鯉の滝登り

好きなものを、好きなように、好きなだけ。

LIVE HOLIC Vol.10

自分のライブ歴を確認してみたら今までに結構な数行っていることに気付いた。UNISON SQUARE GARDENポルノグラフィティBUMP OF CHICKENMr.Children。この4バンドの観たライブ数は圧倒的に多いが、数回ワンマンに行っているバンドも結構ある。行きたいときは我慢しない。行けないときは仕方ない。今年もたくさんのライブを観たい。

 

 

さて3/20(月・祝)、場所は新木場。

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自身としては昨年6月に行われたパスピエの自主企画「印象E」(w/UNISON SQUARE GARDEN)ぶりのSTUDIO COASTである。

ニゾンとしてのアクトもあの時以来ということだ。

このライブハウスは自分がライブに行った回数としては1位2位を争うレベルだが、正直なことを言えばあまり良い思い出はない。

治安が悪い。何故かわからないけど、ワンマンだろうがツーマンだろうが必ず何か起こる。自分が嫌な思いをしなくても、誰かがTwitterで不満を漏らすことが比較的多いと個人的には感じる。

 

今日のイベントはどうだったか。主観とともに軽く振り返りたい。

 

 

*フード

出演アーティストとコラボしたフードが販売された。

その中で我らがユニゾンのギターボーカリスト斎藤宏介が本場・札幌で5食も試した末に作り上げたスープカレー「Dr.Curry」を購入。

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美味しかった。ライスにかけるレモンが付いていたのがよかったし、宏介さんが食べ歩いた際にインスパイアされて取り込んだチーズonライスや具材のチキンが効いていた。ごちそうさまでした。

 

 

*セットリスト一覧

〇TOTALFAT

01.宴の合図
02.夏のトカゲ
03.スクランブル
04.ONE FOR THE DREAMS
05.Place to Try
06.PARTY PARTY

 

〇MY FIRST STORY

01.ALONE
02.Smash Out!!
03.Last Call
04.Missing You
05.モノクロエフェクター
06.SECOND LIMIT
07.不可逆リプレイス

 

〇アルカラ

01.サイケデリンジャー2世
02.LET IT DIE
03.キャッチーを科学する
04.振り返れば奴が蹴りあげる
05.部屋のない鍵
06.半径30センチメートルの中を知らない
07.やるかやるかやるかだ

 

9mm Parabellum Bullet

01.Lost!!
02.Answer And Answer
03.反逆のマーチ
04.インフェルノ
05.新しい光
06.Talking Machine
07.生命のワルツ
08.Discommunication

 

androp

01.Voice
02.One
03.Ryusei
04.BGM
05.Sunny day
06.MirrorDance
07.Prism

 

04 Limited Sazabys

01.monolith
02.fiction
03.mahoroba
04.warp
05.climb
06.letter
07.Terminal
08.midnight cruising

 

UNISON SQUARE GARDEN

01.桜のあと(all quartets lead to the?)
02.ワールドワイド・スーパーガール
03.場違いハミングバード
04.パンデミックサドンデス
05.シュガーソングとビターステップ
06.天国と地獄
07.crazy birthday

en.
08.Cheap Cheap Endroll

 

 

*ユニゾンレポ

ニゾンだけざっくりと。

 

19:15、貴雄がステージに登場。一定のリズムを叩きながら徐々に叩き方を変え、すべてのサウンドを自分の耳で確認・調整。

19:23、スタッフさんが準備する中で田淵・斎藤が続けてステージ上へ。

ほぼ休むことなく叩き続ける貴雄。真上から急に光が向けられたと思えばすぐ避ける田淵。カッティング試しながら2回変顔、笑ったと思えばまた真顔に戻る宏介さん。各々の調整が済んできたところでセッション風のリハ。フェスやイベントはこれが観れるから好きだなあ。

田淵と貴雄がアイコンタクトをしながらタイミングを合わせ、宏介さんはマイクチェックで声を出す。張り上げる声に酔いしれる。個人的には「フゥーーー フゥーーー⤴︎ 」が好き。セッションがぴったり終わるとフロアからは拍手も。

宏介さんが貴雄の方を向き、右手で口元にラッパを作り開いたり閉じたりして貴雄に合図。たぶん声出してみてってことだったんだと思う。

19:33、3人が一度袖にはける。

 

19:35、ステージ向かって右側のスクリーンに「Final Artist」の文字。続けてUNISON SQUARE GARDENが映ると会場からは大歓声。

SE前は静まった。本当に良かった。

いつも通り鈴木→田淵→斎藤の順に入場。宏介さんはステージ中央で手を広げてからお辞儀。

 

 

ギターをじゃーんとひと鳴らしすると、

斎藤「始めたいと思います!」

 

01.桜のあと(all quartets lead to the?)

チュートリアルの徳ダネ福キタル」でもフォーカスされていたのでやるだろうなあと思っていました。今年2回目の披露。大合唱だったけどDr.Izzy引きずりマンなのでひたすらに好きという感情しかなかった。久々にクラップ発生。純粋な感情の人だけは認める。

 


02.ワールドワイド・スーパーガール

3日前にやったばっかりなのに...嬉しい...と思ったけど、3日前にやったからこそ意図的に組んだのかな、とも思いました(練習面で)。

すみません、やっぱりサビ田淵が可愛い。うさ耳を意図的に仕掛けてくるもうすぐ32歳、ギルティ。

貴雄の奇声がちょっと違うバージョンだった。

知名度がない曲は盛り上がらない、という時代は彼らの中で終わったなあと実感。かと言って煽るわけでもない。歌を含めた演奏力による引き込み方に圧倒された。

 


03.場違いハミングバード

貴雄のカウントに殺気すら感じる。いつもぶち上げチューンだけど、つらめスタンディングのときにくると結構周りが無駄に荒れる。でも今日は割と快適でした。

この後"天国と地獄"出てくるけど"場違い〜"の後釜だと勝手に思っていたのでどっちかでもいいな。どっちも好きだからどっちもでもいい。

最後の宏介さんの舌打ちのところで貴雄がめっちゃキメ顔しながら宏介さんのことスティックで指したのかっこよかった。フロア指すときもあるよね。

 

 

斎藤「みんな疲れたでしょ?もうすぐ終わるからね」

これ痺れた。颯爽とこういうこと言うし、フロアからの「えー!」という声もガン無視で次の曲へ。

 

 

04.パンデミックサドンデス

この曲も3日前に。照明はダイナソーの方が好きだったけど、演奏の勢いは今日の方があった。今日のアクト、何よりも殺気がすごい。宏介さんの歌声にも、田淵の動きにも(これは通常営業かも)、貴雄のビートにも、刺されそうな雰囲気。只者ならぬオーラが演奏から伝わってくる。

貴雄のドラム好きって強く感じる1曲。

 


05.シュガーソングとビターステップ

知名度以上にちゃんとダンスチューンとして成立していたなと感動。間奏で振り回したいという田淵の思惑、ちゃんと機能していると思います。

歌詞カードに載ってる部分の最後の《一興去って一難去ってまた一興》のところで貴雄が右スティック上げるの好き。

すごい今更というか改めてなんだけどサビのママレード&シュガーソング》の「&」はちゃんもアンド(エン)って言ってると思う。

 


06.天国と地獄

はいきましたー、という感じでもなかった。かっこよさ全面。

ベースが鳴らなくなるハプニングもあったものの、貴雄が多めのアレンジしててあまり気にならなかった。おそらく本人に聞いても「別に田淵の為じゃない」って言うのだろうけど。そもそもわたしの聞き間違いかもしれないし。

田淵、《余りある殿方にお任せ》では大体手を横に広げてにやってするのに今回は指さしてた。

 


07.crazy birthday

斎藤「ラスト!」

今日絶対やると思ってたー!最後に相応しかったのでは。3人ともイントロから楽しそうでこっちまでニヤニヤしちゃう。

《birthday? oh, crazy birthday!》の田淵、相変わらずコーラス上手くて好き。ちょっとマイク遠めから歌い出して後ろに陥落していく感じ。

《そのポテンシャルは大したものだろう》の後のheyを宏介さんがちょっと低め息多めで言ってたから観客のheyが聴こえて、貴雄と田淵がにやりとしてました。

田淵の「バカだぞバカだぞバカバカバカバカアーアー\バカー!/」で笑った。みんなで叫ぶ所で割と脱力した声の出し方してた。

半年以上ぶりに聴いたけど最高。

 

 

斎藤「バイバイ!」

 


en.
08.Cheap Cheap Endroll

再登場。何も言わずに弾き始めるUNISON SQUARE GARDEN好きだー!

確固たる締め曲に成長していて感動。去年のフェスでやっていたときとはまた違う印象。

《…ってうるせえ!》の前、ツアーの時は結構ためててそれに慣れてたけど手短でもかっこいい。

ただの弾き逃げではなく、最後まで3人の演奏力をこれでもかというくらい印象付けたアクトだった。

 

 

斎藤「LIVE HOLIC、ありがとうございました!」

 

 

fun time HOLIDAY6終わったら"シュガー〜"から抜け出せるかしら。めっちゃ好きだけど、なくてももう十分行けると思う。それくらい今日は支配力のあるライブだった。セトリ組む才能がめっちゃある人、期待してます。

 

 

*思ったこといろいろ

音に自由に乗れない人が多いのは現状として結構厳しいなと思った。個人的にはダイブとかはあまり気にならない方で、アーティストを選べば何の問題もないと思っている。派手な怪我だけしないでほしい。しかし「踊れ!」と煽られてみんなツーステしだすのはさすがに危機感を覚える。

昨今のバンドブームで、「みんなと揃えること」しか体験していない人が多いのだと思う。音に任せるみたいなのって体験できる空間が少ないのも事実。ファンクとか通ってれば別だけど。

聴いたことのない曲を聴いた反応でわかると思う。みんなが手を叩いてるからとりあえずやってみる。ここサビっぽいから右手上げてみる。あ、Aメロだから降ろすのか。...もっと気楽で自由でいいんじゃないかなあ。

曲が好きでもライブを好きになれないというアーティストはわたしの中で結構いる。入れない空気をアーティストとファンが作り上げてしまっていると、もうその時点で二度と足を運ばないと誓ってしまう。

だからこそ、UNISON SQUARE GARDENはヒーローになれると思う。理由は言わずともここまで読むくらいの物好き音楽大好きマンの方々のならわたしよりもわかっていると思います。を。

ビバラ5/4のメンツもとても楽しみだ。

 

あとその延長で物申させていただくならば、やっぱりサークルモッシュだけは頭悪そうだなと思ってしまう。アーティストによるのだろうけど、行為自体にあまり美しさを感じない。いつもの!みたいな優越感に浸る術と知らない曲をごまかす手段を兼任してるとしか思えない。21歳の戯れ言と思って流してください。

 

 

 

次は4月。キュウソ×ユニゾン、fun time札幌、REQUESTAGEに行く予定です。それまでに日常のいろんなことを片付けていきたい。

 

 

 

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3ピース最高峰対決

3ピースのバンド自体そう数は多くないものの、その中でも「最高峰」と称されるような2バンドを観ることが出来た一夜。

 

はじめに記しておきますが、長くなります。MC等すべてわたしの記憶に基づいておりますので間違いもご愛嬌でお願い致します。

 

 

 

3/17(金)、場所は六本木。

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TRICERATOPS主催の企画「DINOSAUR ROCK'N ROLL7」がEX-THEATER六本木にて行われた。

 

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1日目の本日はUNISON SQUARE GARDENをゲストに迎え、対バン形式のライブが繰り広げられた。

この会場はキャパ約1700名で、スタンディングがB2階、指定席が2層に分かれて設置されていて結構天井が高くなっている。今回は前半を前の方で、後半を真ん中あたりで観たが、どこから観てもステージ全体が観やすい。低音が響きやすい印象。

 

この日はOP18:15/ST19:00の予定だったが、開場時間がかなりずれ込んだ。そのため開演も15分押し、終演時刻は22:30を過ぎていた。

この件に関して言いたいことがあるのだが、打っていたらこの話で記事が終わってしまいそうになったので割愛する。

 

 

 

19:15、暗転。青色の光。

SE"絵の具"と共に、鈴木→田淵→斎藤の順に登場。宏介さんが中央に立ち、両手を広げてから手を膝に当て、顔をフロアに向けたまま少し微笑んで一礼。

本日の服装は以下の通り。

斎藤:襟元中央に黒の縦プリーツが入った白シャツ、白ネクタイ、ダークグレーのストレッチスキニー
田淵:78と書かれたTシャツ、クラッシュしすぎデニム、(オレンジ紐靴)
貴雄:長め青パーカー(デニムシャツ生地っぽい?)に冬グッズの缶バッジ(たぶん)、ヨットTシャツ、絶妙なカラーのサルエル

 

 

*mix juiceのいうとおり

見覚えのあるピアノの足音が。

今回勝手に「Dr.Izzyの曲は"シュガーソングとビターステップ"以外やらない」と予想していたのだが、最初から外した。

イントロから3人ともにこにこしてる。貴雄さんがいつも楽しそうに叩くから、こっちまで笑顔になる。

宏介さんの声の調子が最初から絶好調。仕上げてる、というより自然な歌い方だった印象。去年の3-5月あたり少し声が擦れてて花粉症かな?って思ってたけど今年は大丈夫なのかな(勝手な心配。花粉症かどうかは知らぬ)

田淵さん、シュビドゥバ1回目は真横に。2回目はいつも通り控えめに手を広げる。

《欲しくないぜ》のところで田淵さんがにやっとしてた。宏介さんの歌い方に対してかな。

Dr.Izzyがリリースされてまだ1年経っていないという事実に驚く。

 

リニアブルーを聴きながら

ポップライン最高。"mix juice〜"からのラインがテンポ良かった。昨年行われていたツアーでも何箇所かのセットリストに組み込まれていたが、また一段と成長したなあ。

