐに気付いたのだけど、全体としてもただ過去のアートワークを散りばめただけじゃなくて、Mr.Childrenの25周年の歴史とともに自分の思い出も飛び出してくるようで…ああ、こみ上げる想いというのはこのことかと思った。これは田原さんの案なのか、それともみんなで考えたのか。

 

 

このアルバムの時は受験生だったな、とかこの曲あの人に勧めたな、とか。

 

音楽と生きてきた自分を感じた瞬間であった。

 

幸運にもうちは朝日新聞をとっていて、祖父母の家は読売新聞をとっているので、2枚手に入れることができた。一生大事にしたい。

 

 

 

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さて、1/11にリリースとなった″ヒカリノアトリエ"である。連続テレビ小説の主題歌であり、昨年もツアーで披露していたが、やはりCDを買って聴くというのは全然違う。

 

 

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CDのデザインが好き。写真だと反射してしまってわかりづらいけれど、こういう銀盤がベースなのにお洒落な感じドンピシャ。カーテンのような柔らかさと、虹を連想させるその色遣いと、ベースカラーの強さがMr.ChildrenのCDであることを物語っている。

ジャケットには少年少女がいたりやや近未来的・非現実的なものが登場しているのが相変わらずミスチル

昨年「醒めない(スピッツ, 2016)」を貸してもらったときも右スタートのブックレットにやられたのだけど、今回も然り。歌詞カード凝っていると高まる。

 

 

1曲目のイントロで泣いたのは久しぶりのことであった。贅沢な6+1曲について少しだけ。ネタバレありです。

 

 

 

1.ヒカリノアトリエ

連続テレビ小説OPのShort ver.に慣れすぎて油断していた。これだからフルというのは恐ろしい。

 

アコーディオンがメインとなるメロディアスなフレーズが入る前のピアノ部分。"HANABI"を思い出させるような、儚くも芯があり意志を持ったイントロ。朝ドラではこの部分がカットされていたのでそれが逆にぐっときた。

Aメロの後半、桜井さんお得意のオクターブでのコーラス。よくよく聴くと、上下で声色が違うのが本当に素敵。明るいだけじゃないし暗いだけじゃないって思わせてくれる。

サビのラストの音のまとめ方も完全に桜井節が効いている。

 

明るい曲調でありながら、つらい現実だってちゃんと受け止めなければならない。それでも前を向けて生きていこうというミスチルからの応援歌だ。

歌詞を引用しようと思ったら全部引っぱりたくなる。ミスチルを普段聴かない方にも是非聴いてほしいと思った1曲。

 

 

2.つよがり(Studio Live)

微妙な距離感のはずなのに、こんなに温かい気持ちになるなんて。

1番の《孤独な夜を越えて 真直ぐに向き合ってよ 抱き合ってよ 早く》はすごく痛切で、

2番の《悲しみを越えて 真直ぐに向き合ってよ 抱き合ってよ 強く》はもっと切実。

  

《「優しいね」なんて買被るなって 怒りにも似ているけど違う》

 

これ自分がよく思ってしまう。いい人ポジションになりがちでやるせなくなるんだけど、本当はもっとあなたと向き合いたいのよ。もともとが優しいわけじゃないのよ。

《着かず離れずが恋の術でも傍にいたいのよ》

 

お互いに惹かれあっていると気付いているけれど、一歩ずつ、すごくちびちびと距離を近づけて、徐々に向き合って…傷ついている自分を受け入れようとしてくれる人がいるならば、それはものすごく幸せなことなんだろう。

 

 

3.くるみ(Studio Live)

おそらく知名度としては今回のシングルの中で最も高いのではないかと思う。Mr.Children史上最高のくるみなんじゃないかと感じるくらいすごく魂に刺さるくるみ。

《ねえ くるみ》の言い方が「ねえ、くるみ。」 だったり「ねえ、くるみ?」だったり「ねえ!くるみ。」だったり…たった5文字に物語的な付加価値を付けられる桜井さんのセンスよ。

くるみ=来る未来 というのは知られた話だけど、呼びかけている君はもう道の上にはいないんだよな…といつも少しだけ不思議な気持ちになる。

《どこかで掛け違えてきて気が付けば一つ余ったボタン 同じようにして誰かが持て余したボタンホールに出会う事で意味が出来たならいい》

この歌詞が好き。

《君のいない道の上》の音程が音源と違うけど、この置きに行ってる感じがなんとも愛おしい。

名曲がさらに名曲となって帰ってきた感覚だ。

 

 

4.CANDY(Studio Live)

声色から漂う色気が強烈。

《気付かせたのは君》を「気付かしたのは君」 と歌うのがとても口語的で素敵だなあと思う。

狂おしくも愛おしいってこういうことを言うんだろうな。

 

《昨日の夜 いつもの偏頭痛が僕を襲って 飲み込むタブレット やけに会いたくて 声が聞きたくなって》

 

