大宮1日目のレポを読んで知ったが、彼が口にしたらしい「2000対1というよりも1対1のつもり」というのは完全に藤原基央を初めとしたBUMP OF CHICKENのメンバーの口癖。今日の「自分のために時間割いてくれて」も藤くんよく言うよね。BOOTLEGという作品でオマージュを全面に出してきた彼が、ここまで徹底してやってたとは。《本物なんて一つもない でも心地良い》とはまさにこのことか。
好きなバンドのオマージュほど厳しい目で見てしまうけど、米津さんはオマージュの仕方が誠実で、すごく心地よい。キャスでもBUMP OF CHICKENの"ダイヤモンド"歌ってたけど、全然つっかかってなかったもんなあ。
1人の世界観を纏ったままでも遠くへと進んでいけそうだったが、この2年間は積極的に他者と関わり、時には巻き込んで音を鳴らしてきた。RADWIMPSのツアー「10th ANNIVERSARY LIVE TOUR RADWIMPSの胎盤」に参加したり、中田ヤスタカやDAOKOとコラボレーションしたりという活動に加え、今作の+(プラス)アーティストの多さからもそれは明確だ。一通りこのアルバムを聴いてみても、過去の作品と比べてあらゆる部分に「他者」の存在をより強く感じた。
ずっと好きなバンドのメンバーにこう言われてどんな心境だったのだろう。やはりBUMP OF CHICKENが日本の音楽シーンに与える影響というのはとてつもなく大きく、影響を受けたアーティストとして米津も例外ではなかった。特にこの漫画・アニメとBUMP OF CHICKENの結び付きは他者を寄せ付けないほどのものだったこともあり、このビッグバンド(本人たちは今もへなちょこ4人組だと思っているが)の後を担うというのは容易なことではなかったはずだ。
"アポロ"での鮮烈なメジャーデビューから19年を経た彼ら。思えば自分が最初からほとんどリリース日に作品を手に入れてきたバンドはポルノとBUMP OF CHICKENだけだなあと思い返す。
前作「RHINOCEROS」から2年と2ヶ月。この月日も非常に躍動的な期間となった。通常のツアーに加えて2016年の9月には横浜スタジアムで「横浜ロマンスポルノ'16~THE WAY~」を開催。約6万人を動員した。その間にもアニメや報道番組、スポーツなど幅広いタイアップを獲得し、2017年3月には台湾で初のワンマンライブ「PORNOGRAFFITTI 色情塗鴉 Special Live in Taiwan」の開催に至った(後述するが、このときのライブ音源が初回限定盤のDisc2に収録されているのでぜひチェックしていただきたい。圧倒的な歌唱力と爆発的に安定感のあるライブの雰囲気が楽しめるだろう)。5月にはスガシカオデビュー20周年の祭典「スガフェス!」に駆け付け、圧倒的なアクトを見せつけた。
"Montage"。昭仁さんがガンズ・アンド・ローゼス好きで歌詞に曲名を潜ませるというのはファンの中ではよく知られていることだけど、今作には"Don't cry"が入っていてにやけた。思い返すと"東京ランドスケープ"には"It's so easy!!"、"Let's go to the answer"には"Welcome to the jungle"などがあったが、ここまで表向きの曲に入っているのはなかなか珍しい気もする。
この曲、特徴的なコーラスがいくつかありますね。まずはAメロ。《意味がない》 Ah-Ah のコーラスは"Back seat dog"をイメージしたものかなと。この曲はピクシーズの"Here Comes Your Man"という曲のオマージュなので、もしこれが正解ならば「ピクシーズのオマージュをしたピロウズのオマージュをユニゾンがした」っていうめっちゃ興味深い事象の誕生です。ハッピーバースデイ。
RUNNERS HIGH RUSH LITTLE BUSTERS About A Rock'n'Roll Band 爆音ドロップ Back seat dog サリバンになりたい MY FOOT ノンフィクション サードアイ tiny boat Funny Bunny Fool on the planet ONE LIFE
また、昨年のCDJ1617で"Make Up Your Mind~運命に着火する~"を披露したときも、イントロから「ここに似合うと思うんだよね」という言葉と共にコールアンドレスポンスを要求していた。あの文章の「ここ」はいまだにわからない。CDJなのか、GALAXY STAGEなのか、単にフェスを指したのか。
その『Dr.Izzy』っていうアルバムは12曲入りなんだけど、アルバムを作っていくうちに1曲だけどうしてもアルバムの色に合わないねって外されて、お蔵入りになった曲があって。MelodiXの収録の時にSCANDALが隣のスタジオで演奏してたから観に行こうぜってみんなで見に行ったら、そのお蔵入りになった曲とめっちゃ似てる曲が演奏されてて笑。今からちょっと頭だけその曲をやってみます」 パッパッパラー言ってた。がっつり"テイクミーアウト"やん。演奏し始めた時のSCANDALファンのリアクションが"RUNNERS HIGH REPRISE"初披露時のBUSTERSのリアクションと似てて懐かしさすらあった。 斎藤「みんなよくわかったね、すごいね。似てるでしょ?危うくパクリ疑惑が出る所だった笑。しかもこの曲ね?タイトルが"シンパシーを感じる"って言うんですよ笑」
宏介さんギター構えてたし以前SCANDALメンバーが好きだって言ってたから"マイノリティ・リポート(darling, I love you)かと思えば"フライデイノベルス"。ツアーで育ち過ぎたこの曲、ポップさはそのままでどんどんゴリゴリさが増してる。田淵さんの首振りは顕在。何回聴いても《曲がり角 見覚えのある足音》って名歌詞すぎる。