宏介さんの方を観ると膝を軽く曲げて、意気揚々と歌っている。偉そうで申し訳ないのだが、力んでいないなと思った。

《意図も狙いもせず心が繋がった瞬間に》で田淵さんと貴雄さんの表情が似ていたのが印象的。

 
*きみのもとへ

 ドンパンドンパンドンパンパンパン...イントロで田淵さん見たら前髪がトサカみたいになってた。

やるかな、やるかな、と思って意外にやらなかったので、おそらく昨年のベリテンライブ(9/4)以来約半年ぶりの披露であった。

《枕濡らす様な夜が コンビニを使う数と重なっても》のところ宏介さんの手うるさくて最高。

ベースソロの前のクラップに対し、田淵さんの表情が悦に入る。EXシアターがベースの音拾いやすいというのもあったかもしれないけれど、一音一音がすごくクリアだった。

田淵さんが両人差し指を立てて終始くねくねオリジナルダンス。中間部の《インスタントばかりが目立つあの晩の献立にもう》ではこれでもかと言わんばかりにくねくねし《しびれを切らした君は》のところは宏介さん側を向いて右手で窓を横にキュッキュッて拭くような仕草。《君は》に合わせてキュッキュッキューって右に流してたのがかっこよすぎた。

 

 

斎藤「DINOSAUR ROCK'N ROLL 7、初日の対バン相手に選んでいただき光栄です。UNISON SQUARE GARDENです。

今日明日とここ六本木でやるでしょ。初日が僕らで、明日がシークレットゲストってことで...この対バンをやるにあたって先月くらいからリハーサルとか打ち合わせしてて、トライセラの3人に会うたびにずっと『ゲスト誰なんすか?』って聞いても『いや〜?』とか言って教えてくれなくて。で僕今朝ひらめいちゃって。ピーン!ときちゃって。もう自分の中ではその人しかいないなって思って。今日楽屋入りして3人に言ったんです。『僕ゲストわかっちゃいました!言っていいすか?』『その人、マイクゴツいですよね』『いやどうかな…』『その人、家の庭に噴水ありますよね?』『え?ないと思うけど…』『その人、GACKTさんですよね? (会場爆笑)

…違いました」

 

 

*ワールドワイド・スーパーガール

ありがとうございます。結構やっていると思ったけど昨年もビバラ(5/29)のみの披露であった。武道館DVDの見過ぎかもしれない。

Bメロ宏介さんの腰ノリが最高。

サビ田淵...片手万歳→うさ耳→片足2回ずつ横に蹴り出す→蹴り上げる→可愛い

デンデンデン!ワーッ! デンデンデン!ワーワイッ! デンデンデンデンデンデン スーパーガール!

デンデンデン!ワーッ! デンデンデン!ワーワイッ! デンデンデンデンデンデン Super Girrrl

この後のキメの部分かっちりハマっていて思わずにやけた。貴雄さんの奇声はデフォルトになったのかな。


*クロスハート1号線(advantage in a long time)

"ワールドワイド〜"が終わって間隔があいたので、「ゆっくりめの曲来るな」って思ってたらまさかのこの曲。今日やるなんて思わなくて唖然としてしまった。歌い出しで3人のドヤ顔。なんと2013年8月17日に行われたRSR以来(訂正:実は同年9月15日に青森中央学院大学で行われた対バンでも披露されていたようです。情報ありがとうございます!)。実に3年半以上...よくもまあこんなにためたものよ。

Bメロのベース好きなので目の前で見れて良かった。

改めて歌詞を噛み締めると本当に可愛い。みんなが「何だそれ」って笑い飛ばすようなこともわかってくれるし、暗い話をしててもいつの間にか笑い話に変える魔法を持っている。この「君」みたいな人になりたい。

歌い終わりの宏介さんの表情がものすごく晴れやかで本当に楽しそうだった。久しぶりの曲は演者にとってもまた一興のよう。

 

 

斎藤「TRICERATOPSはデビュー20周年なんですよね?おめでとうございます!!

トライセラは僕が中学生くらいの時に出会ったバンドなんだけど、うちの兄がアルバム持っててそれをずっと聞いてて。それこそ自分の音楽人生みたいなものが始まった頃で。TRICERATOPSはスリーピースの最高峰としてずっと活躍してて、コピーもたくさんしたし、僕と田淵は同じ大学のサークルでもやったりして。

で当時のバンドの曲に"これをやれば鉄板"って曲があって、ライブの最後の曲にしたりすごく自信満々に演奏してて。"ロック・ショー"っていう曲なんだけど、めっちゃいい曲出来たなと思いながらライブでずっとやってて、ある時『この曲"Raspberry"パクってるよね』って。で改めて"Raspberry"を聴いたらまあ似てる似てる。そりゃかっこいいわけだ!って。でこれはまずい、ってなって色々弄ってできた曲が今でもライブでやってる曲で..."箱庭ロック・ショー"という曲です」

 

 

*箱庭ロック・ショー

 昨年プログラムcontinuedツアーを終えてからCDJまで聴けなかったこの曲。今日やるだろうと思ってはいたものの、やっぱりかっこよさに痺れる。田淵さんが前後に小刻みにのるのめっちゃ好き。宏介さん途中でピック落として一瞬指弾き。何食わぬ顔でスペアを取る。

×ピロウズのときもそうだったけど、こういう対バン相手との繋がりやユニゾンの原点が垣間見える瞬間も悪くない。トライセラってやっぱりどこまでも先を走るスリーピースロックバンドだなあと感じるとともに、ユニゾンも負けてないんじゃないかな、と思った瞬間。

 
パンデミックサドンデス

 照明がめっちゃかっこよかった。Aメロではに照らされ、宏介さんの横顔がものすごくかっこいい。Bメロは。田淵さんがスピーカーに足を乗せて弾く姿、そこから蹴る姿、そのに照らされて色気むんむん。

2番の前のところで田淵さんが不敵な笑みを浮かべていてゾクゾクした。

貴雄さんの手数が相変わらず多くて好き。


シュガーソングとビターステップ

 お馴染みの。トライセラのファンの方々もここではゴリゴリ踊り狂っていてにやけた。

もう600回くらい言ったと思うので仏のような笑みで読んでくださいね、この曲のAメロベースが好きすぎて結婚したいレベルなのですが、そのラインを田淵さんが跳び跳ねながら弾いてた。膝から下を曲げる跳び方で宏介さんの後ろの方まで行って戻ってきた。

《こんな日常を平和と見間違う》で今日は覗きこまず天を仰ぐ宏介さん。


*シャンデリア・ワルツ

ラスト。ぶち上がるけど、これで9曲...後で絶対何かあるなと推測。後述。

本当に好き。前半の加速役も、中盤の山を作る役も、クロージングもできる曲。強い。

3人の顔がとても輝いていた。

ハローグッバイ ハローグッバイ
行き着いた先に 何も無くても
息をする僕らは構わない 世界が始まる音がする
ハローグッバイ ハローグッバイ
ローリングは進行中 願いを放て
君が握るその何でもなさそうな想いはもう輝きだした
だからこそ今 大事な約束をしよう さあ、ワルツ・ワルツで

 

 

 

ドリンクを交換しているうちに転換が終わり、続いてTRICERATOPSのアクトである。好きなバンドの次に好きなバンド。幸せ。

 

SEがない。拍手と共に吉田→林→和田が入場。

3人の服装

和田さん:ストライプスーツ

林さん:黒スーツ

吉田さん:黒スーツ+黒ハット

大人の色気むんむん。林さんなにそのエロい表情。

わだしょが放つ「Oh yeah.」「Yes!」でもう既にかっこいい。

 

*FUTURE FOLDER

色気を纏った疾走感のあるイントロが好き。

歌い出しからもう既に唱さんワールド全開。Aメロで結構同じ音が続くのに、そこに表情を付けられるのはトライセラの強さだなあと思う。サビ前のキメが好き。リズム隊の相変わらずの安定感。


*I GO WILD

唱さんのギターソロから始まると、林さんが真顔で跳ね出す。可愛い。急にやめる。可愛い。

Aメロの佳史さん、手数多いのにすごいニコニコしながらオーディエンスを見ていてすごいなあと思った。

サビの林さんのコーラスしてるときの表情がエロすぎて見れなかった。


*スターライト スターライト

今日実は1番聴きたかったのが"Jewel"とこの曲だったのでテンション上がった。印象的なギターリフにドッドッて入ってくるドラムが好き。あとデテ↑デテ↑デテ↑デテ↑っていうベースラインが遺伝子レベルで好き。Aメロの唱さんなかなか右手うるさくてにやけた。

佳史さんのこの曲のドラムは派手じゃないのに存在感があるのがすごい。チチチチって鳴らすだけでもすごく音がくっきりしていて痺れた。

「LOVE & PEACE」のレスポンス楽しかった。ダサくなりそうなのにかっこいい、トライセラマジック。

 

*Happy Saddy Mountain(Pf.)

エレクトリックライブに慣れないと愚痴りながらも唱さんがギターを置き鍵盤の前に座る。「ユニゾンスクエアマウンテン♪」とちゃかしながらもちゃんと"Happy Saddy Mountain"を披露。改めて唱さんピアノめちゃうまいな。

《人生はHappy Saddy Mountain》

 軽く歌うけど軽視出来ないフレーズ。

 

*僕らの一歩(Pf.)

ゆったりふんわりした曲の雰囲気が唱さんの声にすごく合ってる。歌い方を変えるわけじゃないのにフィットするのすごいなあ。

紅茶を飲みながらモノクロの名画を観る
目をこすりながら君は付き合う
すると僕らの世代には馴染みのない
僕の好きなスターの名が 君の口から出る
歩幅が合うって凄いよなぁ

…凄いよなぁ。

 

 

和田「まずこのDINOSAUR ROCK'N ROLLっていうイベントの趣旨から説明しましょうかね。今年で7回目なんだけど2001年からやってて。...ん?2000年?」
吉田「2000年じゃない?」
和田「ちょっとトライセラマニアの人なんか反応頂戴よ、2000年?だよね。
今で言うフェス的なやつね、そう、最近の若いバンドはすぐ主催したがるんだよね。お前らいつの間にそんなに偉くなったんだよ!ってね。まあそういうのの先駆け的なね!

我々今年でデビュー20周年でして。ユニゾンは何年だっけ?結成13年?デビューだと何年?ユニゾンマニアの人答えてよ〜。俺の記憶によるとたしか9年?合ってる?ほら〜俺ユニゾンマニアだから。
斎藤ちゃんとはね、たまに飲みに行くんだけど...あ!最近誘われてない!」

吉田「よく飲みに行くんだ〜って話じゃないんだ」

和田「そう、斎藤ちゃんいつでも誘ってよ(袖に向けて)!...斎藤ちゃんは飲みに行くとね、必ず後輩を従えてるんだよね。で子分を引き連れて親分的な感じなんだけど、そこに俺が入ると必然的に俺が親分になっちゃう」
吉田「和田親分」
和田「そうそうそう。俺結構その感じ好きなんだよね...斎藤ちゃん可愛いよね。あんな感じだけど実際はついて来いよオラオラ〜みたいは俺様タイプだと思うな」
吉田「王子様キャラだけどね」

和田「ね〜。...(林に)なんかない?」

林「(苦笑いしながらマイクに近付く)いや…...斎藤くん可愛いよね。なんかフィギュアスケートとかやってそう。トリプルアクセルとかできそう(ポーズ)」
和田「トリプルアクセルはわかんないけどバックでは滑れると思う(ふりつき)」

林「たぶん滑れると思うんだよねー(ふりつき)」

和田「小さいときにやってたとかね」
吉田「今度一緒に行ったら?ユニゾンスケートガーデン」
林「子分引き連れてね」
和田「この模様は会報誌でお届けします!」

 

*Going To The Moon

ワン!ツー!ワンツースリーフォー!

トライセラで有名な曲のひとつに入るのでは。わたしが最初にトライセラを知ったのもこの曲でした。

《どこまで行けるか 確かめてみたくはなるのさ》のメロディがめっちゃ好き。

意図せずとも自然に身体が揺れる感覚を体験できる曲。

 

*MIRROR

"MIRROR"きたー!サビのキメの唱さんと林さんの動きが重なっててかっこよかった。メロディも、サウンドも、言葉も、少ないのに分厚いのはなぜだろう。この少しの余韻が20年の足跡なのかな。さんのギターソロ、表情だけじゃなく一音一音が非常にエロくて困惑。


*Raspberry

 "MIRROR"来たから"Raspberry"来るって思ってたらビンゴ。「舞台袖で眼鏡をかけた田淵さんが"Raspberry"のとき踊りつきでノリノリだった」Twitterで知る。宏介さんはもちろん田淵さんもこれ参考に曲作ったくらいだから相当好きなんだろうなあ。

最初の唱さんの「うぉぉううぉううぉー」で高まる。吉田さんの表情柔らかくて好き。

少し話が逸れるけど"Raspberry"がUNISON SQUARE GARDENの曲だとしたら、ラズベリー踊ろうよ》の部分は田淵・貴雄パートになって宏介さんは手元見ながらギター弾いてると思う。

 

 

和田「ちょっと待っててね!」

 

 

お??すべてのセットが2つずつ出てきたぞ...?マイクスタンド4本あるし、ドラムセットも2個?右側UNISON SQUARE GARDENのロゴ入ってるぞ??