こんな風に想われてみたいや。

 

 

 

5.ランニングハイ(虹 Tour 2016.11.7 FUKUI)

ドラムと共に桜井さんの

「行こうか!」

この一言でボルテージが急上昇。

 

「後ろ!」

言っている姿や表情まで想像できる。

 

ランニングハイのライブバージョンは、感情をこれでもかというほどぶつけてくるから好き。

 

《あれっ 俺ッ 何してんだろう? 忘れた 分からねぇ 太陽が照りつけるとやけに後ろめたくて》に込められる感情がすごく自分の中の焦りと重なって、鼓動が早くなる。

《まだ走れるんだ》の力強さに打ちひしがれる。

 

「いいぞ、いいぞ福井……まだ行くぞ!」

 

 

 

6.PADDLE(虹 Tour 2016.10.14 KUMAMOTO)

ランニングハイから続きで始まるこのトラック。聞き覚えのあるドラムとギター。

 

いつもはそこまで好きじゃない手拍子だって、この「タン、タタン」は本当に嬉しくなる響きだ。

 

「きっとうまくやれる、カモン!」『行こうぜ!』

「軽くゆすってみよう、カモン?」『It's OK!!』

このレスポンスが出た時の4人の表情が想像できるし、勝手に嬉しくなる。

 

歌詞の通り「まだ」じゃなくて「"あと!"もう少し君を愛していれる」ってなんかいいなあ。

 

「笑顔ででいりゃ良い事あると思えたらそう、その感じ!」

こんなこと言われたらテンション上がるに決まってるでしょう。桜井さんは本当にオーディエンスを盛り上げるのが上手いなあ。

 

「揺すっ、てみよう!」の言い方もいい。溜めて歌うというのをただのかっこつけでなくできる人は本当にすごい。

 

「時々 上手に
息抜きしながら
身をかわしながら 熊本!」

サビ前のドラムの盛り上げも最高。

 

パドリングとパドリングの間に「そう」って言うの良かった。

 

武道館公演でも熊本に関してのMCがあって、このバンドは本当に被災地を気にかけているんだなあとあたたかい気持ちになった。

 

 

7.Over

 

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さて、先述したように昨年10月、武道館公演に行ってきた。

ありがたいことにチケットが当たったというのももちろんだが、すごく個人的な感情でミスチルを聴けないでいた自分から脱するチャンスだと思ったからだ。

 

正直すごくよかったし、こんなにわかりやすくいろいろなものから解き放たれたライブはかつてなかった。

 

やっとわたしとミスチルの1対1になれた気がした。

 

その立役者がこの"Over"であった。

 

失恋ソング(Love is "Over")でありながらその悲しみを乗り越える(Over)楽曲。

悲しみに暮れながらも、桜井さんが言う「人懐っこいメロディ」と物議を醸した《顔のわりに小さな胸》という歌詞に助けられていたなあと思う。声色も明るいんだよね。

 

MCでウケを取っていたけど、そんな余裕もなく終始泣いていた。この曲何回聴いたかわからない。

《心変わりを責めても空しくて》

 

Overが収録されたのはAtomic Heart。1994年ですよ。どうでもいいけどわたし1995年生まれなんですよね。ごめんなさい。

 

Over秘話についてはCDでお聴きください(宣伝)。

 

でもね桜井さん。目の一重二重と胸の大きさを同じ土俵に乗っけちゃあかんぜよ( ´ー`)

 

素敵な弾き語りをありがとうございました。

 

 

《ALONE AGAIN, NATURALLY》

 

 

 

ヒカリノアトリエ自体も最高だけど、この円盤1枚通してすべてが素敵すぎる。素敵な1枚にまた出会えた。

 

考え方がおこちゃまな自分にとっては、恋愛観や価値観・人生観・物事の見方や考え方を(自分に直接反映していなくても)Mr.Childrenからたくさん学んだ気がする。

これからもきっといろんなことを教わるんだろう。楽しいことばっかりじゃない。美しい面ばっかりでもない。そんなことはわかってる。

だけど、それでも、前を向いて 歩いていこうねって。

わたしはこのバンドから学んでいる。

 

このバンドの好きなところは、自分たちが第一線を走っていると自覚している点だ。そこに関しては謙遜はしない。自らをPOPSAURUSと称し、ボーカル自身も「このバンドは売れると思っていた」と語る。インタビューを読んでも4人それぞれが自分の置かれている環境を理解しているし、その上で活動の案が出てくる。

そういった意味で昨今のホールツアーは本当に英断だったと思う。こんなバンドをホールの規模で見られるなんてね。

 

今年はホールツアーを経て、ドームツアーの開催も決定した。アニバーサリーイヤーの彼らの活動に期待したい。

 

 

Mr.Children

トップに君臨しながらも愛おしいバンドだ。