 

 

このイベントのTシャツを着たわだしょーさんと宏介さんが登場。宏介さん、下手から上手に向かってバックでスケートするフリ。スピンしてからマイク前でそれらしいポーズ。

和田「使ってくれるねえ」
斎藤「いやいや、あんだけ弄って頂いたらやりますよ」
和田「スケートはできるの?」
斎藤「わかんないですけど、たぶんバックはできます」

和田「え?スケートやってたの?」
斎藤「スケートっていうか…くだらない話していいすか。僕ずっとローラーブレードっていうのはやってて。あの車輪が一列についてる。」
和田「うわ!ジェネレーションギャップ!俺らのときはまだローラー"スケート"だった!4つ車がついてるやつ」

斎藤「笑。で僕結構それ得意だったんですよ。だからスケートも行けるんじゃないかなって」

...
和田「では斎藤くんと2人で1曲やろうと思います。これは斎藤くんの選曲で、洋楽なんだけど...」
斎藤「あ、ちょっと待ってください(ギターの音が出ない)」
和田「待つよ待つよ!なんなら俺今練習したいもん。じゃあ喋ろうじゃないの」
斎藤「喋りますか。あのね、飲むときに後輩連れて行くのは理由がありまして。僕和田さんのこと日本で一番かっこいいギターボーカリストだと思ってて」

和田「俺ピアニストだけどね」

斎藤「だってギターも歌も上手くて性格も良くて...その和田さんを独り占めしたらダメだなって思うから後輩を連れてくんですよ」

和田さんにやにや。なんか言ってたけど忘れた

斎藤「(ギターの音が戻る。踏み忘れ?)あ!すみません僕の凡ミスでした!大丈夫です!」
和田「斎藤ちゃんかわいーとこあんのよ。で次やる曲は斎藤くんセレクトで。みんな知ってるの?」

斎藤「(スイッチ入った顔で)知ってると思います。」

 

*Yesterday Once More / Carpenters (和田唱×斎藤宏介)

かく言うわたしも一応帰国子女なので「斎藤さんの英語の発音よかった〜♡」みたいな今更なことを言うつもりはなかったけど、やっぱり宏介さんの英語最高だなって思いました。イギリスで生まれ育った者としてはだいぶグッときた。音域が彼に合ってて最高。

思わぬ所でSK-Ⅱ。唱さんとのハモりもめちゃめちゃ綺麗で、涙してしまった。素敵です。

 

 

和田さん「じゃあみんなも呼びますか!カモン!」

 

鈴木・吉田・田淵・林 登場。田淵さん掌合わせてくねくね。

 

斎藤「あのー、私事で恐縮なんですけど、実はバンド13年やってきてバンド同士のセッションって初めてで」

和田「え!じゃあユニゾンのセッションバージンを我々が奪ってもいいですか?」
斎藤「よろしくお願いします!」

和田「次はユニゾンの曲をやってみようと思います!この曲はあんまりライブでやらない?」
斎藤「そんなにはやってないですね…最後にやってたのいつだろ?でもすごく大事な曲です。」

 


*クローバー(TRICERATOPS×UNISON SQUARE GARDEN)

はぁっクローバー...1番を宏介さん、2番を唱さんがメインボーカルとなり、6人でセッション。

ベースは田淵さんがいつものラインを弾き、林さんがそれの枠をさらっていく形。手数が多く多彩なユニゾンと、一音に余韻を持たせてまとめあげるトライセラの違いが見えてにやけた。

弾き方も林さんはすべての指を基本的に伸ばした状態ではじいていたけど、田淵さんは毎音すべての指をくしゃっと曲げていて、並ぶとこんなに違うものかと思った。

ドラムも貴雄さんがメインを叩き、佳史さんがサポートする形。佳史さんは終始貴雄さんの方を見ていたが、貴雄さんはイントロとアウトロしか佳史さんの方見れてなかった。佳史さんの親分のような安定感がすごい。

コーラスは1番:田淵+林、2番:斎藤+田淵でやってたんだけど、田淵さんにたまげた。

《君がここに居ないことであなたがここに居ないことで》全部上で歌ったのだ。全部上で。音域の広さにまたときめいてしまった。

またラストの部分。いつもは「『また、会おう』って言ったんだ 『好きだよ』って言ったフローリア」と宏介さんが1人で繋げるが、今回はツインボーカル。わだしょの魔法。

「また、会おう」って言ったフローリア

「好きだよ」って言ったフローリア

 

 

和田「世代的にアニメはどんなの見てた?」

唐突すぎて会場にはてなマーク。
斎藤「僕は、クレヨンしんちゃんですね」
和田「今もやってるのに?」
斎藤「まだ始まったばっかりのときですね。シロがまだいなくて、ひまわりも生まれてない時代の。」
和田「ごめん全然ピンとこない」

斎藤「あとはドラゴンボール。」

 

*摩訶不思議アドベンチャー(少しだけ)

田淵さんが弾き始め?打ち合わせありかわからないけど、こういうの普通にすぐ弾けちゃうのプロだなあ。かっこよかった。

 

和田「そこは俺らも被ってるよな!(林、小さく頷く) ユニゾンは全員同い年?(田淵頷く、宏介さん小声で「そうですね」)...林と俺がほぼ同世代で、佳史がだいぶ上なんだけど。アニメもまだ紙芝居。(林に)だってローラーブレード?だってよ、俺らローラースケートだったよな?光GENJI世代だもんな?4輪だもんな?...佳史はあれでしょ?下駄でしょ?横に2本(会場爆笑)

 

和田「俺さあドラゴンボールのさあエンディングが好きなんだよね」

 

ロマンティックあげるよ (少しだけ)

貴雄カウント始まりだったかな。唱さん歌詞うろ覚えながらこちらもワンフレーズ。

 


斎藤「こんなところで20年培ってきたものを無駄遣いしないでください(苦笑)」
和田「いやここで披露するためにやってきたから。...佳史世代だとなんのアニメなの?」

吉田「え?俺世代のロマンティック?」

和田「いやいや。ロマンティックでもいいけど笑」

林「ロマンティックといえばさ?アニメにブルマっていうキャラクターがいて。でそのブルマのシャワーシーンがあって、小学生だったからすごいモヤモヤしちゃって。それで"ロマンティックあげるよ"なんて言われたら」

和田「確かにロマンティック」

林「そう。すごいモヤモヤしてた」

林さん。イケメンが真顔でなんちゅーこというんですか。可愛い。

 

和田「じゃ次はみんなでアニメの曲をカバーしてみようかと思います!これ知ってるかな...?ユニゾンファンの子は再放送とかで知ってるのかな、結構男くさい曲です」

 

愛をとりもどせ!! / クリスタルキング (TRICERATOPS×UNISON SQUARE GARDEN)

北斗の拳ちゃんと観たことないんですがこの曲は知ってました。宏介さんメインボーカル。声を張る張る。彼は本当にすごいな。演奏後わだしょーに褒められてました。

おじさんたちのアニソンカバー、めっちゃかっこよかった。

 

 

和田「楽しい時間はあっという間だね。みんなほんとありがとう。ユニゾンもありがとう。また一緒にやろうね。
最後に俺らの曲を一緒にやります。歌える所があるので、知ってる人良ければ一緒に歌ってね。知らなくても簡単なので、何回も聴いてたらわかると思うから。適当でもいいので、一緒に歌おう。」

 

トランスフォーマー(TRICERATOPS×UNISON SQUARE GARDEN)

ニゾントランスフォーマーめっちゃ合ってる。素敵なセッション。

最後オーディエンスだけに歌わせたところで田淵さんずっと下向いてた。耳を澄ませてたのか、何か考えていたのかはわからないけど。

「いいね!」「最高だね」桜井和寿を感じる。

空気があったかすぎてずっとここで浸っていたいと思った。

 

 

 

大歓声、拍手。

 

田淵可愛い話にも花が咲く。

当の本人はネクタイしめるふりしたり首の横あたりでうさ耳作ったりでめっちゃ可愛い。

林さんから田淵さんの音域に対する話もあった。

 

和田「てか斎藤くんグッズのTシャツ着てくれてるんだね。」
斎藤「ありがとうございます。リハの時は全員着てたよね、だから24時間テレビみたいになってて。7って書いてあるから7時間テレビですね」
和田「あとこの黄色いタオルね!そこ(物販のある方を指差して)で売ってるんで!」
宏介さんがそのタオルを広げて被ったため、会場がどよめいた。

 

和田さん「写真撮ろ!」

 

UNISON SQUARE GARDENが写真?!?!?!?

 

ばっちり撮ってました。

いとも簡単にユニゾンの奥の奥まで入ってくるTRICERATOPSというバンド、やっぱり最高級の香りがする。

 

なんと最後は全員で手を繋いでお辞儀まで。

田淵さんが両手繋いでお辞儀してるう...

素敵なツーマンライブ、ありがとうございました。

 

 

男性スリーピースロックバンドでアクトの立ち位置も同じ、プレイヤーの質も全員高い。

しかし作曲者がボーカルvsベース、オール既婚者vsオール未婚者(?)、40代vs30代、一音をふくよかに余韻を持たせるvs手数多く彩り豊か...異なる点もたくさん見つかったライブだった。

同じ線上の先輩を追いかけているというよりは、重ならない同じベクトルの先輩を斜め前に捉えて進んでいるという印象。

 

 

伝説の一夜の余韻が抜けない。

いつかまた対バンを観れることを願って。

 

 

 

1万字超えましたごめんなさい!

最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

 

 

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"ミス・大丈夫"史上最強超ド級無敵ポップ

※この記事はYUKIのアルバム「まばたき」のネタバレを含みます。いつもありがとうございます。

 

 

本日3/15、自称"ミス・大丈夫"ことYUKIの8thアルバム「まばたき」がリリースとなった。

キャッチコピーは"YUKI史上最強超ド級無敵ポップ"らしい。ポップ大好きマンのわたし、購入しないわけがない。

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タワーレコード渋谷店。 

 

 

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初回限定版を購入。ちょっとお高めかなり大きめ、内容もボリューミー。

 

 

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タワーレコード渋谷店の店頭では抽選会が行われていた。もちろんハズレ。その隣に佇むユキンコめっかわ。そうだYUKIちゃんソロになって15周年か。

 

 

さてアルバムについてである。

インタビューでも語っているように、前作の「FLY」は自身の可能性を追求して比較的新しい方向に舵を切り、理性的に作成された。この「まばたき」はその真逆、ある意味で原点回帰のアルバムになったと思う。

YUKI自身に秘めきれない爆発的な生命力を抑えることもせず出し切っている。それを面白がって、曲と遊んでいるような印象すらある。それらを肌で感じることができる、とても瑞々しいアルバムだ。

 

 

収録全13曲をざっと見ていこう。私情はなるべく混ぜないようにするが、おそらく混ざる。

 

1.暴れたがっている

1曲目というのはいわばアルバムの顔である。ほとんどの人は1曲目から聴くし、店頭での試聴だって大体1曲目からだ。リスナーはここからこのアルバムのテーマを読み取ることができる。とても大切な役割を担っている。

ピアノのサウンドが印象的。これぞYUKIというアルバムの訪れを高揚感と共に届けてくれる1曲。溢れ出るポップofポップに鳥肌。

 
2.さよならバイスタンダー

31stシングル。NHK総合系アニメ3月のライオンのOPに起用された。orion/米津玄師のディスクレビュー(http://xxkanakoxx.hatenablog.com/entry/2017/02/15/054513)でも記したが、このアニメ(マンガ)と非常に結びつきの強いBUMP OF CHICKENの次を担うには最高に相応しい2人だったと思う。

まずタイトルで泣く。バイスタンダー、すなわち傍観者としての自分とさよならするのである。

「自分の責任を自分で負う零くんの覚悟の強さに共感した」というYUKI。歌われている一人称は彼のことだが、YUKI自身にも重ねているのだろうなと思った。好きなように歌いたいという決意が漲る、疾走感のあるナンバー。サビ入る瞬間のドラムが好きすぎる。

 

3.こんにちはニューワールド

ロディアスな裏ポップ的な要素を含んでる。癒しの空気すら漂う。ぼーっとしながら聴きたい。ちょこっとだけ甘酸っぱいような、ほろ苦いような、ほんのりスパイシーな、醸し出される思春期の空気。

初聴から結構好みの曲だったけど、スルメ曲でもある。

《I am "Y" and "U" and "K" and "I"》


4.無敵

ちょっと背伸びした前向きさ。等身大をぶつけられている感覚。コード進行というか、サウンドというか、アニメのOPにもってこいな感じがある。強い意志を感じるのに、ちょっと苦しく切なくなるのはなんでだろう。わたしも幻のヒーローをずっと待っているんだけどなあ。

 
5.名も無い小さな花

こういうナンバーもめっちゃYUKIって感じ。ゆったりとまでは行かないが、穏やかな気持ちになれる。愛おしい感覚とか、慈しむ瞬間とか、思わず頬を緩ませて目を細めたくなるようなシーンを彼女はそれに装飾を加えずありのままメロディに載せてくるのがお上手。それを型どる言葉の選び方も秀逸だ。アルバムの繋ぎ目のような役割を果たしている。


6.レディ・エレクトリック

Bメロのビートの刻み方とサビ前の切り替えが印象的。この曲に限らないけど、茶目っ気たっぷりながらもフレーズの最後の方の歌い方に「大人のYUKI」が垣間見えるのがほんのりセクシーで好き。

《放電してよ レディ》もある意味"暴れたがっている"のかな、という印象。


7.私は誰だ

イントロから物凄い疾走感。ベースが派手じゃないのにいきいきしてて好きだなあ。

止まってる時間なんてない、とにかく行かなきゃ、はじけなきゃって背中を押される。

《「生きてたい」より「生きたい」》という歌詞に、人生に対する主体性や積極性を感じて気に入っている。


8.tonight

29thシングル。KADOKAWA/松竹系配給映画・伊坂幸太郎原作のグラスホッパー主題歌である。当方伊坂幸太郎の大大大ファンで、この映画も観に行った。

雨の日の夜中か明け方に聞きたい。

《優しさを持って 哀しさを持って 生きる だから私は強いの》

すごく人間的で刺さる歌詞だ。メロディが美しい。


9.ポストに声を投げ入れて

30thシングル。ここでシングルを繋げてきたことで後半への盛り上がりが加速する。東宝系配給映画ポケモン・ザ・ムービーXY&Z ボルケニオンと機巧のマギアナの主題歌であった。

すごく私情を挟んだ感想で申し訳ないのだが、タイトルがものすごく田淵だなあと昨年夏から思っていた。異論は認める。

ちょっと子供心が戻ってくるような、懐かしさと可愛さをも内包している。でもそれだけじゃない。ちゃんとYUKIの音楽として舞っているという印象。


10.バスガール

めっちゃリズミカルなイントロをバックに喋ってる〜!って思ってたらYUKI節炸裂。弾けすぎない絶妙な躍動感。こういうコミカル可愛い曲もYUKIちゃんの魅力。

別に歌詞の中で雨は降ってないけど、傘を持って踊りたくなるタイプの曲。電車で聴いてたら絶対リズム取っちゃう。


11.2人だけの世界

鳥肌立った。これは本当に聴いて確かめてほしい。YUKIはなんでこういうお天気雨みたいな、天の川みたいな、独特の世界観を1曲に込められるんだろう。素敵すぎる。


12.聞き間違い

フラゲ日にタイアップが発表された。石原さとみが出演する花王「フレアフレグランス」のCMで、4/1から放送される「香りで前を向く」編に起用される模様。

音がすごくキラキラしてる。テイストとしては愛をこめて花束を/Superflyっぽい。

YUKIちゃんの歌詞の好きなところは、前向きに大丈夫って背中を押してくれると同時に「悲しみにくれている時間」も無駄じゃない、そういう時もあるよねって肯定してくれるところ。それだけで救われる。

《私にしか歌えない歌があるんだ》


13.トワイライト

エレクトリックなサウンドのラスト曲。theラスト曲っぽさはないが、YUKIっぽさはここにもがっつり埋め込まれている。このアルバムは13曲と結構たっぷりめなのに、"ポストに〜"からここまでとてつもない勢いで駆け抜けるもんだからあっという間だった。ここまで来てようやく「あ、終わっちゃうんだちょっと寂しいな」なんて思って聴いてたら、いつの間にか1曲目に戻っている。

 

 

"暴れたい"でも"暴れている"でもなく、"暴れたがっている"、現在のYUKIちゃんが内面から溢れ出ている1枚となった。好きなアルバムがまた増えた。

 

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特典のファイルと羽海野チカ先生によるステッカーもかわいいのでぜひ。

 

 

個人的に「CDを手に入れる」 ということに異常な拘りがある。音源を手に入れることに関しては便利な時代になったしそれなりに利用しているが、やはり借りるよりもダウンロードするよりもCDを購入したい。フラゲ日までのドキドキも、CDショップの展開も、店頭特典も、封を開けるわくわくも、歌詞カードの匂いもデザインも、円盤を読み込む瞬間も、1音目の感動だってプライスレス。人によるのは百も承知。

 

 

"ミス・大丈夫"は健在だ。わたしもこんな45歳になれるかしら。

ワンマン先行のお知らせが入ってる...申し込んでみようかなあ...

 

 

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NOOK IN THE BRAIN

 

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the pillows 21枚目のアルバム「NOOK IN THE BRAIN」が3/8にリリースされた。

nookはヌックと読むけれど、しんちゃんがずっとノックだと思ってたっていうエピソードが可愛すぎてわざとノックインザブレインて言いたくなる。それもありかなあって思っちゃう。さわおさんごめんなさい。

 

 

今作は久々に「あぁ、オルタナに戻ってきたな」と強く感じるアルバムになったというのは聴いた人の多くが感じることだろう。一度はバンドがロックンロールしかできないと割り切っていた時期もあったが、さわおさんやこのバンド自体が完全に解き放たれたということがひしひしと伝わってきた。

 

 

山中さわおインタビュー概略(すべてRock is インタビューより)。

 

*タイトルについて

「NOOK IN THE BRAINというのは直訳すると脳の隅っこなんですけど、何か自分の脳みその使ってない隅っこの奥の奥の方に一度も開いたことのない引き出しみたいなものがあって、そこに自分の人生を今よりハッピーにするアイデアが隠れているのであればぜひそこに辿り着いて、そのアイデアを取り出して、身に纏って、生きていく…という哲学・希望を込めたタイトルです」

 

*テーマについて

「曲が出揃ったとき自分が今どういう傾向なのかとか後から俯瞰で気付くようなところがあって...努力や自力では絶対解決出来ないことって世の中には絶対あるじゃないですか。それで憂鬱になっている時間は人生勿体無いなと僕自身思って。となるとそれに関しては全力で現実逃避してもいいと思って。曲を書いてて、その表現を探していたら隅っこ(nook)という言葉に辿りついた」

 

オルタナティヴ・ロックについて

ピロウズなりのオルタナティヴ・ロックを追求したいと思って長年活動してきたけれども、メンバー3人のうち本当にオルタナティヴ・ロックに夢中だったのは僕だけで、ピロウズというチームで作っていくには不具合が起きて上手く行かなくなるのかなと思って。それがすべてではないけれどそのことも何割かあった上で一度活動を休止して、また活動再開した時に一回オルタナ忘れてロックンロールで行こうと思ったけど、音楽ジャンルというよりはメンバーの関係性がどんどん良くなって...もう28年目に差し掛かった長いバンドなのに、一昨年よりも去年、去年より今年の方がいい。その中でオルタナっていうよりは何をやってもいいんだなって。制限がないと自分では感じて、ツアー中曲を書いてたらそういう曲が出来上がった。楽しくレコーディングできた」

 

 

山中さわおレベルでも苦労や苦悩はあるんだなあ。さわおさんほどの人だからかもしれないけど。そんな彼が「努力では解決出来ないことに関しては全力で現実逃避してもいい」って言ってくれるの、めちゃめちゃ救われるなあ。

 

 

 

さてアルバムについて。

帯にこんなフレーズが...

 

《沈む夕陽も昇る朝陽もアイデンティティーはキミ次第 終わりなのかい?始まるのかい?》

 

うわーーーーー田淵さん絶対好きやろこういうのーーーーー

こちらは本作4曲目の歌詞の一部…である。

UNISON SQUARE GARDENのアルバムの帯のフレーズもこういうところからインスパイアされてるのかなあ。

 

 

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 円盤の柄が超絶タイプ。好きです。

 

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そして購入特典としてこちらのビニールケースがついてきた。めっかわ。札幌行くとき絶対持ってくわ。

応援店だとノートがもらえるらしい。

初回限定版にはMVを収録したDVDも付いてる。封入特典もたくさん。

 

 

さあ本題。1曲ずつざっと見ていきましょう。

なんと10曲でぴったり31分!ラストの曲なんて2分もない。この清々しすぎるほどの構成に思わずにやける。曲順もちゃんと考えられてるなあ。

 

 

1.Envy(2:39)

この曲からはじまるライブを観たい。棒立ちでリズム取りたい。

英詞だからって嫌らしさがなくて、決意のようなものを強く感じる。ドラムの堂々としたリズムが心地よくて凛々しい。ビリビリする。

 

2.王様になれ(3:34)

さわおさん曰く、このアルバムの核となる1曲だそう。

Bメロ好きすぎ。ピロウズっぽいし、ちゃんとサビに持っていく構成ができてる絶妙なメロディライン。

《知識の角度変える思考回路の旅 そこから始まるぜ》

まだもっと自分の奥の奥の方に素敵な自分がいるのかもしれない 。

 

3.Hang a vulture!(2:40)

これ好き。歌詞にあんまり意味がないのにサウンドが厚くて、曲として耳障りがいい。キメの作り方がわざとらしくなくてかっこいい!

《埃まみれの誇りなんて捨てちまえ》

おじさんやるなあ。

 

4.パーフェクト・アイディア(2:48)

Aメロのギターリフが印象的。

先述のフレーズは「夕陽」「朝陽」だったけど、歌詞では陽の字がになってる。こだわりかな。

サビの遊び心にわくわくする。

 

5.Coooming sooon(3:09)

これでもかというほどの韻の踏み様。ついついのってしまう感覚。a,ah〜って口ずさんじゃう。サビ前のドラム好きすぎ。サビの口当たりも良くてまとまってる印象。

"王様になれ"の後3曲、ここまでの流れがとても好き。次の曲までブレイクがあるし、意図的なのかなあと。

 

6.She looks like new-born baby(2:48)

これも英語の歌詞だけど嫌味がないんだよなあ。サウンドは80年代洋楽っぽい。

《Throw away a rule book.》

こういう風に生きたいなって思わせてくれる。

 

7.pulse(4:52)

アルバム唯一の4分超え曲。

Aメロのドラムが強い意志を持っていていいなあ。

自分の中で光るもの、熱く燃えるもの、儚く消えるもの...掴めそうで掴めない、そんな感じ。

明るいわけでもないけど、前に1本きちんと道が見えている感じがして心に刺さる1曲だ。

 

8.ジェラニ(3:35)

これはメロディもだけど歌詞がめちゃめちゃ好きだなあ。いろいろ思い浮かべながら聴ける。

中間のギターソロがピロウズっぽくなくて意外性にときめいた。

スルメ曲。何回も聴いていると脳みその隅っこにグイグイ来る感覚。

 

9.BE WILD(3:10)

女子レスリン登坂絵莉選手の応援ソング。

毎日を必死で生きてるいろんな人に聴いて欲しいなと思う1曲。

さわおさんが言う「努力でどうにもならないことは時間の無駄だから逃げよう」というコンセプトが最大限に引き出されている。

《汗をかいてない外野席の冷やかす落書き 気にしない》

アルバムで最も好きな歌詞かもしれない。

Be wild!のコール、ダサいけど(褒めてる)めっちゃ好き。ライブで聴きたい。

 

10.Where do I go?(1:45)

いい意味で最後らしくない、終着点で駆け抜けていくような楽曲。

ラストの歌詞も《By the way, Where do I go?》なのが粋だなあ。さっぱりしてる。

 

 

以上主観解説です。

オルタナに回帰した最高のアルバムでした。

 今まで以上に問いかけの方向がさわおさん自身にも向いてるんじゃないかなという気がしました。

 

 

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現在タワーレコードカフェではこちらの「山中サワー」が販売中。普通にスプリッツァーでしたが、白ワインが効いててめっちゃ美味しかったです。がっつり昼間に飲みましたごめんなさい。

1杯購入すると直筆似顔絵バッジが付いてくる。かわいい。

 

渋谷店では明日12日までだそうですが、梅田のタワレコカフェでは25日まで置いてるらしいので機会あれば飲んでみてください!

タワレコユーザーの方はおわかりかと思いますが、CDを買うとタワレコカフェのクーポンが付いてきますよね。いつもは持て余しがちなあれも、山中サワーに使えます。アルバムを購入してからぜひ。

 

 

 

fun time HOLIDAY6 札幌公演が楽しみすぎて仕方ない。再び素晴らしい一夜が迎えられることは間違いないだろう。ワンマンも申し込もうっと。

 

 

 

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Here's the Fools Who Dream

ミュージカル映画を観た」以上の感情がわきたっている。名前を付けるのは難しい。これ観て響かない人がいるのかと思うくらい昂ったが、感情を押しつけることは絶対にしてはならないと我に返って今に至る。

 

また素晴らしい映画に出会った。

 

 

 

大注目の映画『LA LA LANDが先日ようやく日本で公開された。

第73回ヴェネツィア国際映画祭オープニング作品であり、全米での興行収入は先月末時点で1億ドルを突破している。ゴールデングローブ賞では7部門でノミネートされそのまますべて受賞。本日2/27に行われたアカデミー賞では13部門で14ノミネートされ、監督賞や主演女優賞など6部門での受賞を果たした(ムーンライトと間違えられた件はさておき)。

早速観て参った。

 

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上映されている映画館が限られているため、今回は新宿バルト9へ。

 

[あらすじ]

 

 

 

↓ここからネタバレを含みますので、観てから読むか見ても平気な方だけスクロールしてください

 

 

 

 

 

*監督の話

本作の監督を務めたのは2014年の映画『セッション(原題:whiplash)をヒットさせたデイミアン・チャゼルだ。若干31歳にしてその才能を次々と見せつけている。ハーバード大学を卒業しているというから恐れ入った。しかもこの物語の構想は大学時代からあったようで、脚本も2010年頃からあった模様。まだ実績のなかったチャゼル監督は、いろいろな会社から「このキャストなら撮る」「ジャズじゃなくてロックミュージシャンにしたら」「有名な曲で構成しよう」など様々な条件を突きつけられ、それをすべて断った。『セッション』でバズり、その才能が認められたからこそ監督の要望が叶えられ、この映画がある。

 

 

*主演2人の話

今作の主役はセバスチャン役のライアン・ゴズリングとミア役のエマ・ストーンだが、実は当初マイルズ・テラー(『セッション』に出ている)とエマ・ワトソンがキャスティングされていたらしい。エマ・ワトソンは『美女と野獣』が先に決定していたためにこの話を断ったのだが、一方でゴズリングはこちらの映画が決まっていたために『美女と野獣』を断ったというのだから皮肉なものだ。4人とも演技がとても好きなのだが、個人的にセバスチャンとミアに命を吹き込むのは完成版のキャストでこそ成し得たと思う。

ストーンとゴズリングはこれで3度目の共演。ダンスも演技も息がぴったりで安心して観ていられる。どちらも芯の強さが光って素敵だ。2人とも相変わらず可愛いしかっこいいしで好きすぎる。

 

 

*タイトルの話

La・La・Land」という単語は1970年代後半から使われ始めたスラング寄りの俗語だが、主に2つの意味があると言われる。

 1.恍惚で、心ここにあらず陶酔した状態。
 2.ロサンゼルス周辺のことを差す言葉。

「La」=「LA」=「Los Angels」

ハリウッドやビバリーヒルズなど浮ついたイメージのある地名から連想されてこう呼ばれるようになった。
夢の国で愚かなほど真っ直ぐに夢を追う2人の姿と重なって、的確なタイトルだなあと感じた。

 

 

*撮り方の話

マーティン・スコセッシのボクシング映画『レイジング・ブル』でボクシングのリングの中にカメラを置いたように、ダンスしている群集の中にカメラを置きたかったと語るチャゼル監督。カットを入れない長回しで、躍動感を余すことなく映し出した。

また、本作は35ミリフィルムでの撮影にこだわった。冒頭に映画のスクリーンが横に広がり「CINEMASCOPE」のロゴが映し出される。ぞくぞくした。現代へミュージカル映画の熱量を復活させたいというチャゼル監督の意志だ。

 

 

*オマージュの話

ジェームズ・ディーン主演の『理由なき反抗』をはじめとした数多くの映画のロケ地となった「グリフィス天文台」や、映画『カサブランカ』で使われた窓のセットが組まれているワーナー・ブラザース・スタジオなど、撮影場所は見覚えのある場所ばかりだ。

 

そして各シーンにも過去の名作のオマージュが散りばめられている。

セブとミアが満点の星空の下タップダンスを踊るロマンチックなシーンは、『踊るニューヨーク』(1940)のフレッド・アステアとエレノア・パウエルが星の降るステージでタップダンスを踊るシーンと重なる。

またセブが街灯に登って優雅に踊るのはおなじみ、『雨に唄えば』(1952)でジーン・ケリーが土砂降りの雨の中街灯に登るのを再現している。路上で踊り出したり、女性のドレスが単色だったりという点もこちらの映画からかなと思う。
そしておそらくフランスのミュージカル映画シェルブールの雨傘』(1964)を最も多くなぞっていると感じた。2つの作品に共通する点は多いのだが、『シェルブールの雨傘』の象徴的なエンディングは本作最高のシーン、エピローグと重なる。

 

 

*小ネタの話

要所要所に皮肉が散りばめられていて1人で笑ってしまった。

ミアのカフェにグルテンフリーでないことを理由に返金を要求する客が現れるが、これはハリウッド発祥の「グルテンフリーダイエット」を思わせる。

また日本人としては嬉しいことだが、ミアの車含め止まっていた車がSUZUKIのプリウスだらけだったのはハリウッドセレブの間で大流行したことへの揶揄か。

さらにミアとのデートでセブが間違って一方通行の道に入ってしまいバックで戻る事態があったが、これはロサンゼルスの道路区画がわかりづらく急に一方通行になる道もあるということを知っていればさらに笑えるシーンだ。

また、小ネタと言うには監督に失礼だが、最初の大渋滞のシーンについてである。ロサンゼルスは渋滞で有名なのでその揶揄とも取れるが、もうひとつ意味が隠されていると個人的には思った。「ミアの夢」である。

物語冒頭ではミアはオーディションに落ち続けており、女優への道は思ったように進まない。しかし5年後結婚し、子供も生まれ、女優としても軌道に乗った彼女は、渋滞に巻き込まれても横の道からスイスイ行くことができた。成功の象徴とも言える。

チャゼル監督はこういった示唆を非常に得意とする監督である。なんか切なくもなるけれど。

 

 

*デートの話

映画館で恋人と恋愛モノじゃない映画を観に行って徐々に手絡めるやつやりたーい!プラネタリウムでちゅーしたーい!以上です。

 

 

秒速5センチメートルの話

 昨年『君の名は。で一気にその名を轟かせた新海誠監督の作品『秒速5センチメートル』と重なる部分があるなと思った。『秒速〜では幼馴染みの貴樹と明里が中学生の時に離れ離れとなる。貴樹はずっと明里のことだけを想い続けていたが、明里は次の幸せを見つけていた。

最後の場面で偶然二人が出会い、女側は思い出しつつも今の幸せがあり、それを見てはじめて男側が諦めるところで共通するところがあると感じた。

人によりけりを前提としても男性の方が一途なのかもしれないなあ。わたしはそうは思わないけれど。

 

 

John Legendの話

John Legendが出ていたことを知らずに観たのでびっくりしたよという話。彼はグラミー賞をとったこともある正真正銘のアーティストゆえ、この音楽溢れる映画に彩りを添えたのは間違いない。

 

 

*制作秘話

 ゴズリングはピアニスト役なのだが、実は代役を使っていない。初心者であったにも関わらず、3ヶ月の猛特訓の末にプロが嫉妬するほどの腕前になった。劇中で使用されている音源もすべてゴズリングが弾いたものだというから驚く。自分もかれこれ20年ほどピアノをやっているが、本当に上手いと思った。

またセブとミアが踊るシーンが沢山あるが、彼らは時間が限られている中自主的に時間もたくさん設け練習を重ねた。監督もインタビューにおいて「彼らは自分のすべきことをきちんと理解していた」などと高く評価している。キャストの努力による素晴らしさもあったということだ。

主人公の2人はそれぞれ50回も衣装チェンジをしたというから驚きだ。時に40度を超える日もあったが、汗をかくたびに衣装を変え颯爽と撮影に臨んだという。本当にすごい。

 

 

*夢と大切な人の話

これは本当に難しいトピックだし、何が正解ということはないのかもしれない。わたしはまだ考え方がおこちゃまなのでセバスチャンにはパリについて行ってほしかったし、2人が結ばれるハッピーエンドを望んでいた。いやこれもハッピーエンドといえるのかもしれないけれど。

女優になれるきっかけをくれたセバスチャンのことをわたしがミアなら大切にしなきゃと思ってしまうが、現実はそうではないらしい。劇中では2人ともアメリカンドリームとも言える壮大な夢を叶えたわけだが、プライベートが充実しているのはミアだけ。セブのバーからミアが去る際に振り返ってセブと目を合わせ互いに微笑むシーン...うーん切ない。名シーンだ。

家族や友人、恋人から影響・助けを受けて今の自分がある。夢を突き詰めるためにすべてを置いてパリへ行くような勇気はわたしにはない。そこの裁量ってすごく難しい。

エンドロールを眺めながら色々と考えてしまった。

 

 

 

本当に素敵な映画だった。

まだ観ていないという方はぜひ劇場へ。

 

 

 

 

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ふしだらな夜も良いのさ

就活生は相変わらずライブに行っています。別に余裕なわけじゃありません。エネルギー補給。という名の言い訳。スーツは疲れるね。

 

 

2017年2月24日、中野サンプラザ

 

フジファブリックのツアー"STAND!!"の最終日(追加公演)を観てきた。

 

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フェスで何度も見ており新譜旧譜ともにそこそこ聴いてはいたものの、ワンマンを観るのは初めてだった。

 

フジファブリックのファンの皆さま、これからここで語られる事象はすべて新参者のフィルターがかかっておりますので、あたたかい目で見守ってやってください。

 

 

セットリスト

FREEDOM
Green Bird
STAND!!
ALONE ALONE ALONE
Splash!!
プレリュード
陽炎
have a good time
炎の舞
COLORS
the light
TEENAGER
流線型
夢見るルーザー
徒然モノクローム
夜明けのBEAT
ポラリス
Girl!Girl!Girl!

en.
カンヌの休日feat.山田孝之
銀河
STAR

 

ワンマンで1曲ずつ追うのは酷なので、感想を項目別にちょっとずつ挙げたい。

 

 

中野サンプラザの話

もうこのホールでライブを観るのは十数回目なのだが、なんと今回初めて二階席で観た。天井があみあみになっていて、ホールのサイド中間階に音響ブースがあるということも恥ずかしながら初めて知った。

結論から言うとめちゃ観やすい。NHKホールの2階席より全然視界良好。

素人耳ながら、中野サンプラザの音響は響きすぎないけど音がクリアですごく好きだなあと思う。

 

 

*ファン層と服装の話

ファンの人たちの年齢層の広さに驚く。というかわたし結構若い方(21)だったのでは。腕につけるライトを購入している人はとても多かったけどツアーTシャツを着ている人は想像よりも少なかった印象。ホール+平日っていうのもあるのかな。

上から観ていて通路にはみ出して観ている人が少ないなって思いました。それが普通なのだけど。

 

 

*演出の話

プロジェクターを使った演出が斬新だった。"FREEDOM"での歌詞を浮かび上がらせる演出をはじめ、何か生き物が暴れて水しぶきが上がっているような映像や、臨場感のある車の映像など。個人的にギラギラゴテゴテしたライブは好きじゃないけど、インパクトがありながらもアクトの邪魔をしていなくてすごく好感が持てた。

照明もなかなか粋だった。ドラムのリズムに合わせてぷちぷちするライトが好きだった。派手じゃないけど勢いがあって、盛り上げるサポートとして全力を尽くしている演出はいいなあ。

 

 

*総一郎さんの足の話

弾いてるときの足の動かし方が若かりし頃の桜井和寿さんにとてもよく似てた。でもさらに考えたらエルヴィス・コステロだな。この話は以上。

 

 

*ゆるい話

全体的にめちゃめちゃゆるい。冒頭の曲でダイちゃんと総一郎さんがステージの左の方でギターの上げ下げを一緒にやってたのがめちゃめちゃかわいかった。

MCとかただのゆるゆるかわいいおじさん。"YELLOW"の話、そうだ茅ヶ崎に行こうの話、全作品いいバンドなんてなかなかいない話、なんでもあるとこドンキの話、カンヌの展開聞いちゃう話...ゆるかった。反応が純粋で無邪気。

志村さんのお話のときだけやっぱり空気感は違ったけどね。

 

 

*そんなゆるゆるおじさんがかっこいい話

総一郎さんの1曲ずつの「ありがとう」がとても新鮮だったけどめっちゃええ声。

ダイちゃん"SUPER!!"で前に出てギター弾くとことてもかっこよかった。2階席からもわかるドヤ顔。その後ダイちゃんが帰ってくると総一郎さんがめっちゃあたたかい視線で背中をぽんと叩いたのがよかった。《今を生きている》で総一郎さんが真上指したのエモかったなあ。

 

 

LINE LIVEの話

今回の公演はLINE LIVEで中継が行われた。ダイちゃんがスマホをステージ上で確認(ゆるい)。40何万人観てたらしいけどどういう数え方なんだろうね。ほんとだったらすごい数だ。

地方にお住まいだったり都合があったりで行けない人には素敵なシステムかもしれない。

 

 

*夜明けのBEATとTEENAGERと志村正彦の話

"夜明けのBEAT"志村キーだった。鳥肌たった。最高。

"TEENAGER"やってくれると思わなくてめっちゃ嬉しかった。《おなかはコーラでいっぱい》のところ志村さんもおなかぽんぽんするよね。わたし全然コアなファンじゃないけど、総一郎さんが同じ動きしてただけで目頭熱くなった。

 

 

山田孝之の話

来るかなと言われてはいたが本当に来たね。"カンヌ〜"の途中で彼が出てきた瞬間わたし結構感動したよ。かっこいいわ。タキシードの4人も最高。BOBOさんさすがの短パン。

アウトロでジャケット脱ぎ出したと思ったら背中に「芦田さん」は笑った。2階からも見えた。

あの1曲と最後のためだけに秋田から来た山田孝之、さすがです。

普通に歌上手くて引いた

 

 

*生き残る鍵の話

彼らのライブを観て、オリジナリティという言葉に集約されるかなあと感じた。

リズムの変化を飄々とこなしたり、不協和音や上がりきらないメロディを楽しんだり、サビ前がものすごくわくわくしたり、独特のビートを刻んだり...「これぞフジファブリック」というポイントが確固たるものになっていて、当人たちが何かしらに影響を受けて音楽をやっているとしてもやっていることは二番煎じではない。長く続いている・生き残っているバンドはどこまでもオリジナルだ。

よくあるジャンルや音楽性だって生き残ることは出来るが、その中で最強に突き抜けなければならない。ただいい曲を作るだけでは残っていけないんだなあ。

それに加えてあったかいファンとの信頼関係も重要。この関係の結び方はバンドによって個性出るんじゃなかろうか。

 

 

*ワンマン最高の話

当たり前のようだが、フェス・イベントとワンマンはやはり違う。ワンマンライブを観て感じることは本当に多い。いろんなバンドのライブを観て、「このバンドはここが強い」「一番好きなバンドとはここが違う」など、発見もたくさんある。少しでも興味があれば曲をそんなに知らないバンドでもチケットを取りたいなと思った。今年絶対に観たいのはストレイテナー

 

 

 

山田孝之の登場でだいぶ記憶飛んでるけど、本当に素敵なファイナルでした。19:00の開演(約10分遅れ)で終演が21:40頃だった。結構たっぷり。観に行けてよかったです。

フジフレンドパークUNISON SQUARE GARDEN呼んでくれるって期待してるんですがそのあたりいかがでしょうか。

 

 

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fun time HOLIDAY6

〇〇×UNISON SQUARE GARDENの対バンを「〇〇ゾン」だとか「ユニ〇〇」と呼ぶ慣習、新聞のテレビ欄に書くならなかなか画期的な発想だが個人的にはあまりしっくり来ない。単純な人間による感覚で放つ戯言なので放っておいてほしい。

 

 

2017年2月21日。

ついにUNISON SQUARE GARDENの自主企画「fun time HOLIDAY6」の全12ゲストが発表となった。

 

Twitterにおける反応は様々であったし、UNISON SQUARE GARDENを好きな人の「他の趣味」や「音楽歴(どこを通ってきたか)」が垣間見えてよかった。

 

さてそのゲストバンドである。

超個人的な思い入れと共に見ていく。気になるところがあれば是非見ていってほしい。

 

 

 

4月21日(金) 北海道 Zepp Sapporo
18:00 / 19:00

the pillows

来てしまいましたー。わたしが唯一行ける公演(予定)ピロウズパイセン。ありがとうありがとう本当にありがとう。ああ本当に好き。

初日からピロウズでいいんかい。USG RADIOで言っていたようにファイナル感すら漂う。

この間対バン呼んで頂いたからかわからないけどこれもうちょっと感動してもいいことだと思うんだよなあ。まあ人それぞれだけど。

 「fun time HOLIDAY」シリーズでは稀な2度目の出演(ftH4,2012)。BIGMAMAや藍坊主は過去に出演経験があるので今回は無いだろうなという予想に則りピロウズもその線かと思っていたが、田淵さんのピロウズ愛が募ってか今年再び対バンの運びとなった。また泣かないようにしないとね。後日「Suage+」の感想とともにレポします。

 


5月3日(水・祝) 新潟県 LOTS
16:45 / 17:30 

androp

やっときたー!斎藤枠。

個人的にUNISON SQUARE GARDENandropはファン層がそこそこかぶっているのではないかなあと思っている。宏介さんはandropのファンの方が可愛いと思っているようだけど(根に持ってはいない)。

温度感が決して低いわけではないのに、内に秘めて飄々とアクトをこなすイメージ。あとリズム隊が頭おかしい。前田さん弾き方の幅広すぎて1曲でいくつ使ってるのって感じだし伊藤さんは手数多いのに曲の邪魔をしない、むしろ彩りを加えるドラムを叩く。貴雄がメラメラするのも納得。

曲は結構聴くんだけどライブ2回しか行ったことないので新潟行きたかったなあ。3/20のLIVE HOLICで観れるのでそちらを楽しみにしたい。

 


5月10日(水) 福岡県 DRUM LOGOS
18:15 / 19:00 

9mm Parabellum Bullet

声に出して読みたい日本語。きゅーみりぱらべらむばれっと。対バンするのは「カオスの百年TOUR」の札幌公演(2015.10.10)以来かしら。この時期"instant EGOIST"、"リニアブルーを聴きながら"、"like coffeeのおまじない"、"フルカラープログラム"あたり結構やってた記憶。

 滝さんのアクトが観たいということはわたしが言わずとも皆思っていることであろう。しかしたぶちが言っていたように「長く続けてほしい」「ずっと観たい」バンドなので、治すことに専念して欲しいというのが切なる願いだ。

 


5月12日(金) 大阪府 なんばHatch
18:00 / 19:00 

THE BACK HORN

 大阪の大物とは彼らのことかー!!来るだろうなと思っていましたが名古屋・仙台予想だったので少し驚き。

ベースの岡峰さんがめちゃめちゃ好きなんです。まあ一言で言ってしまうと「すごく上手い」。和音を多用してすごく立体感のあるベースラインを奏でるので、楽曲に厚みを持たせることを本当に得意としているベーシストだなあと思います(主観)。わたし音楽かじってるけどベースは弾けないので詳しい方ごめんなさいね。

バクホンとの対バンは「『KYO-MEI対バンツアー』~命を叫ぶ夜~」の愛知公演(2015.10.24)以来。およそ1年半ぶり。先輩とのアツいライブに期待したい。

 


5月13日(土) 静岡県 浜松窓枠
17:30 / 18:00 

a flood of circle

窓枠でフラッドが観れるとな。ダブルミーニングで羨ましすぎ。窓枠なんて(店長のおかげ?もあって)もともと取りづらいのに更に取れなくなってしまった。

彼らはメンバーの入れ替えを乗り越えて今がある。岡庭さんは失踪したからどうしようもないけど、石井さんが腱鞘炎で抜けてしまったのはなんとも惜しかった。後任ベーシストがHISAYOさんで良かった。

佐々木さんの声は結構クセがあるけど個人的には好き。気になる人は調べてみてほしい。

この2組の対バンを窓枠で観れる人たち、何度だって言うけど非常に贅沢だ。あー行きたい。いいないいな。ギブミーアチケット。



5月17日(水) 石川県 金沢EIGHT HALL
18:30 / 19:00 

SHISHAMO

このラインナップの中で数少ない若手。

彼女ら本当に歌も演奏も上手い。朝子ちゃんを「クレバー」と称するのも納得がいく。

 昨年のSWEET LOVE SHOWERでユニゾンと出演日が同じだったので豪雨の中観てきたのだが、リリース直前のこの曲で泣いた(雨よこの瞬間だけはありがとう)。

どこぞのモデル出身のキャピキャピバンドでにやにやしたいのかもしれないが、わたしはこのバンドにこそ愛着がある。哀愁だって、言葉にならない複雑な感情だって、認めたくない悲しさだって、甘酸っぱい愛おしさだって、全部表現してくれる。ガールズバンドだからって、SHISHAMOを甘く見てはいけない。

三十路のおじさんとのスリーピース同士の対バン、非常に楽しみである。

 


5月18日(木) 愛知県 Zepp Nagoya
18:00 / 19:00 

東京スカパラダイスオーケストラ

スカパラ兄さん〜!昨年ユニゾンとフェスの出演日がかぶっていることが多くてアクトを観る機会が多かった。

 まず人が多い。そして上手い。Zepp NagoyaZeppの中でも割と好きなのでここでスカパラ兄さん観れるのはなんとも素敵なことだ。わたしよりも若い人たちは彼らのアクトを観てどんな感想を持つのかとても気になる。

両者が顔を突き合わせるのはACCIDENT CODE "R"(2015.5.18)以来だろうか、ちょっと自信が無い。違ったら後でこっそり教えてください。こっそり訂正します。

「スリーピースなのに音が厚い」と評価されているUNISON SQUARE GARDEN。この大人数のアクトの後に、どこまで音を響かせることができるか。

 


5月21日(日) 福島県 郡山HIPSHOT JAPAN
17:00 / 17:30 

SCOOBIE DO

就活が終わっていてチケットがあるという夢のような状況ならばこの公演も行きたいと強く思う。SCOOBIE DO観たーい。踊りたーい。

決して派手ではない4人が奏でる最高のファンク。本人たちはファンクとして括られることをあまり好まなくて、「Funk-a-lismo!」(ファンカリズモ)と称してますね。

昔はMCを全くやらなかったらしいのですがあるとき客のノリが悪すぎたために今のプロレスみたいなMCになったようです。

わたしがSCOOBIEと出会ったのはまだイギリスにいたときでした。しかもイギリス人の友達に教えてもらった。今考えると彼女はなんでSCOOBIEを知ってたんだろうな。兎にも角にも出会わせてくれてありがとう。

本当に本当に羨ましい。レポ待ってます。

 


5月26日(金) 宮城県 仙台PIT
18:00 / 19:00 

syrup16g

今回一番の衝撃。UNISON SQUARE GARDENを低く評価していると勘違いして欲しくないが、まさかsyrupを呼べるとは思っていなかった。

 共通点といえば五十嵐さんの曲を書くスピードがめちゃめちゃはやいことかなあ。正しい基準を持って比べることは出来ないけど、田淵さんよりもはやいイメージ。

デビューできるかどうかの大事なライブで、お偉いさんがあまりにも多くてプレッシャーのあまり五十嵐さんがギターを投げつけたというのは有名な話。中畑さんが「気が乗らない」って途中で演奏やめたライブもあったなあ。あれはちゃんとした理由があったんですけどね。

曲の方向性はユニゾンと真逆のような気がする。ハッピーエンドには帰結しない。だからこそこの両バンドがどこまで振り切ってくれるか、期待の幅も大きい。

 


6月1日(木) 香川県 高松festhalle
18:15 / 19:00 

パスピエ

 懲りないなあ。昨年彼らの対バンツアー「印象E」の新木場公演(2016.6.17)にお呼ばれしたわけだが、まあタジタジになるほどにやられ、"場違いハミングバード"のカバーでとどめを刺された。

でもユニゾンパスピエをすごく認めているし、本当に大好きなんだと思う。去年なら絶対に香川まで飛んでいたが、今年は彼らのワンマン、しかもファイナル公演をNHKホールへ観に行くので良しとしよう。

先日出たアルバム「&DNA」がめちゃめちゃ名盤なので是非聴いていただきたい。本当にたまげる。

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6月3日(土) 広島県 BLUE LIVE HIROSHIMA
17:15 / 18:00 

BLUE ENCOUNT

 意外〜!とても意外。1番繋がりがわからないので斎藤枠かなあと思ってます。

土曜日なので大物が来ると勝手に思っていたが、ブルエンとはまさかまさかという気持ち。Whistle Song(2016.3.27)で[Alexandros] と共に3バンドでイベント出演した。

ライブスタンスも、ファンの雰囲気も(両方好きな方がいることは重々承知している)、すべてが真逆のように思うのでそこが対バンとしてどう働くのか、とても楽しみである。田邊泣くなよほんとに。フリじゃないからね。

 


6月7日(水) 東京都 Zepp Tokyo
18:00 / 19:00 

クリープハイプ

うわあクリープだ。絶対来ると思ってたけど東京とは。高まりますねえ。

「レコード会社が正しい」事件を経て仲良くなった尾崎世界観田淵智也。どちらも友達が少なくて現在公式のTwitterアカウントを持っていない。

田淵さんがクリープを呼びたいのはもう薄々どころかゴリゴリ見えていたのですが、東京に持ってきたあたりお互いのバンドを認めている感がすごい。どんな対バンになるかなあ。

東京だし行けたらなあと思ったけど、一応就活6月解禁なんですよね。それまでに決まってたら行きたいなあ。チケットは相変わらず取れないだろうけど。

 

 

何度見ても高まるラインナップ。時間とお金と運が許すならば全部観たい。

4月からはじまるこの企画にわくわくが止まらない。前回のツアーのDVD&Blu-rayにも期待しよう。カメラワークが素晴らしくありますようにというワガママも添えて。

 

 

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ヨロコビに似た天気です

Twitterをばーっとみていたらこんな言葉を多く目にした。

 

「対バンというものに行くのが今回初めて」

 

おー、人生初対バンとな。いいですねえ。

ワンマンしか行かない派だったけどレア曲レアセトリに期待したのか。バンドというジャンルで初めてこの2バンド(もしくはどちらか)に最近ハマったのか。かつてはフェスで新しい音楽を開拓していたのか。やっと予定や場所に都合がついたのか。お金を出したい対バン相手だったからか。他に好きなアーティストが主に大きな会場でやる人たちだったのか。

 

理由なんてなんだっていい。対バンには行かないと決めている人に「行かないと勿体ないよ」なんてことも言わない。

 

ただ、自分はUNISON SQUARE GARDENに「対バン」というものの概念を大きくねじ曲げられた。曲がらないと思っていた鉄パイプをぐにゃぐにゃにされた。

 

 

普通に世の中で行われる「対バン」というものは大体の場合先攻後攻があり、MCで相手バンドとの出会いや思い出を語ったり彼らの曲をカバーしたりする。最後に一緒に演奏なんてこともある。お互いに拍手を!!みたいな感じで終わる。打ち上げの様子がSNSやHPに上がる。

 

いろんなバンドは好きだけど、バンドマン同士の馴れ合いを見せられるのがそもそも好きではない。何のために見ているのかわからないと思ってしまう。これには個人差があると思うので、こういう考え方をする21歳彼氏なし女子大生もいるんだなあ〜くらいに捉えてほしい。

 

対バンとなるとそれが目の前で起こる。本当に避けようがない。あれあれ、わたし音楽聴きに来てるんだけど。


否、もちろんUNISON SQUARE GARDENだって一般的な対バンの枠組みを完全に無視しているわけじゃない。

 

彼らは本当に必要以上の馴れ合いを見せない。長々と思い出を語ったりはしないし、少しMCがあっても(全くないときだってある)いつも通りのアクトをするだけだ。最後に一緒に記念撮影☆とかもしないし煽りだってない。ワンマンの短縮版のような真剣さでセトリは豪華。嵐のように去っていく。爪痕は強烈。うーん最高。

 

 

さて2月18日、LEGO BIG MORLは自身の10周年をお祝いする企画「Thanks Giving」の9回目の公演を行い、ゲストとしてUNISON SQUARE GARDENを岐阜に呼んで開催した。

 

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水戸LIGHT HOUSEへのアーケードをちょっと盛り上げたような通りを抜け、岐阜Club-Gへ。個人的には2回目のライブハウスである。キャパはおよそ600名。

 

LEGO BIG MORLUNISON SQUARE GARDENは同期とのこと(実質年数でいうとユニゾンがちょっとだけお兄さんの模様)。どんな対バンになっただろうか、早速ユニゾンのアクトから。

 

 

 

18:00。ほぼ定刻で暗転するも何故か"絵の具"がなかなかかからず。この数秒すら待ってられない人が絶対いるから、この間はあんまり作ってほしくなかった。しかし原因不明なので何とも言えず。

 

まずは貴雄ちゃんが登場。いつものように白のロングカーディガンを身に纏い、左胸元にはふえるとフレンズ。颯爽とドラムの前に座り確認をはじめる。

 

続いてたぶちさんが登場。鋭い視線。

この時思ったけどクラブジーはステージが高め狭めですね。あまり動き回れなくてその場でへらへらしてました。

 

そして宏介さん。凛々しい表情。

中央で手を広げてからお辞儀をする大好きな一連の動作。イヤモニをつけながら準備。

 

3人が位置につくと、宏介さんがギターをじゃんと鳴らす。あれ?もしかしてカラクリカルカレ??

 

 

*セレナーデが止まらない

違いました。1曲目から3人が飛ばす飛ばす。

宏介さんツアー終えて感情の入れ方がさらに上手くなったなあと再認識。声も、表情も、弾き方も。今日は下手側2列目で観ていたけど、宏介さんがすごく熱を込めていて思わず彼を見てしまいました。

間奏での貴雄の吠え方めっちゃかっこよかったです。田淵さんのコーラスが言い切らない(母音を濁す)歌い方ですごくときめいた。

 


*サンポサキマイライフ

わー、イントロから高まる。武道館でやってからは×BIGMAMA2日目でしかやっていなかったこの曲。めちゃ楽しい。3人も楽しそうだった。

 テーッテテーッテッテッテテー「ハイ!!」

声と上げる手の多さに、宏介さんが思わず笑みをこぼす。合わせることが好きではない人たちが合わせようとしてではなく各々の意志であの曲に対して意思表示をしてるってところが素敵ですよね。

 ちびちびステップたぶち。

 


シュガーソングとビターステップ

お、意外に早い位置で食い込んできた。毎回やるからこそ最後だったりすると予想ができてしまうので、前半の方が個人的には嬉しい。

最近《蓋然性合理主義》で両人差し指を前に出す仕草をする時田淵さんフロア見なくなったなあ。

ロングヒットなダンスチューンという感じがひしひしと伝わってきた。慣れてはきたけど飽きたという感覚はあまりない。

たぶち、楽しそうにフロアを見て頷いてたらコーラスをワンフレーズ飛ばす。 

 

 

*オトノバ中間試験

ちょっと待ってなにこのご褒美。イントロで泣きそうになってしまった。CDJでも×ピロウズでもやってくれたので今日もやってくれるなんてそんなのいくらなんでも都合良過ぎるよねって思っていた最中...

田淵さんはきっとこの曲が「何度もユニゾンを観ている人」にも「初めてユニゾンを聴く人」にもバズるということを改めて噛み締めたんだろうな。与えられた短い時間の中で爆発的に盛り上げることが出来るという意味ではフェスや対バン向きかもしれない。本当に好きな曲なので今日も聴けて嬉しい限りです。

幸せに浸りながら聴いてたらいつもたぶちが優しい笑みを向けてくるのであせる。自己満足だっていいじゃない。それよりも自分の表情がだいぶやばかったんじゃないかと心配になった。

《斎藤に任せといて》前回問題(?)になったこの部分ですが、今回はマイク前で左手を使って指してました。ドヤ顔で。マイクステイなの珍しかったかも。

《制限タイムはあと少し?》のフリをするときの田淵さんの恍惚に満ちた表情なんなのほんと。すき。

《追試でございましょう》 今日は指ささなかったんですよ!!!ここでささなかったの初めてかもしれない

では代わりに何をやったかというと、両手を小さく広げてドヤ顔...そう、"mix juiceのいうとおり"でのシュビドゥバ2回目のフリと同じでした。

3つのツアーを経て確固たるぶち上げチューンにのし上がった1曲。最高オブ最高。 

 


*天国と地獄

いつものイントロ前のセッションを経て、宏介さんの「天国と地獄ぅ」でスタート。

イントロでいつもなら田淵さんは宏介さんの後ろまで走っていって殴るようなフリをしながらコケそうな勢いで戻って来るじゃないですか。しかし先述の通りステージが狭い。あんなことしたらベースヘッド流血事件の再来になってしまう。今日はマイク前からあまり動かず煮えたぎらせてました。

on the bassはほぼいつも通り。on the drumsはあんまり叩かないver.これドキッとして結構好き。

OK people one more time?のとき貴雄ちゃんがばって立ち上がったのめちゃめちゃかっこよかったな。あの挑発的な表情、本能が出てる感じがしてすごくぞくぞくした。

 

 

*未完成デイジー

意味がわからない。イントロで口あんぐり。

fun time ACCIDENT2以来の披露だったのでおよそ2年ぶり。よくもまあこんなにためたものよ。

対バンでバラードがないことも普通にあるので完全に油断していた。

音源より少しだけBPM落としてたかなあ。すごく優しい歌い方。田淵さんもこわれものを扱うような繊細さと苦しげに儚げに、でも柔らかさを持ったコーラスで本当に聴き入ってしまった。

終始薄暗くて後ろが明るい感じの照明の中、スポットが当たって宏介さんのソロ。どこをとってもすごくきれいでした。

この曲のベースラインよく聴いたらすごいお洒落ね。生で聴くと違う気付きもあるなあ。

 

 

*アトラクションがはじまる(they call it "NO.6")

田淵先生、しんみりさせてからのぶち上げチューンとしての使い方がすっかり気に入った模様。レア曲続きで油断してたけど実はここからがエモかった。

まだ音源リリースして1年経っていないのにこんなに耳慣れるとは。ツアーの威力を感じました。

八王子公演(2016.7.15)での微かな記憶を呼び起こしてみると、歌い方が馴染んできた宏介さん。前と違ってBメロに感情こもってたなあ。

最後のジャッジャッジャー ジャッジャッジャー ジャッジャッジャーーーー(シャンシャンシャンシャン) ツッツッツッツッジャッジャッジャジャッジャッジャ(UNISON SQUARE GARDENです!←心の中で) ジャン

めっちゃ好きです。

 

 

*フルカラープログラム
あー、そういうことしちゃう。いいけど泣き崩れるぞ。

ドンタンストントの破壊力よ。好きな曲は数多あれどこれとシャンデリア・ワルツは殿堂入りしてるから、普段にはエモすぎて聴けない。

貴雄ちゃんが上着を一瞬で脱いだ。

3人が向かい合って弾いていたところが照明と相俟って武道館を思わせた。LEGOのお祝いですしミニ武道館ってことでいいんじゃないですかね。

《完全無欠のロックンロールを》のところ、宏介さんがすごく自信に満ちた表情で下を指さしたの本当にグッときた。

 

《ふざけろ!「いつか終わる、悲しみは」どうか忘れないでよ》

 

何度このフレーズに救われてきたんだろう。カラフルな照明とともに力強い演奏を魅せた。

 


*MR. アンディ

少しだけ長めのイントロからの入り。TBCが気持ち良さそうに手を広げる。

 《君が残像に》

 

アンディTBCめちゃくねくねしてて色気がすごかった。ここのクラップも"サンポサキマイライフ"と同じように「やりたいからやる」というフロアの意思が見えて良かった。田淵さんによによしてた。

"MR.アンディ"のAメロベースライン、"シュガー〜"のAメロに次いで好きなので1日に2回も観られるなんて!と興奮していたが、"1日に2回"はこれだけじゃなかった。後述。

 

 

*Cheap Cheap Endroll

「ラスト!」

締めの曲としてこちらもだいぶ成長したなあ。あまりの勢いに隣にいたLEGOファンの女の子が口あんぐり。

田淵が終始ネックを上からおさえる。かわいい。

間奏のところでわたしの目の前にあったスピーカーに座ってけらけら弾いてた。近すぎ。みんな言ってたけどちょっと肉付き良くなったな。

リズム隊が間奏でばきゅんばきゅんしてたのってこの曲だっけ(曖昧)

 

 

 

めっちゃかっこよかったです。

アクトとしては全体的に拍手を送りたい。今までも良かったけど、さらに安心して楽しめる演奏をしてくれているなあと思う。

セトリからこの対バンへの熱が伝わってきてとてもアツかった。彼らにとってやっぱりLEGO BIG MORLはどんな意味でも大切なバンドのひとつなんだなあ。

Dr.Izzyの中でお蔵入りがほぼ決まりつつある曲も、今年どこかで聴けたらなという淡い期待を寄せて。

 

 

 

さて、お次はLEGO BIG MORLである。以前は一通り聴いていたものの最近全く手に取っておらず、ライブを観るのも今回が初めてだった。

 

セトリ

Wait?
テキーラグッバイ

Ray
Spark in the end

ワープ
Blue Birds Story

end-end

MR.アンディ *カバー
正常な狂気
RAINBOW

en.
新曲

 

 (曲名表記に自信が無いので間違ってたらごめんね)

 

一応曲は全部わかったが知識がなさすぎて何一つ書けない…だけど彼らのアクトも本当に良かった。ベースがレフティなのいいですね。

MR.アンディ。カバーなので判断しづらいのだけどparty style ver.だったかな。たぶん。

キーを少し下げても良かったかなと思ったのとLEGOのお客さんにあまり歌わせなくてもなあと(キンタさんの声聴きたい)

でもすごくリスペクトの伝わってくるカバーで心があたたかくなった。素敵でした。

 

LEGOはMCがめちゃめちゃ面白い。言葉の応酬がすごくて普通に笑ってしまった。MCの時間に熱が冷めてしまうタイプだけど、LEGOのMCは好き。

対バン相手のMCをめちゃくちゃいじり倒すはずだったのに、当のUNISON SQUARE GARDENは、というか宏介さんは「Thanks giving(低い声)...LEGO BIG MORL10周年っちゅーことで、今日はこのイベントに呼んで頂きありがとうございます、精一杯演奏したいと思います!」「久しぶりに会ったけど...なんかドラムのダイちゃん大きくなった?」しか言わなかったので、

 

「あいつら全然MCせーへんやん!」

 

と会場を笑わせる。

貴雄に関しては「今日久しぶりに貴雄に会ったけどなんか泥棒みたいになってた。漫画みたいな泥棒なってたね。」と最近のおヒゲフェイスで笑いを取る。

「ある時貴雄がライブを見に来てくれてね?渋谷にあるキャバ100とか200とかの小さいライブハウスだったんだけど、終わったらメールがきてて、途中で出なあかんから感想を手紙に書いて楽屋に置いて来ましたって。いや、メールで書けばええやん!って。楽屋に戻って手紙が置いてあって開けたら字汚くて読まれへんの。」
「それこそメールでよかったよね」

と過去のエピソードも披露。

 

また今回の企画に関しては「大事にしてきたから、長年一緒にやって来たバンドとやりたいと思って今回back numberとユニゾンにお願いした。斎藤には去年の2月くらいから声をかけてて『来年の2月なら空いてるよ〜』って言われて。『売れっ子か!』って。...売れっ子か。」と自虐も交えつつ話してくれた。

 

「昔ね、埼玉の小さいライブハウスでback numberとユニゾンとやったのよ。しかも前座がback numberで、次ユニゾンが出て、俺らが最後...なんなん、俺らだけ売れてないやん!!」

 オチまで完璧ですこと。

 

田淵さんに関しては「今日久しぶりにユニゾンのライブ見たけど動きが進化してたね。昔初めてユニゾン見た時ベースめっちゃ動くやんって思った。その時田淵は演奏中に何故かベース置いていなくなったんだよね。で、もう一回出てきたと思ったらTシャツを着替えてきた。」とユニゾンファンも「あ〜」と思わずニヤニヤしてしまうエピソードを紹介。会場を賑わせた。

 

これくらいしか覚えてなかったけどめっちゃ面白かった。ほんとに最高でした。

 

 

LEGO BIG MORLが信念を持って彼らなりに10年かけて作ってきたものに、UNISON SQUARE GARDENは非常に尊敬や共感の念を表していた。それは彼らのアクトやセトリ、表情からひしひしと伝わってきた。

しばらく距離を置いていた両者だが、お互いに意識し続けていたのだろう。その想いがぶつかりあった、清々しい対バンだった。

 

 

いいライブを観るたびに「これ以上いいライブなんてあるのかしら」と思うのに、どんどん塗り替えて来るから恐ろしい。最早、誰も手にできないような音を見る、いわば摩天楼。

 

 

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米津玄師 - orion

フラゲ日」というのは不思議なものである。発売日というものが(一応)ありながら、前日もしくはそれよりも前にあっけらかんと店頭に並んでいる。禁止されている訳では無いし、入荷してから少しでも早い時間にリスナーの元へ届けるということを考えれば素晴らしいシステムではある。

一方で最近は様々なアーティストがCDショップまわりというものをするようになった。大体の場合公式発売日(もしくはそれ以降)に行われるため、僅かな可能性にかけて巡り会いたいという人はフラゲを我慢してリリース日にお店に行かなければならない。もしくは2日続けてCD店を訪れる必要がある。

CDフラゲとは話が少しずれるが、昔札幌に住んでいたとき、雑誌の入荷が遅いというのは日常茶飯事であった。発売日よりも前に買えるということはまずなかったし、発売日に行っても既視感しかない先月号が堂々と並んでいることがほとんど。地域差なので仕方ないと言えば仕方ないが、マドンナみたいに世界同時発売とかにしてくれないかなあと思っていた時期があった。

 

余計なところで話が長くなった。

本日2/15に米津玄師がシングル"orion"をリリースした。偶然とわかっていながら敢えて声高に言おう。これは米津玄師からの逆バレンタインCDである。異論は認める。わたしも異論あり。でも逆バレンタインってそこそこロマンじゃない?ってことで許して。

 

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 いつものようにタワーレコード渋谷店へ向かった。特設コーナーの前には意外にも男性ファンが多く、試聴したりCDを手に取りアートワークを眺めたりしていた。

 

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この左上で寒そうにしている米津玄師を撮ったカメラマンは中野敬久さんという方なのだが、彼が撮る米津玄師が本当に最高なのだ。昨年行われたツアーや夏フェスの写真も彼が撮っていた。臨場感がありながらも等身大で、米津玄師に内在しているものまで溢れてくるようである。探せば出てくると思うので是非。

 

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サイン。

 

 

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購入したのはこちらの「ライオン盤」。もう一つジャケットと内容が異なる「オリオン盤」も用意されているが、こちらはDVD付き+零くんということで個人的には即決だった。

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法人特典がこちら。クリアブックマーカーらしい。栞をつけて閉じてsee you next session!

 

本作はアニメ「3月のライオン」第2クールのエンディングテーマとして書き下ろされた。原作からのファンなのだが人間として考えさせられることが多くて、すごく心に響く漫画だ。

オープニングテーマの"さよならバイスタンダー"(YUKI, 2017)もシングルを購入したが、こちらも最高なので是非聴いていただきたい。次のアルバムを購入したら記事を書く(予定)。

 

第1クールはOP・ED共にBUMP OF CHICKENが担当していた(アンサー/ファイター)。以前漫画とのコラボレーションもあったため、BUMP OF CHICKENと「3月のライオン」の関係は相当に密である。ここから引き継ぐというのは大いにハードだと思っていたが、この2人が見事に成し遂げた。特にこの25歳はBUMP OF CHICKENのファンであることを公言している。BUMPの4人は彼のことを知っているのかなあと思っていたら、直井由文(Ba.)がこんな爆弾を落としてきた。

 

 

このツイートを見て米津玄師はどう思っただろう。大好きなバンドのメンバーのツイートに自分の名前が出ている。しかも最強スペシャルサンドイッチって。わたしが米津玄師なら泣き崩れた。両アーティストのファンとしても本当に嬉しかった。当の本人はしっかりとバトンを引き継ぎ、3月のライオンの世界に新しい彩りを添えた。

 

 

さて、そのシングルについてである。

前回のシングル"LOSER/ナンバーナイン"からあまり間が空いていない。"LOSER"で衝撃だったことと言えばなんと言ってもこのダンスであろう。

 米津さん踊れるんかーい!

びっくりしたわ。しかもめっちゃ上手い。やってみたかったってだけでこんなに踊れるもんかい。屋上での横ステップみたいなやつ一番好きです。

 

そしてこちらが今回のMV。あれ、踊ってない。戻った感じある。

でもこの曲の世界観・テーマ的にダンスという感じではなかったのかもしれないなあと考えるとなんだか腑に落ちた。

 

1.orion

夜空やプラネタリウムを思わせるキラキラしたイントロ。Aメロからハモりが多くてメロディが綺麗。

このアレンジもしかして蔦谷好位置...?と思ったらドンピシャでした。

  

《心の中 静かに荒む 嵐を飼う 闇の途中で》

 

このフレーズがすごく"ファイター"っぽいなと思った。そういうビューで聴いてみると、"orion"は星座とあなたを歌いながらも「3月のライオン」の世界観をしっかりと表現しているなあと感じた。藤原基央がよく「タイアップ先に合わせて曲を書くのではなく、いつもと同じように自分の体験したことを書いたら話とリンクした。自分とかぶっているところの面積が多いからだ」というようなことを言うが、米津玄師にもそれが当てはまるのではないだろうか。もちろん両者のファンとしてはBUMP OF CHICKENの世界観に知ってか知らずか影響を受けた、とも思いたいが、純粋に彼とこの作品にリンクする面積が大きかったのではないかと強く思った。

3月のライオン」で柱となるのは零くん自身のへばりつくような闇、将棋や自分の境遇に立ち向かう強さ、川本家の明るさ・あたたかさなど。タイアップがついた曲はどれもこのあたりが上手く作品と絡んでいて素敵だ。ファイターに関しては何百回も聴いているのにいまだに泣かずにはいられない。

 

1番Aメロの歌詞。


《あなたの指がその胸がその瞳が 眩しくて少し眩暈がする夜もある それは不意に落ちてきて あまりにも暖かくて 飲み込んだ七色の星 弾ける火花みたいに ぎゅっと僕を困らせた それでまだ歩いて行けること 教わったんだ》

 

零くんと川本家(ひなちゃん)であり、米津自身のことでもあるように思う。タイアップとして聴いたらもちろん前者だが、米津玄師はよく人にあたたかさを教わっているような気がする。

 

 

c/wについてはCDで聴いていただきたいのでざっくりとだけ。

 

2.ララバイさよなら

大好きなライターさんの1人に蜂須賀ちなみさんという方がいるのだが、彼女がこの曲を推していた。聴いて納得。

コード進行にdiorama〜YANKEEあたりを感じて懐かしさすらある。

不協和音ギリギリを這うようなサウンド、古いような荒いような言葉遣い、僻み開き直り自己嫌悪イライラ自虐...これら全部米津玄師。

 

3.翡翠の狼

 タイトルからは想像出来ない南国みたいなサウンド。ラララの部分が妙に軽快。

これも表題曲に劣らずタイアップでよかったんじゃないかって思うくらいの歌詞。なんなら3曲すべてでもおかしくない。

3月のライオン」の世界観を米津玄師はこの3曲ですべて表現しきった。主人公である零くんと米津自身の重なる部分が大きかったり、作品の意図を汲むことができたりと要因はいろいろあると思うが、このタイアップが付くべくして付いたものであるとこの曲を聴いて思わずにはいられなかった。

 

 

 

初回特典として7月14.15日に東京国際フォーラムホールAにて行われるワンマンライブ「RESCUE」の先行シリアルが封入されている。19日までの応募なので、まだの方はぜひ。

 

前回のツアーのチケットが本当に当たらなくて焦った。ギリギリのところでお譲りいただいたのだが、音楽隊まではサクッと取れていたために衝撃が大きかった。今回も2公演のみですしきっとものすごい倍率でしょうよ。こればっかりは仕方ないですね。ホールで観たいな米津玄師。

 

 

米津玄師の凄いところは、才能にしてもその方向性にしても、多様性という言葉を1人で体現している点にある。世の中を皮肉りながらも人のあたたかさに触れて微笑む。止めたくなるくらいに自虐をしても愛する人への気持ちの伝え方はとても清々しくてかっこいい。

どこまでも人間らしく、どこまでも愛おしい25歳。次の一歩はどちらへ。2017年も活躍が楽しみだ。

 

 

 

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BUMP OF CHICKEN 20-21

2月11日という日がBUMP OF CHICKENのファンの多くにとってより特別な日となったきっかけは、恐らく一年前のライブに違いない。往年のファンだって、記念日を意識しない人ならあまり特別に感じたことはなかっただろう。それは4人が自分たちの記念日を公式に盛大に祝うということがかつてなかったからだ。もちろん毎年お祝いしている人もいるだろうので、そこは誤解しないでほしい。

 

2016年の彼らはこれまで以上に自分たちと向き合い、オーディエンスと向き合い、今の音楽シーンにいるBUMP OF CHICKENと向き合った1年だったと思う。臆病で勇敢な4人に感謝したい。

 

 

さて、自分とBUMP OF CHICKENの出会いについて僭越ながら語らせていただく。

 

出会ったのは16年前。当時は父の仕事の都合で、イギリスを中心とした海外と日本を行き来する生活を送っていた。今となっては面倒なので「生まれてから12年間イギリスで過ごしました」と言うが厳密に言うと結構日本にもいた。

 

ある日CDのCMを目にした。不健康そうな男性が最後のワンフレーズをアカペラで歌い、右の目元でピースした。

 

これがわたしがBUMP OF CHICKENに惹かれた日だった。

 

自分では覚えていないのだけれど直後「あのCDが欲しい」と言ったそうだ。誕生日プレゼントとして、近くのCD店に母と一緒に買いに行った記憶は鮮明にある。

 

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その年が明けてすぐ、またイギリスに戻ることになった。転校が多かったので友達は少ない。浅くはすぐに打ち解けられるけれど、心を開くには時間がかかるというのは今も変わっていない。

音楽にすごく助けられた。洋楽も聴いていたけど、日本が本当に恋しかったのでポルノやミスチル、サザンなど、聴きたい曲を見つけては日本にいる親戚に頼んで送ってもらっていた。BUMP OF CHICKENもその中にいた。メジャー1枚目、通算3枚目のオリジナルアルバムである"jupiter"は、文字通りずーっと聴いていた。詳しく書くつもりはないが、BUMP OF CHICKENに救われていた部分は本当に大きい。

 

 

しんみりしてきたので割愛。

 

2016年2月11日。

幕張メッセで20周年記念ライブが行われた。

 

実は落選していたのだけれど、素敵な方のおかげでAブロックで観ることができた。本当に感謝してもしきれない。後にこの方とはUNISON SQUARE GARDENのライブでお会いできたのだが、感謝が募って月並みなお礼しかできなかった。改めて本当にありがとうございました。

 

海浜幕張駅降りたら「チケット譲ってください」の数々。申し訳なさと、恐怖感と、優越感と、感謝と、期待感と...いろんな感情を抱えながら道を進んでいった。

 

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ゆるゆる向かったので物販に5時間かかった。まあこんなもんよね。

 

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セットリストが思い入れのある曲ばかりで、1人で行ったのに終始号泣。ああ、わたしまだ音楽でこんなに泣けたんだなあ。前日に発売されたアルバムを全く引っさげていなかったけど、なんだかそれすら嬉しかった。

DVDには収録されていなかったけれど、藤くんが「この看板は20歳になりました」って言ってくれたのが本当にぐっときた。表現が好きすぎるし、短い文章の中に凝縮された感慨深さが伝わってきた。

 

 

そしてその年の4月から、STADIUM TOUR "BFLY"がスタート。

 

個人的にBUMP OF CHICKENは「ライブを数多く観たい」というバンドではないし、「なるべく近くで観たい」というバンドでもない。1回のライブで心打ちひしがれるほどに圧倒されるからだ。逆に何度も観て楽しいというバンドもいる。これは好きの程度の問題ではないと思っている。BUMP OF CHICKENの放つ音はいつも側に居てくれる感覚。

 

日産2日間のライブを観させてもらった。1日目はありがたいことにお譲りいただいたのだが、2日目は自分で当てることができた。しかもアリーナのブロック。それだけで幸せ。

 

物販が1時間半しか並ばなかったことが衝撃的すぎた。個人的な見解を述べさせていただくならば、グッズのために前日から徹夜で並んだり、始発で眠さや寒さをも引き連れて列へ向かったりしなければならない状況はあんまり楽しくないなあと思っていた。悪びれもせずに代行を頼むのも違うし、それを引き受けて前列で買い占めるのも違うなあ。仕事・学校帰りで滑り込む人たちにも買えてほしい。そういう意味ではMr.Childrenの物販は完璧だった。

日産スタジアムの2日間でも売り切れを危惧してか早くから多くのファンが並んでいたようだが在庫・テントともに本当に十分で、過去最高にスムーズな物販だった。レディクレよりもフェスの物販感(ディスではありません)。スタッフの皆さま本当におつかれさまでした。

 

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開演前のカウント、スタジアム童貞を2日とも言ってみせたチャマ、ゆるいウェーブ、はじめてのアリア、号泣したファイター、夕焼けについて語る藤くん、rayで相変わらずチャマを見るヒロ、喋らないけど愛されているのが伝わってくる秀ちゃん、シールドを壊す藤くん、花火、天体観測、小机駅までの帰り道、夏の夜のくすぐったい匂い、金麦7本。ザイロバンドいらない派ではあったけど、これを見ると書き切れないほどの思い出が甦る。

 

彼らは今年もロックインジャパンフェスに出場し、1番大きなステージのトリを飾った。藤くんのうっかり問題発言(?)もあったものの、安定の演奏でフェスを締めくくってくれた。あの日は朝から本当に楽しかったしすごく戻りたい。

 

 

アリア・アンサーの配信リリースを経て、昨晩である。急遽決定した配信スタジオライブで新曲"リボン"を披露してくれるとのこと。

 

当日、ライブ開始まではわくわくしていたのだが、始まった瞬間から心臓が止まりそうになり、終わったときにはスマホを放り投げて泣いていた。

 

録音・録画はなんだかしたくなくて(そもそもやり方がわからないけど)、アプリで見ながらパソコンでがんばってタイプしてみた。誤植あっても許してね藤くん。

 

*リボン
嵐の中をここまで来たんだ
嵐の中をここまで来たんだ
出会って生まれた光追いかけて

ポケットに勇気がガラス玉ひとつ分
それぞれ持ってるガラス玉ひとつ分

並べても同じ数 あの日から始まりから

つぎはぎの傘 汚れたカンテラ
手作りの地図 大事にいっしょに使った

ここはどこなんだろうね どこに行くんだろうね
誰一人分かってないけど
そばにいることを選んで 
今そばにいるから迷子じゃないんだ

たくさん笑ったり それより遥かに少ない
泣いたり怒ったりしたことの全部が
音符になって繋がって僕らを結んだ

ポケットに恐怖が宇宙と同じくらい
それぞれ持ってる宇宙と同じくらい

同じ時に震えたら強くなれた 弱くなれた

指差したUFO すれ違った野良猫
あくびのユニゾン あと何があった
教えて

意地が恥ずかしさに 負けないで
心で正面から向き合えるよ
僕らを結ぶリボンは解けないわけじゃない
結んで来たんだ

君の勇気を僕が見れば星だ
並べても同じでありたい

ああ ここはどこなんだろうね
どこに行くんだろうね 迷子じゃないんだ

嵐の中をここまで来たんだ
嵐の中をここまで来たんだ

カウントからせーので息を読み合って
泣いたり怒ったり笑ったりの全部で
嵐の中をここまで来たんだ
出会って生まれた光を追いかけて

嵐の中をどこまでも行くんだ
赤い星を並べてどこまでも行くんだ

 

 

UNISON SQUARE GARDENの"プログラムcontinued"のように、自分たちの過去を、楽曲を、紡いでできた唄だ。

"ファイター"、"カルマ"、"ウェザーリポート"、"セントエルモの火"、"グングニル"、"ランプ"...数え出したらきりがない。

 

でもそれより、これらを繋ぐ歌詞にも注目したい。

うまく説明出来ないけれど、どこを掬ってもBUMP OF CHICKENだなあと思う。ある意味で藤原基央の書いてきた歌詞が細部まで実体験でありながらどこまでも普遍的であるということを象徴しているかのようだ。

 

BUMPの4人はリボンにする紐をどこかで買ってくるんじゃなくて、紐になりそうな素材を道端や川辺で拾い集めて全員で紡ぐところからはじめそうだなあ。ただ結ぶだけなら10秒も要らないところを、敢えて何日間もかけて紐を作っていそうだ。

4人にしかわからない言葉を交わし合いながら紐を作る。彼らはきっとそれで満足なんだろう。だからこそこの20周年の1年の終わりを結んでくれたことに感謝が溢れる。わたしたちも仲間に入れてくれてありがとう。20周年という節目を、いろんな場所で、いろんな形で、いっしょに祝わせてくれてありがとう。

 

 

普段いろんな音楽を聴くが、BUMP OF CHICKENには祖父母の家のようなイメージがある。毎日帰る場所ではないが、いつ行ってもあたたかい。迎え入れてくれる雰囲気。原点。日常に戻るときは少し寂しいけど、変わらず明日はやってくる。

 

辛くなったとき、背中を蹴ってほしいときとただ側に居てほしいときがある。BUMP OF CHICKENは後者だ。そのおかげで立ち上がれても、彼らは驕ることなく微笑んで手を振ってくれる。

 

これからもきっとこのへなちょこ4人組にはお世話になるだろう。21年を経ても好きなようにやってほしい。彼らを追って出てきたバンドは本当にたくさんいるのに、当の本人たちはあっけらかんとしている。好きだなあ。

出来ればホールかライブハウスで観たいな。倍率高いのなんて百も承知だから。

 

 

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